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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 たるんだ胸は大事だよ、第7話。いや、もちろんアビーのたるみようのない胸も大事である。ここまで徹底した貧乳のくせに、堂々とナイトドレスをまとえるキャラクターというのも珍しいな。

 まぁ、別にそんなおっぱいのアニメではないのだが……今回は「女性が云々」っていう話がいっぱい出てきたのでしょうがない。シンシアは完全に道化と化してしまったが、想像以上に凄絶だったアビーの人生が、彼女の詐術を上回り、強引に道を切り開いてしまった。現時点では詳細が明かされていないアビーの人生だが、どうにも、詐欺師というよりも「捕食者」とでもいうべき生き方の下地になっているようだ。バレエをやっていたところを見ると生まれはそれなりに良いところのお嬢さん。それがどこでどう転んだのか少年兵として駆り出されてしまい、どこぞの戦争で生死をさまよった挙句に今のポジション。ローランはどこで彼女を捕まえたのかも分からないが、極まった才能を味方につければ、そりゃ詐欺もやりやすくなるってもんだろう。

 問題があるとすれば、アビーの才能が突出しすぎているという部分ではないだろうか。考えてみて欲しい、今回の企みだって、事前に相手がアビーの存在を知っていれば、ほころびが生じた可能性があるだろう。女だからと舐めてくれればそれでいいが、もし「とんでもない野生児」であると知っていれば、何が起こるか分からずに警戒するかもしれない。今回の計画の大前提として、アビーが単なる無名の少女であることが必須なのだ。しかしエダマメがSNSで色々と細工をしているとはいえ、今回のレースでアビーの存在は世界が知るところになっているはず。そうなれば、彼女は今後「有名人」になってしまうわけで、ロスでのお仕事の時のように「その辺の一般女性(ヤク中)」のフリをして企みに紛れ込むことは難しくなる。プロモーターとして顔出ししてしまったシンシアも同様。これだけ大掛かりな仕事なのだから今後のことを考える必要もないとは思うが、彼らはどれくらい長期的な目標を見据えて詐欺を働いているのだろうか。

 それにしても、シンガポールっちゅうのはなかなかイカれた国には違いない。かの有名なてっぺんに船乗っけたホテルにしろ、目に入るものがいちいちエキセントリックである。これが鏑木ひろっぽいサイケな色彩と絶妙にマッチしているのが面白い。いっぺん行ってみたい国ではあるわねぇ。そん時にはみんなで「よりもい」ごっこをするのである(パスポート無くさなきゃいけないじゃん)。

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 流石にかわいそうなのでは? 第6話。なんやろ、今回のお話だけを見ると、エダマメへの同情ばかりが先んじてなかなかまっすぐに見られないというか……。

 最大の疑問は、なぜローランはそうまでエダマメにこだわるのか、という部分である。例えばアビーなんかは別に彼のことを認める要素がなくて、真偽はどうあれ「嫌いだ」とはっきり言っている。実際、ロスの事件の時には彼が最後に余計な暴走をしたおかげでちょっとした命の危機(工場爆破)があったわけで、アビーからしたら、作戦中もうだうだと煮え切らない面倒臭いジャップとしか見えていないだろう。そりゃ、多少なりとも役割は果たしたかもしれないが、それは別に彼でなくてもこなせる仕事だった可能性が高い。だからこそ、アビーはローランのこだわりが理解できないはずだ。

 そして、何故ローランがそこまでエダマメにこだわるのかを考えると、単に「面白いから」というだけでは流石にコスパが悪すぎるし説明がつかないだろう。まぁ、こんだけ金持ってる連中なら、ちょっとした遊びのために入念に部隊を仕込んで陥れることもやりかねないのが怖いが……流石に、世界を股にかけて飛び回っている詐欺師集団なら、もうちょい楽で面白いものを知っているはずだ。

 つまり、冷やかし要素がゼロではなかろうが、やはりローランはエダマメの何かを認めているということになる。アニメ的なお約束で言えば、それは他の人にはないクソ真面目さというか、根っからの人の良さみたいな部分なのだろうか。ローランの周りにいるのは生粋の詐欺師ばかりでどこまで行っても悪人しかいなかろうが、もともと日本では仮面を被って背伸びしていたようなエダマメのこと。世界規模の詐欺師の目から見れば、まだまだ小悪党とすら呼べないレベル。そんな人間が偶然とはいえあれだけの修羅場を乗り越えたのだから、何か他の人間にはない要素を駆使するための手駒として、なんらかの価値を見出したという可能性はあるかもしれない。

