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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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水着姿で火を使う料理とか、罰ゲームにしか見えない第13話。2話で出てきたモブっ娘さん達が再登場し、もうこの世界独特の妙な名前を覚える気にもなりません。今回は面倒なのでレギュラーじゃないキャラは中の人の名前でお送りします。気付けばミュージックレインが3人も揃っていて、余った彩陽の登場が待たれます。

 今回の構成は、かなり意図的に2話をトレースしたものになっている。長ったらしく台詞を採用したサブタイトルからそれが分かるし、再登場したサブキャラ、戸松、南條、寿も2話以来の再登場。そして黒子が活躍出来る水着回でほとんどシリアス無しと、前回までの展開と木山先生の決意は何だったのかと思わざるを得ない展開である。もちろんこの作品は馬鹿やっててもらっても楽しいからいいんだけど、どうも黒子の活躍が足りないような……

 まず、常盤台中学がどんだけお嬢様学校だったかを全く認識していなかったことに気付かされたのだが、それにしたって「水泳部員に水着のモデルになって欲しい」はおかしい気がする。しかもその願いすら断られて部員以外のその他大勢が代役することになっちゃったし。クライアントもこれでたまたま美少女軍団(?)が来てくれたから良かったものの、戸松と南條の紹介でとんでもないのを連れてこられたらどうしたんだろうね。それとも学園都市は女の子のレベルが高いことも保証されているのだろうか?

 で、いざ水着を着るところまでいくと、あとは個々人の個性をアピールするだけの時間。黒子はいつも通り、佐天もまぁ、いつも通り。御坂は可愛らしい(子供っぽい)水着に興味を示すも、それを否定されてちょっと意気消沈。7話では着たい服をアピールしたら佐天から「子供っぽい」と一蹴されてたけど、今回は自分でも「子供っぽい」という認識はあるらしく、ちょっと遠慮勝ちのところを佐天と初春に勧められるという展開。二人して御坂がはしゃぐ姿でも見たかったんだろうか。黒子の水着選びはいつも通りだからいいとして(モデル用の試着ルームにあんな朝木貴行ばりの水着があるのもどうかと思うが)、もっと問題なのは寿の持ってきた謎のアナコンダ。ギャグで用意するにしてもおかしすぎるだろ。そしてなんで初春は平気で可愛がってるんだよ。たまにこの子は分からなくなります。あぁ、プール入るなら花は取ろうな。ジャッジメントの透視先輩(植田)はとんでもないナイスバディなことが判明したが、今までってそんなに巨乳アピールしてたことあったっけ? まぁ、しょせん中学生なので、どっちかっていうと先輩は「いい身体」じゃなくて「異常」な気もするけど(でもまぁ、3年生だから構いやしないか)。植田佳奈がナイスバディなおねーさん役って、記憶にないなぁ。

 撮影ルームは無駄に「学園都市の技術を結集した」秘密道具のような構造。映像と気温は分かるけど物質まで精製できるのは既に神の所業。百歩譲って樹木や砂地は外付けオプションとして設定されたとしても、流石にカレーの材料まで出現するのは意味が分からない。ギャグ回だから突っ込みは無しってことなのかな。でも、せっかく海やプールで水着回なんだから、カレー以外にもう少しなんかあるだろうに(要は寿のタカビーお嬢様エピソードがやれればいいわけだから)。カレーの具材の大小で言い争いとか、お前等は東西新聞の社員かと。余談だが、今回御坂が黒子に対して繰り出した技の数々は、まず冒頭の喫茶中に卍固めっぽい絞め技(ネプチューンマンの「喧嘩スペシャル」に見える)、そしてプールサイドでブレーンバスター、さらにアルゼンチンバックブリーカー(タワーブリッジ?)。2話ではきれいなジャーマンも披露していたし、何で一介の女子中学生がこんなに多芸なんだ? 黒子も律儀に全部受けきっているけど、そのうち死ぬぞ。

 なんか、とっ散らかってて感想も何も無いな。オチは一人ではしゃぐ御坂を上条さんが大画面で鑑賞するというもの。いっつも思うんだけど、この人どこが不幸なんだ?! 

