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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 ダイソンの掃除機ばりの収束力で設定が回収されていくぞ、第11話。なんでこんな荒唐無稽の世界なのに、各所で回収していく伏線に愛しさを感じてしまうんだろうか。「穴空きさんが何故自分の頭に穴を空けるのか」とか、「今更それ気にするゥ?!」みたいなところから落とし所が生まれるのなんなの。

 前からちょいちょい書いてることだが、今作の裏主人公って結局富久田だったんじゃないか疑惑があるくらいに、富久田がどんどん面白キャラへとランクアップしていく。前回の時点で「実はイドに潜っても記憶が残っててねぇ、ちょっと鳴瓢さんを激おこさせるために悪いことしてみたよ」とか嘯いていたわけだが、イドの世界における富久田さん(穴井戸)の目的は、「死ぬこと」そのものだった。過去には名探偵としての採用試験がわりにちょいちょいイドに潜ったことがあったが、その都度速攻で死んでいたのは、別に酒井戸が特別優秀なことの証明ではなく、名探偵・穴井戸が死にたいと思っていたせい。そんな斜め上の真実に気付けるわけないやろがい。

 そして、なぜ彼が死にたがっていたのかといえば、それは「穴が空いていないから」であり、何故穴を空けたかといえば、自分の脳機能が原因で人生に耐えられなくなっていたから。「数称障害」とかさらっと当たり前のように出てきた概念だけど、なんやねんそれ。調べてみるとせいぜい「数字にものすごくこだわりがある人」くらいの強迫障害っていう事実しか分からなかったのだが、そうして「数が気になる」というちょっとした精神性も、富久田レベルの才人になってしまうと人生を左右しかねない問題になるってことなんだろう。なまじ頭がいいだけに、その「数」の認識が常人よりも圧倒的に広いのだ。富久田はそんな自分の脳に嫌気がさし、解消のために頭にドリルを突っ込んだ。イエー、解決。まぁ、その後勢いで他人の頭にも同じことしちゃうわけだけど……これにて名探偵・穴井戸が爆誕する。

 そうして富久田の真実に気づくことで、鳴瓢はギリギリでジョンウォーカーの目論見の上を行くことに成功する。先週まで潜っていた「第2層」との時間のズレを手掛かりに、「観測されればそれは現実だが、観測の目から逃れれば時間が広がる」というイドの真理を看破。つまり、自分の時間が大きく延長された「第2層」こそがジョンウォーカーの目を逃れつつ真相に肉薄するためのステージであると解釈する。すでにこの時点で「蔵の関係者にジョンウォーカーがいる」ことは大前提だが、まぁ、あれだけ派手に百貴を巡った詐術が使われたのだから、その辺りは3人の名探偵の中でも共通認識だと考えて問題ないだろう。ついに与えられた「犯人の埒外」での捜査を本堂町に託し、鳴瓢はその手掛かりの回収に邁進する。

 一方の本堂町は、鳴瓢が第2層に残した手掛かりを元にジョンウォーカーの犯人像に迫り、その上できっちり「理詰めで」限定を行おうとする。これだけむちゃくちゃな世界の中で、がっつりアリバイ検証から特定していくってのはなんとも偏執的であるが、そのために使われたのが「第2層の富久田」ってのも面白い。もし現実世界で本堂町が穴を空けられていなかったら、今回のような限定は不可能だったわけだ。またこの世界の富久田さんも恐ろしく物分かりがよく、突飛すぎる本堂町の相談を受けてもすぐさまその本質を見抜いて見事なヒントを与えてくれる。やっぱ富久田さんがこの世界の救世主でいいんじゃなかろうか。まぁ、本堂町が「第2層」を去ったあとにあっさり逮捕されているとは思うが……。

