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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 なぁ、世の常識として、天守閣ってのは必ず動いて火力をぶちまけるもんだっていう認識があるのかい? いや、たまたま今作と「桜花忍法帖」を続けて観たせいでそんな気がしているんだけど……まぁ、キン肉マンフリークからすると、天守閣って空飛んで合体するモノだからな。

 さておき観てきました、局所的に話題を読んでいます、ニンジャバットマンです。あらかじめお断りしておくと、わたしゃアメコミ界隈の知識はほんとのほんとにゼロである。こういう「バットマンみたいなやつ」のことを何系と称していいのかもよくわかってない。周りには好きな人間も多いし、私自身もこんだけ日本のアニメやら特撮やらを好んでいるのだから観たら間違いなく楽しいとは思うのだが、何しろ向こうの文化は本当に数が多く、これ以上手広くやってしまうとフォローしきれなくなるだろう、という恐怖心から近づかないようにしているのだ。おかげで、今作を見に行く際も「バットマンとは何者なのか?」という部分の下準備から始める必要があり、そっち方面も好きな人間に尋ねたところ「ただの金持ってるおっさんやで」という身もふたもないことを言われた。そう、僕はただの金持ってるおっさんの映画をわざわざ観に行くのである。

 

 

<以下、一応ネタバレ注意だが、今作もあんまり気にする必要はないかも>

 




 

 まず、印象を一言でまとめるなら、これ、「昔やってた藤子不二雄作品の合作映画」のやつやん。今の若い子は絶対知らないだろうけど、おっちゃんらが小さい頃にやってた(流石にほとんどリアルタイムで見た記憶はないのだが)、パーマンとハットリ君が一緒の作品に出て共闘するタイプのやつ。なんか、お祭り騒ぎの雰囲気がそういうわけのわからないどんちゃん騒ぎによく似ていて、キャラクターが節操なく集まって暴れ散らかす感じに同じものを感じる(知らないなりにそう思う)。無茶苦茶な状況になるための説明は最低限にとどめ、とにかくシチュエーションのおかしさとドンパチの盛り上がりを見てもらおう、という徹底してエンタメに振り切れた映像作品だ。頭の悪さが際立っているが、そのぶん、めっちゃ楽しい。バットマンについて何一つ知らなくても問題なく楽しい。だって、画面いっぱいにバカなんだもん。

 本作を見ている時に主に2つの視点で見ていた気がする。1つは、なんだか恣意的な結びつけ方ではあるが、たまたま時期が重なった「犬ヶ島」との対比。奇しくも2つの作品は「なんちゃってジャポネスク」というところでリンクしており、いかにも日本的な舞台設定や装飾が、ちぐはぐな異国文化に揉まれて振り切れたギャグになっているところが共通している。しかし、実際には2つのベクトルは真逆のものになっている。「犬ヶ島」は、海外のクリエイターが忠実に日本文化を再現しようと「寄せて」きた世界観で、病的なまでにディティールにこだわって「日本的な表層」を形成したもの。それが見事に味わいに昇華されているのだが、突き詰めていけばやはり「違和感」が最大の見どころということになる。日本的な舞台のはずなのに言語的な差異を最後の最後まで視聴者に意識させ続け、「日本に見えるはずなのに、決定的に日本的じゃない」映画を生み出しているのが面白味なのだ。

 それに対し、今作はバットマンたちアメコミヒーローが中心になっているので、あくまでも「本来あるべき日本に異物を紛れ込ませる」ことが前提として存在し、最終的に究極合体ロボや超巨大合成猿といった「あり得ないもの」に突き抜けて行く。しかし、どこをどう見ても日本を描こうとはしていないはずなのだが、勧善懲悪で見せ続けるおきまりのヒーロー展開など、やはり根底に流れる政策理念には、日本人クリエイターの日本的なこだわりが伺えるのである。どちらの世界も本当にFunnyだしInterestingなのだが、単純な好みで言えば、やはり本作の見せるケレン味たっぷりの分かりやすい「アニメテイスト」の方が、私の場合は好みかな。

