エルドラージ覚醒・俯瞰記事UP

 エルドラージ覚醒・俯瞰

 

　毎回やってることなので、今回も「エルドラージ覚醒」がどんな世界になるかを予想して、その俯瞰図を書いていこう。プレリにも出ていない人間の書くことなので、ノークレーム・ノーリターンでお願いします。

いつもは１つの記事にまとめているのだが、今回はどうしても文字数の関係でおさまらなかったので、各色の記事については、各色のカテゴリ１の冒頭に掲載した。この記事は、それらの俯瞰図を更にまとめて、この環境のリミテッド、そして今後の構築についてまとめたものである。

　各色のまとめを終えての雑感だが、実際のカードの枚数を考えると、リミテッドではそこまでエルドラージが大爆発というわけでもない。多くのエルドラージはレア以上に分類されているわけだし、コモンレベルならば割と普通に除去も通じる。大切なのは今まで通りの基本線を外さないデッキ構築。その上で、この環境はものすごくスピードが遅く、マナを多く出すことに意味があるというだけだ。

　一応、デッキテーマを色ごとに分類しておくと、「族霊鎧」は白を中心としたバント。「族霊導きの鹿羚羊」がサーチを務め、「オーラの術策」が移動させ、「オーラのナーリッド」がビートを刻む。「死ににくいクリーチャー」を作りやすいのがこの色なので、持久戦からエルドラージへの道が見える。

　「レベルアップ」は青を中心としたエスパーの特性。コモンでレベルアップ出来るのは白青黒だけで、白には「英雄の時」、青には「敬慕される教師」がいて戦術の下支えをする。マナが無ければ強くなれないレベルアッパーたちは、大量のマナを出す戦術とかみ合う。

　そして落とし子トークンは赤を中心としたジャンドカラーの特性。また、中心色の赤はトークンを使って様々な悪さが狙えるだろう。クリーチャー数を増やすという戦略自体がジャンド３色全てにシナジーを生み出すので、安定して強いのはやはりこの戦術ではないかと思われる。

　緑が中心となるのは壁戦術。「草茂る胸壁」を中心に赤、白と連繋し、更に緑のお家芸である爆発的マナ加速を足せば、最もエルドラージに近いのはやはり緑だ。壁戦術は「孔の歩哨」からの変化球も強いので、ナヤカラーは常に壁を意識したピックになるだろう。

　黒だけは多少趣を異にしたスピードも求めているのだが、どういった戦術とかみ合うかは未知数。

　トータルで見ると、コモンの質が頭抜けている赤・緑の２色がリミテッドでは中心の色。白は本質的に持久戦にたけた色なので、単体でもそれなりに機能するし、緑との親和性が高いのが売り。青はレベルアップという完全に独立したテーマを押すので、現時点ではどこまでいけるか分からないが、やはりカウンター・バウンスという特性がデカブツ戦術と真っ向からぶつかるので対策カラーとして足を掬いながら漁夫の利を狙う。黒は他の色と比べるとやや水をあけられた形だが、壁に対して強いという特徴があるので、何とか相手のゴールにたどり着く前に凌ぐ形での勝利を目指す。

 

　構築環境に与える影響としては、全体的な緑の強化が目につく。「草茂る胸壁」は構築レベルもあるマナソースであり、マナを大量に出せる緑の特性は、今後の環境に嵐を巻き起こすやもしれぬ。ジャンドの中心として我が世の春を謳歌している赤も、まだまだその存在感を失っていない。各種補充した火力や新たに得た落とし子戦術から何を展開するか。無色マナしか出せない落とし子はマナがタイトなジャンドとは完全に逆を行くギミックなのだが、何か新しいデッキに繋がるだろうか。

　黒も、「コジレックの審問」というトップクラスの１マナハンデスを手にし、ますますコントロール色を強める。「弱者の消耗」も、クリーチャー環境の流れにもの申す姿勢だ。白も当然コントロール寄りのカードを増やした。「ギデオン・ジュラ」「失脚」「前兆の壁」。既に「否定の壁」と「崇敬の壁」を持つ白が、壁デッキで何かを狙ってくるか？　唯一派手なパワーアップが無かったように見える青だが、ドローとカウンターの数だけならば増えている。

　そして、やはりエルドラージという存在。流石に構築レベルでは馬鹿正直に落とし子から繋ぐのは困難。正面からマナを出すなら、「ヴァラクート」の亜流デッキがエルドラージ仕様になる可能性はあるか。何とか踏み倒すデッキスタイルとしては、やはり最も有効なのが「召喚の罠」だろうし、その他「変身」「歪んだ世界」「エルフの笛吹き」、ひょっとしたら「輝く根本原理」まで、新たなアーキタイプの登場に期待したい。

 

　ま、とにかく夢だけなら特大のこの環境。半年後にはアラーラも去って全く別な世界になるので、それまでの大ざっぱさを是非堪能してほしい。