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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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<黒>

 

Boon of Emrakul エムラクールの加護 (2)(B) C

エンチャント・オーラ

エンチャント(クリーチャー)

エンチャントされたクリーチャーは+3/−3の修正を受ける。

 エムラクールさんのご加護がもらえるありがたいカードだが、大抵死ぬのでもらった方は気付かない。非常にスタンダードでありきたりな印象を受けるが、「名も無き転置(LRW)」や「次元の歪曲」のようなインスタントではなく、オーラでこうした修正を与えた例は「サングライトの反発(ARB)」という不思議なコスト設定のカード1枚だけである。「反発」に比べると1マナ重いが、単色なので当たり前の設定だろう。タフネス3までを除去出来る安定感は充分3マナ払うだけの価値がある。面倒なのはタフネス4以上を始末する時だが、まぁ、ある程度ブロッカーの保証があれば3/4やら5/5に張って殺しやすくするのもありだろう。そこからの大事故を恐れていては、エムラクール様もがっかりってもんで。今回黒コモンに与えられた除去は、コストが軽い順に−1修正の「邪悪借用」、そしてこのオーラ、あとは一気に重くなって6マナの「生命の危機」。つまり、一番現実的で安定感があるのはこのカードだ。「死の重み」や「殺人衝動」は引けないものと思って、早めの確保を。

 

Borrowed Malevolence 邪悪借用 (B) C

インスタント

増呪(2)

次のうちから1つまたは両方を選ぶ。

「対象のクリーチャーはターン終了時まで+1/+1の修正を受ける」

「対象のクリーチャーはターン終了時まで−1/−1の修正を受ける」

 「借用」サイクルの黒。単体で使えばちょっと増強かちょっと除去。増呪モードで使えば「体力奪取(PCY)」。コストもそんなに変わらないし、適宜コンバットをいじるための選択肢の1つとして。「体力奪取」の下位互換にしか見えないが、一応クリーチャーが1体しかいない場合でも使えるところはメリット。まぁ、こんなん単体除去として使うのは勿体ない気もするが、1ターン目「村の伝書士」の返しでプレイ出来るなら悪くはない。とりあえず「両手撃ち」と同じサイド枠かな。

 

Cemetery Recruitment 墓所の徴用 (1)(B) C

ソーサリー

対象の、あなたの墓地にあるクリーチャー・カードを手札に戻す。それがゾンビ・カードであるなら、カードを1枚引く。

 「イニ影」時点で揃っていた5つの部族。その中でも優遇されたものと冷遇されたものがあるわけだが、ゾンビ軍団ってばスピリット以上に冷遇側。何しろリミテッドでまともに戦える戦略がほとんどなく、そもそもデッキをゾンビで揃えるメリットが皆無。コモンだと「セルホフのランプ灯し」だけだし、アンコまでいっても「ドルナウの死体あさり」と「抗えない抑止」程度。青の生来のクリーチャーの弱さもあり、ゾンビはリミテッドで見向きもされない部族になってしまった。しかし、こうしてコモンで露骨なアドバンテージが狙えるようになれば? ようやく望まれていた「動機」が出てきた。「残酷な蘇生(ORI)」と方向性は一緒で、とにもかくにもアドバンテージ。これで「腐敗心のグール」を回収すれば手札の枚数は2枚差だ。圧倒的じゃないか! ……地味だな……コモンなので、数撃てるようになれば。

 

Certain Death 生命の危機 (5)(B) C

ソーサリー

対象のクリーチャーを破壊する。そのコントローラーは2点のライフを失い、あなたは2点のライフを得る。

 最近のウィザーズ社の方針として、「コモンの確定除去は5マナ以上」というルールがある。コモンでそれより安い場合は条件付きの除去になり、軽い確定除去はアンコ以上に設定されるのである。そんなわけでこれは6マナ。条件付きとはいえ、5マナインスタントの「不浄な飢え(ORI)」で2ライフゲインは出来てたわけで、ドレインになったと言ってもこの設定はいまいち。あ、でも「一口の草毒(THS)」と比べると完全上位互換か。そう考えるとリミテッドなら悪くないのかな? 除去という必ずニーズのある仕事をこなしつつ、とどめの一押しになったり、幾ばくかの延命になったり、何かしらのドラマには関わってきそうな1枚ではあるな。まぁ、2枚以上入れるのは嫌なんだけどさ。

 

Collective Brutality 集団的蛮行 (1)(B) R

ソーサリー

増呪 - 手札を1枚捨てる。

次のうちから1つもしくはいくつかを選ぶ。

・対象の対戦相手は手札を公開する。あなたはその中からインスタントかソーサリー・カードを1枚選ぶ。そのプレイヤーはそのカードを捨てる。

・対象のクリーチャーは、ターン終了時まで−2/−2の修正を受ける。

・対象の対戦相手は2点のライフを失い、あなたは2点のライフを得る。

 レア増呪の「集団的」シリーズ黒バージョンは、コストに手札を1枚充てるために他のサイクルと違ってアドバンテージが稼ぎにくいのが難点。ただ、その代わり3つのモードをまとめて解決してもお値段は据え置きの2マナこっきり。それなら独自の活用法も見えてくる……かも。基本になるのは除去モード。2マナソーサリーで−2程度ではレアリティを考えればかなり非効率的だが、それでも除去出来るクリーチャーの範囲はそこそこだ。そして、この基本モードに自分の手札状況を合わせていくつかセットメニューを追加していくことになる。2番目、ポテトと一緒にハンデスは如何ですか? 範囲の狭いハンデスなのでヒット確率はやや低め。自分が手札を捨て、相手に手札1枚にヒットするかどうかでやや博打。最近はクリーチャー主体、プレインズウォーカー主体のデッキが多いため、あまりメタはよろしくない。最悪、相手の手札を確認するためだけにでも使えるが。そして、シェイクに合わせてドレインもおつけできます。このモードが普通なら最後になると思うが、相手のデッキ次第では除去+ドレインの呪文として使うこともそこそこか。2点ドレインよりも価値の低い手札ってのはあまりあってほしくないが、終盤の余った土地なんかは一応おまけ程度に効果を増すことが出来る。こうしてみると、全体的にあんまり強くはないのだが、そこはやはりマッドネスとの絡みで何とか価値を上げていきたい。「血管の施し」で5ライフドレインまで行けば割とインパクトはあるし、「癇しゃく」と組み合わせればタフネス5に届く除去のついでにちょこちょこおまけがつく。なにかベストな組み合わせが見つけられるだろうか。