 そうして「第1層」である嵐の世界に舞い戻ることができた本堂町。そこに富久田が触ることで穴が蘇るシーンなんて、考えてみりゃひでぇ展開のはずなのに「これが……二人の信頼の証!」みたいにちょっといい話になっているのが実におかしい。我々視聴者も、このイドの世界に完全に毒されてますな。そうして最後にたどり着いた犯人の名前は、「まぁ、そうなればそうなるやろ」みたいな当然の帰結ではあるのだが、この際意外な犯人像でなくてもどうでもいい。何しろ、物語はここで終わるわけではないのだ。

 最後に残された謎は、カエルちゃん、カエルくん、飛鳥井木記。これまで鳴瓢が接触したのはあくまで「第2層での飛鳥井」であった。そして今週ラストには、いよいよ「現実世界での飛鳥井」が登場。ジョンウォーカーが保護していたと考えるなら、カエルちゃんがイドの中で殺されていることこそが、ジョンウォーカーの動機の根幹ということになるが……。

 もう、なんでもいいからとびきり破天荒な解決を見せてくれ! あ、さりげなく色っぽい話になっちゃってる東郷さん、ありがとうございました。

 

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 ズッコケ株式会社やんけ! 第9話。チビ森氏によって明かされた過去の物悲しい現実。彼女の今が出来上がったのは、世知辛い世の中の風が冷たかったからなのだ……いや、その前から随分カナモリ流が出来上がっていたような気もするけど。

 無事に芝浜祭が終了し、一応は成功に終わった映像研の活動。知名度も上がったし作品の品質はそれなり。水崎氏は御両親の許可ももらったし、順風満帆で言うことなし。しかし、営業成績という側面から見ればどうしたって学生の部活動では限界があるもの。金森氏がもともとどの程度の収益を目論んでいたのかは定かでないが、確かに労働の対価としては甚だ物足りない結果だったのは間違いない。「学生の活動としてやっているうちは限界がある」。その判断から、金森が打った次の一手は、いよいよ「制作集団」としての映像研の名を世に知らしめる方策だ。

 彼女のシビアかつ的確な経営のセンスは、生まれ持った部分もあるが、幼い頃に散々見せつけられた「商売の苦しさ」によるものであった。別にそれが理由で辛い幼少期を送ってきたとかいうこともなかろうが、きっと金森氏は、あの親戚のお店が好きだったのだ。わざわざ浅草・水崎の両名に包み隠さずその過去の情景を見せつけ(実際にどうやったかはわかんないけどさ)、引けぬ一線がどこにあるのかをこれ以上ない形で示してみせる。商売とは、ありとあらゆる経験や試行錯誤の結果生み出される産物なのだ。必死に身体を動かし、頭を働かせてこそ、労働の対価は得られる。働かざる者は食うべきではないが、逆に言えば働いた者は食えなければおかしいのである。

 そうした金森氏の寂寥の過去が情緒溢れる作劇で描かれ、彼女のこれまでの散々な振る舞いも全てが許されるような展開であった。当然、浅草・水崎の両名もこれに大いに刺激され、新たなアニメは商店街促進のためのご当地宇宙戦争に決まった。ものの見事に金森の企み通りにことが進んでいるわけだが、まぁ、それで誰が困るということも無さそうなので大丈夫だろう。水崎氏は相変わらず好き放題に動画のこだわりをほとばしらせており、新型アダムスキーの珍妙な動きは、なるほど確かに初体験だし、奇妙なおかしさが印象に残る。

 そして、水崎氏の物語は前回で一通り決着をつけていたので、いよいよクリエイターとしての素質を問われるのは浅草ということになるだろう。これまで「なんとなく」で描き続けていた彼女の脳内世界が、金森の一言で「演出されたもの」としての力を持つようになる。今までずっと思い描いてきた世界を、何百、何千という他人にも伝わるように表出させるその行為のことを、業界的には「演出をつける」というのである。「何を描くか」、そして「何を描かないか」。アニメーションだからこそ広がり続ける無限の真っ白なキャンバス。また一からの制作になればこそ、浅草氏の真の「演出力」が問われることになるのかもしれない。

