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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 タイトルのとこ、「映画」と書くでもなし、なんて書いたらいいかよく分からないな。そんなよく分からないものを、よく分からないうちに観に行ってしまった。いや、そりゃ観に行くでしょう。磯光雄の完全脚本オリジナル新作って言われて観に行かない理由もない。あとから確認したらネトフリで全部配信してるみたいなのだが……まぁ、そこはそれ、せっかくなら劇場で。と思ったのだが……こんなん、1回観て終われるか? たまったもんじゃねぇな。この形での公開はあまりに残酷だが……地上波アニメにするって選択肢はなかったんやろなぁ。いや、ほんとに前編でお預けくらったら途方に暮れてしまう……しかし、仮に前後編一気に公開されてたらそれこそ情報の激流に押し流されて粉微塵になって死んでしまうだろうし……なんとも悩ましい。もう、これ6話ぽっきりでいいから地上波放送してくれよ。現代の放送スタイルだったらどうにかなるだろ、頼むよNHK。

 まぁ、人類は観るしかないよ、ほれ、観に行け。

 

 

<以下ネタバレとか含むかもしれないけど、まだ何も終わってねぇんだよ>

 




 というわけで、前編が終わった時点でシナリオに関してはあまり触れられません。正直、自分がきちんと要素を拾いきってる自信が無い。よりによってパンフは売り切れてるし、怒涛のままに過ぎ去った90分を振り返る手段が無いのである。よくもまぁ、私は生きて帰ってこられたものだ。まぁ、後編を観終わった後にも感想まとめきる自信はないが……。

 しょうがないので、前編は磯光雄についてのサブ情報で埋めていくことにしよう。偉そうに監督の名前を出してはみたものの、私のようなニワカは彼の業績について何か語るべきものがあるわけではない。Wikiを観にいくと錚々たる経歴と評価に圧倒されてしまうが、私はそうした時代をリアルタイムで体験してないし、近現代のアニメの歴史を切り拓いた人、と言われても、切り拓かれた後しかしらなければあまり実感も湧かない。私は磯光雄については何も知らない。ただ1つ、「電脳コイルの監督」という点を除いて。

 そう、私がとにかく観に行けばいいじゃん、と思ったのはたった1つ、それだけの理由。「電脳コイル」は、私の人生を捻じ曲げてしまったアニメの1つである。もちろんそれ以前にも人生に影響を与えたアニメってのはたくさんあり、「NOIR」(真下耕一)や「妄想代理人」(今敏)は真っ先に名前をあげることにしているが、実はこれらの作品は発売された製品版(当時はレンタルビデオ)で観たものである。リアタイでアニメに脳を破壊されるという経験はそこまで多くなかった。それこそ、「電脳コイル」が初めてだったんじゃないかと思うくらいに。運の悪いことに、実は「コイル」の放送時期は私の人生の中でも貴重な「実生活が割と忙しかった時代」と重なってるもんで、あまりアニメに時間を割くことができず、それゆえに「コイルの感想教えて」と言われても本当に漠然とした印象くらいしか残っていないのだが、気づいたらDVDを全巻揃えていたというのは間違いない事実である。当時発売されていたDVDには複製のコンテ集というとんでもない付録がついており、「この作品は、コンテを覗いてみたい」という欲求から、経済的に厳しかった当時、必死にお金を工面してソフトを買い揃えたのである。アニメを視聴するという体験が、こんなにも多くの犠牲を必要とする罪深い行為だと知らされたのは、まさに「電脳コイル」からだったのである。

 そんな虚ろな過去の記憶が改めて蘇る今回の新作。10年以上の時を経れば、どんな作品だって古くなるだろうし、クリエイターのセンスだって錆び付くこともある。時代感覚のアップデートを怠り、過去の遺物と化してしまう人だってたくさんいるだろう。もしかしたら、その先進的な内容が見どころだったあの「コイル」の監督だって、令和の世にはすでについてきていないかもしれない。そんな不安も正直あったのだが……。

 開始3分くらいで、もうその心配は払拭されましたね。なんだろう、本当に「アニメーションとしてのSF」の粒度が違うというか……。画面から出てくる情報が全部「見たことがないのに理解できる」というこの感覚、いったいなんなんだろう。現代社会の「新しさ」を受け止めつつ、それを「ありえたかもしれない」未来へ転写していくその描写力にまず度肝を抜かれる。どうしたってSF作品を観ると「こんなんありえへんやん」みたいなスノビッシュな物言いが脳裏を過ぎるものだが、今作に関しては、すぐさまそんな矮小な考え方はどうでもよくなる。何より、観ていて楽しいのである。それだけで充分ではないか。

 現代技術を足がかりにポンと先へ進んだ「未来感」が楽しく、そこから生み出された「少年少女の宇宙冒険譚」が楽しい。「今作は何が見どころなの?」と聞かれたら、そのままタイトルを返してやればいいのだからこんなに簡単な話もないだろう。しかし、そんな簡単な作品も、視聴するとなると一筋縄ではいかない。何しろ、目を離す隙が無いのだ。短い時間にプロットを詰め込んでいるというのもあるだろうが、画面のどこに面白情報が混ざっているかが分からないので常に注意を払わなければいけない。さらに、これも監督の人脈なのだろう、とにかく画を動かす人材が尋常ならざる充実っぷりなので、1つ1つのシーンでのアニメーションにも気を抜けない。いや、抜く気が起きない。常に「快」の方に気持ちを持っていくアニメーションばかりが展開され続ける。あたしゃ作画には明るくないが、「コイル」に引き続いての井上俊之の監修だと言われりゃ、そりゃ納得するしかないのである(多分、私が人生で初めて「アニメーター」として名前を認識したのは井上俊之だ)。当然のように全編にわたって監督が設計図を描いているので演出にブレがないのだが、一応話数ごとにスタッフが切られており、3話は「この感覚どこかで?」と思ったらコンテが村田和也だったので笑ってしまった。

 ちなみに制作スタジオは「Production +h」というらしいのだが、今作をきっかけに立ち上げられた新会社ということらしい。「スタッフからしてI.G.とかそっちの関連会社か?」と思ってたけど母体がI.G.ということで納得。社名がアルファベット順でGとIの間にHが挟まってるのは偶然なんでしょうかね。「電脳コイル」のマッドハウスだって充分いい仕事をしてくれていたとは思うが、やはり地上波のシリーズアニメと「劇場作品」ではそこに集中できるリソースが違うのだろう。何気ないワンカットにも常に面白みが隠れている、そんな怒涛の90分。

 さぁどうだ? ほぼ作品の中身に触れずにここまでの文章を書きなぐってきたぞ。わしも頑張っとる。後編が来たらもうちょっと内容に言及するテキストを書きたいとは思うが、私の手に収まるかどうかは微妙だ。アニメの感想にあるまじき「うるせぇ! さっさと観ろ!」だけを書き残して終わる気もする。私は無力だ。

 あ、「鳥裸族」は不覚にも笑ってしまった(多分一番どうでもいいオチ)。

 

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