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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 ここ最近割と頻繁に劇場に行ってますね。良いペースだ。まぁ、年中通してずっと劇場作品ばかりだとお財布が保ちませんけど。これくらいの頻度で劇場に行けるのは嬉しいもんですね。実はもう一本観たいものが残っているのだが、今週中に行けるかどうか……。









 もう3期「ORIGINATION」が終わってから7年の時が経過し、1期から数えれば10年もの時代が流れている。今日に至って再び完全新作でアニメ化されるというのだから、本当に愛された作品である。かくいう私も原作からずっとファンだったのでアニメスタッフの情熱にはとても感謝をしていて、作品自体が終わっても変わらず愛されている様子を本当に嬉しく見守っていたものである(まぁ、特にキャストがストライクってのもあるのだが)。劇場版制作が発表され、流石にこれを逃す手は無いと思っていたのでなんとか視聴が間に合って本当に良かった。「たまゆら」はうっかり観るのを忘れてスルーしてしまったので、同じサトジュン作品でもこちらだけは何としても、ね。

 今回の劇場版、上映時間は短いものの、充分に意義のある作品になっている。ぶっちゃけ、ARIAシリーズが劇場で観られるっていうだけでも割と満足度が高いのだが、スクリーンが大きくなることによってネオ・ヴェネツィアの町並みもはっきりと見えるようになるし、時代を経てCG処理で自然に情報量を追加出来るようになった水の描写も実に綺麗だ。元々原作の売りが「絵の緻密さと繊細さ」だった作品であり、アニメもついにその領域で追いついた感がある(今思えば、やっぱり1期の頃の画は固かったからね)。冒頭、ネオ・ヴェネツィアの海面が見え始め、しぶく波間に空の雲が映り込む様子など、まさに原作通りの「ARIA」の世界。その時点で割と満足してしまったものである。

 もちろん、せっかくの劇場版ということで内容の方もきっちり吟味してある。テレビシリーズを思い起こさせるように短いエピソードを3本繋ぐ形にしたのはなかなかの英断。劇場版というとつい長い話を作りたくなるものだが、本作はしっかりと原作者との打ち合わせを行い、作品が綺麗に収まる尺を選択出来ている。その上で、「思い出と、これから」という時間をメインテーマとした縦糸もしっかりと意識されており、一本の長編作品と観ても端正な仕上がり。劇場作品はどうしても「総集編メインであんまり新鮮味が無い」とか、「短い尺の中で色々やろうとして不発」とかいうことがありがちだが、今作は目的意識がはっきりしており、そうした心配とは無縁である。

 一本目はアリシアさんの裏誕生日エピソード。そういやアニメシリーズではやってなかったんだっけ。アニメオリジナル要素として灯里がアイちゃんに思い出話として語るスタイルが踏襲されており、今作ではアイちゃんが既に社員として働いているため、「3人組の友達チーム」が3世代にわたって続いていることをしっかりと意識させるの道標の役割を果たす。アイちゃんが世界を広げるために、まずは「アリシア・晃・アテナ」の3人の繋がりから、というわけだ。それにしても、晃さんの投球、ストライクで手元に渡せるとかマジでドラ1レベルのコントロールやな。

 二本目はアイちゃんがお友達と出会うエピソードを挟んで将来の話に繋ぎながら、この作品の主人公、灯里に1つのけじめをつけるために、ケットシーとの分かれのお話。こうしてみると、ケットシーってトトロみたいだなぁ。原作では非常に切ない一本ではあったが、アニメで観るとヴェネツィア上空でダイナミックに別れを告げるケットシーがなかなかの迫力である。次の第3話でも「別れがあるから、思い出も出会いもある」というテーマが語られているが、灯里が成長するにあたって最も大切な「別れ」の物語は不可欠なものであった。余談だが、作中、アイちゃん達がカフェテラスでお茶しているシーンでは、きちんと「あの」カフェのオーナーさんが背景でくつろいでいるのは嬉しいサプライズである。

