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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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「黒執事 Book of Circus」 5→6

 遅く始まって早く終わる、10話という短い尺のアニメのこの寂しさよ。予想外に、面白くなった作品だった。過去2作は本当に適当にしか見てなかったので、もしこれくらいのクオリティだったのならもう1回見直してもいいかも、くらいの気分にはなっている。まぁ、スパッと短く1つのエピソードを終わらせてくれたおかげで見やすかったってのはあるかもしれないけども。

 はっきり言って、昨今のアニメでも飛び抜けて胸くそ悪い話である。元々「悪魔」が主人公のお話なのだから救いが無いのは当然なのかもしれないが、今回は徹頭徹尾「ひどい話」を掘りさげることのみに終始しており、サーカスの実体が明かされてからゴールにいたるまで、何一つ救いは用意されておらず、あくまで最悪の結末、最低の解決に向かって突き進むだけだ。そして、それは単に胸くそ悪くすることが目的なのではなく、実際にそれくらいしか解決方法が無いからこそのエンディングなのである。「正義の反対はもう1つの正義」なんて言い回しがよく使われるが、この作品の場合には「悪の反対にはもう1つの悪」がある。確かにシエルとセバスチャンが筋を通し、職務をまっとうしたことは正しいのだし、シエルの過去を振り返れば彼にも譲れない一線、同情の余地があるのだろう。サーカス側の悪行も弁護のしようはなく、彼らは裁かれるべくして裁かれている。しかし、それは結局サーカス側から見てもシエル側に同様の「悪」があることの裏返しである。これまでシエルが打ち倒してきた様々な悪人と違い、今回のサーカスの面々は、抱えている心の闇がシエルのそれに酷似している。幼少期のトラウマ、失いかけた命を「悪魔」によって救われた身の上。彼らにとって、自分たちの生存が第一であり、それを救ってくれたケルヴィンへの奉仕は何にも優先される命題である。彼らにとってこれ以上の「正義」は存在しないのだ。それをばったばったと切り倒していくファントムハイヴは、疑う余地もなく「悪」なのである。

 こうした2つの「悪」の抗争という救いようの無いテーマが、ちゃんとそのまま「救いようもなく」描かれているのが実に潔い。ヘドが出るような男爵の最低最悪な素性と、それを理解しながらも止めることが出来ず、愛を注いでしまうジョーカーの悲哀。そして、守るべきもののために戦いながら虫けらのように潰されていくサーカスのメンバーたち。どこを取っても本当に悪趣味で、だからこそ興味を引かれるものである。これで最後に良い話風にオチをつけられたりしたら興ざめだが、最終的にシエルは最大の加害者でありながら、心に癒えぬ傷を負う被害者にも成り果てている。きちんとここまでの物語をゴールさせてくれたのだから、何も文句はないのである。

 短い尺の中ではあったが、描くべきキャラクターが絞られていたおかげで描写不足の感は無い。特に中心となったサーカスの面々は非常に活き活きとしており、物語の急展開を盛り上げるために大きく貢献した。個人的に、「普段は昼行灯のくせにいざというときにめちゃヤバい」を臆面もなくやってのけるファントムハイヴ家の従者の面々の活劇が見られたので、あのバトルシーンの容赦無さも好き(ですだよメイドの設定とか無茶過ぎてたまらんよ)。そして、サーカスというどこか妖艶なステージのイメージをそのままに、ちゃんと濡れ場が用意されていてエロく仕上がっているのも高評価。ビースト姉さん、エロちょろくて素敵でした。ドールきゅんの後半の立ち回りも、まったく救われなくてゾクゾクします。それらのサーカス一団を全てとりまとめ、はっきりとテーマ性を絞って見せてくれたジョーカーさんの活躍は言わずもがなである。映像も高品質だったし、良いアニメ化だったと思います。

 というわけで中の人の話になるが、宮野はもうこれでOKとして、やっぱり個人的には彩陽と甲斐田姐さんだな。ドールは最初に登場した時にこういう役回りになるとは思っていなかったので、予想外に彩陽の器用さが楽しめたのが嬉しかった。そして甲斐田ちゃんのエロさが極まる。公式に喘ぎ声を出せる現場です。同じ現場で見られるスタッフが心底羨ましいな!

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