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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 成った……第10話。これがバンド、これがバンドリ。

 「バンドが出来たな」って思えるこの瞬間、ビビッとくるものがある。これがあのきらきらぼしのアニメと地続きの世界ってのが信じられないくらいに、心と心の物語がある。彩度も細度も桁違い、そんな「バンド結成」の物語を目の当たりにした。見せつけられた。結局、「バンドもの」の一番の良さって、こうしてバラバラの個性がぶつかり合って、1つの完成形を生み出すところなのだよな。今作はそれを担当したのがよりにもよって「迷子」の連中ばかり……たっぷり10話もかかったけど、そのゴールはこれまでになく堅牢なものとなった。

 バンドの絆なんて都合のいい言葉を使っても、結局は個人、別人、赤の他人。みんな考えてることなんて違って当然。それを擦り合わせていく過程でギスギスも生まれるだろうよ。今回のお話は本当にご都合主義で、ラッキーの塊みたいなもの。それでも、5人が5人とも自分の心に嘘をつかずに辿り着けたその幸運を噛み締めるのに恥ずかしいことのあるものか。

 今回の立役者、要楽奈にとってのバンドは「おもしれー」だ。最初から最後まで1ミリたりともブレることのない最強の女。そんな楽奈を動かすのはただひたすらにセンスのみ。「つまんねー女の子」に成り下がってしまった燈は、自力で悩み抜き、苦しみ抜いた先の大きな勇気の果てに、再び楽奈の「おもしれー」へと返り咲いた。燈をもっと「おもしれー」にするためには、楽奈も労を惜しまない。こないだのゴタゴタで燈周りの人間関係はおよそ把握していたのだろう。あとは野生の嗅覚で持って、必要なパーツをステージ上に集めてくるだけ。おもしれー燈がいれば、そんなことは容易いのである。楽奈は「おもしれー」バンドを手に入れた。

 椎名立希にとってのバンドは「燈」だ。彼女が喜んだからバンドを始めた。彼女をステージに立たせるために何とかバンドを続けようとした。それがダメで、自分のせいで燈がついに崩れて、立希は自責に追われながらも何も出来ずにいた。しかし、立希の希望である燈は、彼女の想像以上に強い「歌い手」だった。想像の埒外の行動に出た燈。立希はそんな彼女の言動についていけない自分を認めたくなくて、みないふりをしていたが、楽奈に無理やり引き摺り込まれ、自分が隣に立っていいと認められたおかげで、再びスティックを握ることができた。そよが何を考えているのか、睦が何を思っているのか。立希はまだ何もわかっていない。それでも今は、燈がステージに立っている。自らの意志でそこに残り続けている。自分のこれまでの行動が、そんな燈にちょっとの勇気を与えられたのだと、立希は自分を認めてあげることができただろうか。

 千早愛音にとってのバンドは「見栄」だった。みんながやってるなら自分もやらなきゃ。ステージの上で目立てる方法は手っ取り早くバンドだろう。そんな浅はかな考えが散々に打ち砕かれ、「でも、自分で結成したバンドなんだから自分が必要である」という最後の望みすら、前回の顛末で儚く散った。もう燈との繋がりは何もない。そう思っていた愛音。そんな彼女の打算の果てのバンド活動を塗り替えるには、ただ1つ、それが見栄でも嘘でもなく、本当に「愛音の生き方」であると示してやる必要があった。なに、難しく考える必要はない。ただ愛音が必要だと、そう彼女に伝えてやればいい。誤魔化しじゃなく、誰かの代わりじゃなく、そこに愛音が立っていてほしいと。そう言って手を引かれるのが、彼女にとって何よりも救いだったのだ。燈が繋いだ関係性は、今や愛音にとっての「本当」になり、自分以外の他者のために、彼女はステージに立つ理由を得た。

 長崎そよにとってのバンドは「CRYCHIC」だった。自分の人生を変えてくれたあのバンド、祥子・睦・燈・立希の立つステージだけが彼女の目的だった。その可能性がゼロであると祥子に叩きつけられ、そよがバンドをやる理由は何一つなくなったはず。バンドをやらないのなら、今までお為ごかしで作り上げた関係性も必要ない。そう考えたからこそ全てをぶっ壊し、終わらせようとした。他のメンバーに悪意を持っていたわけではない。自分はもう終わったのだから、そこにこだわり続ける人間がいては、互いに不幸にしかないからだ。そんなそよの諦観をぶち壊すのは難しかったが、ここはもうパワープレイで行くしかない。そう、「CRYCHIC以上」を作り出すしかないのだ。新しく賭ける価値のあるものを、そよを加えた5人で作れることを示すしかないのだ。今ここに全ては揃った。あの愛音が全てをリセットして見せたのだ。それなら自分だって、今ここ清算してみせなければ、なんとも格好悪いではないか。「自分のことばかり」だったそよが、ついに他人に手を引かれ、他人のためにベースを取った。

 バンドの主役は誰だろう。ボーカルが主役か、それとも「メンバー全員が主役」なんて綺麗事がまかり通るか。それは個々のバンドによっても違うのだろうが、まだまだメンバー全員が迷っている5人の中で、そこに道標を与えるにはやはり真っ直ぐに目指せる目標が必要になる。それは夢と言ってもいいし、野望と言ってもいい。とにかく、バラバラの方向を向いている勝手で最悪なメンバーが、思わず同じ方向を向いてしまうような、強烈な光が要る。高松燈にとって、バンドは「詩」になった。なぜバンドを始めたのか、CRYCHICの悲しい経験があったのに、何故自分は再びマイクの前に立ったのか。彼女の詩は目的ではなく手段だ。彼女の歌はゴールではなく道程だ。答えが見えず、分からないからこそ、みんなで探す必要がある。その先を見たいからこそ、1つのものを作り上げるために躍起になれる。燈の詩にはそれだけの力があったのだ。

 見たい未来が、この先にあった。だから、バンドが成った。

 

 

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 もう、いっそのことタイトルを「バンドリ 黒の章」とかにすればいいと思う、第9話。このアニメを見て仙水忍が闇堕ちしたと考えればすごく納得いくからね。