 そして三本目は、アニメオリジナルとなる一大パーティーのお話。最後に3つの世代(+グランマ)が一同に介しての大団円。それぞれの世代が独自に未来を観ながらも、そこにしっかりとした繋がりが確認出来ることで、「思い出」と「未来」が接続を果たす。「将来」を思うアリシアさんが後進育成のためにとてもとても頑張っている様子が胸を打つ。時代が流れ、変わったものと変わらないものが混交する不思議な景色は、この作品をまとめ上げるグランドフィナーレに相応しい、見事な幕引きであった。本当に、3本揃ってとても良いシナリオでした。

 さて、ついでなので、せっかくだからここで「思い出」と「未来」を繋ぐ話を付記しておこう。それはつまり、声優の話である。灯里役の葉月絵理乃、アリシア役の大原さやか、藍華役の斎藤千和など、注目したいキャストはたくさんいるが、今作で観るべきはやはり2つの名前だろう。まず「思い出」を語る上で欠かすことが出来ない川上とも子の存在。本作の製作が発表された時、キャスト表には川上とも子の名前が掲載されていた。サトジュン監督たちの気持ちのこもった粋な計らいであったが、正直、新作映画を作るにあたって、とも蔵のことは不安でもあった。新録が出来ないということは、もし音声が必要な場合には過去の音源からのサンプリングということになるだろうが、それが作品全体のバランスを取る上で何らかの制約になってしまわないかと。薄情な物言いかもしれないが、実際の技術の問題はついて回るだろう、という懸念はあった。冒頭のエピソードではアテナさんのカンツォーネが流れるものの台詞は無し(原作からは多少の改変)。そして3話でも結局アテナさんはパーティーに間に合わず、こちらも歌のみの出演となった。「やはり無理だったんだろうけど、こればかりはしょうがない」と諦めかけたその時、最後のワンシーン、これまでの思い出を振り返る回想で、何とあの希望の丘の情景がフラッシュバックし、そこには紛れもなくアテナさんの姿が。そして、あの声が。もう、本当にここしかない、っていうタイミングだった。積もりに積もった思い出、作中の思い出、現実での思い出。それらが全てぐちゃぐちゃになって、一気に涙が噴き出した。アテナさんの思いが、そして1人の声優・川上とも子の思いが、アテナさんの手を通じてアリスへ、未来へ引き継がれる。そんな光景だった。本当に、色んなものが詰まった世界になっていたのだなぁ。とも蔵、本当にありがとう。

 そして、新たに受け継がれた「未来」の話をするなら、それはもちろん、声優・茅野愛衣のお話になるのである。川上とも子の没年は2011年、役者としての仕事はその前年まででほぼ全てであり、茅野愛衣の本格的なデビューはその2011年である。そしてこのかやのん、声優になるきっかけが「ARIA」であるというのは有名な話。それまでエステティシャンとして働いていたかやのんが、たまたまテレビで観た「ARIA」から声優を志したのは「ORIGINATION」の時である。もちろんサトジュン監督もそれを知っていて今回のキャスティングをオファーしている。これまで培われてきた「ARIA」の癒しの力が、一人の声優を生み出し、最後の最後で、彼女との縁を繋ぐ事が出来た。まるで、声優文化の橋渡しであるかのように。何とも不思議な、でっかいみらくるなのです。

 「ARIA」という作品は、おそらくこの映画で(そしてパンフに載っていた描き下ろしの漫画で)本当に最後になることだろう。ちょっぴり残念ではあるが、別れが寂しいことは良いことだと、作中で灯里も言っている。こうして見事な幕引きを迎えられたことは、いちファンとして本当に嬉しく思うし、制作に携わったスタッフの方々には、改めて感謝したい。恥ずかしい台詞も、たまにはいいもんですよ。

 蛇足・まぁ社長、あのままおっきくなってたな……今回アルとか男連中が登場しなかったもんだから、明乃さんのお仕事がまぁ社長の鳴き声だけだった……。

 

 

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