 ……それにしても、中盤以降のまるっこい浅草氏がやたらコミカルで可愛かったな……。

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 怒涛の「なんやそれ!!」、第10話。このアニメを1回見ただけで理解できる人間がいたらまじで尊敬するわ。もう、何が何やら。

 前半パートはちょい趣の違う展開だった。「第2層」に潜っていた鳴瓢は、なんとかして飛鳥井木記の問題を解消しようと躍起になっていた。彼女の夢に侵入してくる殺人犯を“この世界”で一人一人排除して彼女の解放を目論む。「現実」での知識というアドバンテージがあったためにこの世界での捜査は順調に進み、排除は滞りなく進行。しかし、それでも飛鳥井の症状は治らない。やはりジョンウォーカーの排除が必須なのか……というところで、少しずつこの世界の異常が見え始める。鳴瓢が意識していないところでも垣間見える「未来の記憶」。それは飛鳥井の持つ能力ゆえかと思われたが……。

 最後に思い至った殺人犯、どんな世界でも因縁深い「穴空き」。そこへ向かおうとした鳴瓢が出会ったのは、まさかの別イドから飛び込んだはずの本堂町。二つのイドが繋がっているという謎もさることながら、ここで明かされたのは鳴瓢の打ちのめされた精神性だった。彼は「現実」の事件の手がかりを掴むためにイドの中だとわかった上で行動していたはずだったが、いつしか「過去の記憶」で埋め尽くされたイドにすっかり侵食され、世界を現実だと思い込むようになった。いや、願い続けていた。イドの世界でのわずか10分が数年にも及ぶ記憶の慰めを生み出し、彼はこの世界での警官としての人生を全うすることを願っていた。今は亡き妻と娘の面影に耽溺していた。しかし、先にイドに潜っていた本堂町の存在が、如何しようも無い矛盾を彼に叩きつける。この世界は幻想。それに気付かされた今、鳴瓢がこのまま夢に甘んじるわけにはいかなくなってしまったのである。

 崩壊する世界の中で、彼はせめてもの償いとしてジョンウォーカーの捜査に着手することを試みる。しかし、どこまでが天の配剤か、はたまた何者かの思惑か。ここにきて規定時間の10分が経過。穴井戸によって「第1層」に呼び戻される酒井戸。「砂漠の世界」に戻った彼に突きつけられたのは、さらに斜め上の現実である「イドの真実」であった。

 穴井戸、いや、「穴空き」富久田は、脳機能がおかしくなった結果、実はイドの中でも人格を失わず、記憶を保持したまま潜ることができたという。そして、そんな彼は自分の潜ったイドが百貴のものなどではないことにも気づいていた。砂に埋もれた砂漠の世界で、手がかりである拘束具を外した「時計泥棒」は富久田本人。彼は「砂漠の世界」と「雷の世界」の類似点をうやむやにすることで、イドの真実から目をそらさせていたのであった。砂が吹き飛んだあとに残されたのは「雷の世界」の成れの果て。なぜ「第2層」で鳴瓢と本堂町が出会ったのかといえば、それは「同じ人物の同じイド」だったからこそ。

 鳴瓢は自身のイドに潜り、自身のイドの中で己の存在を認識した。スタッフの恐れていた現象が起こる。イド嵐。一体何が起こるのか。富久田の狙いはなんなのか。鳴瓢は無事なのか。より深いイドにいる本堂町の安否は? 結局百貴と鳴瓢は現実で何をしていたのか?

 ノンストップ謎だらけ展開。救いはあるのか?!