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 わずかな登場シーンでやれることを全てやりきる黒子の存在感に感嘆せずにはいられない第12話。これまでの物語をきっちりと完結させる、お手本のような最終回でしたね(あれ?)。

 何の加減か分からないが、木山から飛び出して具現化したのは1万人脳髄ネットワークの権化。「AIM拡散力場」が何なのか分からないので細かい突っ込みはしないが、とにかく無尽蔵のエネルギーと思念をつぎ込んだラスボスに相応しい存在っぽいことは、ビジュアルからも何となく伝わってくる。前回木山春生がレベルアッパーネットを全て背負っていたことを象徴する赤目を宿し、それでもなお、外見は「持たざる者達」の未発達状態と成長願望を示すかのような胎児の姿。ビジュアル的な出来も非常に良いし、内部に宿す1万人の「無念」の描写もなかなかクるものがある。そういや、グラビトンの時の眼鏡はしゃべってたけど、眉毛事件の時のゆかりんがいなかったのは何でなんだろう。

 そして、律ちゃんと唯(の中の人)に説得される形でついに心折れる木山。その最後の矜持である対策方法を携えて、初春と御坂の熱意が走る。まぁ、初春は単にちょろっと階段登っただけなんだけど。せっかくの見せ場なんだから余計な援軍とか加えずに初春が独力で学園都市のネットワークを強制的に押さえ込んでワクチンを流すとかいう展開だったら更に面白かったんだけどね。アンチスキルの対応のショボさは今回も際立っていたし、せっかく緊迫の場面なのに甲斐田キャラ(相変わらず名前知らん)が「じゃん」っていう訳の分からない語尾を使うキャラで、その点だけは興ざめ。ウラシマまりんじゃないんだから。

 それはさておき、今回も前回に引き続いて、主人公の面目躍如。「電気を操れる」という非常にあっさりした能力設定のくせに、「磁場のコントロール」と「砂鉄操作」のおかげで攻守にわたって無双の強さを誇る御坂さん。どう考えたって上条さんに負ける道理は無いぐらいのチートっぷりだ。再生能力持ちには分が悪かったが、それさえ封じてしまえばあとは完全なワンサイドゲーム。締めにはきちんと奥義であるレールガンを炸裂させ、きっちり見せ場を盛り上げてくれた。オーソドックスな手法ではあるのだが、やはりクライマックスシーンでメインテーマが流れてのバトルというのは無条件で熱くなれる。テーマソングが「only my railgun」というのも非常にメッセージ性が強く、歌詞を聴けばやはりどこまでも「あたしは強いんだから邪魔すんじゃないわよ」というわがまま勝手な内容なのだが、やはり御坂さんはうだうだ悩むよりも我が道を進んでいる姿がしっくり来る。

 バトルシーンは勿論のこと、ラストシーンの初春と佐天の邂逅や黒子の暴走なども含めてアニメ的には非常に質の高い仕上がりとなっており、文句なしで本作のベストエピソードと言ってしまっていい今回(個人的には2話も捨てがたいんだけど)。電流が流れる御坂の髪の毛羽立ちやレールガン射出シーンの画作りは流石の一言だし、ふくれっ面した初春や御坂も可愛らしい。エンディングテーマの別バージョンを用いて最後にいつもの画にたどり着く幕引きの構成も実に印象的で素晴らしかった。スタッフはといえば、コンテに福田道生、総作監は藤井昌宏。もう、本当にこれが最終回といって差し支えないですよね。

 中の人にも当然賛辞。黒子の中の人は言わずもがなだが、佐藤利奈もようやく回ってきた見せ場できちんと締めるとこ締めてくれたし、田中敦子は相変わらず癖の強い木山という「悪役」に見事な引き際を見せてくれる。あとは……やっぱりマーブルチョコの謎のおねーさんですかね。顔が出てきた瞬間に「なーんか、この顔だとひょっとして声は……」と思ってたらマジでそのまんまだったのは流石に吹いた。年に2,3回くらいこういう現象が起こります。最近はちょいちょい弟さんとの共演機会が増えましたね。 

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 しゅがああああああ! な第11話。確か眉毛事件のときにもちょい役で出てたはずだけど、今回は更に台詞も増えている上に、カチューシャのおかげで某けいおん部員にしかみえないぞ! でもま、末路は悲惨だけどな! 「地獄少女三鼎」→2度死亡 「アスラクライン」→2度死亡 「ドラゴンボール改」→死亡 今作→意識不明。なんか新たな死亡フラグ声優の看板が背負えそうな気がしてきた。