 これでこの作品が「最終的に宇宙に漂っている巨大な長崎そよの心臓めがけて銀の矢を叩き込めば終わる」みたいな内容だったら話は簡単なのだが、残念ながらそういうアニメではない。誰をやっつけたとしても話は終わらず、そもそも誰もやっつけることは出来ない。ただただ、人と人とがすれ違い、地獄の様相を見せているだけのお話である。そこには性根のねじくれた人間はいるが、決して「本当の意味での悪人」はいない……いや、違うな。みんなしてちょっとずつ悪いから、その悪さが澱のようにどんどん溜まった結果がこの黒の章なのだ。

 現在最大のブラックを振り撒く女、長崎そよ。いきなり幼き日からの彼女の生い立ちが語られ、彼女の奇妙な従属体質というか、何かに依存してしまう心境の根っこが語られている。幼き日に母親が離婚したのか再婚したのか、とにかく家庭環境ががらりと代わり、降って湧いたお嬢様生活。なかなか身の丈にも合わぬと思いつつも、誰にでも無難に合わせられる天性の人当たりの良さを武器に、彼女は仮初の安寧を塗り固めていく。そんな中でようやく出会えた本当の関係性がCRYCHICだと思っていたのに、どこかで歯車が狂って瓦解した一時の夢。当初、CRYCHICに関しては「燈がだいぶ引きずっている」という印象を与えており、ファーストライブの成功でなんとか燈がその幻影を乗り越えて新しい一歩を踏み出せたものだとばかり思っていたのだが、実際ははるかに巨大な幻影を抱えたそよが背後に控えていた。前回の祥子による的確な人格攻撃により、完全に仮面を破壊され、何も守るものがなくなってしまったそよ。ある意味で、今回のそよさんは怖いもの知らずの無敵の人。かつてバンドリのメインキャラでここまで「悪役」に堕ち切った人間はいなかっただろう(バンドの解散危機という状況で言うなら、パレオの振る舞いはちょっと危なかったこともあったが)。「ママみ溢れる優しいそよさん」と「目的のためなら笑顔で友人知人を使い倒す長崎そよ」の二面が全く同じ根っこで語られているところが本当に業の深い部分で、ご丁寧に今回の回想シーン、楽しそうにスマホを見ながら寝っ転がるそよさんのカットが、前回の鬼LINEブロック発覚そよさんと全く同じ構図で描かれてるのが最悪である。

 そんなそよに対抗すべく立ち上がる椎名立希。彼女はすでに一回「壊れ」を経験しているのでこれ以上最悪の落ち方はしないが、彼女も彼女で決して悪いところがないわけじゃないため、そよさんばかりを悪役に仕立てるわけにはいかない。今回、祥子のお株を奪うかのように、そよが立希に対して「燈ちゃんさえいればいいんでしょ?」というナイスブローを炸裂。ド正論に全く言い返すことが出来ない立希は返り討ちにあい、ブチギレ気味で代理のベースを用立てた。もちろん彼女はそよに対する腹いせ目的ばかりでそんな暴挙に出たわけではない。彼女の中の「燈第一主義」は揺らぐことなどなく、「そよが周りの人間(それはおそらく燈にとって大切な人である)を利用するだけ利用して己が欲望を満たそうとしていた」という事実は、おそらく燈にとってはショックな事実。立希はなんとかそれを燈に伝えずに彼女のバンド活動を続ける方法を模索した。その結果が、「そよはとにかくもう来ないから、切り替えていけ」という指示だったわけだ。残念ながら燈がそんなスパルタに乗れるはずもなく、結局「立希もバンドさえやれればいいのでは?」という最悪の印象を与えた上で、何も解決せず愛音を追い返すという泥沼の結果に繋がった。冷静に考えれば、燈がこんな状況に耐えられるはずがないことくらいは立希もわかりそうなものだが、頭に血が上ったこともあるだろうし、結局立希は「燈が第一」とは言っても、実際は「燈と自分が一緒にバンド活動できることが大事」というエゴイズムで動いている。彼女は彼女で、悪なのである。

 そういう意味では今回単なるサンドバック要員になってしまったのが愛音。彼女は物語序盤で散々迷惑かけてたし、過去エピソードで堕ちるとこまで堕とされたのでこれ以上人間性を貶められることはなかったが、「そよには利用されてただけ」「しょうがないとはいえ、そよ(CRYCHIC)と愛音のどちらを選ぶかという選択で、燈がそよに揺れている」という現実を見せられ、またしても自尊心ブレイクを引き起こしてしまった。自分がバンドで一番の下手くそなのは知っている。よりによって直前までスタジオにいた海鈴が超絶ベースを披露してしまったせいで、この世界には楽奈や海鈴といったバケモンばかりだということを強く意識してしまったかもしれない。そんな状態でも燈の手を取れるほど、愛音は強くないのである。今回の彼女は、単に色々抉られただけの可哀想な子。スタジオから逃げ帰るのも致し方なし。

 そんな状況にただ嗚咽し、塞ぎ込むだけの燈も結局は成長できなかったということ。いやまぁ、流石にこの修羅場を全部背負えというのは酷な話ではあるのだが……燈にもう少し主体性があれば、そよ・立希・祥子のどこか1つくらいになんらかのブレーキはかけられたかもしれない。依って立つべき中心にいるボーカルがよりによって一番何も決められない。そのことが、今回の地獄の最大の原因。もしかして、祥子や睦もその辺に見切りをつけて解散に至った可能性もゼロじゃないな……。

 右を見ても左を見ても地獄。平気なのは今回登場しなかった楽奈ばかり。あ、あと海鈴さんも想像以上にタフなやつでしたね。掛け持ちでヘルプに駆け回るパワー系ベーシスト、どっかのバンドでボーカルやってる気もするが……あの人と違って、こっちのベースは本当にマシンみたいに仕事こなすタイプだからなぁ……レイヤ並の汎用性に八潮瑠唯の合理性を持つ女。これはこれでおもしれー。立希はこの関係性はもっと大事にしたほうがいいとは思うが……我々は知ってるんだよな。こいつが最終的にどこぞの専属ベースに落ち着くってことをよ。いや、仮面かぶってればよそでのヘルプも普通に続けられるか……。

 ところで、CRYCHICの結成式って羽沢珈琲店で行われた描写があったわけだが、もしかしてこの街の重要事項って全てあの店で決められてる? ……afterglowの解散式もあそこで行われたりすんのかな……どうなるかな……。

 

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 今期一おもしれーアニメ、第8話。ぶっちゃけ今期はそこまでキラータイトルが無いからってのもあるが、多分結果的に一番夢中で見てるのはこの作品。ちょうど今週のタイミングで(きっかけはアレだったのだが)脚本家がTwitter上で荒ぶっており、そのうねるようなストーリーテリングへの熱情を感じることができました。ギスドリ上等、見たいものが見られりゃ俺はなんだっていいぜ!

