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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 これは……どう見ても最終回…………最終回!

 なんかもう、「最終回」っていう存在のイデアを詰められるだけ詰め込んだみたいなお話だった。もともと「Don’t think, Feeeeel!」を地でいくような脚本の作品だったが、今回の展開も「最終回だからこうなるやろ!」みたいなお約束遵守のギッチギチ展開が感動するとか驚くとかいう以前に笑えてしまう。あれだけ謎の核心としてもったいつけてた白窓の部屋も、清衣さんが入れたことで誰もが入れるようになり、「夢の歴代ルリグ大集合バトル!」という劇場版のおまけみたいな展開が容易く実現。個人的にはどさくさに紛れて参戦してきてる花代さん・緑子さんあたりより、敵サイドに選ばれてる面子が「やっぱお前らは敵なんやな」って感じでちょっと面白かった。ウリスさんは……ウリスさんは出なかったけどね……まぁ、そこはやっぱり繭としても夢限としても譲れない線引きだったんだろうね。ほとんどの連中は復活したんだけどな……。

 しかし、こうして「夢の対決を実現させるための節操のないお祭り展開」になっているのは間違い無いのだが、それなりにこれまでの「WIXOSS」作品の幕引きとして意義を持っていたのも事実である。無理やり考えてみると、突然登場した謎のボスキャラ「夢限」については、とにかく虚無に虚無を重ねたネオエクスデスみたいな存在だと片付けてしまうこともできるが、あそこで静止した繭のわだかまった感情の残滓であると考えると、行動原理には存外説得力があるものだ。

 彼女と清衣の間にある違いを端的に表現する言葉として、今回「選択」という言葉が繰り返し用いられている。アニメの始まりのタイトルが「selector」であり、常に「セレクターバトル」という名前を使ってきたのだから、そのフィールド上で戦い続ける「セレクター」たちの本質を「選択」とするのは実に真っ当な展開。夢限はすでに静止してしまっている繭の残留思念であり、扉のない「白窓」で永遠に彷徨い続けている一人の少女の孤独の体現であるから、それ以上先に進むことを「選択」することは絶対にできない。彼女に残されているのは、たった1人で夢想世界へと旅立ち、非現実の友達と遊び続けた一人の少女の悲しい末路だけである。そうして「選べなかった」という思いが世界を作り、周りを巻き込んでいったことで今作の悲劇が始まっている。もちろん繭にも「進まなければいけない」という想いはあったはずで、アニメ第1シリーズではタマとユキという2人のルリグが彼女の「白い」気持ちを体現することで一時的な解決を見た。今回も置かれている状況は同じようなものだが、あくまで繭という同一個体から生み出された「夢限」と「タマ&ユキ」は、立場的に対等であり、ゲームに決着をつけるだけの有意差が存在しないのだ。だからこそ「夢限」という「遊び続けてずっと部屋に止まり続けなければいけない」という「選択しない選択」に対し、タマたちは「扉」と「鍵」になり、次へ進むという「選択」を参加者に提示するにとどまったのである。

 「留まり続けること」は必ずしも悪いだけの概念ではない。繰り返し行われる夢想の中にも楽しさは間違いなく存在するわけで、第2シーズン以降に生み出されたルリグたちは、そうした「バトルに参加すること」の楽しさ、苦しさといった感情が形を伴って現れた存在だったと考えることができる。リル&メルコンビがすず子達の「一緒に遊び続ける」友情の具現化であったことはわかりやすい表れだが、他にも、ゲームを通じて他者の運命を弄び、ひたすらゲームの中だけで享楽を求めたいという破滅的な快楽は文字通りの「カーニバル」となって現れたし、対戦ゲームであるWIXOSSの「他人とのぶつかり合い」を楽しむことはレイラを生み出したかもしれない。それぞれのルリグはセレクターたちと交流することで新たな自我を持っていくことになるが、結局、人と触れ合い、自分を変えていく過程そのものが、常に「選択」の連続なのだ。最終決戦でほとんど全てのルリグが(生みの親とも言える)夢限に敵対することになってしまったのは、「選択しないという選択」は、どこまでいっても行き止まりであり、新たな命となった数多のルリグたちの存在と相入れなくなってしまったということなのだろう。

 こうして、全ての参加者は「変えること」を望み、次の一歩を「選択」した。それは、白窓の部屋でずっと待ち続けていた夢限にとっても、「ずっとゲームを続けること」を宿命づけられたルリグたちにとっても望まれた結末。本来ならば現実で身体を持たぬはずのルリグたちが現世に数多く現れていたことは、そんな幸せな結末を彩る1つの奇跡であろうか。まぁ、1期ラストでタマが実体をもらっていたのだから、リルやメルが生まれてくるくらいはサービスとして認めてあげてもいいじゃない。まぁ、レイラの実体にはあまり近づきたくないかもしれないが……。

 長かった1つのゲームが終わり、子供達はまた新しい世界で選択を続ける。誰もが自分だけの世界を求め続けながら。

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