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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 突如現れた卑弥呼の亡霊に、「何かちょっと名前出てたけど全然イメージできてなくて、出てきたら出てきたでそんなに強烈な印象も与えないまま引っ込んだRPGのラスボス」を思う最終話。ずーーーっとハーゴンの話しか聞いてなかったのに突然「シドーもいるよ!」って言われても、なぁ。

 とまぁ、最終回としてのバトル展開には盛り上がりにかける気がしたが、全体的な総括エピソードとしては大きな失点もなく、無難にまとめたという印象。ラストということでコンテ演出も監督自ら行い、作監もあり得ない人数が並ぶ、気合いの入った体制。大崩れしなかったのはありがたい。唯一、地下空洞やアトラス内にいるあいだずっと目の下にポイント入ってたのが気になったけどね。光源の向きにこだわったのかもしれないけど、最終決戦や感動の別れのシーンでみんなして目の下に隈があるみたいで余計な気がした。今まで特にこだわってなかったくせに。

 さておき、今回、画的に感動したシーンは大きく3つ。1つ目は、エンディング前の國子の笑顔。一応主人公らしい締めではあったかな。國子の顔ってわりとのっぺりしてるから可愛く描くのが難しいのだが、今回は全体的にいい表情が多かった。2つ目は、美邦様を庇う一瞬のミーコ。幻影のようにふっと現れて銃弾を受け止めてふっと消える。コンマ何秒の動きの中に、ミーコの持つ力強さと柔らかさを見せてくれた得難いカット。そして一番キた3つ目は、小夜子の袖を引く美邦様。お持ち帰れますか?

 シナリオ面では、まずやっぱり一番どうでも良かったのが主人公サイド。天沼矛はあっさり抜けたのに、卑弥呼は宿らず、涼子も移らず。2週前にフルボッコだったはずの格闘戦も、何故か矛アタックで瞬殺。一時的に何か霊的なパワーが宿ったってことなのかな。そしてラスボスである卑弥呼戦には、仲間の力の象徴である特大ブーメランを持って参戦し、こちらも瞬殺。見せ場は……特になし。一応主人公らしい台詞を言っていた気もするが、それだって「私たちの未来は私たちで決める」みたいな陳腐なもんだしなぁ。頑張ったんだろうけど、いまいち応援するタイミングのつかめないヒロインでした。

 他方、今回きっちり泣かせるエピソードを紡いでくれたのが、残りの幼女2人。美邦様はミーコとの別れと、小夜子から受ける初めての体罰。ミーコにハンディキャップを全部持って行ってもらったのはいささか都合が良すぎるが、今まで幼い身で頑張ってきたんだから、これくらいのご褒美はあげてもいいだろう。日の光の中で見る美邦様の抜けるような白さは、國子とは別の、まっさらな未来の象徴かもしれない。

 そして失意のどん底にたたき落とされていた香凛。自失の体だった彼女が、最後の最後、涼子の思惑を乗り越えるべく、メデューサの「視野」を書き換えていた。ここ数週にわたってあれだけ苦労していたメデューサ退治があっさり片付いたのはやっぱりご都合主義ではあるのだが、「両親との再会という唯一の望みが絶たれる」→「メデューサという、夢を叶えるための装置に未来を託せなくなる」という流れから、「生みの親」である香凛自らメデューサの命を絶つ決心がついたと思えば、理解は出来る。そして、何もかも失った香凛(このときの独白で真っ先に「お金もない」から入るあたりが流石だが)。最後に残ったのは、チャンとクラリスという現実の仲間たち。バーチャル空間のみで生き、バーチャルに望みを絶たれた彼女に、きちんと現実から救いの手がさしのべられるエンディングは、非常にきれいにまとまっている。クラリスはなかなかいい女であった。

 他には、出自を説明され、がっかりし、オカマに慰められる国仁。基本的に、モブ。あと、最後の最後でどさくさに紛れて逝ってしまった、我らが武彦。思いの強さは分からなくもないが……何も死ななくてもよかったのでは。涼子取り巻き野郎ズの1人もうっかり巻き添え喰っているが、彼らの死には何を思えばいいやら。貴重な人柱に2人追加。

 最終的に、分からないこと、もやもやしたことが多い話ではある。例えばアトラス体制が崩壊したとて、世界的に炭素経済は続いていくんじゃないかとか、もともと「ダイダロス」のせいで東京の森に住めなくなって移住してたはずなのに、また森に放り出されて大丈夫なのかとか。もともとアニメではそこまで踏み込まないで舞台設定を描いてきたので、考えれば考えるほど穴は多い。しかし、それでも「何となくきれいにまとまった」感を出すにはほどよい最終回だったとは言えるだろう。エンディング後に鳴り響く鐘の音は、12時をさして「新たな世界の夜明け」を意味する。東京空襲の際には「東京の終焉」の象徴として打ち鳴らされた鐘の音が新たな「シャングリラ」の幕開けを告げるというのは、なかなか気の利いた演出だ。他にも、それまでじっとりとしたアトラス内部ばかりが描かれていたのと対比して、ラストシーンはちょっと飛ばしすぎじゃないかと思えるくらいにまぶしい日の光の中にメインキャラクターたちが居並ぶ構図になっており、「夜明け」のイメージが強く打ち出されている。もともと鬱蒼と茂った森のイメージから始まったこの作品だが、空襲で焼け野原になった東京にも、光がさすことできちんとポジティブなイメージを上乗せさせているわけだ。一番の売りだったビジュアル的な美しさが最後の画面に活きているのはうれしかった。

 何はともあれ、無事に風呂敷をたたみきった24話。ひとまずスタッフの人にはお疲れ様の一言を。そして、それなりの構成力と創造力を示してくれた別所誠人監督の次の作品にも期待したい。

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