 あまりにも色々な感情が渦巻きすぎていて、もうまとまった記事を書くのが大変すぎるので、今回は試しに、最初からVを流しつつ、気になるパートを時系列順に拾って行く形式で記事を作ってみる。どれくらい長くなるだろう。

・「やらないって言ったじゃない!」「言ってないけど」〜「どれだけ傷つけたかわかってる?」「だから何?」。そよと立希の「大切」の差が浮き彫りになる一幕。今回はとにかく長崎そよという人間の仮面をぶっ壊し、根っこまでずったずたにするのが目的のお話である。わたしゃこういう「上部だけうまいことやってると思ってた人間が現実を突きつけられてどん底まで落ちる」って話が大好物でね……。立希は本当に「燈さえ幸せならそれでいい」なんだけど、そよにとっては燈はあくまで「CRYCHICのボーカル」であって、彼女が大切にしたいのはかつてのバンドの再建、思い出への逃避。そう考えると、異分子である愛音の存在ってそよさんにとっては何なんだろう。行きずりの女か?

・「そよさん優しいもん、許してくれるって」。当然愛音が長崎そよという女のことを一番分かってないわけで。

・「もしかして、豊川さん?」「下の名前、祥子っていうんだ…」。祥子のクラス内での立ち位置を端的に示す描写。燈からすれば、祥子の現在が全くうまくいっていないように見えるわけで、そよの叱責も相まってどんどん自責の念に駆られる。

・ミルクゼリー。紙パックのゼリー飲料、飲みづらくない? ほんでこのベース、なんで立希にこんなにかまってくるん?

・「楽奈ちゃん、立希ちゃんの後ろにいるよ」。LINEのメッセージより。何それ怖い。このシーンで燈が触ってる石、普段よりもゴツゴツしてたり黒光りしてたり、燈の心中の表現として露骨すぎる。

・「前のライブハウスでも神出鬼没だったし」。ここ、「前のライブハウス」に何か含みを持たせる描写になってる。今後楽奈の掘り下げエピとかある? 入れる余裕ある?

・「みんなバラバラで、このままじゃ、バンド……」。燈はそよがキレた理由を完全には理解しないままなので何を謝るべきかもよく分かっていない。燈にとってはすでに新しいバンドがあり、その解散が一番恐れていること。それに対し、そよはあくまでCRYCHICの復活が目的。2人の見ている「バンド」がそもそも違う。

・月ノ森に特攻。月ノ森女子学園、今作でもトップクラスのお嬢様高校のはずだが、いかに女子高生とはいえ割とあっさり外部の人間の侵入を許しているのは不安。今年から厳しくなった理事長、セキュリティもしっかり確認しといて。

・愛音、初めての高松家訪問。燈の部屋があまりに燈の部屋すぎて戦慄するし、フローリングにダイレクトトレイ&牛乳があまりにも高松燈。おもしれー女。ここで燈が祥子に言及。「祥子を傷つけた」はそよと共通認識なのだが、視聴者目線では(そしておそらく燈たちにも)なぜ祥子がそこまで春日影でセンシティブになるのかよく分かってない。そもそもCRYCHICの解散理由がわかっていないのだから。

・そよの鬼LINE。そりゃブロックするしかない。重い女、短慮な女。ここで初登場か、そよの私室が「いいとこのお嬢さん」とかのレベルぶっちぎっててこえぇ。基本的にバンドリシリーズはセレブリティの道楽の作品です。

・「いきなりで驚いたけど、嬉しかった」。三角初華登場。こないだのあのメッセージをもらって「嬉しかった」と言える神経は図太いが、これがこの2人の関係性なのだろう。そよがなんと言おうと、おそらく祥子の中で初華以上の存在はない。あと、祥子さんはLINEのメッセージも全部お嬢様言葉。

・「その話はやめてくださる?」。初華は祥子がCRYCHICを解散させたことすら知らない。当然、理由も知らない。てっきり初華絡みの理由で強制解散していたのかと想像していたのだが、思ったよりも祥子の個人的な理由なのかもしれない。

・「うちの島に祥ちゃんが来て……」。うちの島ァ?! どんな社会階級の話だ……。

・ロリ祥子が抱えるドール。この後に出てくる祥子と睦のLINEの画面もゴシックドールがモチーフになっている。某バンドのコンセプトを祥子が作ったであろうことが想像できる。

・「虫取りに誘ってくれましたわね」。個人的に今回一番エグいな、って思った描写がこれ。祥子・初華の中で最も眩しくて素敵な思い出である虫取り、カブトムシ。直前のシーンで愛音がカブトムシのノートを見て「キモッ!」と拒絶している。どれだけ素敵な他人の思い出も、他者からみたら「知らんがな」なのである。愛音がどれだけ蚊帳の外にいるかが滲む描写でもあり、立ち入れない過去との距離がこんなところで匂わされている。

・「初華におりいってお話ししたいことがありますの」。バンド、結成するんかなぁ……。

・LINEのブロック状態を確認する女。そんな目ぇ見せられたら……ゾクゾクしちゃう! 次のシーンで仮面を被り直したそよだったが、睦だけはその異状を察している。睦のキャラも今後最重要な要素になってくるなぁ。

・「やってほしくないことばっかり」「睦ちゃんのせいだよ、あの時も、今も」。本音には本音で返せ。そよの中で「睦には容赦しねぇ」と割り切った瞬間。祥子と繋がるためなら手段は選ばないが……それがCRYCHIC再建に繋がるかどうかは……。