 

Cryptbreaker 墓所破り (B) R

クリーチャー・ゾンビ

1/1

(1)(B)(T)、手札を1枚捨てる:2/2で黒の、ゾンビ・クリーチャー・トークンを1体戦場に出す。

あなたのコントロールするアンタップ状態のゾンビを3体タップする:カードを1枚引き、あなたは1点のライフを失う。

 「戦いは数だよ兄貴!」、そして「ゾンビは数だよ(リリアナとギサの)姉貴!」ということで、つまりは「戦いはゾンビよ!」ということになる。ゾンビがゾンビを産むゾンビ算は、旧イニストラードでも「終わり無き死者の列(ISD)」なんて夢のあるカードが再現してくれていたので、ようやく今回のイニストラードでもエンジンがかかってきた感じだ。やっぱりリリアナさんが本格参戦してくれたおかげですかね。こいつを1ターン目に出しておくと、後は延々ゾンビトークン1体が保証される。もちろん毎ターン呼ぶ必要はないが、さっさと数を揃えてしまえば下の能力によって兵糧の補充まで始まるのだから、他のカードを展開する作業よりも優先するのは間違った行動ではないはずだ。最終的にこいつ以外のゾンビが3体になれば、その時点で「ライフ1点がゾンビ1体」というトレードが成立するようになり、さらに6体まで増えればドロー能力がどんどん膨らんでいく。さらにマッドネスまで絡めて黒らしさをアピールしていけば、もうゾンビ・カーペットが作れちゃうレベル。ゾンビを愛する諸兄には欠かせないゾンビ満喫カードである。これで1マナ域に「墓所這い(DKA)」とならんで基盤を成すクリーチャーが手に入り、統率者デッキの「グリムグリン」なんかが楽しそう。もちろん、今回登場した「ギサとゲラルフ」でもばっちり噛み合う。捨てるカードは当然「ギサの召集」で決まりだ。リミテッドでも当然鬼畜の強さを見せる。ライフは有限なので、適宜「奇怪な突然変異」あたりで補充を。

 

Dark Salvation 闇の救済 (X)(X)(B) R

ソーサリー

対象のプレイヤーは、2/2で黒のゾンビ・クリーチャー・トークンをX体戦場に出し、その後最大1体までの対象のクリーチャーは、そのプレイヤーのコントロールするゾンビ1体につき、ターン終了時まで−1/−1の修正を受ける。

 僕らの「最後の希望」、リリアナさんが本気を見せたレアソーサリー。かなり息巻いていたし、元カレにいいとこ見せたいだろうからさぞかし強烈な一撃を見舞ってくれるのだろうと思いきや……あれ? なんかちっちゃくね? 正直、単体での効率はレアとは思えないショボさだ。3マナ払ってようやく「−1のおまけがついたゾンビ1体」。効率だけで言えばコモンの「目腐りの暗殺者(ORI)」と一緒。いらんとまでは言わないが、迫力はない。5マナ注ぎこんでようやくゾンビ2体に−2。除去に成功すれば一応リソース差が3つなのでやっぱり悪くはないが、なんだか与える影響が微妙。7マナまで行けばようやくだが、そりゃ、7マナも払えばたいがいのことはどうにかなるもんで、わざわざこの呪文に頼るよりはさっさとギサ姉ぇさんに「床下から」こんにちはしてもらう方が話が早い。つまり、単体だと極めて地味である。このカードが活きるのは、最初からある程度ゾンビが確保出来ている場合。ゾンビを3体コントロールしてる状態からの5マナなら、さらに増援を追加した上で−5修正でほぼ確実に相手クリーチャーを討ち取れる。3マナでも−3くらいのソーサリーにおまけ付きなら悪くないだろう。「忌むべき者の軍団(ISD)」に繋げて9マナでたたき込めばなんと−17修正! 元祖エムラクールさえ屠れる値だ(プロテクションがあるが)。まぁ、そこまではやらないとしても、とりあえず事前に新鮮な死体の用意は忘れずに、ということ。リリアナさんのゾンビ繁盛記、上手くいくんでしょうかね。結局封印先が月なんだったら、ゾンビあんまり役に立たなかったのでは。

 

Dusk Feaster 薄暮の饗宴者 (5)(B)(B) U

クリーチャー・吸血鬼

4/5 飛行

昂揚 - 〜を唱えるためのコストは(2)少なくなる。

 青にもあった「昂揚でコストが軽くなるよ」カード。この設定が特徴になっているため、いったん出してしまえばそれ以外はシンプル。4/5フライヤーというのはアンコレベルなら充分過ぎるインパクトであり、黒という色も考えるなら6〜7マナで妥当だろう。ということはこれが5マナで出せるのは誰がどう見ても安価。そして、黒は昂揚の第2色でもあるわけで、5マナが揃う前に条件を満たせる可能性は充分にある。昂揚デッキの難点として、これまでは「条件を満たしてもそこまでペイするカードが多くない」という問題があったのだが、それを力強く解決してくれる魅力的な1枚。「巣網から見張るもの」だけは勘弁な。

