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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 はっ、花森〜〜〜!!!! 最終話! ちょっと待て、どう考えても今回のMVP花森だろ。いくら宇宙を救うからって、あいつ1人だけ失ったものが大きすぎるやろ。他のみんなが「元の生活に戻っていく」ってだけなのに、あいつだけ16年分のウラシマ状態って……いくら真道さんでも部下に押しつけていいことと悪いことがあるやろが。

 いやぁ、なるほど想像の斜め上。流石のザシュニナさんも慌てふためいてすげぇ三枚目っぽくなってたわ……。最終回で「ザシュニナが人に触れたことで生まれた感情を大切にする」っていうのはお約束の要素だったはずで、実際に真道との別れのシーンなんかではそれがしんみりさせる方向に働いていたはずなのだが、それだけで終わらせずにひっくり返すあたりが原作者の底意地の悪さである。「感情を手に入れちゃったけど、怒りとか、恐怖とか、そういうヤツも一緒に」って、本当に可哀相。

 超次元バトルアニメになってからというもの、一体どういう幕引きになってしまうものかとハラハラしていたのだが、最後はきちんと「SFっぽさ」を活かしたオチ(?)に辿り付いてくれてよかった。いや、どう考えても真道さんの思いつきは無茶過ぎると思うんだけど、それをやってのけるからこその「人類」だってんなら説得力はあるよな。実際、娘が生まれたところでそれがどうなるかなんて運否天賦なんだから、確信があって実行した作戦でもなかろうし。「えっ、ツカイさんってこれまで地球上で繁殖行為に及んでなかったの? そんだけ宇宙ファンなのに? じゃぁ、試しに子作りしてみる?」って、ものすげぇ発想だよな。実際に、37次元存在と4次元存在を掛け合わせたらより高次元な存在が生まれちゃったらしいです。何そのシンプル過ぎる足し算(かけ算かな)。まぁ、「やれることは全部やる」のが交渉人の心得ですので。ヤることには性交渉だって含まれてるわけですよ。すげぇオチだ。

 まぁ、こうしてネタだけ拾うとなんだか下世話な展開のようにも見えるが、この作戦だってきちんと真道さんがザシュニナについて理解していたおかげで実行出来た作戦ですからね。いつの間にか「ザシュニナさんをびっくりさせようゲーム」がスタートしており、前回作ったフレゴニクス発生装置云々あたりはあくまで「異方存在程度でも気付くような策」どまり。そこからひっくり返す最大の要因は、異方存在が認識しない「産む」という行為から着想を得たのだ。そう、ザシュニナさんも言っていた。人類という特異点は、接触することで異方にすらないものを「変成する」のだと。だったら、ザシュニナ対策の新しい展開を自作しちゃうのが手っ取り早いというわけで。理にかなって……るのかなぁ。ナノミスハインなどの異方装置だけではザシュニナの裏をかくことは出来ないわけで、そこに「人類」という不確定要素を混ぜ込むことは必然ではあるのだが……その結果花森が歳を取った。もう、ツカイさんは彼にだけもう一回ナノミスハイン使ってなんとか調整してあげて。

 クライマックスは真道の死亡後に訪れてしまったわけだが、その前の対話のシーンにおいても、2人がツーカーの関係になっていることがよく分かってニヤリとさせられる。真道を取られておこになっちゃったザシュニナさんを見てるとなんだかホモホモしい匂いもするのだが、真道さんだって可愛い女の子の異方存在の方がいいに決まってるんだからしょうがない。寝取られ(?)ザシュニナは更に相手カップルの娘にフルボッコにされるという恥辱の極みでこの世を去ったわけだが、ただひたすらに「正解」を求めたザシュニナに「途中」という言葉をたたき込んでぶっ殺したユキカさんはなかなか含蓄がある。「正解」とはつまりゴールである。全てが解析可能で、何もかもが分かっていると思ってしまった時点でザシュニナの負け。「正解」を求めるこのアニメが出した答えは「答えなんか出しちゃ駄目だよ」ということなのであった。真道がザシュニナに送ったものが「途中」を象徴する「本のしおり」だったというのもニヤリとさせられる伏線でしたね。

 人類は途中でもこのアニメはとりあえず幕。出来ればワムくらいは残ってる状態の人類も見てみたかったが、まぁ、おそらくこれから先は思春期真っ盛りのユキカさんが若すぎるお母さんと喧嘩して異方に家出する話とかもあるんじゃないですかね(願望)。あ、品輪博士はとっくに()

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 Magicプレイヤーなら絶対読み間違えるサブタイトル、第11話。結局、謎多きこのサブタイトルが何を言いたいのかは良く分からずじまいだったな。次回はもっと分からないしな。

 もう、すっかり対決ムードのお膳立て完了。物語は「人類の敵ザシュニナ」と「人類の庇護者ツカイ」と非常に分かりやすい分化が行われた。別にザシュニナさんだって害意があるわけじゃないのに。単に自分勝手なだけなのに。まぁ、真道さんから見たら「再びであったらすぐに消されてしまう」危険性があるのだから、流石にわがままとかいうレベルでは済まされないのだけど。幸か不幸か、実際のザシュニナさんは真道の想定してなかった変化を起こしてるんだけどね。

