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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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「冴えない彼女の育てかた」 4→6

 新番チェック時との点数の差が何故発生したかを顧みるに、一番大きな原因は「1話目を何故あの形にしたし」ということだろう。頭空っぽのエロハーレム作品だと思って1話目で見切りをつけた視聴者も0とは言えないだろう。かくいう私も「またこっち系か……」と思ってうんざりして「亀井幹太の無駄遣いはやめて欲しいなぁ」と思っていたわけで、なんだか随分勿体ない1話目(正式には0話目だったらしいが)であった。まぁポジティブに考えれば、そこからは大きく持ち直した(というか仕切り直した)ことによって印象がだいぶ良くなったおかげで、その温度差を楽しめたとも言える訳だけど。

 本作を見ていて感心したのは、「テンプレハーレムものとは言っても、ちょっと視点を変えるだけでも随分新鮮な印象になるものだな」ということ。まぁ、見る人によっては「別に変わらんやんけ」っていう程度の差なのかもしれないのだが、個人的にはかなり「異質な」作品に見えた。具体的に一番の特徴は、タイトルにも表れている「冴えないヒロイン」こと加藤恵の存在であろう。いわゆる「眼鏡はずしたら超美人」デザインともどっか違うし、主人公との関わり方も独特のスタイル。分類としては素直クールに近いのだろうが、的確に吐いてくれる毒舌(正論)が良いアクセントになっており、彼女との対話だけでもこの作品「ならでは」が楽しめる。そして、普通に考えたらこんな素っ気なくてやる気もないヒロインはなかなかそこに魅力を見出しにくいし、主人公とのつながりも出来るわけがないので滑り台どころか完全フェードアウトしてしまうのが自然の摂理となるはずなのだが、女神のような恵さんは、するっと自然に主人公パーティーに合流し、いつの間にやらまわりの英梨々や詩羽先輩の心の隙間に潜り込んでいる。「気付いたらそこにいる」系ヒロインという、新しいジャンルの始まりである。そしてそんな彼女がずっと倫也に対して無関心を貫くかと思えば、都合のいいことにちゃんと嫉妬心を抱いたりしてくれるのである。この加藤のポジションを作り上げただけでも、今作は「楽しみ」を増やしている。

 そして、そんな加藤の異質さとは対極的に、振り切った関係性を徹底的にご都合主義に、テンプレ要素で固めまくったのが、残りのヒロイン勢である。ラノベお約束のチョロさ130%増し、最初から好感度振り切れてる状態でのツンデレラッシュは、駄目だと分かっていても過剰摂取したくなるだけのこってり風味に仕上がっている。この辺りの描写で「もう食い飽きたわー」と思わせて終わるのか、「嗚呼! 身体に悪いとは分かっているけどやめられない止まらない!」となってしまうのかは、脚本構成の手腕よりも、アニメスタッフの映像構築の出来不出来にかかっているのではなかろうか。0話目では「なんか亀井スタイルには合わないデザインやなぁ」と思っていた主線強めのキャラ達も、あけすけなデレを前提として可愛さ半分、エロ半分の展開に非常にマッチしている。英梨々はテンプレツンデレとしての魅力を最大限に発揮しながらも、後半は「好きすぎてオーバーヒートする機械」として活躍してくれたし、詩羽先輩に至っては伝説のお当番回で圧倒的エロスを見せつけて以降はガハラさんすら上回るあけすけ下ネタクイーンとして恥も外聞も無しにセックスアピールを見せつけてくれた。美智留は僅か2話程度の活躍だったのでそこまでのアピールはないが、彼女のあまりに悲惨すぎるミュージシャン人生の罠は、それだけで割と笑えるお話になっていた。今作でこうした阿漕過ぎるヒロイン配置が上手く行ったことに、主人公の倫也は何一つ貢献していない。今作で一番の不満をあげるとしたら、(これまたラノベアニメではよくあることだが)「何でこの主人公にこんないい女たちが惚れる道理があんねん」という動機付けの部分だろう。そこはもう「そういう世界」と割り切るしかない。そして、普通はそこを割り切ることが出来ないからこそ「しょうもないラノベやで」という結論になるわけだが、今作で魅力的なのは、どっちかというと振り切れヒロインたちの相互関係、つまり女性同士の人間関係の方だったと思う。一番よく絡むエリリ・詩羽間の腹の探り合いも笑えるし、そこに独自のスパイスである加藤が混ざった時の相乗効果が実に刺激に富んでいる。美智留が登場した後は流石にマンネリ化するやろ、と思うところだが、その辺では既に英梨々と詩羽が雌奴隷化しているので、もう別なステージとして楽しむことが出来るのである。うぅむ、こういうヤリ逃げみたいな話作りもあるもんなんやな……これ、そのまんまエロ漫画原作に移行させようよ。あ、キャストはそのままで。

 というわけで、適当に批判しつつも「俺もラノベ文化ってのに着実に毒されているし、全く読まないから耐性が出来てないな……」ということを身に染みて感じさせる作品でありました。ノイタミナ枠ということで制作体勢に恵まれていたことが大きなプラスになっていたことは間違いないけどね。カワイイは正義だし、やっぱり亀井監督は女の子を可愛くするのが上手いのだろう。七々々ちゃんだって可愛かったことは可愛かったからね。そして、そんなヒロイン勢を盛り立てた見事なキャスト陣の仕事ぶりは大いに評価出来る部分。安野希世乃・大西沙織という若手2人の仕事の的確さ。特に難しかったであろう恵の配役を(阿漕っちゃ阿漕だが)美味しくこなしてくれた安野は着実にメインヒロインポイントを稼ぎにきている。あとはかやのんのエロキャラでご飯三杯、歌キャスという意外な仕事で良いビッチ感を醸し出す矢作パイセン。数少ないキャストながらも的確でした。ノイタミナよ、永遠なれ(無くなるわけじゃないけども)。

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