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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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「俺の脳内選択肢が、学園ラブコメを全力で邪魔している」 4→5

 今期も、最初にゴールインしたのは角川枠の作品。まぁ、最近はなんでもかんでも角川なので「角川枠」という言い方もあまり意味を成さないのだが……「エース枠」? でも、今作はそこまでエースキャストに偏った配置になってるわけでないし……まぁ、そういう作品。「問題児」→「ブラッドラッド」ときて、3作続けて10話完結の半端アニメである。

 番組開始時にはそりゃもう期待を込めて「あかんわ」「どうでもいいな」と思ったわけだが、オープニング映像に引かれて見続けているうちに、じわじわ気持ちよくなってくるという、由緒正しいクズアニメの代表みたいな立ち位置になった。今期はこれと同じようにして、開始時に「あかんな」と思っていたのにじわじわ癖になるアニメが多く、視聴処理が非常に面倒なシーズンであった。今作の場合は、誰に何を言われても「駄目アニメだね」とにっこりほほえんで答える自信はあるのだが、最近は、駄目は駄目でも、良い駄目と悪い駄目があるようなのだ(自分で言ってても訳分からん)。

 今作の場合、まず障壁として立ちはだかるのが、脳内選択肢というこの作品のオリジナリティそのものである。初っぱなから遠慮なく無茶な「選択肢」が乱立し、そこに一切のルールもなければ、(作中視点からは)必然性も意図もない。そんなものを「ルール」として設定してしまっては、もう物語として成り立たないだろう、というのが拒否反応を示した理由だ。実際、脳内選択肢は単に「作品を都合良く導くための万能過ぎるツール」であり、これがあり続けるかぎりは作中人物に共感したり、身につまされるような真に迫ったシーンでグッと来たりということはあり得ない。どう考えても、ドラマを作る上ではノイズにしかなり得ない。しかし、しばらく見ているとそんな一面的な見方が間違っていたことに気がつく。この作品の場合、正しい視聴体制は、「ドラマとして見る」ではなく、「バラエティとしてみる」なのである。作中だけでシナリオが閉じておらず、たとえるならば必死に演者がドラマを作ろうとしているところに、ディレクターがカンペでガンガンアドリブや無茶振りを入れてくるのを楽しむコントみたいな感じ。それならば、選択肢の存在は単なる「笑いを取るための1つの手段」として一般的なものになる。

 そうして、「下世話なバラエティ」として見るとシナリオの無茶苦茶さはほとんど気にならなくなるし、あまりに残念なキャラクターたちのセッティングも、これはこれでコントとして見るべき点が多い。どれもこれも萌えもののテンプレかと思いきや、「お断りファイブ」も「表ランキング」も、結構キャラの立つ残念な奴が多い。特に、メインヒロインとして並立していた雪平、遊王子、ショコラの3人はそれぞれテンプレ属性を保持しながらも一捻り効かせたキャラ特性が可愛らしく、萌え作品として観ながら「おっ、俺ちょろい」と感心したものである。特に雪平だなぁ。しろぶた君が活躍した雪平エピソードでの一気に吹き出したデレモードとのギャップが際だっており、なんかもう、リアリティだのなんだのいう言葉は既にラノベ界隈の作品作りとは無縁の所にあるのだな、というのがよく分かって気持ちよかった。この手のハーレムものは本当に決まり切った展開ばかりでうんざりするのが常だが、今作の場合、横槍としての脳内選択肢のおかげでどんな酷いオチになるのかは最後まで予想がつかず、ちょいちょい挟まれる小ネタからいい角度でえぐりこまれると、ついつい笑ってしまう部分もあったのだ。

 また、アニメとしての画作りも非常に手堅く、いかにもディオメディアらしいビビットで目に痛い色彩も、こういう「嘘臭さ」を際だたせるのにはいい配剤である。スタッフについても、稲垣監督が割と頑張ってくれたのに加え、福田道生、森脇真琴などの名前が連なり、節操の無いギャグを繰り出す基盤設定との相性は良かった。こういう作品がポロッと出てくるので、アニメ視聴は油断が出来ない。まぁ、誰かに感想を聞かれてもあまりおおっぴらに勧めようとは思わないのは間違いないのだが、内心では「中途半端におわったんだから2期があるんだろうなぁ」と期待してしまう部分もあるのだった。繰り返しになるが、俺、ちょろい。

 最後は中の人。今回は主演のショコラ役(とエンディング歌唱)の砂土原かおり以外はあまりエースキャストにはなっておらず、サブヒロインたちなどもなかなか面白い個性的な面子になっている。個人的にヒットだったのは、キャラが立っていた雪平役の近藤唯。ギャップの激しい二面性だったので2役と言ってしまっていい仕事だったが、メリハリを付けて雪平の愛らしさを2割増しにしてくれていた。まだ新人のようだが、今後の仕事に期待したい。その他辻あゆみ、五十嵐裕美、松嵜麗など、「出てくればきっちり仕事してくれる」という中堅層が活き活きと仕事をしていたのも好印象。こういう層にスポットを当てるのってなかなか難しいのよね。そして、なんと言っても主演の豊永利行だろう。今作はハーレムものとしてもコメディとしても、とにかく主人公・奏のキャラがしっかり維持出来ていないと確実にグダグダになる作品。お断りされながらもきっちりイケメン要素を残し、その上での数々の変態発言、突っ込みをフル回転でこなしてくれたのはお見事。男性声優は(女性群と比べると)数が少ないので専門職としてどんどん先鋭化して腕が上がるよなぁ。

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