 閉鎖空間でツカイさんといちゃいちゃするしかなかった真道だが、2人で話し合った結果、対異方存在兵器みたいなものが一応あることが分かり、そこからはとんとん拍子で話が進む。ザシュニナは止めなきゃいけない。そのためには、ザシュニナに感づかれないところでこっそりと最終「交渉」への準備が必要なのである。とは言っても、今回真道が用意したのは、ある意味ではすげぇ簡単な対策。彼の必殺武器であるフレゴニクス兵器(あのハンドソニックとかがそうなんでしょうね)を一時的に無効化する反物質、その名もアンタゴニクスである。開発には、どんどん異方存在に近づいていく品輪博士の超頭脳と、過去に真道が築いておいた冶金技術のコネクションが役に立った。各業界に顔が広いと色々便利ですね。まぁ、どっちかっつうと閉鎖空間と言いながらホイホイ外に繋げて人員を拉致出来るツカイさんのスキルの方が便利だと思うんですけど。最初の品輪博士の段階でザシュニナは真道たちの動きに気付いてたみたいだけど、敢えて出方が見たくて泳がせてたんだろうね。

 「ザシュニナさんは驚きたい」というのが真道さんの名推理。まぁ「驚く」というのはあくまで語彙をシンプルにした結果だと思うが、とにかく「瞬間的に意味の分からない情報」が快感なのだろうと踏んでいる。だからこそ、ここ一番で真道が「訳の分からない対応」をした方がお眼鏡に適うという話。実際にザシュニナが真道を野放しにしているのは、そうした「人類ならではの不確定」を楽しみたいからなのではなかろうか。そのためにも、ザシュニナとツーカーになり、更に彼の企みも全て知っている「オリジナル真道」は貴重なのである。

 品輪マジックで開発されたアンタゴニクス兵器。どう考えてもクソダサいのはそういうセンスがあるスタッフがおらず、機能性を大事にした結果と諦めるしかあるまい。効能としてはせいぜい「最初の一撃をかわす」くらいしかできない気休めみたいなものらしいのだが、さて、真道はここから一体何を見せてくれるのか。ザシュニナさんの方はというと、最初に真道に嫌われちゃったところから何か歯車がずれてしまっているようで、順調に計画を進行しているように見えて、どこか上の空。オリジナルの真道と複製体の真道ではやはり何かが違うということなのだろう。退屈なのか興がのったのか、複製体の真道さんをボコボコ転がして暇つぶししてるところを見たら、ツカイさんなんてひっくり返るぞ。なお、そのツカイさんは真道さんとすっかりラブなモードが定着。まぁ、お互いに命を救い、救われてる関係ですからね。あとツカイさんは人類大好きですからね。真道みたいな人間のそばにいるのが楽しいのは、多分ザシュニナもツカイさんも同じ。ツカイさんの実家にあいさつに行ってもビクともしなかった真道さんが素直にキスシーンに応じてくれたのは意外といえば意外だが。ツカイさんのねだるような積極的キスシーン、とても煽情的で良いですね。

 さて、お互いの思惑が大体分かったところで、次回はいよいよクライマックスでしょうか。でもさ、もう完全に品輪博士がフラグ立ててるんだよね。異方につながっちゃってるよね。単に彼女が自発的に旅立つエンドだったら穏当でよいのだが……。あと、花森の扱いがどうなることか。

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 はだかワイシャツ! 第10話! それに対しての体育座りで背中向け! 真道さん、普段の態度からは想像出来ないようなベタな童貞っぷりを披露。いやまぁ、あの状況で何が正解か分からんけど。

 なんか、普通のアニメみたいだな! いや、多分これまでで一番訳の分からない展開になってるはずなんだけど、「あとは勢いでバトっておこう」っていう流れが何かとても「アニメっぽい」。37次元を操るザシュニナさんが普通にハンドソニックとか指弾とか(違う)で攻撃してくるあたり、ひょっとしてザシュニナさんはそっち系の情報ソースも読書で仕入れてたんでしょうかね。火の鳥とか読ませておけよ。

 今回は「ツカイさんと巡る、楽しいこの宇宙ツアー」がメインテーマ。冒頭、数百億年という桁外れのスケールで「繭」から宇宙が誕生し、現代につながるまでの映像(映像はイメージです)が展開。「誰のスクリーンセーバーだよ」っていうくらいに意味が分からない映像だったし、宇宙完成後は「教育テレビで流せよ」みたいな内容だったのだが、それを実際に全部見守ってきた存在がいたってんだからしょうがない。繭の中にたまたま誕生したこの宇宙。あまりにも予想外でエキサイティングだったもんだから、その中に飛び込んじゃった酔狂な異方存在が現れてしまったんですね。それが、徭さん改め、ツカイさんである。彼女はこれまでの人生を一体どのように歩んできたのだろう。異方存在としての記憶はどの程度保持していたのだろう。人間としての新たな「生」をどのように楽しんだのだろう。何もかもがぼんやりした状態で描かれていたが、今作の恐ろしいところは、こうして描かれてきたツカイさんの謎多き探求行動が、たった一言で説明されてしまったこと。ザシュニナに対してツカイさんが叫んだ一言はよりにもよって……「この宇宙のファンなんです!」

 ……この言語センスが野崎まど。いや、普通そこはもうちょっと言葉選ぶだろ。すげぇシリアスなシーンなんだからさ。もっとこう……高尚な言葉をね? 選ぶじゃない? でも、それをやらない。だって、この台詞が一番情報量が多いんだもん。そう、ツカイさんは、もう理屈抜きでこの地球が、人類が、宇宙の有り様が大好きなんですね。自分の存在から次元情報を切り捨てて異方存在として欠陥品になろうとも、この宇宙をずっと見守っていきたいくらいに好きだし、この宇宙の理を乱さないように絶対異方存在っぽい行動をしないように気をつけるし。もう、この献身的な寄り添い方は、「ファン」という他ないんですよ。ツカイさんは、常に最前列の一番良い席で「宇宙」を見続けてきた、単なるミーハーな「ファン」なのだ。