・既読をしらねー女。こんな自由な使い方なら、私もLINEを怖がらなくて済むのだろう。ちなみに通知画面は母親からの夕飯コール、そして山吹パン店の営業などが確認できる。抹茶コロネ……どうだろう……。

・パフェ2つ平らげる女。若い子はカロリー気にしなくていいのかしらね……。

・「つまんねー女の子」。ちょっとだけ礼儀を覚えた楽奈。そして葛藤に苛まれる燈。彼女の中で最も大切なものが何かが揺れている。他の面々の「大切」が揺るがないため、燈だけが「つまらねー」状態に。

・豊川邸。案の定、とんでもねー物件。一面のバラ園もイメージモチーフとして効いている。

・「私もやりたくなかった!」。この女……。

・「お為ごかしですわね」「いつまでもしがみついてみっともないですわね」。的確にそよを壊す言葉だけを選べるセンス。

・「では、あのバンドはなんですの?」。正論オブ正論。こんな分かりやすい修羅場を女子高生が演じられるなんて……。

・「楽しかったあの頃の私たちに戻りたい。燈ちゃんも立希ちゃんもそれを望んでいる」。息つくように都合のいい台詞が出てくる女。なんであの解散の顛末があって睦が戻ってきてくれると思えるんだろう。

・睦の立ち位置。地獄の修羅場、2人の間でただ立ち尽くす睦はいったい何を考えているのか……。お前が口を開かないと、この地獄は終わらんのだぞ。

・「行かないで!」「祥ちゃんたちがいないと、私……」「私にできることならなんでもするから」。今、なんでもするって言ったよね? ついに足元が崩れてぐちゃぐちゃになるそよ。

・「どのくらいの覚悟で言ってるんですの? ただの学生でしかないあなたに、他人の人生を抱えきれますの?」 正論オブ正論オブ正論。縁談かな? 同じくただの学生である祥子がこの言葉を吐ける強さよ。

・「あなた、ご自分のことばかりですのね」。ゴール。全てを剥ぎ取られ、丸裸になる長崎そよ。未だかつて、ここまでフルボッコにされたバンドリキャラがいただろうか。

 一応、「日和見の果て、過去に縋り付いて停滞することを咎められた」キャラとしては今井リサがいるのだが、彼女はきちんと自らの手でその状況を打破してみせた。今回の顛末を見るに、一歩間違えたら泣きながら友希那の足元にすがりつくリサがいたかもしれないという妄想も捗るが……長崎そよは、あの時のリサ姉の強さを持つことができるかねぇ。次回のサブタイトル、「解散」だって。

 

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 クるわぁ……第7話! いいっすね、こういう展開があってこその世界線。この青春スペクタクルが観たくてバンドリ追っかけてると言っても過言ではない。過去のバンドリライブ史の十指に入るライブになったんじゃなかろうか。

 今回は無駄なシーンが1つもなく、どのシーンにも文脈がぎっしりなんですよ。特徴的だったのはキャラ同士のぶつかり合いの物語にもかかわらず、その合間の繋ぎにはやたらと引きでの定点カメラワークが多用されていたこと。例えば最初の楽屋の様子は2点の定点カメラからの映像が長かったし、ステージへの入退場のシーンも、それぞれ異なるアングルから、必要以上に引いたアングルで舞台袖の全景が映るように画面が構成されている。普通、大きな揺れ動きを見せるのだったらこうしたカット割りは淡白な印象に繋がりやすいはずなのだが、そもそもこの作品はキャラがフルCGということもあり、ハナからどこか淡白というか、ドライな部分は含まれている。そこで寄ったカメラワークの迫力を増すため、急所となるパート以外のカットから少しずつ温度を抜いていく方向に舵を取っている。今回のコンテワークは僕ぁ大好きな奴ですね。確認したら梅津さんの担当。まぁ、中盤の鍵となる重要度マシマシのライブ回だし、当然といえば当然の配置か。

 1つずつよかった点を振り返っていくと、まず序盤の楽屋パートまでの時点で割と楽しい。普段我々はバンド連中がどんなふうにリハをやってるかなんて知らないし、ご丁寧に5人全員が違う方向性でミスをしてそれぞれの緊張の形を見せてくれるペーペーバンドの演出にも抜かりはない。楽奈の奔放さは流石に酷すぎると思うが……会場がRINGでスタッフがみんなして楽奈のことを知ってるから許されてるのはズルいよな。そして楽屋に入ってからも一切まとまる気配を見せずに好き放題暴れ回るメンバーたち。楽奈は当然として、そよは単身で他バンドへの挨拶回り、愛音はトイレと楽屋の往復ついでに偶然afterglowの面々と出会って勝手にコネを作るという。まぁ、そういうのは確かに愛音の役割でいいと思うんだけど、出会ったのがafterglowの会っちゃいけない方じゃなくてよかったな……いや、具体的に誰かは分からんけど、多分あとから楽屋に来てくれたひまり・モカあたりからお菓子をもらったんじゃなかろうか。入場前につぐにもあってるかな? afterglowおっかない伝説を築き上げた2人と鉢合わせにならなかったのはラッキーと言えばラッキー。いや、多分巴は会っても別に怖くはないんだけど(赤メッシュは怖い)。

 その後ちょっとしたシーンで沙綾が出てきたり、そこからの流れで燈たちの出番の前にステージにいたのがCHiSPAだったりと、少しずつ既存バンドとのつながりが増えてくる構成も楽しみの1つといえる。「なるほど界隈ではポピパもアフロもすっかり伝説級の扱いだな……」と思いながら見るわけだが、まぁ、それぞれがまるで2年間で6年分くらい活動しているように見えるので、そりゃまぁ実績は多いのだろうよ。ポピパとかオーストラリアに呼ばれて箔がついてるし。どうやら立希はアフロファンらしいが、どっかでドラム対決を挑まれる時とかもあるかもしれませんね。ここ2人がぶつかったらただじゃすまねぇぜ。

