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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 珍しく、切った張ったの第6話。多分これまでの中では一番動きがあった回じゃないでしょうか。それだけに、この作品の中では異色の回と言えなくもない。

 梅のかつての知人、仙吉を追い詰めていた悪党の伝七は、小金を脅し取るだけでは飽きたらず、仙吉には仲間に戻るように詰め寄り、それが高じて梅の店や、ご隠居にまでたかりの範囲を拡大していく。元々梅のことを恨めしく思っていた仙吉だったが、今回のことは完全に不測の事態。あれよあれよと追い詰められ、最終的な結論は、「最初からこうしてりゃ良かった」という台詞が漏れ聞こえた刃傷沙汰。悪党どもの腹の探り合いが繰り返される世界ではあったのだが、やはり実際に人死にが出ると、取り返しのつかない事態になってしまったことが実感出来る。かどわかしのみで事を成す「義賊」の面々に、今回の事件はどのように映ったのだろうか。

 正直言うと、伝七の命を奪ってしまうという幕切れは、いささか拍子抜けではあった。五葉の本質はあくまで建前上の義賊という看板を守りながら、「誰1人悪人のいない悪党」として、なるべく不幸の規模が大きくならないように立ち回ってきた印象があるからだ。今回、実際に伝七を手にかけたのは仙吉であるが、彼の凶行を事前に防ぐ手段もなく、ことが起こった後でも積極的に解決に導けなかったのはちょっと残念。そりゃま、あの状態からどうなるものでもないだろうが、もっとミラクルな何かを期待してしまっていたので、事件の本質的な部分ではちょっとしょんぼり。

 勿論、それはこちらの勝手な望みであって、今回メインで描かれるべきは、梅を中心として描かれた五葉の「思い」の形。メンバーの全員が梅の事情を一切聞いておらず、その上で、今回の事件が少しでもマシな形になるように、各人が心を砕いているのが分かる。おたけは単に野次馬根性からご隠居宅を覗きに行ったのかもしれないが、伝七の存在が発覚した後の松吉と弥一の心遣いは最後に確認出来た通り。そんな心遣いを思わず口に出して確認してしまう野暮な政之助も、きちんと「梅との義理」を守るべく、ご隠居の前に出ることが出来たのだ。お互いに距離を置き合っているように見えて、気付けば1つの問題に5人であたっている五葉の姿は、ちょっといい話。

 そして、画面上の特徴としては、冒頭でも書いた通り、この作品にしては動的なシーンが多かったのが印象的。例えば伝七が仙吉の首根っこを掴んで脅しをかけるシーンなんかはカメラアングルも動きを意識したポジションであったし、実に1話以来(!)となる政之助の用心棒らしい剣裁きのシーンも、短いながらもシュッとした動きが目に映える。そして、驚くべきことに、今回あれだけのすったもんだがあったにも関わらず、めだって「動きがあった」シーンはこれくらいのもの。普通の作品なら、流石にもう少しダイナミックなシーンで売り込んでくるべきところだ。

 しかし、この作品は本当に徹底的に「動き」を捨象する。今回顕著だったのは、伝七が匕首を抜いて斬りかかった最初のシーンで、画面の切り替わりで、突然政之助が腕から血を流す場面になる。実際に伝七が刃物を振り回した場面はカットされているのだ。また、仙吉が伝七に出刃を突き刺す場面も、上半身のみの描写なので実際に突き刺したところは描かれていない。今回2回もあった「斬りつける」シーンが、どちらも全く描かれないのだ。このこだわりは凄い。おそらく監督の意向だろうが、この作品からは、江戸ものというと典型的にイメージされる「チャンバラ」を要素を極限までそぎ落とし、それを取り囲む五葉の人間関係だけにスポットを当てる意図があるのだろう。

 このこだわりは、個人的にはそれなりに評価出来るものだと思っている。陰影の深いキャラデザのおかげで、夜中に碁を打ちながら語らうご隠居と政之助の会話劇もじっとりと重みが出るし、ラストシーンで弥一が姿を現した際のご隠居の感嘆の声も、画面に描写される以上の存在感をもって現れる。このあたりの心情の揺れの描写は、全編を通じて「静かな」画面が貫かれているからこそ、映える部分であろう。

 出来ればこのままの演出姿勢で貫き通してほしいとは思っているが、ラストで弥一の過去に関わる何かが動き出しそうな気配。今回以上に動きの多い展開になったら、今後はどうなっていくかな? 気になるところです。

 ちなみに、髪を下ろして行水をしていた政之助のところに弥一が訪れ、政之助が「あらまぁ、あなたが来るならもう少し身だしなみに気をつけてましたのに」とちょっとテレ気味で言ったシーンは…………腐女子向けのセッティングなのでしょうか? マサさん、なんでそんな恋する乙女みたいな顔するのよ! 

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