 そんなこと言われちゃったら、ザシュニナさんだって納得するしかない。「こいつ、駄目だな」って思ったら、容赦無く(元)同胞でも亡き者にしてしまいたい。彼が目指しているのは常に「正解」である。その正解とは、頑張って醸成させた「人類」という情報価値の高いお宝を、異方に引っ張り出してさらに身近で楽しむこと。残念ながら人類を異方に引っ張り出したら大半の人類は壊れてしまうと予測されるが、まぁ、数十億いるんだし、中には品輪博士とか真道みたいな「選ばれし者」もいるんだから、1人ずつ連れだしていけばその内成功(正解)するでしょ、っていうスタンス。人間がワクチン作る時に片っ端からマウスにウィルスを投与していくのに似てるかもしれない。しかもザシュニナは人類の複製も自由自在ですので。人類の情報価値さえ歪めなきゃ何したっていいんです。わざわざ異方に連れ出すために、ワムから初めてナノミスハインまで、人類を少しでも異方の感覚に触れさせていたのは「正解」のためなんでしょうね。

 結局、「いいものが出来たんだからこのまま触らずに保存しておいてよ」というツカイ派と、「いいものが出来たんだからあとはこれを異方用にチューンして持っていくよ」というザシュニナ派は相容れない。異方存在としての純度の高いザシュニナの方が戦闘力は圧倒的に上。ツカイさんも殺されかけたが、彼女の愛すべき「人類」代表の真道さんが男を見せる。もう、2人はちょっとした次元の壁なんか飛び越えて理解し合える存在になっていましたね。あの一日デートのおかげやな。ツカイさんが「私は異方存在なんですよ」って訴えたあとの真道の「俺『達』人間は」っていう台詞がとても良いと思います。

 一時的にツカイさんを取り逃がしたザシュニナは、とりあえず想定していたルートに軌道修正するため、クローン真道を引っ張り出してナノミスハインの導入を開始。これによって、また1つ人類が異方へと歩み寄る。少しずつ人類は変容していく。異方へと近づき、別のものに変わっていく。ツカイさんはそれを止めたい。そしてザシュニナは……どうなんでしょう。真道を誤射し、消してしまったその瞬間に、ザシュニナは今までに見せたことのない表情を見せた。それはどこか、寂しさや後悔を伴うような。「正解」があると主張し続けたザシュニナも、ちょいとこの宇宙に長居しすぎた、そして、真道と時間を共有しすぎたのかもしれません。ツカイさんほどの「ファン」じゃないだろうが、何か、異方存在を変えてしまうような「おかしさ」が、この宇宙にはあるのかも。

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 とんでもない展開キター!!!! 第9話。いやぁ、どっかでちゃぶ台ひっくり返すだろうとは思ってたけども……その方向は流石に予想してなかった。どないやねん。

 ついに真道とザシュニナの膝詰め談判が開始された。ただし、あくまで真道の方は「これからどうしよう」という漠然とした問題を打開するための対話を求めただけであり、酒を入れてほどよいところで落ち着くくらいのものだっただろう。しかし、ザシュニナさんたら「宇宙遊び」の核心にチャレンジするラストステージのつもりで挑んでいたようで……これだから異方存在って奴は……。

 まず、彼がとりい出したのはワム・サンサに続く最終提供品・ナノミスハインである。一応「質量・慣性諸々制御支援装置」というざっくりした説明だったが、まぁ、とにかく「位置」や「物質」といったレベルでこの世の理を揺るがすとんでもないものである。「重さが軽くなる」ってんで真道は単純に「流通革命」などを持ち出したが、この世界における質量やら空間情報が自由に操れるとなったら、そんな話ではすまない。これまでの物理法則・科学法則が全てひっくり返るのだ。質量というのはそのものがこの世に存在する証のようなものである。「運動」が意味を変え、「位置」がおぼろになる。後は「時間」に干渉するまでそこまで距離もないだろう。宇宙は、完全に宇宙から脱却する。これまでのワムやらサンサとは別次元の「コワレ」がナノミスハインなのだ。

 これまで通りに受け入れるなら、更なる革新がこの地球に訪れ、しばらくは様々なトライアル&エラーが続いていく。46億年の地球の歴史で行われた全てが人類によってリセットされ、新たな地球や宇宙を産み出すことになる。当然真道はそのことの危険性についてザシュニナに尋ねるわけだが、残念ながら、ザシュニナと「膝を突き合わせて」対話するステージは終わりを告げていた。

 ザシュニナがついに打ち明けた異方存在の目論見。ぶっちゃけ、それ自体は割と安易といえば安易なものであった。インキュベーターが魔女の卵を育てて魔力を吸い取るのと似たようなものである。まぁ、幸い異方存在は人類という「糸」を神の奇跡のごとく稀少なものとして一応は尊重してくれているので多少慈悲めいたところはあるのだが、それでもまぁ、文字通り「次元が違う」存在であり、たとえるなら我々にとってのミジンコ以下である。だって、ミジンコは一応人類と同じ次元を生きるからね。相手は37次元高次にいるわけで、我々が紙の上に一本の線を引き、ただ何となく点を打ち、その点を眺めているよりももっと他愛ない存在、それがザシュニナにとっての人類なのである。そりゃまぁ、なかなか理解するのにも苦労するわけだ(我々はパソコンのドットと対話出来るとは思わないだろう)。

 異方存在はあまりに高次の存在だったために、あらゆるものを解析しつくしてしまい、この世界に飽いているという(これっておかしな話なんだけどね。高次の世界ならそれだけ周りの情報量も高次なはずなんだから)。とにかく何もかもが「分かっちゃう」という異方存在は、ぶっちゃけ暇なのだ。新しい新聞が読みたい、新しいゲームがやりたい。そういう感覚で、試しに色んなものを作ってみたらたまたま「人類」という糸が繭から出てきた。正確に言うなら「人類」ではなくて「この宇宙」だろうが、とにかく、そんな宇宙の中でもゴミみたいな矮小な存在である人類というハイパーミクロな連中が、何か今まで見たことのない反応をしている。これを色々いじって反応を観察しようぜwwwってのが、ザシュニナの来訪目的なのであった。まぁ、予想通りといえば予想通りか。