 中の人ネタから入った割には、今回はなかなか見どころが多いエピソードである。毎回恒例の矛盾点指摘とかもあるにはあるんだけど、ラストシーンの巨大胎児出現でどうでもいい気がしてきた。強いて一点上げるとするなら、アンチスキルがショボ過ぎることくらいだろうか。あの体たらくを見ると、多分御坂クラスの能力者が暴れ出しても止められないってことだよね。能力開発するくらいなんだから、本当にアフターケアくらい考えておいて下さい。

 今回のメインとなるのは、悲劇のサイエンティスト木山春生。まず、1つ目の見どころは「マルチスキル」と称するチート能力によって御坂を手玉に取るバトルシーンから。レベルアッパーを使った被験者があれだけひどい目にあってるのにホイホイ能力のバーゲンセールを披露してしまっていいものかと不安になるが(もちろん、自分用のデバイスには副作用の無い管理者権限有りの端末を使うということなのだろうが)、息つく間もなく披露されるド派手な能力の数々は、今作が始まってから最大級のアクションシーン。「他人の能力をどんどん吸収、発散する」という能力は「NEEDLESS」のブレイド、「戦う司書」の本喰いなど、今期だけでもやたらと被っている設定なのだが、木山の場合は淡々と何の見栄も切らずにものすごい数の能力を展開していくのが視覚的にも贅沢な演出となっている。そんだけ複合技が使えるならどう考えても単なるビリビリ女子中学生に負ける道理は無いと思うのだが、それなりに実戦を想定して訓練している能力者とデスクワーカーの経験の差ということで一応納得しておこう。一応御坂さんも攻守にわたって自分の能力をフルに活かしているような描写はあるしね。

 そして前回心配した彼女の犯行動機だが、シンプルながらもそれなりに切実な背景があったことが判明した。「科学に犠牲はつきものである」という分かりやすい思想に呑まれ、苦闘する彼女の姿は登場時にみせたクールな側面とは微妙にそぐわない気もするのだが、今回の回想シーンは短いながらも彼女の心情の変化が端的に表れており、それだけに彼女が受けた衝撃と、根深い悔恨の念が伝わってくる。子供は苦手だと繰り返しながらもその純粋な姿に次第に打ち解ける木山は、生来の無表情の中に少しずつ感情を表すようになり、最終的に律ちゃん(仮)の寝ているソファーに腰を下ろすシーンで完結する。独白の彼女の台詞は2回同じフレーズが繰り返されるのも印象的な演出で、不器用ながらも確実に子供達との触れ合いに満たされていく木山の幸せそうな様子が確認出来る。勿論、それだけに事故のシーンの凄惨さも際立つというものだ。

 シンプルながらも、そのおかげでシナリオとしてはスッと入ってくる仕上がりの今回。アニメとしての質が高いだけに、筋に不満が無いときのこの作品はやっぱり面白いです。まぁ、「木山は明らかに体制に反抗しようとしてるのに野放しにされてたのは何で?」とか、「レベルアッパー自体に法的な違法性はみとめられないのにアンチスキルがあの早さで動けたのはどうして?」とか、「そもそも能力開発は人の脳の研究なんだから、一人一能力に限られる根拠はないんじゃね?」とか、そんな疑問はもう掘り返さないようにします。

 今回はなんと言っても木山役の田中敦子の熱演が光る。ベテランなのだから今更感心するものでもないのかもしれないが、木山のような抑揚のない役で、子供達と次第に打ち解けていく際の変化やバトル時の咆哮など、本当に「聞かせてくれる」役者です。もちろん律ちゃん()もね! 当ブログは全身全霊でもって佐藤聡美嬢を応援します。 

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 義務はなくても頭のお花の謎には答えて欲しかった第10話。「答える義務はありません」って、答えがあるかのような言い方ではあるのだが……

 「レベルアッパー」事件もいよいよ佳境。身内にピンチが訪れ、犯人の正体が割れることで嫌が上にもストーリーは盛り上がってくる。ジャッジメントの活躍を描くストーリーなので主人公がどう絡んでくるかが心配だったが、前回のちょっとした一言から御坂が責任を感じての参戦というのは、まぁ、不自然な導入ではなかろう(黒子の怪我も動機としてあるしね)。流石にここまでシリアスな事件で今までみたいに「面白そうだから首突っ込みたい」っていうスタンスだったら、流石に御坂が嫌いになるところだった。