 

Gavony Unhallowed ガヴォニーの不浄なるもの (3)(B) C

クリーチャー・ゾンビ

2/4

あなたのコントロールする他のクリーチャーが死亡するたび、〜の上に+1/+1カウンターを置く。

 今回明確に強化されたスピリットと違い、ゾンビは「まだ弱い」と思っている。何しろ青には今回「ゾンビであること」をプラスにするカードが1枚もなく、黒はアンコ以下だと「墓地からの徴用」と「墓の収穫」の2枚だけ。相変わらず「だからどやねん」レベルなのである。しかし、そんな中でもコモンから「それなりに使えるゾンビ」が出てきているのは素直に朗報。青の「巧妙なスカーブ」に加え、黒にもこいつがいる。単に「腐敗心のグール」のボディに「物騒な群衆」の能力を付け足しただけのクリーチャーだが、素のタフネスが高いので、カウンター1つの効果がかなりでかい。こいつを2体3体と並べていけば相手は地上を突破することが事実上不可能なレベルになる。「グダらせて勝つ」という黒の方法論がこれ1枚で完遂出来るのだ。活かしきるためにはクリーチャーの数が必要になってくるが、そのあたりは今回エルドラージトークンもあるのでいくらか調整はしやすくなっているだろう。これが引けていれば「腐臭ネズミ」なんかもいくらか加点して考えられるし、「よろめく帰還」の採用もそこそこ現実味を帯びてくる。なんとか、ゾンビに最後の一花を。

 

Graf Harvest 墓の収穫 (B) U

エンチャント

あなたのコントロールするゾンビは威迫を持つ。

(3)(B)、あなたの墓地にあるクリーチャーカードを1枚追放する:2/2で黒のゾンビ・クリーチャー・トークンを1体戦場に出す。

 というわけで、そんなゾンビに淡い期待を抱かせるアンコモンからの支援策。ゾンビは戦略性がもっさりしているので、高速展開の吸血鬼、大サイズの人狼、飛行で攻めきるスピリットに個々が粒ぞろいの人間と、どれと向き合っても利点が少ない。そこで、まずクリーチャーの貫通力をあげるのが威迫。同じ数どうしを並べるとどうしても迫力不足のゾンビだが、それなら相手の防御性能を下げて強引に通せるようにしてしまえばいい。そして、その「通せる数」を増やすのが「虚身呼び(GTW)」と全く同じ起動型能力である。これがあるなら、青と手を組んでさっさと墓地を肥やす意味も一応出てくるか。まー、どうしたってコストは割高だし、墓地との循環を目指すゾンビとしてはどこか歪ではあるのだが、数は正義には違いない。どれくらいの収穫があるのか、デッキメイクの腕が問われるところ。

 

Graf Rats 墓ネズミ (1)(B) C

クリーチャー・ネズミ

2/1

あなたのターンの戦闘開始時に、あなたが〜と「夜深の死体あさり」という名前のクリーチャーのオーナーであり、それらをコントロールしているなら、それらを追放し、「騒がしい徒党」へと合体させる。

Chittering Host 騒がしい徒党 (無色)

クリーチャー・エルドラージ、ホラー

5/6 速攻 威迫

〜が戦場に出たとき、あなたのコントロールする他のクリーチャーはターン終了時まで+1/+0の修正を受けるとともに威迫を得る。

 世界に3組しかない合体カードの2組目。フレーバーとしては、墓地をがさごそしているネズミが、墓荒らしと合体しちゃってワンダフル。変身を定義するテキストが書いてあるのはこのネズミの方だが、コモンなのでそれ以外の部分は極めてシンプル。単なる肉として適当に2ターン目に出し、適当に相打ちになって墓地に眠っていてもらう。そこを「死体あさり」が掘り起こせば、めでたく合体完了となるわけだ。コモンなので出現率はそこそこで、リミテッドで合体が狙える唯一のカードと言っていい。完成後のご褒美はとてつもなくでかいし、2枚とも決してスペックの低いカードではないので1枚ずつデッキインする程度でもそこまでデメリットはない。夢の合体目指して、チューッと頑張ろう。

 

Haunted Dead 憑依された死体 (3)(B) U

クリーチャー・ゾンビ

2/2

〜が戦場に出たとき、1/1で飛行を持つ、白のスピリット・クリーチャー・トークンを1体戦場に出す。

(1)(B)、手札を2枚捨てる:あなたの墓地にある〜をタップ状態で戦場に戻す。

 憑依された死者/Haunted Cadaver(ONS)」と名前がよく似てるけど全然関係無いクリーチャー。今調べたら「Cadaver」が「(解剖用の)死体」という意味らしいので、名前は逆だった方が正解に近かったな。さておきこちらはなかなか絶妙なバランスで提供される、「使ってみな分からんでェ」としかいいようがないアンコゾンビ。「手札2枚捨てて戻ってくる」設定のアンコは現在「縫い翼のスカーブ」と「グール馬」の2体。そして素出しコストが同じなのは「縫い翼」の方。こっちのクリーチャーは質より数で勝負するデザインで、リミテッドならマジエース級だった「砂草原ののけ者(FRF)」やら「ギラプールの歯車造り(ORI)」と同スペック。採用すれば決して損はさせませんの精神は素晴らしいものだ。ただ、あまりに無難というか、穏当すぎて、積極的に活用しようという気が起こりにくいのが難。「縫い翼」も「グール馬」もディスカードから3ターン目に高速召喚すればかなりの圧力になるので戦略の一部に組み込む気が起こるのだが、こいつの場合盤上に与える影響がそこまででもないのがね。合計3/3なんだから悪くないんだし、諸々の相性のいいカードも多いのだが……。ゾンビが目指そうとしている消耗戦に持ち込めれば、このリソース差はジワジワ効果を発揮するんだろうなぁ。多分、「使ってみると思ったより強いでェ」。