 そして、様々な理由でローランが「エダマメを欲しがっている」ことを認めたとして、それはやはり、「エダマメがローランのところに行く理由」にはならないのである。彼はしっかりと服役し、罪を償って真正直に生きようと誓っていた。そんな人間を一方的な都合で罠にハメ落とし、再び望まざる道へと引きずり込んで人生をむちゃくちゃにしてしまうのは、かなりの悪逆といえるのではなかろうか。まぁ、今更ローランたちに道徳や倫理を説いたところで意味はなかろうが……なんだか「詐欺で金持ちから根こそぎ奪う」とは全然違う方向の「悪さ」なので、引っかかってしまうのだよなぁ。ローランはどこまで考えているのだろうか。

 そして今回のメインはどちらかと言えばアビー。どうもこの娘、スペックが常軌を逸しているようだな……描かれ方が人間というよりも猿だもんな……。

 

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 交番に大量のドル札はそれだけで事案なのでは? 第5話。とりあえずの大団円。およそ「そうなるやろな」っていう展開なのでそこまで驚きも無いはずだが、ちゃんとドキドキしながら観られたし、これはこれで良しである。

 まさに「これしか落としようがない」という展開になっていたので、(先週までは不安でしかなかったので予想してたなんて口が裂けても言えないが)妥当な決着。固唾を飲んで見守っていたが、ローランたちが撃たれたところでこのエンディング以外の選択肢がなくなり、一気に解像度が上がったのでホッとしたような、拍子抜けなような。まー、こういう作品ってのは「騙し」をどこまで持続するかっていうのはどこかで諦めなきゃいけないことなのでね。シリーズアニメの場合は「まだ5話目だしなぁ」っていうメタ情報がどうしても働いてしまうのもある(流石にここでローランたちが死ぬわけがないことは誰にでもわかる)。そのあたりは痛し痒しだが、「詐欺師もの」のドラマとしては欲しいものはちゃんと提供してくれたんじゃなかろうか。

 こうして5話に渡って1つの事件を観ていると不思議といろんなところに愛着が湧くもんで、「サラザールさんはギリギリ許されるレベルでなんとかなってよかったなぁ」と思うし、「流石にカッサーノさんが救われなさすぎてちょっとかわいそう」とかも思っちゃう。いや、彼のこれまでの悪行を考えれば当然の報いではあるのだろうが……視聴者目線だと、単なる「クソ映画好きのおっさん」なんだよな。声が斧アツシだからなんか憎めないしな。あの歳でおそらく2度とムショから出てこられないっていう人生はキツかろうなぁ……吐き出した1億ドル以外に隠し財産とかあればなぁ……。

 まぁ、そんなところまでちょっと見入っちゃうくらいには良いお話でした。しかし、ローランの一味はここまで大規模な犯罪組織なのだとすると、こっから先はなんでもありやね。今回の事件だって相当な規模だったわけだが、ここから残りの話数でどんなお話が展開することになるのだろう。金銭的な部分だけで見れば、1億ドルってもう行き着くところまでいっちゃってるから、これ以上の金額出されてもピンとこねぇしなぁ……。あとはエダマメの成長物語だと思って楽しめればいいのかしらね。

 今週のまとめ:アビーの水着、貧乳だけどエロい。

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 まだまだ絡まる、湧き出る陣営、第4話。どこが本当か、どこが嘘なのか。分からない状態で観てると本当にやきもきさせられるな。展開から考えてぼちぼち次回あたりで決着だとは思うのだが、最後に笑うのは一体誰なのだろう。

 ローランサイド、カッサーノサイド、そして警察サイドの三つ巴の争いかと思われていたところだが、ここにきてさらに、サラザールという不確定要素までが介入してきた。ここでぽろっと「全部が全部カッサーノの思い通りになってるわけじゃない部下」がたまたま直属の護衛にあてがわれているのは正直都合が良すぎる気もするのだが、ここで親子の浪花節が介入する余地がないと、エダマメが活躍する余地がなくなってしまうのでしょうがないところだろう。自分の過去をサラザールの家庭に重ね合わせてしまったエダマメは、自分の身代わりとして、何としても息子のトムには幸せになってほしいと思ってしまった。ここでの人情が最終的に諸々の詐欺師連中の思惑をひっくり返す不確定要素として活きてくるものにならなければ、物語としては成立しないだろう。