 そして、そんなネタバラシをしたら意外に真道さんがひるんだのがザシュニナの計算外。「あれー、真道だったら割とすんなり異方の感覚が理解出来るとおもったんだけどなー、せっかくサンサまで見せたのにー」くらいの感じで、自分のプレイングミスを反省するザシュニナ。これまたテンプレな台詞で説明するなら、「人類には早過ぎた」。ごめんごめん、もうちょっと待ってからやりなおすわー、ってんで、真道のリセットボタンを押そうとするザシュニナ。まぁ、やっぱりヤツにとってはそんなもんですよね。だってコピーとってるから問題ないもん。我々だって、RPGで知らないボスに突っ込む時は事前にセーブしてから行きますよね。負けたデータなんてとっておかないで、すぐ消してロードするじゃないですか。ザシュニナさんはちゃんとふっかつのじゅもんをメモする人なんです。もちろん、真道サイドからしたらたまったもんじゃない話。突然のハンドソニックはいくら何でも分かりやす過ぎるイメージやな!とか突っ込むまもなく、憐れリセットボタンは……

 押されなかった。なんだそれ。なんか、出てきた。あんなに品輪博士にカドを開けるようにやきもきしてたくせに、いざとなったら自力で突っ込んできた。ようこそ徭さん。いや、ツカイさん。あんた……そんななあぁ! いやー、笑った。驚くとか感心するとかじゃなくて、笑った。なるほどねぇ。これまでのエピソードで、例えば「いらんやろ」って思ったカドをゴロゴロする話なんかも今回のナノミスハインの概念を理解させる手っ取り早い行程だったし、前回のデートプランも、このツカイさんに辿り付くための前振りだったわけだね。うーむ、異方存在って、実はものすごく下世話な話が好きなだけの連中なのでは……。

 まぁ、トンデモ要素はさておくとして、今後の展開で何が怖いって、ザシュニナは否定してたけど、実質的な「神」として定義されてしまったおかげで、後はザシュニナ(たち)がなにしてようが全部理屈は通っちゃうんだよな。たとえば、あれだけあっさりと真道がコピー出来るんだから、最低でも、地球まるごとのコピーをとって、その時間経過をずらしながら観察する、くらいのことはやってて当然なんだ。我々がアドベンチャーゲームの分岐の前にセーブデータ分けるのと同じ感覚で。人類が「奇跡」だというなら、それくらいの保険はかけてるはずなんだ。つまり、何をやっても「やりたい放題」が待っている。我々人類は、やっぱり異方存在に対してあまりに無力なのだ……。

 これ、どうやってオトすんだろう。一番手っ取り早いのは、「キャラとして一番ぶっ壊れてる品輪博士を異方に連れてってもらえばいんじゃないかな」っていうオチ。いや、単なる願望なんですけどね。続編の「正解するくぎゅ」にご期待下さい。

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 「くり」ずるすぎやろ、第8話。才色兼備で愛嬌もあって、更に私服のTシャツがダサいとか、もう完璧超人じゃねぇか。花澤香菜じゃねぇか(違う)。

 今回は謎の徭さん爆上げ回である。前回、真道とは異なる主張をぶつけてきた徭さん。これは2人の間で意見に衝突が起こって交渉人2人による血で血を洗うバトルが展開されるのかと思いきや、なんと発生したイベントは休日デートである。いや、休日じゃないけども。おかげで一人仕事に謀殺されてマジで死にそうになったヤツがいるけども。

 徭さんが真道を招いたのは、なんとご実家。兄1人父1人。お母さんはどこにいらっしゃるのでしょうね。いきなり放蕩娘が実家帰りして、しかも男連れてきたってんだから、粗忽親子でなくても絶対に勘違いするに決まってるやんけ。どう考えても娘さんの方に非があるケースなんだけど、「粗忽者が」って言った後に「勝手に勘違いしただけじゃない」って言われて黙っちゃうお父さんの優しさな。見事なワンサイド土下座の際に漏らした感情のおかげで、どれだけ娘さんを大切にしているかはよく分かりましたよね。あの土下座を受けて平然と「頑張って仕事します」とか言える真道の方がサイコパスの疑いが濃いな。

 ご実家で一通りコントを披露した後、今度は人類の起源に思いを馳せた水族館、そして最後は東京の街を長めながらのナイトクルーズと、順番はちぐはぐなれども完全にデートコース。徭さん曰く「私の人となりを知ってほしかった」ということで回った順路だったらしいのだが、どこをどう見ても指輪持ち出してプロポーズに行くセッティングだろう。こういうのを平気でやれちゃうあたりが徭さんの恐ろしいところなのだ。そして、それを平然と受け止めて、ちゃんと狙い通りの受け止め方にしちゃう真道もイカれている。たまたまイカレてる2人が噛み合ったことで、今回のデートは上手いこと目的を果たしたようであった。とはいえ、今回の目的はあくまで「徭さんの意見を効率的に真道に伝える」ということ(まぁ、1日がかりなんだから効率が良かったとは言いがたいが)。その主張が正しいものかどうかは別問題である。

 首相が言っていた通り、異方存在という未曾有の変革により、人々はそれぞれの立場でそれぞれの戦いを続けている。真道はもちろんそうだし、報道に携わる言野、自衛隊のおっさんたちまで、自分の信念を持つ者、上の指示に従う者、何もわからずに流される者。たくさんの人間が異方を自分なりのやりかたで受け止めており、今回徭さんが1日がかりで伝えたのは、あくまで徭さんの「個人的な感想」でしかない。一応まとめておくと、「人類はこれまで、自由に、運命に任せて進化と進歩を続けてきたのだから、異方存在の手を借りてその進歩に余所者を入れるべきではない」というのが端的な主張だ。もちろん、これは徭さんだけの意見ではなく、地球上には同じ考えを持つ人間も多いだろう。ワムの時の「権利関係云々」とかそういう実利的な問題ではなく、あくまで感情論として、「異方存在に進化を促進されたいか」ということなのである。