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 大団円やんけ、第8話。普通にいい話になった。水崎氏は予想以上に家庭環境に恵まれすぎた贅沢完璧超人じゃのう。箸の持ち方以外は完璧やんけ。

 いよいよ学園祭当日。しかしアバンでは水崎の両親がついに娘の真実に気づくという描写が挟まれたため、「これ、もしかして水崎氏が親からダメ出し食らって上映会自体がピンチになる流れでは……」と危ぶんだのだが、なんだか想像以上に理解のあるご両親だった。1話であれだけメンインブラックに追わせてたわけだけど、あれはなんとなく父親が指示を出していただけで、そこまで深い意味はなかったのね。むしろ変な任務を言いつけられた黒服さんたちが発奮しちゃっただけっていう可能性すらあるな。

 そして、今回はそんな1話を思い出すかのような学内追いかけっこ描写が続く。絵柄のおかげで「夜は短し」における学園祭模様なんかにも近い風景が広がっているので芝浜高校はそこそこ京都大学の趣。っつうか、これだけ架空の環境に作られたイかれた高校と遜色ない学園祭模様が描かれる京大の方がファンタジーに片足突っ込んでる可能性はあるんだけど。映像研だけでなくロボ研やその他諸々の部活動が高校生とは思えないバイタリティで各々の存在感をアピールしており、部活モノらしからぬファンタジー感溢れる学園風景である。おでん部はギリギリ分かるとして(分かるか?)、カニカマ同好会は一体何をしている部活なのだろうか。

 そして、そんな中で映像研が狙うのは、学園祭の目玉企画としての徹底した宣伝工作。金森の狙いは最初から一貫しており、とにかく金になることがやりたいってんで宣伝効果の最大化を図る。当然水崎には看板になってもらいたいし、それが多少狡くても一番効果的なやり方だってのは分かって企んでいる。ただ、彼女の場合に憎めないのは「作品の出来が良いことは大前提だ」と自信を持って浅草たちに言っている部分で、「別に作品がダメだからごまかそうとしてんじゃねぇ。観てもらうためにはとにかくなんでもいいから宣伝を打って来てもらうんだろうが」と正論を説いている。彼女自身は「アニメの良し悪しなんてよくわからねーです」と言っていたはずなのだが、それでも浅草や水崎が作り上げたものには一定以上の信頼を置いているのだろう。そして、彼女の目論見はきちんと的を射ているのである。

 そうして水崎氏が作り上げた渾身の作品がたっぷりと上映されるのかと思いきや、前半パートは追いかけっこに費やされた。こちらの方が(今作における)現実世界でのアニメの描き方を見せるパートになっており、走る挙動1つ取っても様々な個性が見え、ありえないようなアクションも色々な方向から切り出して見せている。わかりやすいのは水崎氏の走り方とロボ研部長の走り方ではモーションそのものが違っているというのがはっきり分かるように描かれていることだろうか。水崎氏の走りの方がどこか軽やかで、女優としての経歴を持つ彼女の華みたいなものが現れている。ロボ研部長はどっちかっていうとギャグ寄りの走り方だが勢い任せでエネルギーがある。そうしてたっぷり前半パートで「走り」を見せておき、後半の「アニメ本編」を水崎両親が観て「この走りを描いたのは娘なんだ」と気づくという構造が心憎い。娘が娘なら親も親だな。

 また、今回は軽く触れる程度になってしまったが、序盤パートで百目鬼と一緒に音響効果をチェックしていく浅草氏の様子もなかなか興味深い。「音楽次第で印象は全然違ったものになるよ」っていうのは以前やってくれていたところだが、今回はそれをSEと劇伴を含めて実際に見せてくれており、さらにそうした音響に対する浅草のセンスも垣間見えるようになっている。音響のプロたる百目鬼もすっかり映像研の面々と呼吸が合うようになっており、同じ屋根の下で過ごす「協力者」としての関係性はばっちりだ。今回のイベントでロボ研連中も何かと良い関係が築けたようだし、映像研のコネクションは着実に広がっている。この辺も金森の手腕ゆえだろう。あとは美術部がどの程度納得しているかだけどなぁ。

 さて、今回でひとまず大きなお話は片付いたと思われるが、次回からの目標はどんなものになるだろう。すでに短いフィルムで二本も話題作を繰り出している映像研。さらなる大きな目標ができるのかどうか。