 サラザールさんは割と常識的な人物なのは間違いなく、現時点では「詐欺から守る仕事ではない」というよく分からない理由で見逃してくれているが、もちろんそこで自分に害が及ぶようならエダマメごときは切って捨てるに違いないし、あまり積極的にエダマメに肩入れする理由もない。一応息子との繋がりで多少の親近感は持ったかもしれないが、息子の件が一番大事となれば、まず守るべきはカッサーノとの信頼関係。そのためなら非情に徹することも厭わないはずである。そう考えるとエダマメはかなりギリギリのラインで踏みとどまっている状態で、さらにローランとアビーがどこまでサポートしてくれるものか、一切の保証がない。ここに一本の蜘蛛の糸として垂れてきた警察サイドからの提案を飲むのも、ごく自然な成り行きと言えるのではなかろうか。

 ただ、やっぱり先週時点で思った通り、どう考えてもあのやり手のねーちゃんが裏でローランと繋がってない限りは詰みっぽくはあるのよね。ローランがこの状況で全然焦ってないのも、まだ奥の手を残しているからというのが一番の理由な気がするし。もしそこにさらなる欺瞞が隠されているなら、ローランたちはロス市警すら騙くらかしていることになるわけだが……どんだけ大規模な作戦なんだよ、って気はするんだよな。うーむ。

 まぁ、こうして「何もかも信用できねぇや!」ってんでドキドキしながら見守るのが楽しいところ。全方位に警戒しちゃってるので多分とんでもないサプライズなんてのは来ないとは思うのだが、それなりに納得できるゴールがあることを期待しよう。

 

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 嘘しかない世界、第3話。もう、どこまでが信じられて何が欺瞞なのか、さっぱり分からねぇな。

 うまく行ってるようで、とんでもなく駄目なようで。視聴者側も目一杯振り回される展開になっている。前回一念発起して特大のヤマに突撃することに決めたエダマメ。自分なりの信用確保の手段をなんとかひねくり出し、マフィアのボスであるカッサーノの懐に潜り込む。もともとローランがどんな方法でだまくらかす狙いだったのかは分からないのだが、彼がけろっとした顔で見守っているところを見ると、なんとか当初の計画通りの流れに乗ったと判断していいのだろうか。カッサーノの脇が甘いのは事実だし、「そんなんで契約成立って言っちゃうんだ」とは思っていたが、残念ながらそんなに簡単にはことが運ばない。さっさと現ナマを持ち逃げしようにも、あの手この手で念を押してくるカッサーノ相手にエダマメの肝は冷えっぱなし。というか、どう考えても日本の研究機関に問い合わせる流れはアウトだった気がするのだが、ローランはいったいどこまでを仕込んでことに当たっていたのだろうか。しかも研究職員を騙る手口、すげぇ雑だった気がするんだけどあんなんで大丈夫なのか……。

 まぁ、とにかく2人の詐欺師のプランが噛み合い、話は順調に進んでいく。途中で第3勢力として警察が絡みそうに見せかけといて、実際はあんまり絡んでこないよ〜というひねりから、さらに「やっぱり絡んでくるかもよ〜〜」というさらなるひねり。もう、どっちが正面かも分からないくらいに手のひらクルクルですわ。この流れでローラン達が生還するための流れとしては、バリキャリの女刑事さんがローランの手の者っていうオチ以外に逃げ道はない気がするんだけど、大丈夫なんでしょうかね。

 すげぇ頭の悪そうな展開に見せかけといて、なんだかんだで絶対に安心させずに話を引っ張る展開は素直に楽しめている。それにしても、世界の国々では日本ってどんなトコだと思われてんだろうなぁ……。

 

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 どんなお話だろうが、最終的にエンディングで魂が浄化されていく、第2話。本当に作品の中身とさっぱり関係ないのにそれっぽく見えてくるのが不思議なもんである。

