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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 やっぱりこの作品はバケモンですわ、第6話。今回の構成で完全に脳がやられた。ただそのことを伝えたいので記事を上げます。

 実は、毎回内蔵をえぐり取られるようなダメージはくらっており、本来なら毎週何らかの感想を吐き出したい作品なのだが、いくつかの理由からそれは避けていた。理由1,視聴してる週末から週頭が他のアニメでいっぱいいっぱい。理由2,BSでしか見られないせいで世間的に盛り上がってしばらくしてからの視聴になり、なんか置いていかれた感がある。理由その3,今作の持つ根深いダメージを、俺なんかよりよっぽど胃の腑の深いところに喰らってる人(お嬢様方)がたくさんいるので、放っておいても感想がいっぱい出てくる。理由4,そもそも今作を適切に表現するだけの表現力を有している自信が無い。大きな理由は3と4かな。楽しんでいるのは間違いないが、多分、もっと壮絶な何かを受けて、そして吐き出している人たちが大勢いることを想像すると、どうしても何かをアウトプットすることに二の足を踏んでしまう。普段、面白かったら片っ端から何かを書き散らすようにしている私には珍しい状態だ。正直、この作品にどう挑んでいいものか、計りかねていたのである。

 しかし、この6話目で何かがはじけ飛んだ気がした。情念じみたものだけでなく、今作は構成、作劇、作画の全てにおいてあまりに異様だ。そのすさまじさを、せっかくなので私なりの視点でここにまとめておくことにはきっと意味があると思い、今こうして頑張っている。

 初の世界大会ということで当然色々と気合いの入っている話数なのだろうが、一番驚いたのは、ほとんどの時間を実際の演技に費やしたことである。総勢6人ものプレイヤーがしのぎを削ったショートプログラム、その全てをきちっと演技として描き、1話目から意識的だった「まるで本当にフィギュアのテレビ中継をみているかのよう」な構成がここに来てさらに効力を増している。しかし、普通に考えたらこんな構成は成立しないはずなのだ。何しろ、今回登場した選手のうち、我々がその内実を知っているのはユーリのみ。他の連中は、言わば「ぽっと出の外国人」でしかない。他のスポーツと違って「心情面での演技力」を問われるフィギュアという競技において、全然知らない人間が滑っているのを見て何かを感じ取るというのは、はっきり言って無理である。「意味を理解する」ところまでは行けたとしても、「意味を感じ取る」ことは難しいはずだ。

 しかし、今作はそれを可能にし、登場した全てのキャラの演技の意味を、最低限のモノローグ、最低限のエクスキューズでもって叩きつけてくる。「演技を見て、その構成を見て、分かれ」なのである。溌剌としたタイの少年、ヴィクトルをのりこえんと様々な情念を燃やすロシア人、むらっ気がありながらも年の功でまかり通る色気の塊のスイス人。そのどれもが一筋縄ではいかないキャラを盤上で表出させ、余計なことをしゃべるよりもずっと雄弁にキャラを語ってくる。「ずっと番組」という構成ではやっぱり「少年ハリウッド」を思い出すが、あそこまでの無法を押し通すわけでなく、それでいて臨場感を最大限に引き出しつつ「キャラ紹介」「キャラ押し出し」「ストーリー展開」全てを一気に片付ける。よくもまぁ、こんなとんでもない構成が可能になったものだ。

 前回の南くんの演技の時点で割と極まっていたのだが、今回の怒涛の演技の連続で、今作の「おいしさ」みたいなものも嫌というほどに理解させられた。そうなんだよな、1人1人のキャラが「俺を見ろ」という姿勢で楽曲と共に提供されるっていう構図、すげぇ贅沢なアイドルアニメのデザインなんだよ。アイドルアニメは何話かに1回はライブシーンを入れて、そこで曲とキャラを売り出すわけだが、今作はそれを毎回、贅沢な作画リソースを注ぎ込んで展開している。そりゃ盛り上がるだろう。そして、昨今のアイドルアニメといえばライブシーンはCGになるが、フィギュアスケートは集団を描く必要が無く、1人の演技をたっぷりと手をかけて作り込めるという強みがある。今回感心したのは、最後に出てきたスイス人(例によってまだ名前覚えてない)の演技、意図的に動画の中を抜いてる部分があるのよね。ユーリと同じ「色気」の表現のはずなのだが、スイス人の方はむらっ気を強くしたり、押しつけ気味の濃すぎる「エロス」のたたき込み方があまりに大胆過ぎるために、そのモーションがユーリの持つ「繊細さ」「未成熟さ」みたいなものと対比的に描かれている。尻からのアオリの構図を多めに採用して、どこか下世話な部分を残しているのもユーリの演技とは対照的。

 他の選手の演技についても、「試合中継のカメラの構図」を前提としながら、1人1人に最適な「アニメ的演出」がガンガン盛り込まれている。いわば「デフォルメ」された部分なわけだが、これが無ければアニメとして表現する意味が無く、これが極まれば、アニメとしての存在意義が突き抜けることに。そして、実際に突き抜けている。

 私はフィギュアスケートは全然分からない。今期は同じように「ラグビーが全然分からないけどオールアウト見てる」とか「サッカーはピンと来ないけどDAYS見てる」とか、スポ根アニメはテンプレ的に安定した「見せ方」がある分、大崩れせずに「何となくそれっぽいこと」を見せてくれるものだが、今作は「これ、絶対にフィギュアっていうスポーツが面白いんだ」と思わせてくれるだけの説得力を有している。フィギュアに良し、アニメに良し、つまり、フィギュアアニメに良しなのである。

 そうそう、もう1つ私視点で外せないものといえば、中の人のお話。諏訪部が楽しそうだろ、とか、こういう安元がこういう波多野とぶつかるのかよ、とか、色々と爆笑ポイントが多いのだが(個人的に相変わらず安元キャラがツボ)、改めて見直すべきは、やはり主人公のユーリである。つまり、豊永利行。彼は「デュラララ」の帝人に代表されるようなナヨナヨ系を中心にしながら時たまぶっ飛んだ破壊力を見せつけることがあるが、そんな彼の仕事の集大成になりそうなのがユーリ。盤上に上がったユーリのサディスティックなまでの「誘引」を作り出しているのは、間違いなく豊永だ。対比される存在であるユリオの方を固い仕事一辺倒の内山昂輝が担当してギャップを出しているのも非常に効果的な配置になっており、今作は声優ファンにもかなり聞きどころの多い作品になっているのである。

 ……とりあえず、ここまで6話分で溜まっていた鬱憤はここまでの記述である程度晴らせたかな……。残りの話数で何か書くかどうかは分かりませんが、世のお姉さま方に怒られない程度に、男サイドからも楽しんでいきたい作品ですね。

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