 

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 ???????? 第9話。もう、何がなんだかさっぱり分からないのだが? 多分作中の人物の誰一人として状況がわかってないのだが??? いや、ジョンウォーカーだけはこの状況を把握できてんのかなぁ……。もう、ミズハノメは害悪しか生まない可能性が……。

 なんとかもう一回まとめよう。まず、発端は本堂町のダイブからだ。彼女が鳴瓢のイド(雷の世界)に潜り、その中で初めて「イドの中のイド」を発見。さらに潜ったところ帰って来られなくなってしまった。対策を講じた井戸端の面々は追跡を行いたいが、鳴瓢のイドに鳴瓢本人を潜らせることは危険が伴うためにできないという。そこで同様に「思念の中にイドのコクピットがあるのでは」ということから、連続殺人犯の容疑をかけられた百貴室長の思念に潜ることになった。ただし、この思念については「容疑をかけられたのが百貴である」というだけでそのディティールに保証はない。そして、「イドの中のイド」に潜るためには本堂町の二の舞になっては困るため、鳴瓢と穴空き(酒井戸と穴井戸)の二人の名探偵が同時に同じイドにダイブするという新しい試みが採られることになる。そして予想通り、百貴のものと思われるイドの中(砂漠の世界)で新たなコクピットを発見。そこには飛鳥井木記の名前が記されていた。彼女は連続殺人鬼「タイマン」の犠牲者で唯一の生き残りであり、タイマンの事件は鳴瓢と百貴が捜査していたことから、一応二人の世界に同じ人物のイドがあったことは納得できる……のかな?

 ここまでが先週分。そして今週は実際に「イドの中のイド」に飛び込んでみたわけだが、なんと、その世界の中でも「夢」が存在するというとんでもない構造。便宜上、本来の鳴瓢たちが生活する世界を「現実」と称するなら、1つ目のイドの中(雷の世界・砂漠の世界)は「第1層」となり、そこから酒井戸が潜ってタイマンと殺し合いを演じた世界を「第2層」と呼ぶことになるだろう。この世界は誰の思念によって構成されたのかは定かでないが、一応現時点では「百貴の思う飛鳥井」ということになるんだろうか。とにかく、その世界は一周回って名探偵設定がキャンセルされ、酒井戸になっていた鳴瓢が再び鳴瓢に戻った上で、現実世界の記憶を持ち越すことに成功した(ついでに第1層の記憶も持っていた)。この「2回潜った結果」として戻ってきた状態がタイトルのinside-out(うらおもて)ということなのだろう。

 しかし、この第2層には鳴瓢の想定通りに「まだ事件を起こしていない既知の殺人鬼」がひしめいており、その中の1人であるタイマンはすでに飛鳥井に手を出していた。かろうじて飛鳥井を救出することに成功したが、今度は鳴瓢がこの「第2層」で眠った時に「潜ってしまう」夢、いわば「第3層」での事件が起こることになる。この第3層はミズハノメによるものではないはずなのだが、謎の感応能力を持つ飛鳥井の特性からなのか、それとも単にイドの中だからなんでもありなのか、夢世界が鳴瓢と共有され、さらに「いろんな殺人鬼が毎晩飛鳥井を殺しにくる」という訳のわからない世界。世の中に連続殺人鬼の物語は数あれど、「連続殺人被害者」の物語はなかなか無い。飛鳥井はその特異な体質故に、夜な夜な殺人鬼たちに殺され続けているといい、その先鞭をつけたのが、ほかでもないジョンウォーカーであるという。連続殺人を犯す上でのスタートラインは、やはりこの謎の存在へと収束するようだ。