 なかなか刺激的な展開が続く。やはり「詐欺師」をテーマとした作品なのでいかにして視聴者の想像を超えてくれるか、っていうのが最大の注目点になるわけだが、サクサク次への展開が進んでいくおかげでこちらとしても「ほほぅ」と気持ちよく受け止めながら前へ進むことができる。一発目のミッションが数億円規模の特大プロジェクトってのはいきなりハッタリがでかすぎるような気もするが、まぁ、わざわざ詐欺を描くのだからそれくらいに夢がでっかくないと始まらないしね。「流石に金を出す側も不用意すぎないか?」という疑問は湧いてくるわけだが、それを出させるからこその詐欺のお話。あとはこの後の展開でどれだけその部分に説得力を持たせられるかだろう。

 今回メインで描かれたのは主人公・エダマメの過酷な人生である。「入社した会社が悪徳企業だったもんだから片棒かつがされた挙句に前科までついた」っていうのは不幸レベルとしてはそこそこなのかもしれないが、これに母親の命が(全く別案件とはいえ)かかってきてしまうと、複合要素で随分重たく見えるものだ。世間に嫌気がさして詐欺師として覚醒してしまうのも致し方ないところだろう。おっかないのは、こうした顛末ってのは案外その辺に転がってるかもしれないという微妙な現実感で、世の中は「自分は騙されない」と思ってる人間ほどコロッと行ってしまうもの。私みたいに世間をさっぱり知らない人間なら、その落とし穴がどこに空いているかも全く見えなかったりするので、こういう「悪意しかない話」ってのは想定以上におっかなく見えてしまうのである。おかげで闇金ウシジマくんみたいなお話はとても苦手である。

 まぁ、幸いにしてこのアニメでそういうダークな展開はここまででおしまいだろう。あとは陽気な詐欺師が話を回す。強かなフランス紳士、小狡い日本子猿、そしてシュートな褐色美人のトリオ構成はなかなか魅力的。アビーさんとは命がけでも色々とお付き合いを考えて欲しいところ。ヤク中の演技が上手いおねーさんって、それだけで取れ高が大きすぎませんかね?

 

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 はい、タイトルドン! 最終話! コンチクショー! ニヤニヤするよなー、こうなってほしかったよなー。春からカレッジ編スタートだってよー、見てーなこれはー(読めばいいのでは)。

 大団円と言ってしまって問題ないでしょう。ぶっちゃけカルタフィルスの処理についてはまだ残ってる問題がある気はするのだが、ここまで綺麗に諸問題が片付いたと言われちゃぁ、おめでとうと万感の拍手で送り出すしかないだろう。魔法使いの嫁は、魔法使いの嫁になって終わるお話なのだ。そこには祝福があってしかるべきだ。

 カルタフィルスとの最終決戦。彼はもう「僕が世界で一番不幸なんだヨォ!」と叫んで子供のように暴れまわるしかない存在。そこに灰の目なんて面倒ごと増幅器まで加わってしまい、一時は本当にどうなるものかと思ったが、そこはなんとか主人公パワーで押し切った。やはりチセさんはコレと目標を定めたら一切ブレない人。少年漫画の主人公的にいうなら「ウルセェ!(ドン!)」である。正確には「自分が不幸だからって他人に迷惑かけるな小僧!」である。「お前は自分が犠牲になるならいいのか!」というごもっともなカルタフィルスのツッコミに対しても、実ははっきりとした答えは与えていない。「せやで!」と言って押し通しただけである。そもそも意見の一致など見られない対決だったのだからどちらかがねじ伏せられるのは当然なのだが、ここでまさかのチセさんが力技で押し切った形。もちろん、そこには怒られてちゃんということを聞くようになったエリアスの姿もあるのだ。これは多分、組織力の勝利でしょう。もちろん、相手に不利益を押し付けるような勝負ではなく、カルタフィルスに対しては救いを与える結末なので問題なく成立している。

 こうして、「カルタフィルス」は「ヨセフ」から離れ、チセの中へと移り住んだ。埒外の長命と、埒外の短命。この2つが合わさることでチセは「まるで普通の人みたい」になったという。ちょっと上手くいきすぎな気もするが、ぶつかり合った思想が対消滅するってのはある程度は予想された結末ともいえる。こうして当面の問題が解決すれば、あとはこの先の話。そう、未来の話。