 

Liliana, the Last Hope 最後の希望、リリアナ (1)(B)(B) M

プレインズウォーカー・リリアナ

<+1>: 最大1体までの対象のクリーチャーは、次のあなたのターンまで−2/−1の修正を受ける。

<-2>: あなたのライブラリを上から2枚墓地に置く。その後、あなたの墓地にあるクリーチャー・カードを1枚手札に戻しても良い。

<-7>: あなたは「あなたの終了ステップの開始時に、2/2で黒の、ゾンビ・クリーチャー・トークンをX体戦場に出す。Xはあなたのコントロールするゾンビの数に2を加えたものである」という紋章を得る。

 さぁ、ついにこのセットの主役のご登場だ。「ジェイスの元カノ」「デーモン4体に輪姦おばさん」ことリリアナ・ヴェスその人である。いわゆる「初代プレインズウォーカー」5人の中では一番種類が少なかったリリアナだが、これでようやく他の2人(ガラク・アジャニ)に並んで5枚目。なお、1人だけ7種類もカード化されてるクソダサフードマンのことは気にしない。かつてのリリアナというと初登場時の「リリアナ・ヴェス(M15)」がコントロールで採用実績を持つ他、「異端の癒し手、リリアナ(ORI)」が細やかな心遣いで活躍しているし、何と言っても下環境にまでその名を轟かせた「ヴェールのリリアナ(ISD)」のインパクトが強烈だ(あと1枚はしょうがないので忘れよう)。そんなリリアナが「ヴェリアナ」同様に古巣のイニストラードに戻り、同じく3マナで登場するというのだから期待は高まるばかり……だが、うーん?

 初見で悩んでしまうのは、マイナス能力の微妙さだろう。やっていることは「屍体の攪拌」の下位互換。墓地を肥やすことに大きな意味を見出せればいいのかもしれないが、それでも−2というコストに見合った活躍かと言われると微妙。損はしないのだが、墓地から直接引っ張り上げていた「反抗する屍術師」時代に比べると見劣りするし、軽さを活かすデザインが作りにくいのが悩ましい。プラス能力の方は、なんとカウンターを乗せながら敵軍を除去出来る可能性があるというナイス設定。まぁ、タフネス1しか除去出来ないのが辛いのはチャンドラさんが証明済みなので除去としての信頼性は低いが、そのついでにパワーが減るため、自身を守る盾としては優秀。今後の活躍は、このプラス能力でどれだけ相手を押しとどめられるかにかかっているだろう。つまり、横に並べる戦術が強い間は微妙かもしれない。奥義については「撃てば勝ち」なのでそこを目指すためには何とかプラス能力を維持していきたいところだが、正確には「撃ってしばらくすれば勝ち」なので油断は禁物だ。なんか、全体的にもっさりしてるな。なにか手軽に墓地から回収して強いクリーチャーがいるならなぁ、って思ってたら、まっさきに浮かぶのはどこぞのテレパスなんだよな。もう、ずっといちゃいちゃしてればいいと思うの。

 

Liliana’s Elite リリアナの精鋭 (2)(B) U

クリーチャー・ゾンビ

1/1

〜はあなたの墓地にあるクリーチャー・カード1枚につき+1/+1の修正を受ける。

 骨塚のワーム(ISD)」が1マナ重くなり、その分パワーとタフネスが1増えた。これ、「骨塚のワーム」の書式にのっとるならタルモっぽく「*+1*+1」とかにしてもよかったのだろうが、ちょっと見づらくなるか。書式として見ると「第6管区のワイト(GPT)」と同じだな。これもまた「墓地を肥やすことに意味があるゾンビ」の1つ。高速でライブラリを削って墓地を増やしていけば、3マナとは思えないラージサイズを堪能することが出来る(かもしれない)。中盤以降に出して4/4くらいが合格点だろうから、当然なるべくクリーチャーの多いデッキで使いたいところだ。幸い、この環境は「忘られじ」以外に相手の墓地をいじるカードは無い(自分で墓地をいじる場合はあるが)。アンコなのでデッキを規定するようなカードにはなるまいが、2枚以上集まったなら、意を決して青黒で墓地ライフを堪能してみるのも一興。

 




Markov Crusader マルコフの十字軍 (4)(B) U

クリーチャー・吸血鬼、騎士

4/3 絆魂

〜はあなたが他の吸血鬼をコントロールしている限り速攻を持つ。

 イメージとしては旧イニストラードの「夜の歓楽者(ISD)」が近いだろうか。5マナパワー4で、条件付きの速攻持ち。「歓楽者」はコモンだったのでそこで打ち止めだが、こちらはアンコモンということで値千金の絆魂付き。条件を満たすのはそれほど難しくないため、これをわざわざ使うデッキならば当然速攻が前提。絆魂付きのクリーチャーというのは盤面に与える影響が非常に大きいため、普通ならば相手は構えて待つところなのだが、こいつの場合は1ターン分その隙を縫って殴ることができ、高確率で8点のライフ差を稼げるところはでかい。白のコモンに3/4絆魂がいたが、それよりも1ターン早く、より大きな数字で動けるのだ。今回黒には「誘惑に負けて」というシンプルなライフルーズ呪文があり、ライフの確保はきっちりケアしておきたいところ。吸血鬼デッキではもちろん、それ以外のデッキでも最低限の仕事はこなせるか。まぁ、地味だけどね。

 

Midnight Scavengers 夜深の死体あさり (4)(B) C

クリーチャー・人間、ならず者

3/3 (墓ネズミと合体する)