 とはいえ、こうして混迷を極めた飛鳥井の設定や物語は、すべて「よく分からないイドの中の思念が伝えたもの」である。下手したら全部嘘かもしれないし、なんの意味もないかもしれない。先週時点で現実世界の百貴は「全部罠だ」と警告しているし、とてもじゃないが今回のやりとりが第1層に持ち上げられ、さらに現実にまで返ってくるとも思えない。少なくとも現在鳴瓢が経験している事象は、井戸端の面々には把握できていないだろう。もしかしたら鳴瓢が記憶の全てを持ち帰ることは不可能では無いかもしれないが、その場合でも記憶の意味は推測するしかなく、「単なる白昼夢だったのでは?」と言われたらそれまでである。普段は井戸端スタッフが全力で情報サポートしているからこそイドにも意味があるわけで、鳴瓢単身での冒険には捜査手順としての意味がないのだ。まぁ、それを言い始めたらイドの実存性だって疑わしいわけだが……。

 うーむ、毎回の結論が「来週を見るしかねェ……」のくせに、実際に翌週の放送を見ると「ますます分からねェ……」になっていくのほんとに怖い。そして、こんなに無茶苦茶なのに見続けちゃう謎の求心力……うーむ。来週を見るしかねェ……。本堂町きゅんどこ行った。

 

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 水崎氏がおっとこまえ、第7話。毎度金森氏の男前っぷりに惚れ惚れしていたが、今回ばかりは水崎氏の勝ちかな。

 先に書いとくと、この作品だとわかりやすくなっちゃうけどだいぶキャラ作画の怪しい回であった。まぁ、もともと湯浅作品はキャラ造形の抜くところを抜いてくる作劇なので多少バタついてもあんまり気にならないんだけど、作中で語られた「経済的作画」をちょいちょい導入されたりして、今作においても制作体制に隙がないわけじゃないことを白日のもとにさらしている。まぁ、肝心要の「演出説明」の部分ではしっかりリソースを費やして描かれているので、ちょっとくらいの作画ボケでは作品の品質に傷がつくとも思わないけども。

 いつも以上に「動くとはなんぞや」ということについての言及が徹底しているエピソード。冒頭の水崎氏の回想では彼女のオリジンとなった在りし日の思い出が描かれており、彼女が幼少のみぎりから「動くもの」の動性について敏感な子供だったことが確認できる。水しぶきの動きに「格好いい」という感性を持ち、人の「歩き」一つとっても所作の細部まで目を見張るような観察眼の鋭いこども。そして、彼女がそうした「動き」へのこだわりを持っていたのは、祖母のリハビリを行うために必要なものだったことも語られており、単なるオタクの薄暗い情熱ではなく、実生活に根ざした欲求の延長線上にあることも捕捉されているのは重要だ。日常のあらゆる事物に博物学的な興味を抱く浅草氏と並んで、水崎氏も産まれながらの「クリエイター」気質を持っていたのである。

 そうしてた彼女のこだわりをアニメとしても外部から補強していく流れ。今回は徹底して「水」のモチーフに固められており、現在製作中のロボアニメが水中からスタートすることに始まり、降り止まぬ雨が窓ガラスを滑る様子が延々映されたり、今作にあるまじきサービスカットとなる銭湯のシーンでも複数の視点から「水」の持つ特性が描かれている。まぁ、あんまりサービスシーンとしては機能しないんだけど……全裸になってもやっぱり金森氏のスタイルの良さは際立つよな。そして浅草のちんちくりん加減も……。

 とにかく、あらゆる局面において「動く」ことへのこだわりを捨てない水崎氏だが、やはりスケジュールという絶対制度には逆らえないわけで、金森にせっつかれながらもなんとか折衝して完成品を目指していく。百目鬼との連携もそれなりにうまくいっており、音響面からのサポートも充分期待できるようになってきた。すっかりプロ意識も強くなっており、私も普段からアニメを見るときに注意したいと思っている「音と絵があって映像」という感覚や、「アニメは動きに関しては別格の表現、全てを人の手によって描かれているのだから」といった当たり前ながらも忘れがちな金言がさらりと展開されていく。これだけのこだわりを持っていると、どうしたって対外的にはぶつかる部分が多くなるのは致し方ないことで、同じようにこだわりを持ち続ける美術部やロボ研の連中との対話では浅草が完全にポンコツになってしまった。コミュ障はどうしようもないのだが、アニメ制作にはコミュニケーションも欠かせないってのは、どんなスタジオでも抱えてるジレンマなんだろうな……いや、コミュ力のあるクリエイターがいればジレンマでも何でもないはずなのだが、そうもいかないのは何となくわかるところでね。今回揉めていたあれこれって、現実のアニメスタジオでも散々繰り返されてきたやりとりなんだろうなぁ。