 今回の短いシーンだけでも、エリアスは「怒り」を感じたり、「綺麗だ」と思ったり、少しずつ人間らしい感情を増やしている。それと同時に、チセはステラに対して屈託のない笑顔を見せたり、エリアスに対してもさらりと文句を言ったり、二人三脚での成長を感じさせる。最終的に、二人の間では「言葉を使って話し合おう」という結論が出ており、この「言葉を通じての意思疎通」は人間的な文化の象徴とも言える。「あちら側」に半身を置いていたエリアスが少しずつ「こちら側」に歩み寄っている形。それでも、チセは引き続きエリアスのことを「先生」と呼び、「弟子」も続けていく。一方的に教え、導く関係ではなく、互いに足りないところを補い合い、「あちら」でも「こちら」でもない、新たな「我が家」を築いていく関係。これこそが、この作品の1つのゴールだったのだろう。

 末永く、御幸せに。

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 カルタフィルス誕生秘話、第23話。まぁ、そりゃ重たい話になるわけだが……こうして視点を変えて見せられると、やっぱり痛々しい。

 チセVSカルタフィルスの中盤戦。眼球の交換をきっかけにカルタフィルスの深奥にまで入り込んでしまったチセは、流れ込む「いつか」を見てしまう。チセは過去にも様々な人ならざるものとの交感を行ってきたが、これもスレイベガの体質故のことだろうか。「悪しきもの」であると思われていたカルタフィルスであったが、その発端には2つの呪いが関わっていた。1つは元来「カルタフィルス」と呼ばれていた「何か」が負ってしまった根元の呪い。口さがない噂話では「神の子に石を投げたためだ」と囁かれていたが、正確なところは不明。とにかく、どれだけ苦しみ、朽ち果てようとも命が終わらぬというとんでもない呪いである。そしてもう1つが、そんなカルタフィルスを救おうとしてしまった少年・ヨセフの生まれ育ちの呪い。墓堀人の子供として村で忌み嫌われ続けた彼は、いつしか自分の不幸の終わりを、カルタフィルスの呪いの終わりと重ね合わせてしまっていた。カルタフィルスが解放されないことと、自分のどん底の人生の永続がリンクし、次第に精神を壊していく。他者から受ける理不尽に打ちのめされていた彼は、突然「カルタフィルスと同体になれば、外部からの理不尽な責め苦も消える」という途方も無い天啓を得てしまう。そして重なり合った2つの呪いは、さらなる責め苦を生み出しただけだ。

 尽きぬ苦痛を緩和するため、他者を巻き込み、少しずつ膨れ上がるカルタフィルスの憎悪と咎。そんな肥大化した呪いがついにチセにまで及ばんとしたところだったが、チセはチセで大きなものを背負った存在であり、2人の対立は決定的となる。チセだって、これまで幸せな人生を過ごしてきたわけではない。しかし、どこまでも他者に依存し、人生の理不尽を外部に発散させようとしていたヨセフに対し、チセは我が身の不幸を全て抱え込み、消え去ろうとしていた。それがひょんなことからエリアスに拾われ、まだまだ人生には続きがあるのだと学び、人の和を得ることができたのだ。運命を背負うにあたり、他力を求めるか、自己で完結させるかの違いが、二人の抱えた「呪い」に決定的な差を生み出してしまった。

 長命の呪いを受けたカルタフィルスは、それを終わらせることが望みであり、自らを取り巻く環境に転がっている有象無象には頓着しない。それに対し、短命の呪いを受けたチセは、イギリスに来て以来、限られた時間の中での出会いに大きな実りを得ていた。この度の対決シーンでは、そうしたつながりの差が歴然と表れている。レンフレッド、アリスちゃん、ティタニアとオベロン、さらにマリエルに至るまで、彼女の周りには、無償で手を貸してくれる仲間のなんと多いことか。そしてそんな中には、なんとかギリギリで立ち直ったエリアスの姿もあるのだ。チセの失踪に打ちのめされてズタボロになっていたエリアス。そのまま妖精たちにそそのかされて完全に「あちら側」の存在になってしまうかと思われたが、これまでチセと積み重ねた日々は無駄ではなかった。最後の最後でチセの望む世界をつなぎとめることに成功し、なんとか舞い戻ってくることができたのだ。チセさんはまだ怒っているが、あとはどれだけ真摯に罪滅ぼしができるかだろう。

