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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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「バビロン」 5→5

 な? とりあえず新番チェックの文章コピペしておくと、「『なんだこの投げっぱなしなクソ展開は!』ってアニメ放送終了後に叩かれる未来が見えるな」。なんだこの投げっぱなしなクソ展開は! 原作通りやんけ!

 とりあえず、もうここで今期の感想はゴールってことでいいだろう。一応総数を数えておくと38本。前クールの34本よりも微増で、全体的に低調だったクールだが、その分意地になって切らずに視聴を続けた作品が多かったってことかもしれない。まぁ、今作のように時期がずれ込んだり、完走するのが大変な作品も多かったわけだが……今後はこれがスタンダードになったりしたら嫌だなぁ。

 さておき今作のお話に戻ろう。厳密にいうと、なんとラストはかなり大幅な改変がなされており、より救われない要素が1点追加されている(あの後、どうあがいても正崎は詰んでるので続編がありえない)。原作とアニメのどちらの締め方が良いかは意見の分かれるところだが、どちらもきちんと今作の伝えたい部分は伝わっていると思うので、「アナザーストーリー」とでも解釈すれば良いか。

 さておき……まぁ、こういう評価になってしまうんだろうな、という作品である。それは分かっていたことなので構わないのだが、やっぱり改めて「原作読めよ……より丁寧に絶望できるから……」とは思う。昨今のアニメの消費状態を考えるに、今作を1クール作品として組み上げてまともな評価が出てくる方が難しいだろう。筋だけを追って「投げっぱなし」「むちゃくちゃ」と言われるのが関の山である。何故そういう評価につながるかといえば、結局現代アニメの消化スタイルってのは、とにかくあらすじがわかればそれでいいのだ。起承転結があり、落ち着くべきところに落ち着くのが美徳だとされるのだ。そんな中でチャレンジングな作品作りは難しいだろう。

 原作を読めばわかるが(もしくは原作を読んだ上でアニメを見てもわかるが)、本作の最大の眼目は誰が死ぬとか殺されるとかいう話ではなく、「なぜ死ぬのか」「殺してもいいのか」という「生と死」の問題をひたすら突き詰める部分にある。「自殺は悪いことなのか」なんて道徳の教科書で議論されるような話を、改めて大人になってから考えるための本なのである。もちろん作者の野崎まどは哲学者でもなければ思想家でもないのでそこに結論を出したり、読者に押し付けたりもしないし、専門家が見れば表面的な議論にしかなっていないのかもしれないが、読者に「考えさせる」力は充分に持ち合わせるドラマ作りが行われている。今作を読んで、「あれ、何が正しくて何が悪いんや? 分からなくなってきたぞ?」と一瞬でも迷ってしまったなら、それでこの作品を視聴した意味がある。そういうお話である。ただ、アニメ化するに際し、どうしてもそうした思索的な部分は間引かねばならず、画面映えする「正義の味方VS邪悪な魔女」という構図の方がフィーチャーされるのは致し方ない。そして、そういう作品として受け止めるならば、確かに「なんだこの投げっぱなしは」でも感想としては間違っていないのである。

 しかしまぁ、そういう内情を鑑みた上で、今作は割と頑張っていたんじゃないかとは思う。ピークだったのは2話目の曲世登場回だった気もするのだが(あとは青山譲や櫻井孝宏による「伝聞的な曲世評」が描かれる回も良いな)、肝心の「生死論」についてもギリギリまで逃げずに描こうとしていたし、アニメ的に退屈になってしまうことを言い訳にはしていなかった。ラス前のサミットの回なんて、なんで各国首脳陣が宇宙空間を漂っているのかという謎しかないのだが、あれだって精一杯アニメ的な作劇をするための苦肉の策だし、それなりに効果を発揮していたとも思う。もともと「アニメ化に向いてない」作品だったところを、最大限に「アニメに」仕立て上げただけでも、今作スタッフにはお疲れ様と言いたい(まぁ、放送スケジュールについては……うん)。

 改めて確認するが、野崎まどってのは本当に厄介な作家である。オタク趣味的な要素が多分にあるのでメディアミックスに向いているようにも感じるくせに、作り上げる作品が徹底して「小説媒体がベスト」という制約だらけの作品を世に出し続けている。文章表現で伝えられる物語を小説として展開しているのだから「小説家」冥利に尽きるというものだが、それがなかなかメディアで理解されにくい部分があるみたいだ。いっそのこと、どこかの頭のおかしいアニメ制作者が「野崎まど劇場」のアニメ化とかいうトチ狂った企画を立ち上げてくれれば、もしかしたら世間も諦めがつくかもしれません。絶対無理だろうけど。いや、誰かやってくれませんかね? 「大オーク」だけでもアニメ化しませんかね?(誰が得するんだ?)

 

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