 ただ、感情論としては一定の説得力があることは認めるが、この意見はまだまだ視点がミクロである。「宇宙の塵が固まって」から地球の歴史を語るなら、人類の歴史には惑星外の存在が干渉していることを認めるわけで、例えば初めて生命が地球の海に生まれたとき、例えば初めて人類が言語を話したとき、そこには絶対、なんらかの「決定的な刺激」があったはずなのである。それは宇宙からの異物かもしれないし、偶発的な災害だったかもしれない。1人の天才的な人間が地球の常識をひっくり返したことだってあるだろう。つまり、人類は常に「何かの干渉」を受けて変化を続けている。その相手が、どこまで「身内」と捉えられるかというのは程度問題である。そして、異方というのもあくまで言葉の上で「異なる」ものであり、カドを通じて意思疎通に成功し、つながってしまった時点で異星人、外国人、隣人と概念的には程度の違いしかない。であるならば、異方存在からの技術提供のみを「異物」として拒絶するのはおかしな話である。徭さんの意見は、そこの部分に大きな隔たりがあるのだ。

 まぁ、これはあくまで極論であるし、結局どこまで言っても2つの路線は感情論に帰結するだろう。異方を受け入れるべきなのか、それとも拒否すべきなのか。残念ながら悩んでいる時間は無く、見事にサンサは世界中にばらまかれた。言野は「人々に選択を与える」と言っていたが、まぁ、ネット放送しちゃった時点でぶっちゃけ選択権は無いよな。どうせすぐに動画なんてコピー出来るんだし、数時間後には世界中にサンサの映像が溢れるだろう。見たくない人間だって、どこでブラクラみたいに動画を踏み抜くか分かったもんじゃない。情報が広がるってのは、そういうことなのだ。結局、ザシュニナの狙い通り、サンサはあまねく人類に与えられたのである。

 そして、いよいよクライマックスが近い予感。言野のインタビューでは、ザシュニナが改めて「正解」という言葉を使い、言野が意味を問うたときにも相変わらずのらりくらりと真意をはぐらかした。一応「問題」があるから「正解」があるのだ、という説明はしていたが、結局「問題」とは何かがわからずじまいだ。ここまでザシュニナが「正解」という言葉にこだわり、それに向かってカド・ワム・サンサという道筋を踏んでいるというなら、やはりまだ想像も付かないような「目的」があると言うことなのだろう。ザシュニナは放送の中で、「異方の、そしてこの宇宙の幸福」という言葉を使っている。この度の交流が「この宇宙の幸福」を左右するものであるのは間違いないのだが、「異方の幸福」とは一体どういうことなのだろうか?

 徭さんのデートプランにより、若干の迷いが生じた真道は、改めて酒瓶を持ち出してザシュニナと対峙する様子。そして、それを何だか悪そうな顔で待ち構えるザシュニナ。真道がくれたしおりはちゃんと使ってくれているし、決して裏切りを企むような関係ではないとは思うのだが、ザシュニナの場合、真道や我々地球人が想像もしないような目的意識から平気でとんでもない横紙破りをしてくる可能性はあるのだ。さて、次回は一体何が起こるのか。そして、徭さんの私服は大丈夫なのか……。

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 カドカステラ、結構なカロリーになりそう、第7話。異方存在がモチーフのお菓子って、そもそも美味そうに見えるか?

 まぁ、元々危機意識に乏しい日本人の反応はそんなもんだろうが……無頓着なわけでなく、あえて危険に突っ込む人間だって中にはいるわけで。今回、前半パートで主役を担ったのはこれまでも何となく取材陣の中では中心的存在だった言野という男。いわゆるジャーナリズムに強い自負を持ち、多少ならば無茶してでも特ダネ掴んでくるタイプ。ただ、カド関係の問題も一段落し、ワムに関してそれ以外の問題も山積している状態であるため、人手が足りずに最前線業務からは引き戻されて雑事を任されるようになっていた。

 そんなところに現れたのが都合のいい金づる。現実で言えばぶっちゃけgoogle。この世界ではsettenと呼ばれる大手メディアの引き抜きを受ける結果になった。どうやら一番最初にヘリでカドを激撮しにいったのが高評価だったらしい。まぁ、いきなりあんなもんが出てきてすぐにゼロ距離まで接近できるのは確かに無謀な勇気ではあるな。無事に部下2人も引き連れてsettenに引き抜かれた言野は、さっそくザシュニナに突撃取材を敢行。政府としては民間人の勝手な干渉は望むところではないのだが、当のザシュニナさんはそのあたりに寛容。っていうか、彼からすると政府を通じる必要などなく、とにかく自分たちの狙いがこの宇宙の人間に伝わってしまえばいいわけで。わざわざヘリポートまで完備してのお出迎え。言野達一行はめでたく真道に続いて「望んでカドに取り込まれた人間」の事例第2号になったのである。