〜が戦場に出たとき、あなたの墓地にある、対象の、点数で見たマナコストが3以下のクリーチャー・カードを手札に戻しても良い。

 合体マシンのもう片方。一応、マローが提唱する「システムを機能させるためには、それがコモンになくてはならない」という条件を満たすための存在ではあるのだが、もうちょっと増やしても良かった気もするな。さておき、このクリーチャーにはネズミ回収能力がついているため、たとえデッキに1枚ずつの採用でも、そこそこ合体が狙いやすいという親切設計だ。2マナ2/1の肉も、5マナで小さなアドバンテージが稼げるカードも、リミテッドなら一応デッキインの候補にはなるだろう。理想はネズミ2枚とこれ1枚くらいの組み合わせかな。リミテッドでの採用率を考えると、適当に放り込んでもそこそこ仕事をしてくれるネズミに比べて、こちらはややコストがキツい。回収出来るカードの質にもよるが、「闇告げカラス」や「針毛の狼」なんかを回収出来るようなら悪くないか。とりあえず第一回目のドラフトでパックから出てきたら、面白さ優先で確保したくはなるよなー。

 

Murder/殺害(M13)」 U

 約4年ぶりに再録を果たした問答無用の完全除去。初登場した際にはそのシンプル極まりないテキストも相まって、「ついにこのカードが完成したか」と話題になり、その安定感からコントロール系のデッキでもちょこちょこ採用実績があった。まぁ、実際は2マナの限定除去の方が活躍する機会が多かったわけだが、無論このカードが弱いということにはならない。リミテッドで登場した時のありがたさは、素っ気ない態度でさりげなくピンチに駆けつけてくれる無骨なイケメンの風格だ。「殺人衝動」だけだった世界がおおっぴらに「殺害」出来るようになったのは、イニストラードの良い変化ですね(??) なお、当然のようにアンコモン。しゃーない。

 

Noosegraf Mob 絞墓の群衆 (4)(B)(B) R

クリーチャー・ゾンビ

0/0

〜は+1/+1カウンターが5個置かれた状態で戦場に出る。

プレイヤーが呪文を唱えるたび、〜の上から+1/+1カウンターを1つ取り除く。そうしたなら、2/2で黒のゾンビ・クリーチャー・トークンを1体戦場に出す。

 黒のエントリーセットレア。6マナ5/5と驚くようなサイズではないが、実はこれがゾンビで形成された群体。ちょっとした拍子でポロポロと死体がこぼれ落ち、最終的にはゾンビ5体までばらけることが可能。6マナでゾンビ5体なら、まぁ弱くはないが……でも、割と迂遠だし、レアというほどの迫力があるでもなし……なんか微妙でない? ブロッカー量産体制が組めるので守勢ではそこそこだが、あんまり攻撃力として期待出来ないのがなぁ。「床下から」直接ゾンビを引っこ抜いた方が強いでしょうよ。一応、ゾンビであることを活かして何度も再利用することで戦場をゾンビで埋め尽くすことも可能かもしれないが、6マナのカードを使い回すとか言ってる時点で割と夢。ブリンクとか、バウンスとか、そういう呪文と合わせればいいのかしら。こうして見ると、「墓所のタイタン(M12)」って(略)

 

Oath of Liliana リリアナの誓い (2)(B) R

伝説のエンチャント

〜が戦場に出たとき、各対戦相手はクリーチャーを1体生け贄に捧げる。

各終了ステップの開始時に、このターン、あなたのコントロール下でプレインズウォーカーが戦場に出ていた場合、2/2で黒の、ゾンビ・クリーチャー・トークンを1体戦場に出す。

 半年ばかり遅れて誓っちゃったリリアナさん。初代ゲートウォッチでは5色あるうちの4色しか誓わなかったために「流石に黒はアウトローだよなー、そう簡単にこんな仲良しグループに加わってたまるもんかよ」と思っていたのに、なんだこの即堕ちっぷりは。おじさんは哀しいよ……。でもまぁ、ここで入っとかないとしばらく加わるチャンスもなさそうだしな。5色揃ってこそのMagic。やっぱりリリアナさんは良い人なんだろうけど、ギデオンやニッサと仲良く出来るかどうかは微妙だよな。ジェイス・ギデオン以外の連中、つまりニッサ・チャンドラは初対面なわけだが、友好色といってもチャンドラと仲良くしてる図が浮かばないのはどうしてだろう。タミヨウさんとは案外無難に交流しそうな気はするんだけど。さておき、そんなリリアナさんの誓いはシンプルに「布告」だ。置いておけばとりあえず無駄にはならないけど、それだけの役割だとやや割高というのは他の誓いサイクルと一緒。チャンドラとどっちが強いかは微妙だが、彼女が「火山の槌」(2マナ)と大体同じでこっちが「残酷な布告」(2マナ)なんだから似たようなもんか。そしてPWサポートの方は、「反抗する屍術師、リリアナ」の登場効果であるゾンビトークンをここでもフィーチャー。PWが切望する壁役が出てきてくれるのは素直にありがたく、除去効果も合わさって守備力のかなり高い誓いだ。もちろん「反抗する屍術師」に変身させてトークン2体が手に入れば芸術点を加算で。ギデオンとか、ゾンビ連れ回すの嫌がりそうだけどなー。

 

