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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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「白銀の意志アルジェヴォルン」 5→3

 1話目の感想では「廉価版ブレイクブレイドみたい」って書いてるんだけど、なんだか随分違う方向に進んだ作品になった。それが「オリジナリティ」だったらば良かったのだが、……うーむ。

 色々と新しいことをやってみたいという意思は伝わってくる作品だったと思う。まず、兵器開発の闇というのが視点としては新しい部分で、そりゃガンダムだってアナハイムがあるし、「パトレイバー」みたいにがっつり「商品」としても描かれたロボットはこれまでたくさんいたと思うが、バックにいる黒幕ポジションに兵器開発の会社を設定し、それが戦争の当事者国2カ国に渡って煽りながら開発の足しにしている、っていう構図が本気で描かれたアニメはなかなか少ないだろう。そういうドロドロしたドンパチ以外の「戦争」に加えて、主人公チームが基本的に「端っこで何かやってる部隊」で、直接戦争の趨勢に(普通は)影響しないポジションっていうのも、なんだか変な視点で面白そう。開発会社の新入社員がパイロットの青年と手に手をとって「2人で子供のようにして1つの兵器を育てていこう」なんて、なかなかキャッチーな舞台設定ではないか。

 そうした部分から「面白そうな要素」は垣間見えるのだが、いかんせん、それらを料理する方法が上手くいっていないのが本作。どの側面を見てもお仕着せの要素だけをはり付けている印象で、真に迫る部分が少ないのである。例えば「兵器開発」であるが、流石にあれだけのうのうと両国に情報を垂れ流し、実戦データでほくほく顔の会社員ってのは切実さに欠ける。1話目の時点からそうだったのだが、そもそも「どういう戦争なのか」がいまいち伝わってこず、主人公チームが、各国首脳が、今どのような判断を迫られており、どの程度命の危機に瀕しているのか、という部分が伝わってこない「なんちゃって戦争」が問題の1つ目。そして、「ロボット」という最重要ポイントについて、「あんまり戦闘が恰好良くない」というのが最大の問題点だった。ぶっちゃけ掃いて捨てるほどあるロボットアニメ。基本的にはロボがたくさん出てきてドンパチやらにゃならんのは変わらないのだから、シナリオで差異を出すのは難しい。世のアニメファンは「とりあえず格好いいロボットが恰好よく戦う」ことを一番に求めているわけで、感動的だったり、血がたぎったりする物語については、ロボの背中に引っ張られるようにして後からついてくる場合もある。アルジェヴォルンだって、あの白い機体の中にこの世界の問題の大半が詰め込まれていたのだから、アルジェが颯爽と戦場を駆り、圧倒的理不尽さでもってトキムネの意思を超えて暴れ回る怪物になっていれば、もっと色々なアツさや悲壮さも演出出来たと思うのだ。しかし、なんかもっさりしている。敵味方双方、ロボがあんまり恰好良くない。戦闘スタイルもとにかく地べたに這いつくばるので見映えがしない。「大量破壊兵器なんて使うよりよっぽどリアル!」とフォローしてみようかとも一瞬思ったのだが、スリムな人体構造でダッシュしたり横っ飛びしたりするロボの時点でリアルとはほど遠いわけで、そこまでやるんだったらもっと火薬と超科学をぶっ込んで暴れてもらった方がすっきりしただろう。ラスボスに至っては「一括操作でたくさんの機体を操縦出来ちゃうAIを人がこなすよ!」というもので、画面だけ見たらこんなに地味な技術革新もない。ちょっと画面の出来映えを無視しすぎた脚本である。

 ロボではなく、「人間ドラマ」が主軸だと考えればどうか。残念ながら、「人の心」に肉薄し、それをロボの無情さへと置換するドラマは、最近「M3」という佳作でやったばかりだ。あちらはホラーテイストに寄せて人間のメンタル面での理不尽さを突き詰めたので、人の感情が積み重なる後半になればなるほど盛り上がりを見せたが、残念ながらこちらの作品では、トキムネの出たとこ勝負属性を皮切りに、誰が何を考えて行動したいのかがよく分からないという難点が常に付きまとう。2クールの中で登場した人物はそこまで多くはないはずなのだが、何故か個々のキャラクターが頭に入って来づらい状態が続き、アルジェヴォルンとレイカという中心事象を取り巻く事件については、最後まで入り込むことが出来ずに「まぁ、とりあえずその兵器は作らん方がいいのは分かった」という至極当たり前の事実を飲み込むので精一杯である。結局、サモンジは良い奴だったのか、単なるウジウジ野郎だったのか。ラストエピソードについても、結局彼が何を思ってエピローグに向かったのかが分からんままなんだよなぁ。「人の心を食うロボット」っていうと、既にエヴァが散々食い散らかしたフィールドであり、トキムネくらいの被害だと「まぁ、元気で何より」って思えてしまう。

 その他、尺に余裕があると思って無駄にお色気シーンをぶち込んで水着回を演出したり、「現代アニメでやりたいこと」を色々やってはいたが、どれもこれも微妙に「違う、そうじゃない」という残念ポイントに落ち着いてしまったのが勿体ない。キャラデザだって決して悪くなくて、このキャラで大槻監督が本気の萌えをやればそれなりに見られるはずなのに、今作で「本気の萌え」なんてやってる余裕ないんだ。なら入れなきゃいいのにね。整備兵娘達とか、本当に「とりあえずいる」感じになってたしなぁ。辛うじて最後までメインヒロインとして頑張ったジェイミーはそれなりに可愛いと思えるシーンも多かったのだが、それ以上にトキムネが魅力のない人間に見える影響がでかくて、カップルとしてはやっぱり残念な出来だし。いっそそういうじめじめした展開がなかった分、キチガイ櫻井とそのサポートのみっこのコンビの方が面白かった気がする。結局、なんだったんだあの2人。

 以上、トータルでみると結論はやっぱり「色々やって、色々もったいない」。まー、個人的にロボものははまりにくい質なので、そのせいってのもあるのかもしれないけど。大槻さんは一旦全部忘れて「To LOVEる」の続編とかやってくると嬉しいんですがね。

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