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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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  ファンネルかと思ったらギア戦士だった第12話。もう、タウバーンの精密な立体化とか、多分無理だろ。

 前回に引き続いての、エロ人妻ことカナコメインのエピソード。正確には、前回がシモーヌ目線からのカナコ像で、今回は本人を中心とした物語となっている。筋立ては至ってシンプルで、憧れと違和感を伴うカナコの学園生活にタクトという異物が介入した結果、綺羅星の「頭取」としてはどうにかして排除しなければならない宿敵が出来てしまったのに、学園生活は楽しくなりましたね、っていういいお話。

 脇でこっそりとタクトがシモーヌ相手にフラグを立ててしまったり、少しずつヘッドとスガタがにじり寄ったりしているなどの様子もあるが、今回はカナコの描写が大半だったので、脇道はほとんど無かった。相変わらずサイバディ戦闘は一瞬で終わってしまうのがどうかと思うのだが、あの短い中でいちいちあり得ないネタ要素を仕込んでくれているのだから、見ようによってはすごく贅沢な無駄遣いと言えるかもしれない。「どうしてタクトはあんなファンネルの利用法を思いつくんだよ」とか、「結局どれだけカナコの本体が強くても、サイバディのボクシング能力は大したことなかったんじゃね?」とか、気になる点は多々あれど、戦った当人達は満足そうだったし、そこは気にしなくていいんじゃないでしょうか。あぁ、もちろん突如現れたリングはカナコのサイバディの特殊能力だよ。きっとあの人は第1フェーズを使えば現実世界でもリングを瞬時に生み出すことが出来るんだよ。そうに違いない。

 結局破損したサイバディの修復も行われず、綺羅星会議で得られた大きな情報は、「スガタが目覚められたのはザメクの修復が終わったからじゃないか?」という気になる情報だけ。続けざまに部隊長クラスがガンガン負けている綺羅星はこのままで大丈夫なのかと不安になるけど、来週はスカーレットキスが再挑戦するようなので、そちらに期待するしかないでしょうね(いや、負けるけども)。

 カナコは強烈なキャラクターだが、今回はそこまで大きな無茶もせずにちょっと悶々としていたので、画面的にもネタ的にも大きな動きはなかったエピソードといえるのだが、不思議と面白かった。演出方向が独特で、特に印象的なのは散逸的な場面転換を結ぶ「画と音声のずらし」の多用。画面が変わっていないのに次のシーンの音声を先に重ねたり、逆に画面だけ次のシーンに切り替えても台詞は後の方までこぼしたり、不自然にならない程度に流れを作るカット切り替えが秀逸。もちろん、そうしたスタイルをとる際に、画面と台詞のどちらかにきちんと繋ぎの要素を加え、多層性を強調することで特殊な切り替えに意味を持たせることも意識的に行われている。このあたりの配分が実にいい塩梅だ。今回は8話でもコンテを担当した岩崎太郎氏という人の1人コンテ演出回だったようだが、8話も割と好きだったので、この人の画作りは波長が合うらしい。

 他にも、今回はカナコの複雑な内面性がテーマとなっており、その見せ方が上手い。おもてだって露骨な描写としては、仮面の忍者さながらにタクトの後を追い、初めて「カナコ」ではなく「頭取」として会話をするシーンがある。相変わらず「仮面さえしてればバレないんかい」とは思うが、あれだけタクトに色目を使っているカナコが、「頭取」として接する時には容赦無く敵として認識するというギャップが際立っている。

 そして、サブタイトルにもある「ガラス越しのキス」。今回は「〜〜越し」というのが色々なところでキーとなっており、例えば頭取とタクトの対話シーンは、いうなれば「仮面越し」であるし、デートの誘いをするのもシモーヌを使った「従者越し」、授業中の会話は「背中越し」だ。こうした「隔たりのあるコミュニケーション」は、カナコが学園生活に対して常にどこか違和感を抱いている証拠でもあり、特定の人間以外とは真に心を通わせられないことを意味している(思えば従者であるシモーヌやタカシとも直接顔を合わせない背中越しの会話が多い)。だが、今回は「サイバディ越し」の戦闘を経て、最終的にはパワーウィンドウを下げた「向き合った上でのキス」に成功している。「頭取」はタウバーンに敗れて己の野望から後退してしまったものの、「ワタナベカナコ」はクラスメイトとの関係性で一歩前に進むことが出来た、という二面性がよく分かるエンディングカットであった。

 今回は他にも、一発でボコられてしまったジョージの情けない顔とか、そんなカナコを見てぽかんとするシモーヌの表情とか、この作品では珍しいタイプの「崩し」があって面白かったです。シモーヌは意固地な空気が薄れたので、普通に可愛くなってきている。困ったもんだ。

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