Olivia’s Dragoon オリヴィアの竜騎兵 (1)(B) C

クリーチャー・吸血鬼、狂戦士

2/2

手札を1枚捨てる:〜はターン終了時まで飛行を得る。

 巣立つインプ(ODY)」の超上位互換。15年も前のカードと比べても仕方ないが、マナコストが軽くなり、能力の起動にもマナが必要無くなった。そして、黒の熊に純正ボーナスがついているという破格の性能は過去のコモンにも例を見ないスペックであり、クリーチャー性能の向上がはっきり見て取れる素晴らしい1枚。3ターン目から殴り始められるフライヤーというだけで速度の速い吸血鬼には充分価値があり、これで捨てた手札が「手に負えない若輩」だったりしたら文字通り手に負えない事態。他にもこのマナコストなしのディスカード能力を求めるシーンはいくらでもあるので、これまで「貪欲な求血者」が担ってきたポジションが、今回は黒のコモンで実現出来るのだ。これは吸血鬼部隊も活気づくのではなかろうか。一瞬「これが構築で活躍する未来もあるか?」と思ったが、まぁ「ファルケンラスの後継者」が使われないこんな世の中じゃ。

 

Prying Questions 詮索 (2)(B) U

ソーサリー

対象の対戦相手は3点のライフを失い、手札を1枚、自分のライブラリのトップに置く。

 イラストのキモさでは精鋭の集う今回のセットの中でもトップクラス。こんなおっさんに詮索されたくない。「自白を引き出す新しい方法」らしいが……この後、一体どうなってしまうんでしょうか。さておき、実は今回、相手の手札に干渉する呪文がコモンには1枚も存在しておらず、アンコはこれと「エムラクールの囁き」の2枚が用意されている。そしてこっちはハンデスというのもあまりに微妙な中身なので、一体どういう目的で使ったらいいのかも良く分からない。相手は手札を捨てるわけでなく一時的に手放すだけだし、それを選ぶのも相手だ。ライブラリを削ってそのまま抹消する、なんて手段もあまり意味を成さない。一応アドバンテージロスはなく、そのついでに3ライフを攻められるのだから決して無駄とは言えないのだが、不利な状況で一切仕事をせず、優位をより優位にするためだけの呪文。基本的には出番の無いカードになりそう。まぁ、こんなキモいカードドローしたくないしな。

 

Rise from the Grave/墓場からの復活(M13)」 U

 絶妙にフレーバーもマッチしており、リリアナさんの得意技としても相応しいということで、基本セット常連のリアニスペルが堂々の再録。復活したクリーチャーが黒のゾンビになる部分も「末永く」と同じだし、手軽に「半分だけ末永く」として使っていける他、この呪文だけのオリジナルとして相手の墓地からもクリーチャーをパクれるというのはなかなか大きい。ガンガンライブラリを削っていけば、思わぬお宝に巡り会えるかもしれないし、中盤以降の選択肢を広げる面白い1枚だ。

 

Ruthless Disposal 無情な処分 (4)(B) U

ソーサリー

〜を唱える追加コストとして、手札を1枚捨て、クリーチャーを1体生け贄に捧げる。

対象の2体のクリーチャーは、ターン終了時までそれぞれ−13/−13の修正を受ける。

 圧倒的殺伐力が凄まじい贅沢な除去呪文。こちらはコストとしてトータル3枚のカードを消費し、相手のクリーチャー2体の息の根をほぼ確実に止める。額面上のアドバンテージは失っているが、こちらとしては最低限の3枚で相手の急所を2つ潰せるのだから、これが弱いはずがないだろう。「荒廃の一掴み」にも勝る必殺の一撃として今後は大活躍するんじゃなかろうか。なお、カウンターされるとこっちが死ねるのでマジ勘弁な。さらにさらに、フレーバーでは相変わらずの姉弟コントを楽しめるのが良い。基本的におねーちゃんの方ばっかり文句言ってる。「心温まる感想ですな、姉上」。

 

Skirsdag Supplicant スカースダグの嘆願者 (2)(B) C

クリーチャー・人間、クレリック

2/3

(B)(T)、手札を1枚捨てる:各プレイヤーは2点のライフを失う。

 みんな一緒に苦しもうぜ! を演出してくれる「腐敗を導く者(ONS)」の系譜を継ぐコモンクリーチャー。普通に考えればわざわざカード1枚消費してまでやることではないが、大事なのは選択権がこちらにあるということ。不利なのだったら使わなければいいだけだし、使える時にだけガリガリ相手を締め上げれば良いのだ。もちろん、今回も吸血鬼と手を組んだときには貴重なマッドネスエンジンとしても機能する。今回はコモンにも「オリヴィアの竜騎兵」という手軽な共鳴者がいるのでマナがかかるこいつはそこまで素晴らしいわけでもないのだが、コモンで複数の選択肢があるというのは重要なことなのだ。

 

Strange Augmentation 奇妙な増強 (B) C

エンチャント・オーラ

エンチャント(クリーチャー)

エンチャントされたクリーチャーは+1/+1の修正を受ける。

昂揚 - エンチャントされたクリーチャーはさらに+2/+2の修正を受ける。

 シンプルな強化オーラ。1マナで+1だけでも最低限の仕事なので決して悪いとは言わないが、やはり「邪悪な力(M11)」以下というのでは話にならないか。つまりこれは昂揚前提のカードであり、昂揚さえ達成出来れば2マナも軽い「樫変化(M10)」。パフォーマンスは紛れもない神。また、昂揚によって上下する性質を利用すれば、インスタントタイミングでの増強も可能になる。戦闘に絡めてインスタントを使えば昂揚達成、とかいうシチュエーションなら、いきなり+2の修正を受けて膨れあがるクリーチャーが相手を返り討ちにする。もしそうしたギミックが無いとしても、「もしかしたら昂揚してくるかも」と思わせるだけでも、充分相手を警戒させる意味があるのだ。ま、最悪でも昂揚のタネになるエンチャントだし。前のめりに攻め続けられるデッキの底上げに。

 

