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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 ラストの「平行線」はズルいよなぁ……最終話。そうなってしまうか。それこそが花火の選択。

 まさにエピローグといった趣の1話。短かった青い春が終わり、それぞれがどこかで成長して、変わっていく。若さ故の特権かもしれない。

 鐘井は……メガネがコンタクトになった。「メガネが壊れたから」ってのは花火が見抜いた通りに言い訳だろうけど、あの日の温泉宿のことが一つのきっかけってのは本当かもしれない。そして、茜が必死にコンタクトに変えるように主張したこともなんだか容易に想像出来てしまう。おそらく、癪だったんだろうね。自分ばかりが鐘井に変えられてしまうことが。気付けば理想からはほど遠かったはずの鐘井に丸めこまれて変わってしまった茜さん。そんな「被害者」サイドは性に合わぬと、何とかして男の方にも影響を与えようと思った末の苦肉の策がコンタクトだったんじゃなかろうか。少しでも鐘井のイメージを変えて、自分の支配権を主張してみる、そんな精一杯の抵抗。まぁ、そんなことで鐘井はビクともしないんですが……。なんか、2人の関係性が見えてくる微笑ましいお話である。

 茜は変わった。変えられた。その顛末は前回であらかた語られてしまっているので今回はその後日譚ということになるが、教室での花火とのやりとりは彼女の変化が見て取れる面白い振る舞い。まず、鐘井の手を取って引き止めるという行動。これまでの茜なら、2つの意味でそんな行動には出なかったはず。1つは、「昔の女」のところに男を向かわせ、男の方から「勝利宣言」してもらう方が彼女にとって優越感が高まるから。そしてもう1つ、「男を他の女のもとに向かわせたくない」なんて感情はこれまでの茜には無かったものだから。彼女はおそらく、鐘井が花火に気遣おうとしたことに軽い嫉妬のような感情を持っていたし、「ライバル」だった花火に対しては、直接自分から言葉を渡したいと思ったのだろう。その結果が「ブーケトス」である。「当事者意識」の無いこれまでの人生を変えてしまった鐘井に対しては愛憎入り交じった感情はあろうが、その鐘井を見続けていた花火に対しては、何らかの畏敬の念や、同じ困難に向き合って戦った戦友みたいな感情もあったのかもしれない。花火の前では仮面を外し、「下の顔」を見せてくれる茜。今後は、案外良い姐さんとして花火の人生をサポートしてくれるのかもしれない。

 モカは、なんか別次元で大きく羽ばたいていた。元から脈無しと分かった上で麦に突撃するという爆弾娘だっただけに、最後のデートから吹っ切れて「可愛くなる」という手段だけが残った状態。目的を失った手段は更に先鋭化されたが、その結果として自由を手に入れ、なんだか周りからの評判も上々の様子。文化祭時点では何一つ消化出来ずに燻っていた花火からは、「自分の足で歩く」モカはさぞかし鮮烈に見えたことだろう。

 えっちゃんは、最後までえっちゃんだった。髪を切ることは、典型的には女性の失恋を表す。まぁ、彼女もそうした意味を込めてないといえば嘘になるだろうが、過去との訣別は決してネガティブな意味合いだけでなく、新しい人生のスタート地点とも言える。恋愛感情を殺しきり、新しく重ねていく「友達」としての花火との関係。おそらく隣には篤也もいてくれるだろうし、彼女の青春も始まったばかり。もちろん、あわよくば花火の隣のポジションは狙っていくだろうが……やっぱり強いよね、えっちゃん。

 麦は……分からない。結局、前回の玉砕以降、麦がどのように日々を過ごしてきたかは描かれずじまいだったし、花火の目を通しても、彼の中にあるものは見えてこなかった。あくまで、花火の鏡写しとして、麦が存在している。

 では、その花火はどうだったか。今回は全編が花火視点で描かれ、彼女の変化が少しずつ彫り込まれていく。大きな変化は、他者との関係性を改めたことだろう。今回、花火は色々なキャラのところを回って事後報告をするレポーターのような役割も果たしており、彼女自身がどのように変化したのかは最後の最後まであまり描かれないのだが、一番はっきりと変化があらわれたのは告白されたあのシーンだろう。かつては「興味のない人間から向けられる好意は気持ち悪い」とバッサリ切り捨てていた花火。しかし、今の彼女は他者を考える余裕と、強さを身につけている。想うこと、想われること。そうした感情について大きな経験を積んだ彼女は、相手に対して感謝の意を述べた。

 そして、終わった花火と、終わった麦。2人は偶然にも倉庫で再会を果たし、「戦果報告」を行ったようだ。2人の契約はそういう前提の下で成り立っていたのだから、ある意味当たり前の過程であろう。「互いに振られるべく、それまでの期間を恋人でいよう」。紆余曲折はあったものの、2人は結局最初の「契約」を全うしたのである。そして、その後は……。

 正直、ここから2人の物語が始まるのだろうと高をくくっていたのだが、この作品は、そんな甘いことは許さなかった。花火は成長した。麦も成長した。どうしようもない「クズ」だった2人は、大きな喪失を経て、一歩大人に近づいた。打算と見栄で形作られた恋愛は、終わりを告げたのだ。「クズ」なればこそ、二人は関係をやり直すという選択肢もあったかもしれない。しかし、新しい一歩を踏み出すに当たって、それは「正しい」選択肢ではないのだ。互いを嫌というほど理解しているからこそ、お互いを見ないことこそが正解なのだと分かっている。どこまでも続く「平行線」。それが2人の関係。

 太陽系を抜け出したら、ひょっとしたらこの平行線が交わる機会もあるのかもしれない。でも今は、まだその時ではないのだろう。

 嗚呼、平行線。

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