 それにしても、ザリガニなぁ……食うのかぁ……。

 

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 さらにカオス度が増すのか……第8話。津田健次郎と竹内良太ボイスという壮絶イケボの男2人が小便にまみれて砂漠を歩き続けるだけのアニメ。いくらなんでもカオスがすぎる……。

 結局、百貴室長は逮捕されっぱなし、しかも何故かは不明だが彼の家からは残留思念が検知され、そのイドに名探偵2名が潜ることになってしまった。いまだにミヅハノメのギミックがよく分かってないので微妙なところなんだけど、現場(百貴の家か)から検出された思念って、それが百貴のものであるっていう確証は得られるんだよね? これまでも「誰のイドだ」ってのは確定させて潜っていたはずだし。ただ、それが確定なのかどうなのかがよくわからんのが怖い……もし作中でも「百貴の家で見つかったんだから百貴の思念だろ?」くらいの雰囲気で潜ってるんだったら、全然関係ない真犯人(誰だかわからない)のイドだって可能性もあるわけで、だとしたら百貴さんが必死に叫んでいた「全部罠だ!」ってのもわからんでもない。いや、でも残留した思念に罠を仕込むなんてことが常人にできるわけもないんだけど。

 一応、蔵の判断としては「本堂町が潜った鳴瓢のイドにコクピットがあって、そこから謎多き失踪者である飛鳥井木記のイドにさらにダイブして帰ってこなくなった」という窮状を解決するために、「イドの中のコクピットなら、同じく蔵の関係者である百貴さんのイドの中にもあるに違いねぇ」っていう割と無茶な推論からスタートして、「でも、鳴瓢が単身出撃しても結局本堂町の二の舞になるだけなので、イドの中で排出ボタンを押すためにもう1人名探偵が必要だよね」ってんで史上初の2人同時ダイブが実現することになったと。……この時点であまりに推論に推論を重ねすぎててヤバいんだけども……今のところ「確かにイドの中にイドがあった」、さらに「こっちのイドからも飛鳥井木記のイドにダイブできそうだ」と想定通りに物事が進んでいるのはラッキーなのか、何か確証があってのことだったのか。

 そして、さらにその上で「全部罠だ!」と言われてるわけで……もう、誰が何を企んでいるのかさっぱりわからん。少なくともジョンウォーカーはミズハノメの存在をすべて考慮に入れた上で存在している殺人(教唆?)犯ってことになるんだよな。どういうこっちゃ。現時点では少なくとも室長が悪人には見えないし、多分「罠だ!」は事実なんだろう。ただ、その場合に「室長はなんでそのことが分かっちゃったんだろう?」っていう新たな疑問も出てくるわけだが……やっぱり「今潜ってるのは百貴のイドではない」っていうのが普通の考え方になるよなぁ。

 それにしても……変な世界の創出も一切手加減なしで進んでいくなぁ。今回の砂漠、名探偵の死因が「渇死」になりそうってのも凄まじい。そりゃね、本格ミステリじゃ絶対に実現できないセッティングなのは間違いないけどね。

 

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 部屋着姿でくつろいでる玄田さんって初めて見た気がする……第6話。おっさん好きにはたまらないアニメになってるよ。おっさん好き、犬好きの両面待ちって考えると、意外と支持層の広いアニメになっているのでは?!(だいぶ混乱している)

