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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 溢れんばかりに京都駅、第7話。ここ十数年のアニメの歴史の中で、もっとも登場作品数が多いのはおそらく京都駅だろう。学園アニメだとなんだかんだで1話は登場することになるので、作品数だとダントツだと思う。今度聖地巡礼してきましょうかね。近い。なお、たまこマーケットの聖地だとほぼ毎日巡礼している模様。

 さておき、「田中あすかの乱」開幕編。これまでたっぷり1クール半もの時間を費やし、溜めに溜めてきたラスボス田中あすか嬢のバックグラウンドがついに明らかになった! ……あれだ、割と分かりやすいヤツだ。そうかー、お母ちゃんだったかー。お目々の大きさが印象的なお嬢さんに比べると随分きつめの顔をしたお母ちゃんだったが、まー、人間それまでの人生が顔に表れるもので。おそらく本人のいう通り、女手一つで娘を育てるのにも随分な苦労があったのだろう。でもまぁ、一言でまとめると割と分かりやすい「親と子」の問題である。

 面白いのは、この「親と子」の問題、実は黄前家でも「姉と妹」で縮小版みたいないさかいが起こっていたこと。流石にユーフォをやめろとまでは言われていないが、久美子も「受験に関係無いのにいつまでユーフォなんか吹いてるんだよ」と姉に言われ、その姉は「良い大学にいって良い会社に就職する」という時代がかった分かりやすいご高説を垂れながら、どうやら大学でなにやら問題を抱えているという扱いづらい状態になっている。てっきり、久美子のそんな悩みがなんかの拍子で解決して、それが田中家の問題にフィードバックする形になるのかと思ったのだが、今回のラストシーンを見る限りではまだまだ黄前家のもめ事も先が長そう。田中家、黄前家、どちらが先にゴールするんでしょうか。

 さて、「分かりやすい」とは書いたが、ここまで散々引っ張ってくれた田中あすか先輩のことである、よくある「母と子」の構図にも色々と考察の余地があるので、せっかくだから今回の内容からその読み解きをしておこう。今回心底見事だと思ったのは、実際にあすか先輩の母親が登場していたシーンはそこまで長くなかったのに、その中に母娘の関係性をうかがわせる要素がギュギュッとまとめて詰め込まれていたこと。元々あんな難物の娘が出てくる時点で一筋縄ではいかない家庭であることは想像出来るわけだが、そんな娘さんのこれまでの立ち振る舞いも合わせて考えると、田中家の持つ暗闇の内実が見えてくる。注目すべきは、一見してヒステリーを起こしていると分かる母親の細かい表情の動き。特に、滝センから一喝され、事態を飲み込めずにいるときの、喜怒哀楽が複雑に混ざり合ったような、一瞬ながらも奇妙な表情の歪み。この時、あすか先輩の母親は笑ったような、怒ったような、泣いたような、諦めたような、何とも不思議な変化を見せる。そこに籠められた感情は、おそらく彼女自身にも処理しきれないような、根拠も動機もない感情の爆発だ。

 その何とも言えない表情を経由し、彼女は娘に対して「部活を辞めろと今ここで言え」という無茶振りを行い、最終的は平手打ちに及ぶ。さらにその後、すぐに泣き出して自分の娘にすがりつく母親と、相変わらずの無表情でそんな母親を受けとめるあすか先輩。この構図から、「この母娘は、これまでもずっとこんな生活を送ってきたのだ」ということがすぐに分かるようになっている。そうして、この歪んだ母娘の関係性を見て、「如何にして田中あすかが形成されてきたか」というところにまで推測が及ぶわけだ。

 どうにも面倒な、情緒不安定な母親。彼女が激昂するのは、おそらく部活絡みの話だけではなかろう。おそらくあすか先輩が幼い頃から、似たような状況は度々発生し、娘は母親の扱いに難儀したに違いない。当然、こうした状況では「自分が一番大事」という保身と、「でも恩義ある母親を、自分の愛すべき肉親を無下にも出来ない」という家族愛がぶつかり合い、悩み、苦しむことになるのだ。そんな状況を処理するために、怪物・田中あすかは仮面を被った。徹底した堅実主義を貫き、人の感情などというものは、自分が生活していく上で、どうコントロールするかだけが問題になるノイズとなった。田中あすかが生きていく上で、周りの人間が何を考えようが、どう思われようが、それは「処理すべき対象」の1つでしかない。実の母親との付き合い方が、彼女をそんなドライな人生観へと到らせたのであろう。いちいち母親のヒステリーに付き合っていてはきりがない。あくまでクールに、先に影響がないように、効率的に処理するのが、自分のためであり、母親のためにもなる。同じように、部活の中でのソロ争いも、旧友の復帰に怯える後輩の世話も、どれもこれもが「事務的に処理すべき仕事」であると、彼女は捉えていたのであろう。怪物が生まれた事情は、何とももの悲しい、家族との絆の果ての物語である。

 しかし、そうして彼女の人生観が見えてくると、その中で特異な存在も浮き彫りになる。合宿の朝靄の中、一人無心に吹いていたユーフォ。彼女にとって、ユーフォを吹くことは「母親との諍いの元」でしかなく、本来なら「処理してしまうべき案件」だ。全てを打算で処理したいなら、彼女はユーフォを手放すべきだ。しかし、実際にはそれが出来ない。何を言われても、彼女は部を辞めない。つまり、彼女の中の「人間性」が集約されているのが、ユーフォの演奏という行為なのである。怪物・田中あすかは「ユーフォにしか興味がない機械」ではなく、「ユーフォしかすがるべき人間性を持てない人間」なのだ。それが分かれば、今後の対応はいかようにも出来る。彼女の一時的な不在により、「あすか無き吹部」がようやく起動した。部長先輩も頑張った。おそらく、中川先輩は低音パートを託された。万一彼女が欠けたとしても、吹部は何とかやっていける体勢を作り上げるだろう。しかし、それはあくまで仮のものであり、最後に「人の心を持つ田中あすか」を迎え入れて、北宇治高校吹奏楽部が完成するのだ。今期のフィナーレは、一体どんなものになるだろうか。

 今回はあすか先輩のもろもろを観るだけでもへとへとになるエピソードだったが、その他の要素も相変わらずてんこ盛りで忙しいんですよ。謎のベーシスト緑輝とか、葉月の初めての本格ステージとか、そんな葉月にも気軽に励ましの言葉をかけて上げられるようになってる麗奈のレベルアップとか。でも、今回はやっぱり3年生がメインかな。どのシーンでも中瀬古先輩がいちいち可愛かったし、部長先輩のソロパートは過去に登場したどのソロシーンにも負けていない大迫力で最高の仕上がり。やっぱりサックスのソロは決まるとマジで痺れますね。今回あらゆるキャラの細かい所作まで含めてやたらと色気があって素敵だったんだが、コンテ演出が今期エンディング映像を担当している藤田春香という人なのよね(1期8話もこの人が担当してる!!!)。これだけの密度のシナリオを見事に収めているし、1つ1つのシーンに魅力があるし……どうにも京アニの女性クリエイター陣は化け物揃いであることよ。

 そして、相変わらず軽々とホームランをかっ飛ばすのが、デカリボンこと我らが優子である。部長先輩の決死の挨拶へのあのレスポンス。誰がどう見ても愛されキャラ過ぎるだろ……。優子・夏紀の2年生コンビ、最強です。希美なんていらんかったんや。

 そして、次の曲が始まるのです。

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