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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 さぁ、まとめに入っているぞ、第10話。下手したらこのままのドタバタ展開で幕を閉じてしまうのではないかという危惧も正直あったのだが、流石にここはしっかりとどんでん返しを用意してきましたね。おかげで結末がどうなるのかはまったく予想がつかないのだけど。

 まとめに入ったということで、基本的にはここまで経験的に構築されてきた「物語の内実」について、外部から保証を与え、確定していく作業が展開されている。答え合わせのための便利なオブザーバーとして、以前真咲の回想にのみ登場していた「神様」こと神山さんが正式に参加。そのこと自体は8話の時点で予想出来ていたことだが、立ち位置は「納鳴村の一部」というある種の敵対関係ではなく、光宗達と同じように納鳴村に挑んだという、「答えを掴んだ先輩」であった。同様に「答えを掴んだ先輩」としてはレイジという存在もいるが、彼が果たす役割は神山とは多少異なっている(後述)。

 さて、今回はっきりと定義された村の真実について、ここでまとめてしまおう。まず、これも前回の分析通り、レイジの残した「ナナキ」という言葉は村の「現象」そのものをさす言葉であった。「悲しさや寂しさ、怒りや苦しみ」といった人間の負の感情が具象化されて登場するというのが「ナナキ」の正体であり、今回神山からこのことが告げられたということは、もうこのことに関しては疑いようのない「事実」と認識して良いということだろう。つまり、この作品世界は納鳴村にナナキという超常現象が発生するという1点だけが現実と異なっているのだ(正確には、リオンの霊能力も現実と乖離した部分であるが)。

 ナナキに関してはこれまで観てきた通りだが、小さな修正点が1つ、それに大きな追加情報が1つ。まず修正点であるが、ナナキとして具現化する対象は「畏れ」に限られたものではないということ。つまり、これまで「現象」として一括りにしていいものかと懐疑的だった運転手の娘の幻影も、立派にナナキの一部だったということ。また、今回久方ぶりに登場したよっつんもナナキを見ているわけだが、彼のナナキについても(詳細は全く分からないものの)少なくとも畏れるようなものではなかったように見える。「時宗」やグロトーマス、颯人のババァなんかと違ってホラー要素が介在しない純粋な「悲しさ」「寂しさ」を元にしたナナキも存在しているのだろう。その人自身が抱える最も大きな負の感情がナナキとして選ばれるのだと思われる。そう考えると、運転手が純粋に娘のことだけを人生の重荷としていたことは理解出来るが、よっつんはホントにものすごく適当な人生を歩んできたので大きな悲しみや畏れを抱えずに生きてきたってことだろうな。

 さらに、今回のストーリー展開をはっきりと決定づけた重要な追加要素として、「ナナキ」は「映し身」ではなく、「本人から切り出されたもの」であるという事実が発覚した。心の中の恐怖を「映す」のではなく、心からそっくり切り取って、それが形を成したものがナナキ。これまでは「打ち勝てば大丈夫」と思われていたのだが、実際は「自分の一部と戦っていた」ことになり、ナナキを打ち倒すということは、自分の身体の一部を打ち消してしまうことに他ならない。神山は、情熱の中心であった「学論への思い」をナナキとして切り出し、それを自分と切り離し、決別することに成功してしまったがために、身体がそのギャップに耐えきれずに一気に老化してしまったという。

 ただし、全ての人間がそのような変化を起こすわけではなく、「一部」を切り出し、そのまま離散させることによって出る影響は、「無気力化」というのがより一般的な形であるようだ。この「失われた感情」の代表者として現れたのが、真咲の連れ合いだったレイジだ。彼も神山同様に納鳴村の調査に熱意を燃やす青年だったはずなのだが、長らく村に滞在することで自らのナナキを切り出すことに成功してしまったのだろう。村から出ることも叶わず、真咲との間にも何の感情もなくなってしまった。彼の姿は、「このまま放っておけば現在村にいる大多数は似たような状態になる」という分かりやすいサンプルだ。ナナキを切り離して随分時間が経過した滞在組の面々は、既にかなりヤバい段階まで「切り離し」が進行しているようである。

 ちなみに、それ以外にもはっきりと「切り離し」を終えている人間がもう2人確定している。それが真咲と光宗だ。真咲は過去にレイジと来た際に既に「切り離し」を終えていたのだろう。再来時にナナキが発現せず、何も襲ってこないことがそれを裏付けている。しかし、彼女は老化もしていなければ気力を失っている様子もない。どこか不安定な部分はあるが、他の「切り離した」人たちとは様子が違うのだ。また、光宗についても、村の外に脱出出来たことから「切り離し」が終わったことが分かるが、未だ変化は出ていない。この2人に共通しているのは、「切り離され」た後でも、再び村に戻ろうとしたこと。真咲はレイジのため、そして光宗は真咲や颯人のために。この「再帰」というのが、何かこの2人を特別たらしめる理由になっているのかもしれない。なんか格好良い風に解釈すれば、「ナナキを切り離したのではなく、自分の中で消化しきったおかげで乗り越えられた」みたいなことなのかなぁ。まぁ、光宗が時宗を乗り越えられたとも思えないのだが。

 さて、こうして状況がはっきりしたことで、今回のツアーの目的までもがはっきりしたのが今回の最大の焦点である。神山は納鳴村の調査に挑み、事実を掴んだにも関わらず学会からつまはじきにされた。レイジは納鳴村の調査に挑むも、そのままナナキを切り出されて再起不能になった。納鳴村の正体を掴むためには、単身で謎に挑んでも有効な手掛かりを得ることは出来ないのだ。それでは、納鳴村の真実を暴き、学問的な功績として立件するにはどうすればいいのか。そう、自分は全てを理解した上でセーフティゾーンから観察し、「ナナキの影響」がはっきりと残ったモルモットを村にぶち込んで観察記録を残せば良いのだ。多数の検体を自分のそばに置き、逐一記録を残しておけば、それは立派に科学的なフィールドワークとして成立する。この「ナナキ実験」を実行に移した第3の研究者、それが、今回の黒幕・こはるんだったわけだ。彼女はバスツアーの形で大量の「トラウマ持ち」を村に連れ込み、大量のナナキの切り出しに成功した。ナナキ自体は他者には見えないが、ナナキを切り出されて変化する人間を観察することは可能である。もちろん、こんな形で無理矢理押し込んだら村から逃げ出す人間もいるだろう。そうなってしまえば、自分の非人道的な計画が明るみに出るのでよろしくない。手駒としてシリアルキラーのジャックを子飼いにし、「逃亡者の取り締まり」にあてていたのはおそらくそのためだ(ケツさんはおまけだ)。彼女にとっての誤算はおそらく、真咲という「出戻り」が存在していたことだろう。これによってナナキについての情報が予想外の方向から入り、光宗という不穏分子を生み出してしまった。しかしまぁ、一度村に入って「切り出し」が行われてしまえば、光宗だって行動不能になる可能性は低くないわけで、まだまだ彼女の計画は破綻したわけではない。今にして思えば、彼女が「村への滞在」にこだわるヴァルカナさんに肩入れしていたのって、すごく分かりやすい裏工作だったんだなぁ。

 彼女に対するは、新たに「出戻り」となった光宗、レイジから村の真実を手に入れることに成功したチーム・ナンコ、そして、未だ行方の知れない真咲。残りの話数で、この村はいったいどういう結末を向かえるのだろうか。まだまだ予断を許さない状態だぞ。

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