 そしていよいよ初(?)ライブ。このライブの構成もまたいいんですよね……。今更認識したけど、私、こういう作品に出てくる「素人さんのヘロヘロ初ライブ」シチュが割と好きなのかもしれません。いや、流石にきらきら星はきつかったけどさ、個人的にベストライブの1つに数えられる初代ラブライブ3話とか、「そりゃ素人がいきなりステージに立って、イベントがうまくいくわけないじゃん」という現実を叩きつける展開はハラハラしながらも応援できるのが良い。今回はことさらに「慣れないバンドあるある」みたいな展開になっており、最初に音が合わずに何度も仕切り直すあたり、結束バンド以下のグダグダ初ステージである。さりげなくそよさんがMCで繋ぐ流れとかもいかにもだし、そこからちょっとずつちょっとずつエンジンかけていく愛音の手探りな感じも妙に親近感が湧く。薄暗いライブハウスの中、緊張感のあるライティングでそれぞれのメンバーが勝手気ままに暴れている様子を観ているのが楽しい。

 そして、ようやくスタートしたライブだったが、楽奈はいつも通りノーブレーキ、立希とそよはそこそこで、愛音はもう、トチらないことだけを目標に。意外と図太い燈は大丈夫かと思われたが……まさかの祥子登場で一気に崩れる。「終わったら解散しかねない初ライブ」で祥子・睦の登場は、そりゃ燈にとっては最悪。しかし、そんな燈のピンチを救ったのもまた祥子。彼女が安易に燈にエールを送るみたいな展開じゃなく、彼女の視線の圧が燈にだけ聞こえる「声」になったというのも「らしい」要素。祥子さん、あそこで大声出すようなキャラじゃないだろうからね。ご丁寧に、燈が立ち直ったようにみえる1曲目は、実はまだボーカルの出力が万全でなくてバンド優位になってしまっているあたりも、「不完全ライブ」らしい面白い見せ方である。

 そして暴走する燈。客席全体にMCを届けねばならないのに、もう周りのことなど見えずにただただ祥子へメッセージを送る。多分、あの時点でそれが祥子へのメッセージだと気づいていたのは祥子と睦の2人だけだろう。にもかかわらず、そんな「元友達への独白」を一瞬で「ボーカルのポエム」へと変換させたのが楽奈の仕業。こいつがBGMを入れたことでライブはライブとして進行し、そこからまさかの春日影に繋いでしまうというファインプレー。燈はもう、あそこで歌うしかなかった。あそこで歌わなければ燈は先に進めなかった。楽奈がそれを十全に理解してやったとは思えないが、おそらく野良猫なりの天性の勘が、燈の声に春日影の気配を感じたのだろう。当然、事情を知らぬ立希はとにかく燈が楽しく歌えればそれでいいのでノリノリ。いっぱい練習して弾けるようになった曲がかかって愛音も嬉しかっただろう。そよさんも、そりゃぁ流れに身を任せて演奏するしかないが……気づいちゃったんだよなぁ。その影が飛び出す様子に。

 「初ライブは楽奈の機転で大成功! このファーストライブを足がかりに、MyGO!!!!!が本格始動だぜ!」だったら話は早い。そういうストーリーでも誰も文句は言わない。しかし、そうして燈が自分の足で立った影には、何かを抱えて沈んでいった祥子がおり、「沈んだ」ことを知っているそよがいる。出番から上がり、極度に引きのカメラで映る愛音や立希の大喜びの様子。「この成功は、まだゴールではない」というニュアンスを暗に伝えつつ、最後にそよの一言へと繋ぐ。これまで何だかんだと煙に巻いて泰然とした自身の優位を崩さなかった女が、ついに感情を剥き出しにした。この大きな痛みが、また一歩MyGO!!!!!を前進させるのだろう。

 そしてもう1つのバンドの存在も……さぁ、祥子は「自分無しでハードルを超えた燈」の姿を目の当たりにした。彼女がなぜCRYCHICをぶっ壊したのかはまだ分かっていない。しかし、彼女は燈の春日影で冷静でいられなくなるほどに、CRYCHICを特別に思っていたはずなのだ。彼女の慟哭は三角初華へと伝えられる。音楽を失った悲しみを、祥子はどのような形で晴らしていくのだろう。彼女が立ち上がる契機は、克己なのか、はたまた復讐なのか。次のステージへ参りましょう。

 

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 めんどくせー女しかいないバンド、第6話。いや、そりゃバンドリシリーズと言えばただひたすらに関係性を掘り下げるお話なのでだいたいのバンドには面倒ごとしか転がっていないのだが……ここまで問題児揃いのバンド、流石に類を見ない。

 いや、でも後から追加されたバンドは1人1人がエグいくらいに問題児揃いなのかな。モニカとか……あ、でもつくしちゃんは単なるいい子か。RASにもレイっていうお利口さんがいるから全員が全員おかしいってわけではない(暗に他の8人はおかしいと言っている)。しかし、MyGO!!!!!の場合には5人が5人とも……なぁ。

 まずは対人関係なんて気にするな! これと決めたら周りは見えない愛されちやほやボーカル、高松燈だ! ……でも彼女の場合、どっちかってぇと問題は本人じゃなくて、勝手に神輿を担ぎ上げてはぶんぶん振り回して勝手に散り散りになっちゃう他のメンバー連中な気もする。でも、あのタイミングで海のお友達シリーズが溢れ出してくるスピリットはやはりどっかダメなのは間違いないと思うよ……それで愛されてるからって、いつまでも他人任せで済むと思うなよ。いつかお前にも、改めて人生の選択が迫られる時が来るだろう。それがバンドの中心・ボーカルとしてのけじめだ。とりあえず、燈を中心とした話はこのアニメのクライマックスになるだろうから、それまではせいぜい大人しくしとけ。

 先週まで最大の問題児だった愛音については、あらかた膿を出し切ったおかげで追加の問題点は無くなった。一応メンバーとの関係性も成立はしているし、何より燈のやつが何故か愛音には懐いていて校内ではだいたい行動を共にしている。燈のコントロールパネルとしては重宝する人材。そして一応バンド活動に前向きにはなったので、残る課題は「テク」だけである。……まぁ、普通に考えたらそれを改善するのが一番難しいはずなのだが……この世界は楽器を練習すればみんな超人的な習得力で本番までには形にしてくれるから大丈夫。

 「野良猫」こと要楽奈については、もう問題児とかいうレベルじゃないので今はまだ触れることすらままならない。何がしたいのか分からんし、何を言ったらいいのかもまだ分からん。とりあえず燈に対する興味があるようなのでうまいことその辺の感覚がシェアできれば燈のお守り親衛隊とは意思疎通も可能かもしれないが……本人に改善の意思が見られないのが最大の問題。こいつが同じ目線で「メンバー」と通じ合う日がこれから先訪れるのだろうか?

