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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 記念すべき今期初泣き作品、第6話。基本的に涙脆い私ですが、今作を見ているといちいち感極まる。澤部のあまりに良い涙にもらい泣きです。

 前回ちくりと痛んだ澤部の恋心の続き、そして、ついに立ち上がった公生の苦しい苦しい第一歩が描かれたお話。宮園さんは入院していた不吉フラグなどどこ吹く風で元気いっぱい、押しの強さは更にすごみを増し、公生がピアノを弾くようになったのをいい事に、ガンガン注文をつけまくる。あれだけ好き放題やっておきながら、夜の音楽室のシーンでは公生に対して罪悪感を感じたようにして涙を流すあたりは情緒不安定過ぎるのだが、公生がまず聖人君子の優しさでもってそれを受け入れてしまっているので、視聴者側としても彼女の傍若無人っぷりには突っ込みづらい。公生の自宅での一件などを見るに、彼女は徹頭徹尾「音楽の申し子」であり、音が奏でられることを至上の喜びとし、音を奏でることを至上の命題としている。彼女にとって「弾けるのに弾かない」は罪悪であり、「弾けるはずの才能」を眠らせておくことは何よりも苦しく辛いことなのだろう。そのために、何をなげうってでもとにかく公生にピアノを弾かせようとしているのだろう。

 この状態は、言ってしまえば彼女のエゴでしかない。これは最初からずっと言えることだが、公生は彼女の押しに従う必要は欠片も無いはずだし、彼女の理不尽とすら言える振る舞いに怒ってもいいはずなのだ。しかし、公生がそれをしないということは、やはり彼も根っこの部分は「音楽の申し子」としての性質を彼女と共有しているということなのだろう。あれほど恐れていた音楽を、彼女のダイブをきっかけに再開することを決意し、今回はついに具体的なリハビリに着手。苦しみながらも、決してそれを単なる苦行だとは捉えておらず、深夜まで学校に残ってひたすら目の前のドアを打ち破る鍛錬を積んでいる。ここまで積極的に挑戦できるのは、なにも宮園さんに強迫されているからではなく、彼自身がそれをやりたいと思っているからに他ならない。「音楽の申し子」2人は、理屈を越えた部分で感覚を、時間を共有しているということなのだろう。

 そして、そんな人智を越えた関係に苦しんでいるのが、この度のメインヒロイン、澤部ということになる。椿ちゃんは本当に素直で可愛い子である。今回は彼女の何とももどかしい乙女心が前面に出ており、彼女をヒロインとした一本のドラマがとても綺麗に表れている。冒頭、回想シーンの彼女と公生の思い出が「澤部の涙」で幕を開け、ラストシーンはまったく同じ「帰り道」の彼女の涙で締めくくられる。そこには長年の積み重ねである、2人の言葉にならない絆が刻み込まれている。

 澤部の心情、恋心というのは、何とも痛々しくて、切ないものだ。何しろ、公生と宮園さんの間にある絆は、常人ではとても理解の及ばない「天才同士のつながり」であり、どれだけ公生のことを理解出来ているとはいっても、音楽というフィールドで同じステージに立つことが適わない椿には決して共有出来ないものである。深夜の「帰り道」、澤部と宮園は2人で同じ道を歩いていたはずなのに、気付けば宮園は公生の下へととって返し、澤部と2人の間には無情の遮断機が下りてくる。「私たちの中に、私はいない」という次元の違いを、澤部は冷徹な形で強く認識させられる(このシーンで宮園さんが澤部と別れた後に改めて引き返したのって、別に他意は無いんだろうけど、なんだかとても残酷な仕打ちである)。「駄目駄目な弟」だったはずの公生は手元を離れ、宮園が彼を「弟」と呼んでいる。ソフトボールの試合会場では、彼女は焦りのために必死に彼の影を追い求め、がむしゃらに突っ走ってしまう。まるで「お前には絶対届かない」と言われているようで、彼女の気持ちはかきむしられるばかり。

 このまま、彼女は公生と完全に隔たってしまうのかと思われただけに、ラストシーンでの一幕は大きな救いになった。確かに彼女はどうあがいても宮園と同じ立場で公生に接することは出来ないし、永劫に届かない領域があるのは間違いない。しかし、彼女にしか届かない領域も間違いなく存在しており、それは、きっと公生にとってもかけがえの無いものなのだ。入れ替わっていく立場、背負われた側が背負う側に回り、涙を流すその意味も変わってくる。それでも、変化も含めた2人の関係性の積み重ねは、きっと2人だけの大切なものであるのだ。全アニメ作品の「幼なじみキャラ」に幸多からんことを。

 とにかく、澤部が可愛いのが一回りも二回りもこのドラマを盛り立ててくれている。冒頭の幼女時代のぐしゃぐしゃの泣き顔、それに対比するように表れる、現在の身も世もなく泣き崩れる泣き顔。女の子の本心があけすけに出てくる一幕ってのはたまらないものがあります。今回は宮園さんも涙を流しており、2人の「涙の演出」がまったく違う描かれ方になっているのが実に興味深い。また、今回注目したいのは公生の自宅の「埃まみれの部屋」の映像。「埃」なんて描出の難しい要素をあそこまで綺麗に、静謐に描いているアニメーションは初めて見たかもしれない。1秒たりとも目の離せない、素晴らしい作品だと思います。

 あ! あと新キャラ! また梶か! そしてはやみんか! 盛り上がってきそうだぜ!

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