 さて、毎回恒例になってきているが、まずはシナリオ面への疑問を先に並べてしまおう。一番気になるのは、やっぱりこの世界の「超能力」の科学っぷりへの疑問である。今回レベルアッパーの正体が「聴覚情報による強制的な脳の連結」というとんでもない代物であることが判明したわけだが、これって、作中でも言い表されていたようにコンピューターを大量につないでスパコンにするのと話は同じ。ということは、能力者のレベルの差は普通のコンピューターとスパコンの違いということになる。しかし、演算能力が向上する程度で、レベルが上がるというのはいかがなものか(もちろん最大の疑問は「脳の連結ってどないやねん」なのだが、そこは触れても仕方ない気がする)。もしそういう理屈ならばレベル5の御坂はデフォルトでスパコン状態にあるということになり、「研鑽を積んでレベルを上げた」というエピソードの拠り所とした、訓練すればレベルが上がるという事実との整合性が取りにくくなる。普通のファンタジーにおける超能力はいわゆる脳のジャンク、使われていない部分を活性化させることを説明に当てることが多く、それはつまり「常人では使えない脳のモジュールを起動させる能力」と捉えられる。そうでなければ、ただでさえ人智の追いつかない高性能の脳という器官が、これまでに存在しなかった現象を引き起こす説明にならないのだ。常人の脳をいくらつなげたところで、それはあくまで「ただの脳」。御坂や黒子達のように「何か新たなモジュールに目覚めた脳」で無い限り、つなぐ意味は無いと思うのだが。

 また、レベルアッパーを起動させるための説明材料となった共感覚の捉え方も、脳のモジュール性を否定するようなよく分からないような説明である。共感覚という現象は実際にあるらしいし、それを否定するつもりはないが(でないと「CANAAN」を褒めにくくなる)、普通、共感覚というのはあくまで入力における異常現象と捉えられる。例えばカナンの場合ならば「音」の入力が脳で変換されて「見え」になったり、入力情報そのものを、ある意味「誤変換」することの表れである。これは入力情報に依ることは無く、あくまで常人とは異なった脳のシステムを説明するものだ。対して、レベルアッパーは聴覚情報だけでこうした「共感覚」を生み出すという。つまり、音波そのものに何らかの超常的な要素があり、脳内で変換される際に聴覚情報以外の何かに置換されるということになる。ひょっとしてものすごく高度な総合出力のデバイスが使えるならばこのような現象を引き起こすことは不可能ではないかもしれないが、「レベルアッパー」の基本的な用法は、単にオーディオプレイヤーを使うというもの。流石にどこのメーカーのプレイヤーにも共感覚サポート機能は内蔵されていないだろう。もちろん木山がそうしたとんでもない「音」を作り出すとんでもない科学者だ、というならばそれまでだが、逆にそこまで凄いと、多分誰にも分析、追究は出来ないと思われる。

 まぁ、こんな疑問を掲げるだけ野暮ってな話になるんだろうが、どうせ納得できない説明をもってくるなら、最初から「科学サイド」「魔術サイド」なんて訳の分からない分割をせずに、全部夢と魔法の力で片付けてしまえばいいと思うわけだ。でないといちいち鼻について困る。

 と、相変わらず散々文句をいうわけだが、実は今回のお話はかなり好きだ。具体的には初春と佐天の電話シーンの盛り上がりが非常に良くできており、これまで微妙に避けて描写されていた二人の友情ががっつりと堪能できる仕上がりになっている。「大丈夫です!」と初春がから元気を出すシーンから初春の目が描かれないようになり、電話越しの声と、佐天の感極まった表情だけが視聴者に見える。そして、佐天を叱咤して号泣するところで、初春の目がようやく画面上で見開かれ、くしゃくしゃになる。このシーンの間の持たせ方が溜まらなくて、思わずもらい泣きしそうでした。初春、本当にいい子ね。

 そしてクレイジーというよりマッドな雰囲気が漂う、脱げ女こと木山の存在感も悪くない。結果として自分の存在ににじり寄っていたジャッジメントをしれっとさばき、いざとなったら非常に明快な行動力。そして田中敦子ボイスと、非常に魅力的な女性として描かれております。願わくは陳腐な犯行動機で彼女の魅力が崩れないようにお願いしたいけど……多分この作品のシナリオだと夢は儚くなりそう。

 他にも初春を頭上に飛ばして御坂の不意を突く黒子の外道プレイとか、初春を評して次第にしどろもどろになる黒子の表情とか、シリアスな中にも色々と見せ場となる演出もあって、アニメとしては純粋に楽しんでみております。コンテ切った人が誰だろうと思ったら、常ちゃまこと小林常夫氏の別名義でしたね。この人も面白い作品描くんだ。 