 そして今回最も焦点が当たったのは、イライラ系ドラマー、ヒステリック立希。1人で勝手に突っ走り、あげく過去の亡霊としてCRYCHIC、というか祥子の幻影に縛られてしまっているのでタチが悪い。「昔の女がよかったんでしょォ!」とか叫んだって燈は振り向いてくれないぞ。その祥子への想いも、燈への執着も全てが独りよがりなものなので、いざ前がかりになって暴走を始めちゃうと、誰も止めることができないというのが超面倒。ただ、こういう「全部抱え込んだ上で周りが見えなくなって突っ走っちゃう」系のトラブルはバンドリ世界のお家芸みたいなもんで……どこぞの赤メッシュ、つぐりすぎ生徒会長、ちょままま副会長、元天才子役、歌うこと(と猫)しか興味がない歌姫、悩める双子の姉、天才お子様DJ、そのおつきのキーボードメイド etc.みんなして勝手に暴走しては周りの連中に宥められて「誰かに頼ればいいのか……」と気付かされた連中ばかりだ。立希についてもそうした責任感暴走の素養があったようで、残念ながら今回はブレーキが効かなかったが、ちょっとだけ息継ぎできた愛音のおかげでなんとか踏みとどまれた。まぁ、反省はできる子だと思うし、次回までには立て直っていることでしょう。

 となると、実は一番問題だったのは、ダークホース・長崎そよだったのかもしれない。これまでは「お母さんだから」みたいな泰然とした雰囲気で誤魔化してきたが、「全部分かってるよ〜受け止めるよ〜」みたいな顔して、その実あんまり動いてなかったということが次第に明るみに。一応過去のCRYCHICメンバーと連絡を取ったり、何かしらやりたいことはあったみたいだが、残念ながら現状は足踏み状態。焦りの募る立希からすれば、口ばっかりでなんもしてくれない典型的な日和見主義者。多分、そよ自身も自分がそういうポジションになってしまっている自覚はあるだろう。かつてどこぞのバンドのベーシストも、「なんか耳触りのいいことばっか言って、そもそもお前の実力が一番下なんだが?」と(一番の幼馴染に)言われてショックを受けたこともあった。その時には気合いと根性と真実の愛で乗り越えてみせたが、さて、長崎そよにはそこまでの根性があるだろうか? このままだと愛音以上の戦犯扱いにされかねない。ここぞというタイミングで、年長者(???)の意地を見せてほしいものである。

 という面倒と面倒と面倒と面倒と面倒の五十苦に苛まれるMyGO!!!!!の結成物語はいよいよ次回が1つの節目になりそうだが、その陰では……ヲイ、メインボーカルのアイドル、立希のクラスにおったんかい。だからベースの子と繋がるんかい。狭い街だなぁ……2バンドが正式に立ち上げられたら、立希の立ち位置がこれまた訳のわからんことになりそう。「うちのクラスにドロリスとティモリスがいるんだが?」って、地獄みてぇな配置だな。

 

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 女子どうしが絆を深めるためにはとにかく水族館に行くんや、第5話。これまで数多のカップルが水族館をきっかけに一線を超えてきた。錦木千束と井ノ上たきな、小糸侑と七海燈子、愛城華恋と神楽ひかり、そしてなんと言っても宮沢風花と海咲野くくる……アクアリウム・マジック。

 というわけで何かが一線を超えた感のあるお話ですが、そのための前提条件として、先週時点で想定された「千早愛音ぶっ壊し大作戦」がきっちり決行された。突如スタジオに現れたオッドアイの野良猫・要楽奈。あまりに節操のない「おもしれー女」は、パフェだけでなく、バンドにおけるギターのポジションという最も大切なものを強奪して去っていく。そのあまりに無法な振る舞いに包容力の化身であるそよさんもタジタジ。コミュ障の燈・立希も言わずもがな。しかし、そんな闖入者によって最も窮地に立たされたのが愛音。あんなギターがいたんじゃ、センターを諦めるどころの話ではない。なんとか自分の居場所を守らんと画策するも、そんな生兵法で何が通じることもなく、どんどん化けの皮が剥がれて最後には立希からの正論ボディブローでとどめ。この世界には正論核爆弾・八潮瑠唯とかいうとんでもない化け物もいるが、親交の深まっていない現状でも容赦無く一番えぐってほしくない部分を殴りつける立希の立ち回りもなかなかのもの。現時点ですでにヘイトが溜まっていた愛音というキャラに対する重爆撃は、むしろ溜飲が下がるお見事なものだった。

 ただ、立希は八潮瑠唯とかいう怪物と違ってまだ話が分かるというか、きちんと目的を見据えた上で正論を叩き込んでいるのでまだ優しい方ではある。そよさんが「いつか誰かは言わなきゃいけない」と認めていた通り、このまま愛音を放っておいても何も解決しない。というか、視聴しながら「これ、千早愛音とかいうくっそ邪魔な奴を切って捨ててあのギターを入れた4人バンドになればいいのでは?」と思ってしまう状態である。そんな中でわざわざ今後の可能性を残して「完膚なきまで叩きのめす」という選択をした立希・そよはまだ優しいとすら言えるかもしれない。

 バンドのこと以外にも留学の失敗など、とにかく目先の虚栄心に囚われて失敗しまくっている愛音のクズエピソードが全て暴露され、がくりと膝をつく千早愛音。もう立ち直れないところまで引き摺り下ろされたように見えたが、ここで救いの手を差し伸べるのはまさかの燈。愛音側からみても「なんであたしなんかを?」ってなもんだろうが、どうやら燈からしたら、今再びステージに呼び戻してくれた愛音への感謝は想像以上のものだったようである。誰にも読めず、誰とも共感していなかった燈のオリジナルフィーリング。それがここにきて、ギリギリのところで愛音を救った。現状はまだ「首の皮1枚」といったところだが、ここから先は生まれ変わった愛音のタフさが試されることになるのだろう。まぁ、その前に仲良くおてて繋いで帰ってきたことに対し、立希が許してくれるかどうかが先だろうが……。あと、こいつらがイベントに出るの出ないので揉めると、多分全部の皺寄せが運営やってたつぐみのとこに行くと思う。つぐならなんとかしてくれるだろうが、優しい先輩に余計な手間かけちゃダメだよ。あと「afterglowってなんか怖いイメージあるよねー」って言われてたけど、そっちは全部あの赤メッシュのせいだ。