 そう、「アニメテイスト」っていうのが2つ目の視点だ。本作が混ぜ込もうとしたのは単純な「和洋」の対比ではない、「洋」の方は当然「アメコミ的テイスト」であり、神風動画が作り出した渾身のアニメデザインは、まさにアメコミ的な描画をそのまま動画に落とし込んだかのようである。ヒーローたちの細かい動きの見せ方にもどこかハリウッドを意識したような「アメリカ的な」匂いが強く、実写作品が先立っている「バットマン」という作品に最大限に敬意を表しつつ、寄せていこうとしている様子が伺える。そして、そんなアメコミに混ぜ込むべき「和」の心は、江戸時代を描写するための茶道の精神や武士道の理念ではない。はっきりと、現代アニメにも流れている「日本的なヒーロー作品」の血脈である。あまりにも無体な設定の合体ロボットの設定は、元をたどれば当然スーパーロボットや特撮ヒーローの文化であるが、それが研ぎ澄まされ、先鋭化しすぎたバカバカしいまでのぶっ飛び具合は、どう見ても「グレンラガン」の系譜である。「まぁ、中島かずきだからそう感じたんじゃない?」と言われればそれまでだが、やろうとしていることは間違いなく天元突破。今回はシモンが生き残るために外敵と戦う必要がなかったので宇宙に飛び出して銀河で殴り合う展開はなかったが、「日本」という舞台の上でできる最大限のことをやろうと思ったら、お城を変形させてロボにし、さらにそのロボを合体させて超超巨大お城を殴りあわせるしかないのである。いや、絶対間違ってるけど。「しかないのである」じゃねぇけど。

 もうね、この「アメコミ要素も馬鹿だし、日本の現代アニメも馬鹿なんだから、2つの馬鹿が合わさったら楽しいでしょ」っていう考え方自体が馬鹿。そして、馬鹿だから楽しい。本当に視聴中は笑いをこらえるのが大変だったが、双面城のどないやねんなデザイン性なんかでいちいち笑わされてしまう。ジョーカーさんが本当に溌剌としていて、どれだけストーリーが進んでも「ここで収束するのかな?」なんて安心感を一切与えず盛り上げ続けてくれるのが本当に嬉しい。バットマンがクソ真面目な分、敵役の面々がずるいくらいにキャラを立てていて、ジョーカーにしろゴリラにしろ、全員がムカつくくらいにイカしているのである。

 こうして馬鹿全開の脚本を見事に形にしたのが、神風動画がコントロールしきったシュールなまでに研ぎ澄まされた動画部分であろう。「アメコミ風のクドい絵柄」が一切のストレスなしに動くというだけでもすごいのに、そこに(いかにも向こうの人が喜びそうな)なんちゃって和風テイストもげっぷが出るくらいに混ぜ込んでくる。個人的にお気に入りなのは勢力分布の説明時に出てきたねぶたパートですかね。エンドロール見たらわざわざ「ねぶたデザイン」で1チーム使ってるのは笑ったわ。他にも、個人的には「虚無僧パート」って呼びたいあの「問題のシーン」(エンドロールでは「牧歌パート」となっている)。あれは「かぐや姫の物語」あたりからヒントを得たんですかね。今回パンフが売り切れてたせいで現時点で確認が取れないのだが、「牧歌パート」の制作担当の中にうつのみや理も参加してたよね?! まぁ、いるわな! 一見すると「なんだこりゃ?!」ってなるシーンなんだけど、ふざけたようなデザイン性の「崩し」の中に、やたら手の込んだ背景描写や動画モーションが盛り込まれているので1カットたりとも油断できない。あのシーンはちゃんと「ジョーカー側」で描かれているという意味が込められているのも心憎いよなぁ。

 そして、これだけ特濃の勘弁してほしいレベルのキャラを完璧なものに仕上げた熟練のキャスト陣のお仕事にももちろん注目しないわけにはいかない。今作のMVPは文句なしでジョーカー役の高木渉だろうが、史上最も格好いいゴリラを演じた子安の仕事ぶりも流石としか言いようがない。ゴリラ&ペンギンの再開シーン、DIOとウィルソンフィリップス上院議員の再会シーンでもあるんだよな。そして、そんな中でも埋もれずにオリジナルの魅力を発揮してくれているのがハーレイ・クイン役のくぎゅうこと釘宮理恵である。勝手な思い入れからハーレイ・クインという役にはのじょさんを当てて欲しかった気がしたのだが、あれだけの魅力を持つ釘宮版を叩きつけられては黙り込むしかない。本当に魔性である。いやいや、全部書けないけどどのキャラも最高にイカしてて、イカれてたよ!

 そして、こんな際立ったキャラクターたちを見せられると……やっぱり「原典ではどんなキャラなんだ?」って気になってきちゃうんだよなぁ……。これ、やばいやつやん。今まで避けてきた文化に、触れてみたくなるやつやん。いや、大丈夫、開拓する時間ないから。観られないから。……今ちょっと「ペンギンって元はどんなキャラなんだろう?」って思って検索して絶望したんですけどね。ペンギンじゃないじゃん!(当たり前や)

 怪我をしない範囲でこの文化を楽しむために、何か程よい接し方をご存知の方がいましたらご教授ください。とりあえず、日本のアニメは素敵だよ! 

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