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 歪んだ性癖で同姓に欲情する変態に変態のことを諭された第9話。なんだかエラい癖のあるコンテが際立った演出特異の回で、「一体誰がこんな画を作ったのかねぇ」と思ったら、なんと山内重保氏だった。バトルシーンのアングルも止め画のアングルも、改めて振り返るとガリガリの山内節だな。こういうラノベアニメってのも面白いかも。

 コンテ演出に引っ張られたのか、作画も随分特徴的でキャラの等身がやや低め、目もくりっとしていて随分印象が違う今回。コミカルな前半パートは脱げ女のエロ成分もありで、なかなか楽しい仕上がり。黒子は隙を見て御坂の唇を奪おうとしていたわけだが、御坂はこんな奴と同室で寝起きできるもんである。他にもスカートめくりを越えてスカート全力たくし上げを喰らって慌てふためく初春、レベルアッパーを手にして浮かれる佐天など、この作品で見たいものは大体Aパートで片付けてくれている。

 そしてBパートは、回想シーンの銀行に続いての黒子のシリアス見せ場。能力の分からない相手に分析を施し、更にそれを打開しつつ自分の能力をフルに活かして知的に勝利……といけば能力バトルものとしては格好いいのだが、相変わらずこの作品は能力がわからねーし解決は適当だし、せっかくのメリハリの効いた画面もシナリオになじめないせいでいまいちのめり込むことが出来ない。

 「光をゆがめることで像を別な位置に見せかける能力」は、一体どこの光をどうゆがめて相手の目に届けているのだろう。「実際にいる位置」が転写されるとしたら、回りの景色との整合性が取れないと思うのだが。もし、ものすごくディティールが調整できるくらいに細かい光の調整が出来るならばまだいいとしても(まぁ、その場合は確実に人間の脳の限界を超えた操作が必要になると思うが)、黒子がテレポートした針がそのまま狙った位置に転移した(ように見えた)意味が分からない。その箇所の光りは歪んでいたのじゃないかと。

 そして、能力を見破った後に黒子が相手を打破する手段は、「ビルごとぶちこわす」というお姉様もびっくりの無茶アタック。「ガラスの大量転移」なんて面倒なことせずとも、硝子板を相手の近辺に転移させれば胴体がずんぱらさして片付くよな。まぁ、障害沙汰はまずかったのかもしれないけどさ。それでもビル全部を倒壊させる意味は無いよな。一応「撤去予定のビルだった」という理由付けはしてるけど、治安を守るジャッジメントが勢いに任せて軽々にあんな行動に出ていいとはとても思えない。普段仕事に真面目な黒子のキャラクターを考えると、やはり安易な展開と言わざるを得ない。

 そんなバトルと並行して進行するのが、レベルアッパーを手にして戸惑っている佐天の懊悩。気持ちは分からないではないが「副作用がある」「殺人衝動が起こる」とまで言われているのに友達に勧めるのは流石に……ひどすぎやしないか? 一応黒子の活躍や御坂の一言が佐天のコンプレックスを後押しするという理由付けは描かれているものの、やっぱり「レベル」というものへの無条件の拘りが伝わりにくいので、まだ「単に佐天が考え無しでひどい子」という風に受け取れてしまうのだ。まぁ、実際そうかもしれないけどさ。

 全体的なクオリティが決して低くないだけに、どうしてもシナリオ部分を何とかして欲しいという思いだけが先走ってしまう。何とかならんかなぁ。 

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 初春に中町カナ、平沢唯と、豊崎キャラはやたら風邪を引いている気がする第8話。まぁ、やたら死ぬとかやたらふられるとかよりはいいと思うけどさ。

 ようやくストーリーがまっすぐに進み始めている感じがする展開に。一応「禁書目録」の時には「魔術」とか「教会」とかいう言葉がキーになっていたが、この作品におけるキーワードは「レベル」。主人公の御坂がレベル5,というのが一応殺し文句なので、「レベル」というのがこの学園都市においては非常に重要な要素であることは推察できる。安易ではあるが、能力をレベルごとに分けてくれるのはファンタジー設定としては分かりやすい部類である。

 と、思っていたのが前回まで。もちろん、今回だって「あの破壊力はレベル4相当だった」とか、単純に「レベル=火力」みたいな言質は取れているのだが、「レベルが上がる」という概念が絡んでくると、その辺がだんだん怪しくなってきた。よく考えてみると、「レベルがあがる」ってどういうことなんだろう。

