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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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「劇団スフィア」 *→6

 今期、「何がおすすめなんですか」って聞かれるといつものように「ブログ見ろ」と答えることしかできなかったわけですが、いまいち推せる作品に乏しかった中、個人的にイチオシだと言えたのは実はこれなんです。アニメですらない。アニメじゃない。ほんとのことさ。

 とりあえず間違いなくいえるのことは「やっぱ俺このユニット大好きやわ」ということ。最近ミュージックレインも第3世代の登場を打ち出し、すでに2世代前の「古株」となったスフィアの面々。年齢的にもいい具合に円熟味を増し、「アイドル」だった時代から一人一人の「個性派女優」へと確実にキャリアを重ねている。そんな中でスフィアの素晴らしいところは、ユニット間でのウェイトの差が無く、4人が全て「看板」たり得るところである。出たての頃は戸松が突出していたが、「最後」の美菜子が異形の進化を遂げることで全員に並び立ち、誰もが一筋縄ではいかない声優・女優としてその地位を不動のものとした。一人一人を見ていても変幻自在の芸幅の広さには感心するばかりだが、その4人が集まり、5本もの脚本で全て異なる立ち位置の役柄を演じてくれるという当番組の企画は、スフィアというユニットが持つ旨味を最大限に発揮できる最高の舞台だった。もう、誰が画面に写ってても面白いのである。

 甲乙つけがたいが、個人的に一番のお気に入りは4本目の「渇望〜三十路の祭りに〜」だろうか。設定自体がちょうどキャスト自体の年齢層に近く、結成10周年を超えたスフィアの節目の物語としても不思議なリンクがあるようなないような(あったら困るんだけど)。とにかくブチギレる演技が多かったこともあり、リーダーである彩陽のかっ飛ばした演技が見られるのも良いし、ホスト役となってシナリオを回すのが「若女将」風の美菜子というセッティングも最高。豊崎キャラは軽薄だと味わいが増すし、タバコを加えてくたびれ果てた戸松の風貌はなぜか恐ろしいまでの説得力がある。やはり10年以上この4人を追いかけ続けた地層の積み重ねが、こうした配役の妙をさらに楽しいものにしてくれている。

 一人ずつ見ていくと、彩陽はとにかく損な役回りというか、徹底したコメディリリーフを演じさせた時のノリがひたすら濃い。そういう意味でベストアクトは2作目の「血塗られたブラジャー」だろうか。表情全体を使ったムカつくキャラの造形が最高で、徹底して憎まれ役になってくれるので2作目や4作目の物語に遠慮なく没入することができる。

 豊崎はどこかズレた空気感で4人の中でもアクセントになる印象があり、そういう意味ではラストの「コミックオブザデッド」での浮いた存在感が稀有である。これだけフワフワと煙に巻くようなキャラ造形を作っているのに、どこか「ありそう」と思わせる空気の匂わせ方は天然由来の成分なのだろうか。「ラブホテル602」でのビシッとスーツを決めた衣装の時に見えるスタイルの良さも、アクターとしての素地の良さを見せつけてくれている。

 常に中心にあってユニットをかき回す戸松。本人のイメージそのままのカッ飛んだ役を見せてくれる時のエネルギー量は相変わらずだし、声優業でもしばしば見られる抑えた役どころでもしっかり爪痕を残すだけの存在感を放つのは声の力なのか、彼女の圧の強さ故か。彼女の目を剥いた表情はなぜか実家のような安心感があり、4作目のようなシリアスな作品の中での恫喝や激情、5作目のようなコミカルな演技の中でのおどけや一発ギャグとしても十全に仕事をしている。力に加えて技まで手にしたら最強ではないか。

 そして、ここ数年のスフィアを語る上で外すことができないのは寿美菜子という屋台骨の存在。彼女が上り詰めたことでスフィアが完成したと言っても過言ではない。戸松や彩陽のような圧があるわけではないので調整役に回ることが多いイメージなのだが、彼女が中心となった4作目が一番のインパクトを残したことを考えれば、やはり裏に表に自由に出し入れできる役者としての技量が尋常ではないことの表れだ。そしてなんと言っても「ラブホテル602」での彼女の役回り……ねぇ、なんで美菜子は「そっち」のイメージがこんなに強いの? 最高かよ。

 個人的には脚本ごとの好みで言えば4>3>2≧5>1くらいかな。正直、1本目の「SHELTER」はすごく安易な「マイナー劇団が思いついた寸劇」みたいな印象だったのであまりハマらなかったのだが(だから番組開始時に感想を書く気もなかった)、2作目以降で「自由すぎる集団やなぁ」というのがよくわかり、急激に盛り上がったのである。

 スフィアの中で1人でも好きな声優がいる、という人はぜひ見てほしい怪作である。過去に放送していた「スフィアクラブ」とは意味合いが全然違うので、これだけでも永久保存版。っていうか、もっとこういう番組が増えればいいのに。

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