 愛音は最低の奴だ。それは間違いない。でもまぁ、留学の失敗とか、おそらく日本人学生の半数以上は、同じような状況に立たされたらやっぱり挫けてしまうんじゃなかろうか。日本の英語教育の限界である。もっとも、常識的な女子中学生はちょっと英語の成績が良かったくらいでいきなり留学を選択するような無謀なことをしないだろうが……そこで調子に乗っちゃうのが愛音のオリジナルな部分なので、なんとかこれをプラス方向の特性に変質させてやる必要があるだろう。彼女を動かすのは自己肯定感。バンドメンバーはその辺のケアしてあげられるかなぁ。アメとムチならムチがはるかに大きくなりそうなメンバーである。

 愛音のギタースキルの向上という喫緊の課題はあるものの、とりあえずライブに向けて一歩前進。このままツインギターの構成へ進めることになるわけだが、改めてバンドの構成を見てると、MyGO!!!!!って案外他バンドと差別化できる構成になってるよね。ドラムベースギターギターボーカルでキーボードにあたるポジションがなんもないので、どうしても音はロックテイスト強めにならざるを得ない。その特性を中和する形で燈のボーカルが入るっていう状態なので、ここから先、進むべき道を見つけた時にMyGO!!!!!は強くなりそう。そういえば今回楽奈がパフェを食う時にスプーンが左手だったんだけど、彼女は左利きなんでしょうか? ギターは右で使ってるようだが……。

 そうそう、今作の裏テーマである「MyGO!!!!!の陰でこっそりもう1バンド成立させよう!」プロジェクトもつつがなく進行中。最後の1人がどこから出てくるかと注目されていたAve Mujica。なんと今回愛音が見てる動画配信者から最後の1人が登場。いったいどういう来歴のバンドなんだ……。

 

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 「春日影」という文字列をみると特定の人物を想起しませんか? 第4話。ちなみにこれは呪いです、私と同じ状態になるようにみなさんにも呪いをかけました。トゥース!!

 などとどうでもいいことから入ってみたが、3話一挙放送の熱も冷めやらぬ中、引き続き刺激の多いシナリオ展開になっている。大ガールズバンド時代にはこの東京で数多のバンドが生まれ、消えていっているわけだが、そんな激動の時代の中、1つ2つのバンドが浮いたり沈んだりしている。過去にもバンドリストーリーの中でさまざまな摩擦や衝突が描かれてきたが、ここまでふわふわと定まらぬ状態でぶつかり合ってる展開は初めてのこと。最終的にバンドが結成されるって分かってるから安心して見てられるが……その保証がなかった気が気でないよ。実際に、どこかにCHiSPAが主人公のシナリオとかがあったら、最後はめちゃめちゃしんみりするだろうな。あと、こないだロックがヘルプに行ってたバンドみたいなところも。作中ではCRYCHICというバンドが、そのチクチク要素を担っている。

 覚えにくい名前が多いので、早めに一回整理してしまおう。まずは押しも押されもせぬ我らがメインボーカル・高松燈(tomori)嬢。前回までの時点で「導入の印象が倉田ましろに近いんだよな……」と書いていたが、少しずつ透けて見える燈の人物像は、身も蓋も無い言い方をすればだいぶ「図太い」。ましろのように人の目を気にしまくって、何もできない内気な自分にグッバイするため、憧れのポピパに少しでも近づくためにバンドをやりたい! みたいなモチベではなく、燈の場合、本当に視野に入る要素が少なく、当初はやれと言われたから始めたボーカル。しかし、一度その世界を知ってしまったが故にもう彼女はバンド活動から目を背けられない。CRYCHICが解散してしまったせいで居場所を失って殻に閉じこもったかに見えた燈だったが、誰かがお膳立てをすればまたすぐに舞台の上には上がってくる。そよさんや立希がポッと出のボーカル少女にここまで入れ込むということは、彼女の中に秘められたパワーというのは想像を絶するものなのだろう。メインボーカルはどのバンドもカリスマが求められるが、8バンド中でも屈指のちやほや系お神輿ボーカルである。

 続いて作中では一番にぎやかしになっているのがギターボーカル(素人)の千早愛音(Anon)。表に出てくる系のキャラということでやや近いのはひまり・透子あたりになるだろうか。ただ、これまでバンドリキャラってのはどの子もだいたいは才能や努力に裏打ちされた演奏力が約束された状態だったが(一番大変だったのはリサ姉か、香澄だろうか)、こちらは本当に素人に毛が生えた程度。そして、そんな状態にもかかわらずメインボーカルに居座ろうとする傲慢さは今までになかったタイプ。透子みたいにただ「目立ちたい!」っていうキャラはいたけど、実力も考えずに「あたしがセンター」はこれまでになかったモチベーションだ。最終的にこのモチベは挫かれて傍に引っ込むことになるわけだが、こいつよっぽど鼻っ柱をへし折らないと真面目にギターの練習とかしない気がする。バンド成立の立役者のくせに、一番のお荷物感が出ているのが怖い。

 そして未だ謎に包まれているのがリードギター、オッドアイの要楽奈(rana)。……おもしれー女がおもしれー女とか言うな。一番近いタイプはモカちゃんだと思われるが、それに輪をかけてマイペースかつわがまま勝手。流石にあそこでスタジオに乱入してきたのは想定外。すでにギターテクの凄まじさは見せつけているため、多分来週はこいつがギターを振り回して愛音をボコボコにするところから始まるんじゃなかろうか。現時点でバンドをやるモチベは一切描かれていない謎の人物だが、これくらいの劇薬の方が問題だらけの即興バンドにはちょうどいいのだろうか。

