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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 ○「燃え」部門

 3つ目は王道「燃え」部門。とはいえ、ゼロ年代アニソンというカテゴリの中で「王道」はそのまま「王道」ではない。どのように時代に即した変化をしていくのか、というのは興味深い部分だ。

 



○「明日の笑顔のために

 (「ゲートキーパーズ」 OP)

 まずはやっぱりコレなんだな。田中公平の生み出す曲がまずは王道の一歩目の指針ということで。多分、私の記憶だとコレか「天使の休息」が人生で初めて買ったアニソンシングルだと思います(まだシングルCDが小さかった時代だなぁ)。田中公平の曲、というだけではなく、歌唱は「You get to burning」の松澤由実。そしてオープニング映像は佐藤順一。もう、燃える要素以外ないじゃないですか。作品自体も独特の味付けが印象的で、割と面白かったんですけどね。あんまり話題になってるの見たことないなぁ。

 

○「W-Infinity

 (「GEAR戦士電童」 OP)

 サンライズ製作の子供向けロボットアニメということで、いわば王道中の王道作品と呼べる「電童」。そのオープニングは、なんと三重野瞳と影山ヒロノブのデュエットという、今となってはあり得ない豪華な布陣になっている。まっすぐな歌詞とシャウトが響く曲調は、ゼロ年代と言いつつも基本線を守った上で、女性ボーカルが入るのでどこか新しい風も感じさせる絶妙なさじ加減である。

 

○「堕天國宣戦」(リンクはニコ動)

 (「戦う司書 OP」

 普通の燃えソングは「応援歌」「ファイティングマーチ」という側面が強いわけだが、こちらはまっすぐな「燃え」ソングとは少し趣が違う、いわば「軍歌」としての存在感。「戦え」と訴える捻りのない歌詞と、いつも通りのアリプロサウンドからはやや譲歩したようなシンプルなメロディライン。次第に高まる期待感と、背中を押されるような嫌な切迫感。作品の持つ突き放した絶望感と合わせて考えると、この救いの無さこそ、窮地に追い込まれたものに特有の「燃え」といえるかもしれない。リンク先は何故かYoutubeに見つからなかったのでニコ動だが、初期の映像ではなくて5話以降の「良く動く」バージョン。こちらの方がまっすぐなアニメオープニングっぽくていいかもね。

 

○「立ち上がリーヨ

 (「イナズマイレブン」 OP)

 さらに最近の作品から、どこか妙な味わいがある、子供向け作品のオープニング。「燃え」というにはちょっと軽い気もするのだが、サビ部分の盛り上がりは理屈を必要としない「馬鹿馬鹿しい」盛り上がりっぷり。例えばカラオケに行って歌った時に、訳の分からないテンションになれるっていうのは、「燃え」ソングの1つの条件といえるかもしれない。この番組、時間帯が映ってから見逃すことが多くなって切ってしまったんだが……今どうなってるかなぁ。

 

○「HUSTLE MUSCLE

 (「キン肉マンⅡ世」 OP)

 個人的な原体験というものからは、やはり逃れることが出来ない。我が人生の大部分を決定した音楽、それが「キン肉マン」の超人ソングである。残念ながら、「Ⅱ世」に生まれ変わったあとにはそうした「超人ソング」は再生産されず、世に出た新たな「超人の歌」は、なんとキャストが歌うというおよそピントのずれたものであった。串田アキラや宮内タカユキが歌ってくれたぜいたくなテーマソングは、既に過去のものだ。

 しかし、作品を代表するこの1曲は、どこか昔の風情を残した「キン肉マンソング」としてのおもかげがある。正確には「王位争奪編」の方のイメージな気もするが、無闇にアツい擬音の熱唱は「キン肉マン旋風」からの伝統芸。画面上に誰だかさっぱり分からない謎の敵が大挙するのもお約束。Ⅱ世だからと嫌わずに、このオープニングだけでも見てやってほしいものだ。

 

○「夜明け生まれ来る少女

 (「灼眼のシャナ」 ED)

 燃えアニメの歌なら燃えソングになる、というわけでもないだろうから、とにかく歌の迫力だけで作品を考えずに選んでみよう、と思って出てきたのがこの曲。「アニソン」というくくりでいうなら「残酷な天使のテーゼ」で不動の地位を確立してしまった高橋洋子が、久し振りにアニメのために歌ってくれたものだ。大森俊之とのタッグはこれまた不動のもので、地の底からわき上がってくる様なパワフルな歌声が、ふわふわとおぼつかない印象のラノベ作品ですらがっしりと根をはらせるがごとき存在感を与えてくれる。曲と一緒に見ていると、いとうのいぢのイラストレーションが雄々しいものに見えてくるのだから不思議なものである。

 

○「真赤な誓い

 (「武装錬金」 OP)

 NHK特番で扱った曲は出来るだけ外そうかと思ったのだが、やはりこの曲を入れないと「燃え」部門は締まらなかった。すっかり定番となった趣の「真赤な誓い」。シンプルな少年漫画のテーマといえばそうかもしれないが、実はサウンドがギターのみで構成されていたり、色々と作り手のこだわりが見える楽曲になっているのである。いつの時代もジャンプ漫画はかくあるべし、という、何かを思い出させてくれる1本。アニメーションも実に良くできている。

 

