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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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  わずか2週間という短期決戦を終え、新番チェックから番組感想までの最短記録を樹立した番組。この形式はなかなかまねできるものではなさそうなので、今後この記録が抜かれることは無いだろう。もちろん、この作品の後を受けて同じような放送形態の作品がガンガン出てくれば分からないが、おそらくそれは無いと思われる。なにせ、この作品がアカンかったからだ。

 上の点数を見てもらえば分かる通り、個人的にはがっかりと失望の連続で幕を閉じた作品であった。製作陣に期待があったからこその初期配点だったと思うのだが、シナリオ面、映像面ともに、一切の加点要素が見付からず、ただダラダラと2週間を歩き続けただけ。何故こんな妙な放送形態にしたのかがよく分からないし、わざわざこれをアニメ化した意味も分からない。1話を見た後に「作品として中途半端なものなのだから、見たいなら原作や原典を当たればいいんじゃないか」というコメントを書いたのだが、終わってみれば、アニメとしては中途半端というか、明らかに駄目な部類に含まれるだろう。

 シナリオが駄目なのは仕方がない。何度も言うように、「マネジメント」という一種の学術書、啓発本を、更に啓蒙しようとして書かれたフィクションという媒体自体が特殊すぎて、それを他の媒体に移植するのは並大抵の労苦ではないはずだ。教科書としても座りが悪く、お話としても目新しさのないもの。アニメにしたら、そんな中途半端な状態が改善されるわけもなく、話の筋の単調さ、陳腐さだけが浮かび上がるのは避けられない。ただ、やはりそれにしたって酷かった気がするのだが。最大の売りであるはずの「高校野球+ドラッガー」という新規さが欠片も感じられず、やってることは凡百の「野球漫画」である。しかも、そこに「マネジメント」が絡んでいるというニュアンス自体が弱く、努力をするでもなし、飛び抜けた発想力があるでもなし、単に理想論だけを振りかざして練習して、試合にでる不気味な高校球児の姿があるだけ。「ノーボール作戦」を標榜していたくせにピッチャーが映るシーンでは大体フォアボールで歩かせていたあたり、笑うしかあるまい。

 別にありきたりな物語だからといって文句を言うつもりもないが(あだち充なんて何十年同じことをやっているか分からないが、別に「クロスゲーム」に不満は無かったのだが)、それが面白いものにならないことくらいは、分かりそうなものだと思うのだが。最も見せなければならない各部員達の特性や、各々の人間関係など、「野球もの」に必須の魅力の出し方が感じられない時点で、感情移入して見守ることなど出来やしない。

 そして、そんな腑抜けた野球漫画を、アニメーションの動画、演出が後押しせず、更に足を引っ張っている有様。世間では作中で登場した球場の造形がおかしすぎることが話題になっていたが、その他にも選手の動きや打球の弾道、観客の描き込みにいたるまで、とにかく「野球を面白く、アツく見せよう」という意識が感じられない。最終回のピッチャーの力投シーンなんて、まさかの同じ話数内でのバンク使い回しまで発生し、「どこまで野球描写に力を入れたくないんだよ」と呆れてしまう。この作品は内容の9割が野球なのだから、そこを魅せられなければマネージャーもドラッガーもクソもないと思うのだが。一体どういう製作体勢だったのだろうか。

 本当に「手間をかけていない」出来には、様々な邪推も可能だ。元々2週間限定の10話というスタイル自体が珍しかったし、スタジオ側はよっぽど無茶なスケジュールで制作を任されたのかもしれないし、金が出なくて人手を確保仕切れなかったのかもしれない。だが、昨今のアニメ制作事情の中で、それは言い訳にすらならないだろう。はっきり言って、この作品の腑抜けた動画面は、プロダクションI.G.の看板に泥を塗ったと言っても過言ではないと思う。最近は「おおきく振りかぶって」(A-1 Pictures)のように見ていて充分に「真摯さ」が伝わってくる野球アニメがあっただけに、その対比はあまりに明らかである。何故こうなってしまったのか、制作スタッフの本音を聞いてみたいところだ。

 せめてもの救いは、終わった後に「結局、ドラッガーって、マネジメントってなんなんじゃい!」というのがさっぱり分からなかったおかげで、ひょっとしたら「マネジメント」自体の売上は伸びるかもしれない、ということくらいだろうか。確かに、あそこまで適当な扱いを受けた「名著」というのはなかなか無いだろうし、ちゃんと読んで改めて「これで野球……キチ○イの所業か」と突っ込みを入れる作業は必要な気もしてくる。ドラッガーさんも幸いだったのか災難だったのか……

 結局、こんな妙なスタイルで走り抜けた意義もよく分からなかった本作。例によって中の人の話をしようとも思うが、まぁ、ぴかしゃの代表作にはあんまりなりそうもないのが残念至極。9話のみなみご乱心のシーンとか、もう単に「この子は本当にどうしようもねぇな」という哀れみの目で見るしか無く、演じる方もあんな無茶苦茶な心理状態に肉薄するのは大変だっただろうと同情するばかりである。

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