 そこで見せられたのが、前回新たに登場した「眠らなくて良い装置・サンサ」である。どういう仕組みなのかは当然現代科学では説明不可能な代物だが、ざっくり言うとジョジョ7部の大統領のスタンドみたいな能力である。あくまでこの世界で我々が知覚しているのは「自身の断片」に過ぎず、次元を跨いだ向こう側には、実は同じようにたくさんの「自分」の断片が広がっている。サンサはその形状で異方の感覚を呼び起こし、「断片」を意識することが可能になり、結果的に「(これまで)自分(と認識していたもの)が増える」という。いわゆる二重人格とかそういうレベルの話ではない。何しろ、あくまでも「自分の一部」であり、パソコンで言うなら今まで見えなかったところにあったメモリやHDを新たに増設したような状態。今までと同じスペックでの活動を続けていくならば、片方のシステムに仕事をさせれば、もう片方はスリープにしても問題無い。これが「眠らなくても良い」ことの正体である。単に「脳が休む」というだけでなく、あくまで別次元での「睡眠」は実現するので、身体の方も疲労と回復を同時進行で行うことが出来る。睡眠が「無くなる」のではなく「同意に行う」ことで、ゼロ睡眠に関して問題になりそうなポイントは全て解決しているのだ。真道は一応注意喚起していたが、おそらくザシュニナのいう通り、人類に直接的な副作用などは存在しない装置なのだろう。

 そして、これがワムの時とは違って「1個しかないけど、単に映像として見ればいいだけだから」ってんでプレスに伝えたあたりがザシュニナの策謀。報道するかどうかは言野の手に一任されたわけだが、まぁ、遠からず世界に発信されることになるだろう。googleの力でYoutubeに上げてしまえば、そこから複製も自由自在だし、全人類に届くまでに大した時間もかからないのではなかろうか。しかし、相変わらずザシュニナの目的が定かでない状態なので、それがよいことなのか悪いことなのかは分からないままだが……。

 ザシュニナは、真道の言葉を借りるなら「人間らしくなってきた」らしいのだが、それはあくまで読書などのデータの蓄積から、より「この宇宙の人間が接しやすい形」を覚えているに過ぎない。もちろん、実際にこの宇宙の空気に触れ、人間達との接点を持つことで影響を受けた可能性もゼロではないが、異方存在はそんなヤワなもんじゃないだろう。着々と進んでいく異方からの「親交」と「侵攻」は、果たして何をゴールに定め、何を持って「正解」とするものなのか、まだまだ慎重な姿勢は崩せないのではなかろうか。そのあたり、今回初めて真道も何らかの懸念を持っていたようだったし。

 そして、異方に対する慎重論を体現しているのが、浴衣姿でうなじまで見せちゃった徭さんである。彼女、金魚掬いで亀まで捕れちゃう万能超人なんだけど、何故かチョロいイメージが払拭できなくてな……。大変可愛いのでけっこうなのですが、彼女の口からいよいよもって「ザシュニナの排除」という言葉が出てきたことで、物語はいよいよ中盤の山を越えてきた感がある。やはり、徭さんの中には根強く「異方不要論」が残っている様子。彼女はまだサンサのことを聞いていないはずなので、ワムの一件だけでそうした結論に達していると考えられる。真道は彼女の意見にすぐに賛同することは無いだろうが、聡明な人間なのは間違いないので、異方の危険性について、見ぬふりをすることもないだろう。さて、ここからどう展開するのか……。

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 30分間立方体がゴロゴロするだけのアニメ、第6話。未だかつてない時間とシナリオの使い方だぜ……まぁ、おかげで今作が始まって一番のほっこりエピソードになった気はします。実家でくつろぐ真道さんとかさ。

 品輪博士の圧倒的知性(と無邪気さ)によってワムの大量生産が可能になってしまった人類。首相がしかつめらしい顔で色々覚悟した結果の判断だったはずなのだが、さて、いざ蓋を開けてみるとこのワム製造ってのが意外にむずい。どうやらこの宇宙の感覚に馴染んでしまった人間にはコツが掴みにくいとのことで、おそらく私のようなおっさんには無理なのだろう。子供の方が作りやすいって言ってたけど、多分順調にサンプル取っていけば各国もそのくらいのことにはすぐに気がつくから、多分数日で量産体制に入れると思うんだけどね。品輪博士の研究室周りだけでも2件は成功実績があったらしいし、全世界で見ればかなりの大規模進行になるんじゃなかろうか。

 でもまぁ、いきなりそんな突拍子も無いものを渡されても、素人がどう手を出していいかも分からないだろうし、ベースとなったワムはおそらく国連に提出済み。すぐに世界がぶっ壊れるとかいう事態にはならずに済んだらしい。少しずつ「何か」へのカウントダウンを行っているという静かな地雷原の中、何故か突然持ち上がった議題は「カド移転計画」であった。ぶっちゃけ、この移転、本筋とはあんまり関係無いんじゃなかろうか。いや、ひょっとしたら今回の話も後で何か伏線になってくるのかもしれないけど、多分、あんまり有機的に絡んでこない単発エピソードだと思われる。そもそもザシュニナは「羽田から動かさない方がいい」って言ってたくらいだから、今回の移動に異方の意志は介在していない。あくまで、日本側が「だって羽田にあんなもんがあったら邪魔じゃん」というすごく所帯じみた理由から持ち上がった問題なのである。これまでの「異方とのコミュニケーション問題」とか「世界終わっちゃう問題」に比べれば、「羽田の営業再開を何とか進めたい問題」のなんとちっぽけなことか。でもまぁ、もし実際に直面したらけっこうな大ごとなんだよな。日本と世界を繋ぐ大動脈ですからねぇ。