 1話時点で「これ、キャストのギャラだけでも結構なもんだぞ……」と思っていたのに、さらに次弾を追加し続ける気概が素晴らしい。松永久秀役にはなんと中尾隆聖を起用し、さらにオリジナルソングをまるまる一本熱唱してもらうという、最近じゃありえないようなサービス満載である。また中尾さんが無駄に上手いから困る。前クールの「アフリカのサラリーマン」では大塚明夫がまさかのエンディング担当で度肝を抜かれたが、なんだろ、最近はベテラン声優の中でも仕事を選ばずやりたい放題させるのが流行ってんのかな。まぁ、もともと芸に貪欲な人たちばっかりではあるのだが……。ちなみにキャストロールの「入栗鼠自由」はまだ理解できるけど、「カメムシ潤」はもう完全にカメムシでしかない。

 しかし、まさかこの作品で歴史サスペンス(?)が絡んでくる展開になるとは……。いや、一切シリアス要素は無いからしょーもないオチで終わる気もするんだけど、一応メインストーリーみたいなものは用意されているんだろうか? まぁ、仮に真犯人がわかったところで、今のシナモンにはどうしようもないだろうしな……。

 

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 超展開すぎィ! 第7話。まぁ、この世界での超展開なんてもう当たり前の話ではあるのだが……いや、でも現実パートでの展開はやっぱりびっくりするぞ。作中でも誰かが言ってた通りに「あっちこっちで何が起きてやがんだ」って感じですな。

 さぁ、本堂町きゅんがめでたく名探偵デビューを飾った。以前穴空きがイドに潜った時はすぐに排出されてしまったので「鳴瓢以外の人間がイドに入るとどうなるか」ってのはこれまでよくわかっていなかった部分だと思うのだが、なるほど世界設定は比較的に通ったパーツを持っているらしい。特にカエルちゃんはまとまったセットとして提供される存在らしく、潜る人間が誰であろうと、彼女は必ず死んでいる(かわいそう)。まぁ、今回はよりによって鳴瓢のイドに入っているので、彼の中の特別な「死者」としてカエルちゃんが出てきた可能性も否定はできないが、本堂町が何のためらいもなく「死の真相を暴かねば」と判断できたということは、おそらくイドという存在はカエルちゃんと不可分なのだ。

 そして推理される新たな世界の謎。毎回「カエルちゃんの死」の不整合から推理していくスタートなのだが、今回は手錠の謎だけなのでそのあたりの接点は弱め。そこに謎が残ってないなら名探偵は何を解けばいいんだよ、って思ったら、まさかのイドの中のイド。そんなんあっていいのかよ。観察チームも「イドの中のイドに入った……」とかすんなり受け入れてたけど、もっと慌てた方がいいと思うぞ。対応しきれる事態じゃなくなってるのでは? 本堂町は初めての捜査だったのだし、もうちょい慎重に成り行きを見守った方がよかったと思うの。まぁ、殺しても死ななそうっていう気持ちはわかるんだけど。

 そして、そんなカオスな状況にさらに一石も二石もぶん投げてくるさらなる展開。室長、どうなってるんだ。自宅の死体はまぁ、はめられたってことで構わないんだろうけど、すんなりジョンウォーカー容疑をかけられて逮捕までこぎつけたってことは……普通に考えたら上層部の誰かにはめられてるやろなぁ。今まで組織の体制なんてほとんど描かれたこともないし、怪しいとしたらあのじじいなんだろうけどさ。いや、でもこのアニメがそんな単純な結論になるかな……。

 さらにさらに、すでに終わった事件の犯人たちが鳴瓢も加えて謎のコミュニケーションを開始。穴空きさん、ここまで出ずっぱりだし、いろんな犯人たちに影響与えてるし、いつの間にか超重要キャラやんけ。いっそあんたがジョンウォーカーであってほしい。

 

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関西在住の、アニメを見ることを生業にしてるニート。必死で好きな声優を12人まで絞ったら以下のようになった。
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