Stormkirk Condemned 流城の死刑囚 (B)(B) R

クリーチャー・吸血鬼、ホラー

2/2

手札を1枚捨てる:あなたのコントロールする吸血鬼は、ターン終了時まで+1/+1の修正を受ける。この能力は各ターンに1度のみ起動出来る。

 2方向から吸血鬼を応援する献身的なロード的クリーチャー。1ターン1回限定とはいえ、2マナの熊がマナを使わずにパンプ出来るのはそれだけで強い。「忍び寄りドローン」がどれだけ止めにくかったかを思い出せばその強さは想像に難くない。「忍び寄りドローン」だったら、3ターン目に殴ってきたのを止めれば相手のマナを縛って展開を遅らせる可能性もあったのだが、こいつはマナが必要無いのでサクサク侵攻しながらパンプしてくる。しかも、回りの吸血鬼を増強させ、ついでにマッドネスをまわしながら。3ターン目に「攻撃前にパンプしますわー、コスト払いますわー、若輩捨てますわー、若輩出しますわー、能力解決して3/3と5/4でパンチですわー」っていう地獄絵図。1ターン目に「ファルケンラスの過食者」を出しておけばこれが更なるミラクル模様にも。吸血鬼も色々テクニカルよのう。

 

Succumb to Temptation 誘惑に負けて (1)(B)(B) C

インスタント

あなたはカードを2枚引き、2点のライフを失う。

 負けちゃったんならしょうがない。「イニ影」では沢山あったけど今回あんまり出てこない、「妙に印象に残るフレーズっぽいカード」シリーズ。「誘惑に負けて→灰と化す」とか「誘惑に負けて→床下から」とか色々と楽しいシチュエーションが作れそうな名前である。効果はシンプルに「夜の囁き(5DN)」と同じで、インスタントになった分1マナ重くなった。これまでこの枠は「骨読み(ORI)」「苦々しい天啓(KTK)」と細かくおまけがついているバージョンだったが、インスタントになったのは初めてのことだ。どれくらい有用かは定かじゃないが、まぁ、選択幅が増えたのは良いことだろう。ダブルシンボルになったから不用意に脇からタッチされないのも良いと言えば良いところか。ライフが残り5点くらいになると使うべきかどうか悩んでしまうこともあるのだが、そこはやっぱり、「誘惑に負けて」、ね。2ドローは甘美な響きだなぁ。

 

Thraben Foulbloods スレイベンの異血種 (2)(B) C

クリーチャー・ゾンビ、猟犬

3/2

昂揚 - 〜は+1/+1の修正を受けるとともに威迫を持つ。

 ナイス懐かしカードシリーズ。このカードの元になっているのは、名前もそのまんまの「スレイベンの純血種(ISD)」。フレーバーによればシカニ家というおうちで飼われていた賢い血統書付きのワンちゃんだったのだが、この度めでたくゾンビに成り果て、優秀な番犬から典型的な内憂へと変貌した様子。「シカニ家の純潔を誇っている」って書いてるけど、まぁ、そのシカニ家の人を食べたんなら、確かに間違っちゃいないよな……。さておき、昂揚を満たせばなんと4/3威迫。2マナもお安く「遠沼の猟犬」に近いスペックが手に入るという。「遠沼の猟犬」は5マナというコストの割にタフネスが細く、昂揚してない状態で出すのが憚られる微妙カードだったが、こちらの犬ならば素の状態でも規準値をクリアしており、昂揚によって「平均」から「一線級」へと株をあげる。これならばメインからの投入も問題ないだろう。ゾンビというサブタイプも今回一応意味がありそうだし、「ガヴォニーの不浄なるもの」と並んで、黒の基盤を成してくれそうな良いコモンである。しかし、あんな地味だったコモンを元ネタにしていじってくるとは、製作チームもなかなかマニアックな攻め方するよなぁ。

 

Tree of Perdition 地獄の樹 (3)(B) M

クリーチャー・植物

0/13 防衛

(T):対象の対戦相手のライフの総量と、〜のタフネスを交換する。

 これまたたまらんオールドファン泣かせのナイスカード。あの「解放の樹(ISD)」が闇堕ちした姿、完全逆バージョンでお届けだ。「解放の樹」は溢れるタフネスを使っていざというときに持ち主のライフを一気に回復してくれる癒しの樹。起動するまでの間も、その頼もしすぎるタフネスでがっちり地上の防衛線を築いてくれた。この全く同じ効果を対戦相手に切り替えただけなのだが、今度は相手を蝕む負の能力として使え、ってんだからおかしな話だ。相手のライフが20なら起動一発で7点のルーズライフを叩きつけることが可能。そして場には020のこいつが残る。うーむ、強いやら弱いやら……。13点っていうライフは回復する目標値としては頼もしいけど、削るときのゴールとしては今ひとつか。ここはやはり、こいつのタフネスをグッと下げてから使えば……いや、でもタフネスを大きく下げる除去なんてそんなにないしなぁ。「衰滅」使っても9点じゃなぁ。一応、「解放の樹」同様の小技として、「死の重み」みたいなタフネスを下げるオーラを付けておけば延々起動し続けることでジワジワライフを減らすことは出来るのだが……迂遠だなぁ。ネタ枠、もしくは超壁ってことでいいんじゃないでしょうか。「十三恐怖症」や「魂分離機」とのコンボや、「蛙変化(ORI)」のような呪文とのシナジーは構築レベルまで上がってくるかな?