 で、結局ザシュニナは日本政府の要請を受けて移動に手を貸すことにしたわけだが、例えば「一定の安定した平面が欲しいな」とか、「瞬間移動はちょっと困る」とか「移動するときもどこかが接してないと据わりが悪い」とか、今回の移動を盛り上げるためだけの設定がほとんど。つまり、何が言いたいかというと……、今回の話、単にあの立方体が転がしたくてやっただろ。もう、「一辺が2㎞の立方体を東京で転がす図」が描きたかっただけだろ。そのためにあんな大仰な準備をして、設定を盛り込んで、転がした。面じゃなくて辺で接すれば最小限やで、とかいう小ネタを挟んではいるが、これまでのギリギリの交渉ごとやSF展開に比べれば、割とイメージもしやすく、分かりやすいお話になっている。結局、目で観て分かる「何か凄いこと」をカドでやりたかったので、一番分かりやすく「めっちゃ動かす」というお話になったのだろう。立ち上がったり倒れたり、移動する立方体はあたかもラミエルのごとく。この画の先駆的なデザインを作ったと考えるとやっぱりエヴァってすげぇな。

 思い返してみれば、あれだけ鳴り物入りで宇宙に飛び込んできたカドも、1話目以降は特に動くこともなく、「地味な」画面で展開してきた作品なのだ。ここいらで一つ、特大の大きなモーションを作ってせっかくのCGアニメの面目躍如と行きたかったのではないか。まぁ、実際に「ただ動かす」だけでも怪獣映画みたいな騒動になっていたので面白かったのは間違いないんですけどね。ただ、こんだけ諸々動かした結果、次週が総集編になっちゃったってのもいかがなものか……うーむ、新しい話まで2週間待たなきゃいけないのはストレスですぞ。

 だってさぁ、単にゴロゴロするだけのお話だと思って油断してたら、最後にザシュニナがもう1つ爆弾をぶっ込んできましたからね。そうか、次はそうなるのか……。異方存在が人類に、この宇宙に何をもたらしたいのか。現状ではさっぱり分かりませんね……。「寝なくていい」って言われても、「眠る」って楽しいことだしなぁ……。欲がなくなっちゃうのかなぁ……。

 追伸:だんだん徭さんが真道に対して柔らかい表情を見せるようになってるのは良いと思います。

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 前回あたりからそうなんだけど、このサブタイトル何なんだろ、第5話。「ワム」までは意味が分かったんだが、そっから先のサブタイは謎ワードなんだよな。これも後で関わってきたりするのかな……。

 相変わらず1秒たりとも油断出来ない展開が続く。幸い、今回の問題は非常に分かりやすく、「無限エネルギーを手に入れてしまった日本、果たして国連との折り合いは?」という政治バトル展開に……なると思ってたんだが……やっぱり予想の斜め上。もう、毎回フルスイングでバットごと飛んでいく勢いである。

 今回、ザシュニナは徭さんに「見解の相違だ」という言葉を放っている。何気なく流してしまいそうなありきたりの一言ではあるのだが、今更ながら、この言葉の意味を考えてヒヤリとするものがある。もっとも単純なうわべの意味だけを解するなら、「ワムで人類が幸せになるとか不幸になるとか、そんなの考え方次第だよ」ということになり、実際に国連を巻き込んだ世間の騒動はそういうレベルの話で進行している。ワムの登場で満たされる人もいるかもしれないし、殺される人も現れるかもしれない。ワムをコントロールするために、あらゆるものを犠牲にする国だって出てくるかもしれないだろう。そうした「幸か不幸か」の次元というのが、もっとも分かりやすく「見解の相違」が生まれる部分である。

 しかし、改めて考えるに、ザシュニナは果たして「人類の幸福」について思索を巡らせる必要があるのだろうか? そもそも異方が何故ワムをこの世界に持ち込んだのかは一切分かっていない。ザシュニナは「正解に辿り付け」と言っているのだが、その「正解」が「人類不偏の幸福である」などとは一言も言っていないのだ。では、彼は何を考えているのか。

 現時点でそれを推察する手段は全く無いのだが、少なくともこの「正解」というワードについて、人類側と異方側で「見解の相違」がある可能性は認識しておくべきだろう。誰かの幸せとか、人類の存亡とか、そういうレベルの話ではない。ザシュニナはあくまでコミュニケーションを行うためだけに現在のような形状を選択したという経緯があり、彼がこの地球、この宇宙において「人類」というただ1つの種、ただ1つの生命に何らかのこだわりを持つ必要すら無い。あくまで、この度たまたま意志の疎通が可能だったから人類に話しかけてきたという可能性だってあるのだ。そんな異方存在がワムを提供してきた目的が、「人類の幸せ」なんてぼんやりしたものであると考える方がおかしな話ではないだろうか。

 何が言いたいかというと、「ザシュニナってキュゥべえと大して変わらない可能性もあるよね?」ということである。まぁ、あの淫獣は明らかに自己存在のために人間を食い物にしようという意志があった分タチが悪かったが、ザシュニナの場合、そうした意志すら存在しているかどうか危うい。彼が人類にワムを渡し、辿り付きたい「正解」が何なのかは現状で分かるはずもない。極端な話、これが原因で核戦争ならぬワム戦争に発展し、人類が根絶するまで殺し合うことが「正解」である可能性もゼロではないのだ(そして、現状そのルートだって見えているのだ)。「見解の相違」とはよく言ったもので、人類は未だ、彼の真意を一切測れずにただ踊らされているだけ。

 そしてザシュニナ側は、あっという間に人類の底を見定め、こちら側の方法論は軒並み習得・活用しているのである。例えば彼は真道との対話で「あまり無茶をするなよ」と言われた際に「無茶?」と聞き返しているが、元々スマホから言語データを吸い上げた彼が、「無茶」という単語だけを知らないなどと言うことはあり得ず、あのシーンでザシュニナは確実に「とぼける」というコミュニケーション手段を執っている。真道に「無茶をするな」と言われて「分かった」でも「嫌だ」でもない、「ぼかす」という反応をすることで、その後の展開で「無茶しちゃうかもなぁ」という事実をにおわせているのだ。そして、実際の総理との会見も、個別で会談を設けた経緯について「必要に応じたまで」と言っていたが、その「必要性」を理解している時点で、彼はすでに日本式のコミュニケーションを完全にマスターしている。そして、通り一遍の決まり文句だけを吐いて人類の英雄たらんとした総理を(おそらく彼の狙った通りに)導いたのだ。穿った見方なのかもしれないが、現時点でのとんでもない展開は、すでに人類の手を離れ、異方存在の思うがままである(まぁ、「思って」いるのかどうかすら定かでないが)。