 あまりに強大で、あまりに悲壮なカルタフィルスという存在。取り返しようもない罪を重ねた彼の人生にも、チセは救いを見いだせるだろうか。

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 痛い痛い痛い痛い! 第22話。2つの意味で痛い。身体も痛けりゃ心も痛い。これで壊れないチセさんの頑強さよ。

 カルタフィルスの手に落ちたチセ。いや、落ちたっていうか半ば自分から飛び込んではいったのだが……当然そんな状況ではカルタフィルスの言いなりになるしかないのだ。彼がわざわざチセに粉をかけたのは、今度は竜の呪いがかかった左腕がご所望とのこと。「中にいるやつ」が説明してくれていたが、カルタフィルスは色んなところからのつぎはぎを続けるうちに何が本当かもよくわからなくなっている状態らしいので、そのパッチワークにさらなる1ピースを繋げようということだろうか。

 腕の移植なんてどうしたらいいのよ、と思うところだが、魔術師はそれくらいのことは勢いでやってしまえるらしい。ただ、さすがにいきなりの腕ボーンはおっかないので、まずは別な部位を移植して生体反応の様子をみましょうという、なんか、その辺は微妙に現実的。いや、いきなり目ん玉は完全にアウトだろうけど。そして、何のためらいもなく自らの目玉をえぐるカルタフィルス。さらに、笑いながらチセの眼にまで手を伸ばす。痛い痛い痛い痛い! チセさんも幾ら何でもメンタル強すぎやろが! もう、どれだけ修羅場くぐったんや……まぁ、実際すぐに修復(?)したから良かったようなものを……。オッドアイの2人の間でいよいよ腕のやりとりが始まるかと思われたが、その前に、カルタフィルスはチセに「夢」を見せて麻酔がわりにしようとしたため、チセは忌まわしき生家へとメンタルダイブ。かつての家族との関わり合いが鮮明に描かれることになった。

 序盤のチセ目線の情報から本当に鬼のような親だと思われていた母親。しかし、こうして改めて一連の成り行きを見守ると、決して彼女も悪女だったり、人非人だったりというわけではなかったようだ。母娘揃って「憑かれる」正確では、他の家族にも限界がある。守り続ける生活に嫌気がさし、せめて弟だけでも守り切ろうと決意して家を捨てた父親についても、どこか責めきれないような哀れな影がある。もちろん彼が家族を守れなかったのは残念なことだし、よりにもよって逃げ出すようにして家を捨てたことは許されざることであろう。結果的に、それが原因で母親は壊れてしまった。否、彼女はもともと壊れるしかない存在だったのかもしれない。それほどまでに、「あちら」と「こちら」の共存というのは並大抵のことではないのである。

 かつてチセの脳内にフラッシュバックしていた「産まなきゃよかった」という残酷な嗚咽。それだけを聞いたら本当に残酷なセリフだが、こうして全てが明るみに出た状態で見せつけられると、そこにはまた別な意味がこもっていたことが伝わってくる。おそらく、彼女は最後の最後まで娘を愛していた。大切に思っていた。それにもかかわらず、自分のどうしようもない体質や、不甲斐ない実力によって2人はのっぴきならない状態にまで堕ちてしまった。そのことを、彼女は本当に悔やみ、娘に対しては懺悔にも似た気持ちを持ち続けていたに違いない。「産まなければよかった」という彼女の叫びは、「なぜ彼女にこんな苦しみを与えてしまっているのだろう」という、自分への呵責と、娘への精一杯の懺悔だったのであろう。だからこそ、最後の一歩は踏み出さなかったし、自分を許すことができずに、あのような幕引きを選んだのだ。

 辛く悲しい思い出には違いない。しかし、それはあくまでもチセの中にあった母親像。改めて俯瞰視点から見て見え方が変わったというなら、チセもきちんと、母親への愛情を持ち続けていたということなのだろう。「許しはしない」と結論づけたが、許すことは、過去にするということである。母親に対する感情を持ち続け、決してその愛情を忘れないために、彼女は「許さない」と告げたのである。

 自らの一番深い闇を乗り越えたチセ。目の前には、カルタフィルスの持つ闇の部分、「不死」が立ちはだかっている。「彼ら」を前にしてようやく一矢報いることができたチセ。その苦しみを、分かち、解き放つことができるだろうか。

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関西在住の、アニメを見ることを生業にしてるニート。必死で好きな声優を12人まで絞ったら以下のようになった。
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