 ベースを担当するのは音だけ聞いてるとサヨだかソヨだかよく分からなくてややこしい長崎そよ。ついにバンドリに現れたママみを振りかざす脅威の高校1年生。これまで今井リサ・山吹沙綾など「姉み」を武器にする気遣いキャラは存在したが、ここまで露骨にママみを見せつけるキャラは意外なことに初(しいていうならレイヤが近いか)。問題児だらけのバンドにおいては、もう監督やリーダーじゃなくて「保護者」が必要ということだろうか。全てを飲み込む器のデカさを見せつけてはいるが、今回のシナリオではいっぺんこいつもぶっ壊れてギャン泣きするくらいのカタルシスが欲しい。

 そして最後は隠す気もないハイパーツンデレ、ドラムの椎名立希。ツン度合いで言ったら最初期の有咲すら凌駕する暴力系に近い立ち位置ながら、燈に対する偏愛も同じくらいに見せつける純正レズ要員。こいつがなんで燈にそこまでご執心になっちゃったのかがちゃんと描かれないと関係性フェチの皆さんは満足しないと思うが、そこできちんと納得できる背景が提示されれば、立希&そよによる最大級の燈甘やかし陣形が完成することになる。暴力系に見えるのは事実だが、冷静に考えると愛音の振る舞いが勝手すぎるだけで、この子が一番の常識人である可能性すらある。

 以上がMyGO!!!!!を構成することになる5人のメンバー。この5人がくっついたり離れたりするというだけでもドラマのうねりが大きくて大変なのだが、今作が厄介なのは、その裏で蠢くもう1つのバンドの存在。「余ったパーツ」が収束し、どこかでAve Mujicaが完成する必要があるという部分。現時点で明らかになっているのは、CRYCHIC解散の直接の原因となった勝手なお嬢、豊川祥子(sakiko)。こいつが理由も言わずにバンドをぶっ壊したことが燈達にとってのトラウマになっていたわけだが、どうやらその裏にはもう1つのバンドの火種があった模様。

 現在、この祥子とのつながりが確認できたのが、すでにメジャーデビューを果たし人気を獲得しているユニット「sumimi」のメンバーである三角初華。こいつが最終的に闇堕ち(?)してメインボーカル・ドロリスになることがほぼ確定しており、自然と祥子はオブリビオニスになる。そしてCRYCHICの残りの1人、「バンドを楽しいと思ったことなんて1度もない」という爆弾発言をぶちかました一番闇が深そうな子・若葉睦がモーティスとなる。今週、祥子と初華の繋がりが明かされ、今後は祥子の裏事情が描かれることになりそうだ。

 そしてなぜかはまだ分からんが立希に教室で絡んでた子も立派に公式ページのキャラ表に登録されており、こちらの名前が八幡海鈴。ポジションからティモリスであることがほぼ確定となり、横のつながりはわからないがAve Mujicaもすでに4人が揃ったことになる。個人的にはこっちの「裏側」も気になってしょうがないのよねぇ。Ave Mujicaは前回の0th ライブで不思議なモノローグを中心とした譫言のようなドラマもあったが、あちらは本筋とは関係ない「イメージ」の話だったのか……謎は謎を呼びっぱなし。

 こうして、また興味を引っ張られるのよねぇ。うまいやり方ですわ。

 

 

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 どうしても気になったので、遅ればせながら配信チケットを購入して後から視聴。さてさて、どうしたものやら。

 なんのことやらさっぱり分からない人のために軽く説明しておくと、Ave Mujicaはお馴染みバンドリプロジェクトから発信された新バンドである。この度めでたくアニメも制作されキャラクターのバックグラウンドも完全に紐付けされた「MyGO!!!!!」に続いて繰り出された、リアルバンドプロジェクトでカウントするなら6つ目のバンドということになるだろうか。私はあんまりリアタイでこのバンドのお披露目イベントの数々を追いかけられたわけではないのだが、気になって後から情報を確認すると、さまざまな謎かけやら、意味深なメッセージを断片的に送り出して少しずつ期待感を煽り、謎めいた部分を残しながらいよいよこの度初ライブに挑むといった流れだったようだ。

 正直、Roseliaに続いてRASを追いかけるのすらややしんどくて「俺の本命はRoseliaだけ、RASは……頑張ってそこまで追いかけないように自制する。ポピパとモニカについても以下同文」と言っている私にとって、これ以上追いかけるバンドを増やすのは自殺行為なので当初は「まぁ、実情がはっきりするまで触らんとこか」と思っていたのだが、ライブが終わり、流れてくる情報にセトリが見えてしまったので流石に気になってこの機会にライブ映像は見てみることにした。まぁ、1時間半程度の(しかも暗くてよく見えないような)ライブ映像を視聴するために6000円近く払わにゃならんのはかなり割高ではあるのだが……これでもお客を呼べたというのは、ファンからの期待感の表れということでもあるのだろう(そして私はまたまんまとブシロードに金を巻き上げられたわけだ)。でもまぁ、推し活ってそういうもんやから。あ、すでに9月のライブのお金は入金済みです。

 


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 山梨県! どうもお久しぶりです、僕です! ライブイベが割と久しぶりなんですよね。ここまでにちょいちょいフェスとかでバンドリバンドが出場していたイベントはあったみたいなんだけど、単独はあんまりなかったし、配信も含めて観に行く方法がなかったので、確認したら2月の合同ライブ以来の視聴ということになった。ぶっちゃけ、今回のライブもLV無しの配信のみということで視聴するかどうかはちょっと迷ったのだが……まぁ、久しぶりだし、何よりゲストとしてRoseliaも参加してくれるということだったので、久しぶりに火をつけるためにしっかりと時間をとってリアタイで応援させてもらった。

 もし許されるなら現場に行きたかったという悔しさもなくはないのだが、多分なまった身体にいきなりのRASライブはマジで身体が死ぬだろうし……翌日からふつーに仕事の状況で、流石に日曜コニファーを無理やな。しょうがないので配信にしたわけだけど……やっぱ現地で観たいよねぇ……声出し解禁は少し前からだったけど、いよいよ今回はマスクオフOKとのことで、着実に「普通の」ライブへと立ち戻りつつある。9月は絶対に有明に立ってやるからな。

 

<ネタバレとかセトリバレとか、どうでもいいとは思うけど一応折り返し>

 


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