 とはいえ、アニメの演出からメタ的に邪推すると、今回の展開はそうした真っ黒なネガティブ展開ではなく、あくまでも「日本政府はリスクを冒してでも全人類の幸福を選択したぞ!」という英雄的なエピソードに仕立てているように見える。大天才・品輪博士の存在も、いかにも「日本が誇る科学技術力」みたいなものを体現しているようだし、国連が動き出すまでの短時間のうちに、言わば世界を「出し抜く」ことになった展開はどこか爽快ですらある。おそらく、現状は真道たちが道を作って「正解」ルートを歩んでいるのだろう。あとは、ここから人類全てがどのように異方の狙いをくみ取るかの問題だ。まだまだ先は見えませんね。

 ちなみに余談だが、今回博士が作ったワムは実際に折紙で作れるそうで、ちょっと調べただけでもオリジナルの製作者のブログに辿り付いた。まぁ、もちろん無限のエネルギーが溢れ出たりはしないけど、独特の形状から何かSF的なテイストを感じるのはよく分かりますわね。実際に「存在している」ものからこうして不可思議ストーリーが飛び出してくると、どこまでが現実でどこからが虚構なのかが曖昧になって愉快である。「人間が頭で想像出来ることは、全て実現可能である」と誰か偉い人が言っていた気がするが、さて、ワムはどこに転がっているでしょうかねぇ。

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 よし、女の子はみんな可愛いな、第4話。徭さんが割とチョロ可愛かったのは意外だったけどありがたいです。低い評価連打しても多分対応してないと思うぞ!

 ワムを巡る交渉は続く。ごくごく当たり前の経過を、世界は辿っているように見える。ワムについては日本の科学者が必死に調べていたようだが、結果として分かったことは「言われた通りの中身」「超便利」「仕組みはさっぱり分からない」ということくらい。多分、人類が100年や200年程度の研鑽でたどり着けるような領域ではなかろう。個人的になるほど、と思ったのは成層圏内でのエネルギー総量の増加問題ってのがある、という指摘。なるほど、確かに「外の世界(異方)」から突然エネルギーを引っ張り出してきたら、総量が変わるから今まで以上に地球環境への影響は大きくなるんだよな。どんなエネルギーだろうとエントロピーの法則に沿って最終的に熱になるわけで、ワムが電力だけを産み出すとは言っても、それ以降を制御することは出来ないのだよね。

 まぁとにかく、突然外の世界からそんなものを放り投げられても、簡単に対処出来るものではない。本当に単純に考えるなら、「こんな夢のエネルギーがあれば本当に色んな問題が全部解決するよ!」となるわけだが、人類社会はそんな簡単には出来ておらず、国連決議では「ワムは人類には早過ぎる」という結論が出された。まぁ、そうなるやろ、という印象。議論の余地はあると思うが、個人的にも、もし現実世界に突如ワムが放り込まれたとして、それが全世界に行き渡るほどの充分な量があろうとなかろうと、世界は不幸な方向にしか進まないだろう、という予想がある。「良くなるだろう」「悪くなるだろう」は実際に見てみなければ水掛け論かもしれないが、議論の段階で意見が分かれていることから、世界が一つになれないことは一目瞭然だ。たとえば作中では「産油国が反対している」という描写があったが、世の中のエネルギーを食い物にしている人間は軒並みワムによって地位を追われる恐れがあるし、そうでないとしても、突然の生活スタイルの変化というものは少なからず人にストレスをかける。そしてもちろん、莫大なエネルギーは強大な武力に直結する。人類が、国家が本当の意味での融和を見ない限り、無尽蔵のエネルギーは無尽蔵の闘争につながる。一番イメージしやすいのは手塚治虫「火の鳥」の未来編みたいなオチではなかろうか。

 国連側の判断は、残念ながらおそらく「正しい」。日本政府は「夢のエネルギーを与えられたのにそんな後ろ向きな結論しか出せないのか」と嘆いていたが、不相応なものを持たされることは決して幸せではない。もちろん、エネルギー問題が解決すれば地球上から多くの非劇が無くなることも事実だろうが、それに替わる非劇が出てくるだけの話。絶えず進化し、様々な側面で革新と効率化を続けてきた人類に一向に非劇の芽が無くならないのだから、ワム1つでそれが解決されるわけでもない。全ては程度問題だ。ワムは人類に与えられるべきものではないのだ。

 しかし、それは残念ながら「異方側の意志ではない」と真道は考える。ザシュニナは、「何故だか分からないが」ワムが全人類に行き渡ることを「望んでいる」(それが意志と呼ばれるものかどうかは分からないが)。国連決議はその真逆。ザシュニナはこれを打ち破らんとしているという。もちろん、「カド側」の交渉官となった真道は、このザシュニナの意志決定を尊重することになり、日本政府は世界に対して何らかのアクションを起こすことになるという。「覚悟」「爆弾」など、ザシュニナさんも確実に日本語の語彙を使いこなし始めているが、果たしてどんな「爆弾」になるものだろうか。それは、新たな非劇を生むものなのか、異方側の不可思議な意志を人類に遍く伝えるものになるのか。そして、その鍵を握るのは……釘宮ボイスの天然科学者さん? メガネずり落ちたけど、あの子に一体何をやらせるというのだ……まぁ、可愛いからいいけど……。

 結論:まぁ、とりあえず可愛い子に任せれば何とかなる(アニメ脳)。

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