 

Vampire Cutthroat 吸血鬼の殺し屋 (B) U

クリーチャー・吸血鬼、ならず者

1/1 潜伏 絆魂

 今までいなかったのが不思議なくらいに平凡な名前を持つ吸血鬼。さらに日本語版のフレーバーがなにげに五七五。いや、たまたまだけども。パワー1の潜伏絆魂持ちといえば、現在も活躍中の「遠沼の亡霊」と同じ。それが1マナで手軽に手に入るようになり、よりダメージレースを優位に進められるようになった。1ターン目にこれを置かれたときは、早くも2ターン目からちびちび2点ずつライフ差が広げられ、これを止めるのも結構大変。なるほど良い1マナクリーチャーである。まぁ、特に吸血鬼的なシナジーがあるわけでなし、強烈に求められるような存在でもないのだが。「1マナで攻撃が通しやすいってことは仮面舞踏会と相性いいやん!」って思ったが、すぐに潜伏に意味が無くなるだけだな。いや、それでも強そうだが。

 

Voldaren Parish ヴォルダーレンの下層民 (3)(B)(B) R

クリーチャー・吸血鬼、ホラー

3/3 飛行 マッドネス(B)(B)(B)

他のクリーチャーを3体生け贄に捧げる:〜を変身させる。

Abolisher of Bloodlines 血統の撤廃者 (無色)

クリーチャー・エルドラージ、吸血鬼

6/5 飛行

このクリーチャーが〜に変身したとき、対象の対戦相手は3体のクリーチャーを生け贄に捧げる。

 俺もやるからお前もやれ、という間違ったハムラビ法典を強要してくるたまらん吸血鬼。表面だけを見れば「そうかー、吸血鬼だからいっぱい生け贄を食べないと変身出来ないんやなー」で片付き、「デルレイッチ(MMQ)」なんて懐かしいクリーチャーを思い出したりもするのだが、このコストはあくまで表の顔、裏返るとすぐに「じゃ、お前も」と言ってくる。何その勝手な平等性。いや、お前が勝手に食っただけじゃん。いわゆる布告除去は1体程度ならそこまで効かないデッキもあるだろうが、流石に3体サクらされて平気なデッキってのはなかなか無いはず。しかも、コストにマナもタップも無いので、餌さえ揃っていれば出した瞬間にいきなりの理不尽要求。もう、「3体サクらせるソーサリー」だけで強い。その後に6/5フライヤーが残るならなおさらだ。デッキの方向性はいくらか制限されるかもしれないが、手軽なマッドネスなども鑑みれば、ビート色の強い吸血鬼マッドネスなんかで猛威をふるう可能性は低くない。ベストの対処法は変身コストを払ったところにスタックで除去。上手く狙えるかな?

 

Wailing Ghoul 嘆きのグール (1)(B) C

クリーチャー・ゾンビ

1/3

〜が戦場に出たとき、あなたのライブラリを上から2枚墓地に置く。

 後ろで踊ってるギサ姉ぇさんのダンスがひょうきんすぎてもう……。この人、姉属性があるのに間抜けだし、お笑い枠なんだよな。「この骨でも喉に詰まらせな、あんちゃん!」とか言っちゃうしな(翻訳チームのせい)。さておき、見ての通りに守勢に回った「金切り声のスカーブ(ORI)」。1/3と2/1でどっちが良いかは完全にデッキ次第なので何とも言えないが、一応、ゾンビデッキってのは受けに回って消耗戦に持ち込むのが目標なので、こっちの方が良いという見方もある(ただ、さっさと相打ちになって墓地に行ってくれる方がいいっていう見方もあるんだが)。とりあえずあらゆるデッキに入っていると思われる2マナ圏の熊を止められるだけでもリミテッドではそこそこの価値があり、墓地ギミックに貢献出来る可愛い奴。「海墓のスカーブ」にはお疲れ様と言って退場してもらおう。もちろん、どっちも使ってもいいけどさ。

 

Weirded Vampire 不気味な吸血鬼 (3)(B) C

クリーチャー・吸血鬼、ホラー

3/3 マッドネス(2)(B)

 その起き方、逆に面倒臭くない? 吸血鬼もすっかりエムラ色に染まってしまい、お気に入りのこの子はたっぷりの触手でもっておはようからおやすみまでの面倒をみてくれるみたいですね。とりあえず、そんなスプラッタな吸血鬼だが、能力部分にはエルドラージ風味は一切感じられない。端的にまとめるなら「コンパクトなマウアー双子」である。双子に比べると素のキャスティングコストが1マナ軽くなり、その分タフネスが2も落ちてしまった。マッドネスが不確定ならこっちの方が無難な場合もあるだろうが、普通「双子」を使うデッキってのはマッドネスに期待して使うはずなので、わざわざダウナーバージョンであるこっちを使う意味もあまりなさそう。それどころか、4マナ3/3より5マナ3/5の方が普通に見ても強そうではあるし。何とも中途半端な立ち位置のクリーチャー。でもまぁ、今後の環境では双子の登場枚数も減るわけで、マッドネスデッキを気取りたいならこっちで我慢するしかないのかもしれない。瞬速クリーチャーとして見れば充分強いんだしな。

 

Whispers of Emrakul エムラクールの囁き (1)(B) U

ソーサリー

対象の対戦相手は、手札を1枚無作為に捨てる。

昂揚 - 代わりに、その対戦相手は手札を2枚無作為に捨てる。

 通称「昂揚ヒム」。ノーマル状態だと「死霊の嘆き(MMQ)」と全く同じなので、コモンだとしてもあんまりありがたくないレベル。よっぽど序盤の動きに選択肢が無い場合以外に出番は無い。しかし昂揚後は「トーラックへの讃歌(FEM)」(日本語名で初めて書くな!)へと格上げされる。伝説の呪文に肩を並べられるのならそりゃナイスだ。昂揚前提だと序盤に撃てないっていう難点はあるものの、中盤以降に使ってもたった2マナで質的アドバンテージはかなりのものになるのだし、「確実に昂揚出来る」っていうデッキなら、とりあえず放り込んでおいていいんじゃなかろうか。もちろん、相手のマッドネス具合に応じて適宜引っ込める賢さも大事ね。

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