○「MASSIVE WONDERS

 (「魔法少女リリカルなのはStrikerS」 OP)

 ここまでの曲で随分女性ボーカルが多いのでイマイチ説得力が無いのだが、改めてトピックスとして取り上げてみたかったのは「女性ボーカルによる燃えソング」という特殊性。「燃え」がロボットアニメなどに象徴されるものだった時代から、現代は誰がどう見てもアニメの主流が「萌えアニメ」になっていることは事実であろう。そんな中で育まれるのは、「女性主体」+「燃え」という構図なわけだ。

 もちろん、過去にも「トップをねらえ」みたいなスタイルはあったわけだが、「女性キャラ」の立ち位置自体がまっとうな「燃え」の構図とかみ合う機会というのは稀少だったはず。不自然なまでに「戦う女性像」が描かれ始めたこの時代であるからこそ、生み出される楽曲というのもあるはずだ。

 そこで出てくる「女性が戦う」作品の極みといえば、やはり「なのは」シリーズ。歴代オープニングを歌い続けるのは「アニソンの女王」水樹奈々であり、どの曲も看板となるだけの説得力があるのだが、敢えて1曲選ぶとしたらこの曲だ。演歌育ちの水樹奈々の癖がよく分かる小節回し全開の歌い方と、画面でメインをはるのがなのはではなくてスバルであるのが選んだ理由。「素手で殴り合う女性達」というのは、やはり言い訳出来ない「現代アニメ」の特殊性だと思う。

 

○「セキレイ」(リンク先は海外サイト)

 (「セキレイ」 OP)

 「戦う女性像」の1つの姿として、この曲が面白い。上の「なのは」もそうだし、起点として描いた田中公平による「ゲキテイ」にしても、女性が身体を張って戦うという構図は、「男勝りな女性像」である。しかし、そればかりでは現代の「萌えながら燃えろ」という路線との親和性にどうしても限界がある。そこで自然に生まれるのが、こうした「女性らしさを残しつつ、その上で戦うこと」だ。

 この「セキレイ」の作曲は神前暁。しかも彼は、この曲を作るために田中公平の音楽をヒントにしている。田中公平の生み出した「まっとうな燃えソング」の系譜から生み出された、「女性の女性たる部分を維持した新たな戦いの形」としてのメロディラインは、柔らかい中にも勇壮さが感じられ、女性キャラの優しさをそのまま維持しつつ、「戦う」フィールドにも適合したものになっている。

 ……なんて見方も出来るんじゃなかろうか。キャスト4人による歌唱ということで、「萌え」部門に並んだ曲との差別化が難しいのだが、こうした「萌え」「燃え」の接近というのが、一番分かりやすい現代アニメの実情だと思うのだ。

 

○「ライオン

 (「マクロスF」 OP)

 「戦う」「女性」というと、やはりこの曲が1つの到達点ではないかと。「戦う女性を歌う」とか「戦う女性が歌う」なんてレベルじゃない。「歌うことで女性が戦う」のである。これこそマクロスワールドだ。

 菅野よう子による楽曲と、よく分からない歌詞。「生き残りたい」と繰り返す2人の歌姫は壮絶な恋愛バトルを繰り広げつつも、その心情は常に男性主体であり、古くからの「陰で支える」女性像も維持している。「燃え」がどうとか「萌え」がどうとかいう概念を超越した、奇妙な思念が見て取れる。

 また、この曲は番組最終回で流れた「娘々サービスメドレー」のメインボディとなっている。「サービスメドレー」はこの「ライオン」の他に「愛、おぼえていますか」や「星間飛行」といった全然毛色が違う曲ともつなげられるわけだが、それらの全ての楽曲を飲み込んで余りあるだけのパワーを、この曲は持っている。文句ナシの、「ゼロ年代を代表する1曲」だ。

 

○「戦慄」部門

 以下、カテゴリ分けに入れられなかったが外すことが出来ない曲を4曲ばかり。

 

○「For フルーツバスケット

 (「フルーツバスケット」 OP)

○「プラチナ」

 (「CCさくら」 OP)

 これらもやはり外すことが出来ない曲。詳しくは前の記事を参照。

 

○「夢の島思念公園

 (「妄想代理人」 OP)

 時節柄、「遺作」にもなってしまった作品であるが、このオープニングはとにかくものすごい。平沢進の楽曲だってもちろん凄まじいが、この映像とのコンボによって破壊力は何倍にもなっている。初めて見た時の不安定な気持ちは何とも形容しがたいものであった。「作品に引き込むこと」が求められるのがアニメのオープニングであるなら、この映像は満点の出来といえるだろう。この映像について、今監督は「面倒だったから楽な映像が作りたかった」という主旨のコメントを残しているが、楽したいだけで作れる映像なわけがないのである。

 

○「コッペリアの柩

 (「NOIR」 OP)

 映像作家としてのオリジナリティと言えば、この真下耕一だって負けてはいない。独自路線を突き進む真下耕一と、同じく自分ワールド全開のALI PROJECTが出会った記念碑的作品。お互いにまだスタイルが今程尖っていないので、むしろ融和性が高くて総合的な完成度はその後に生み出されたものよりも高いものかもしれない。我がアニメ視聴人生に影響を与えたという意味では、この4作でおよそ埋め合わせがきくだろう。

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