 黒子の言うことが本当ならば、御坂自身は「最初はレベル1だったが努力をして今のレベル5に上り詰めた」らしい。ということは、持って生まれた才能もあるだろうが、レベルというのは「努力によって上げられる」ものといえる(しかも中学生女子でMAXの5にあがれちゃう程度)。また、レベルアッパー絡みの脱げ女が大脳生理学の研究者ということは、超能力のレベルを司る器官は脳ということになるだろう。つまり御坂は、なんだか良く分からない努力によって、「脳の電気ビリビリを司る未知なる部分」を鍛えてレベル5になったということだ。一応学園のカリキュラムにレベルアップにつながる訓練もあるだろうから、何らかの反復練習など、自らの能力を拡充する方策は発見されているということになるのだろうか。

 なら、同じような反復刺激を与えたり、何らかの器官を活性化させる「レベルアッパー」が存在するのもおかしなことではないだろう。ある種のドーピングといえなくもないが、筋力を鍛えるためにプロテインは欠かせないわけで、それと同じように、何らかの「脳のプロテイン」があるなら、それがレベルアッパーだ。ここまでは、別にいい。

 問題は、そんな便利なモノがあるなら、「それを忌避する必要が無い」という部分である。佐天や初春は「レベルアッパーなんて実在してもズルだ」という共通認識があるし、レベルアッパーを使っている(と思われる)連中は大体ワルそうな奴ばかり。視聴者にしてみても、いつの間にか「レベルアッパーなんて簡単な手段でレベルを上げるのは良くないことである」という印象を植え付けられる。でも、それってどこが悪いんだろうか。今回のシナリオを見る限りでは「レベルアッパー」には何らかの副作用のようなリスクもあるようだが、むしろそれを研究して実用レベルに持っていくのが研究機関たる学園都市の役目だろう。ジャッジメントが「レベルアッパー」を忌み嫌う必要は無い。今後その実態が明らかになるにつれてそのあたりの関係性も明らかになれば構わないのだが、現時点では「な〜んか安易な二元論に逃げてる気がするなぁ」というのが気になる部分。

 あと、レベル0の人間って、「一応能力は使えるけどめちゃめちゃ弱い」んだろうか、それとも「単になんも持ってない人間」なんだろうか。能力者たちは皆一人一能力であるから、まず最初に「そいつがどんな能力を有しているのか」が分からない限りは「レベルの測定」は出来ない気がするのだが……それとも契約者のランセルノプト放射光みたいに、「明らかに能力者ですよ」っていうパラメーターでもあるんだろうか。自分の能力がなんなのかも分からない状態で、ただ盲目的に佐天が「レベルを上げたい」と願っている現状も、なんかよく分からない。このあたりの設定の齟齬というか不備みたいな点は、原作ではちゃんと説明されてるのかね。それとも雰囲気で押し切ってるのかね。無駄に理屈っぽいように見せようとしている感じがするので、そういう細かいところがやたら気になります。

 とまぁ、相変わらず脚本部分に文句はつけるが、やっぱり見ていて飽きないのがこの作品。今回は御坂がこれまでで一番主人公らしい活躍をしてくれたし、黒子もいつも通りに元気元気。特にファミレスで御坂の暴走を聞きながらも必死に堪えている黒子の獣のような息づかいはたまらんものがある。もう、おばちゃん声を通り越しておっさんの領域。そして初春は今回はずっとパジャマなのでスカートはめくれなかったが、代わりに半裸での清拭タイム。いや、7度3分くらいなら風呂入ってもいいんじゃね? 一日くらい寝たきりでもなんとかなるだろが。単に拭いてもらいたいだけじゃないのかと。

 今回妙な存在感があったチンピラの姉御役に、「芸歴はそれなりになってきたのにいまいち代表役がなく、キャラクターイメージも一向に固まってない」でお馴染み荒鷲先生が。便利な役者なんだろうけど、中の人のイメージが強すぎるせいだろうか、なんか勿体ないよね。 

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 花を付けたまま授業を受ける初春にとてつもないやるせなさを感じる第7話。先生、そのヘッドオプションは学業の場には不適切だと思います。むしり取るか、伐採するかして下さい。

 「今回当たりからシリアスになるのかー」とちょっと恐れていたのだが、幸か不幸か、テイストは維持されたままに進行してくれてほっと一安心。おそらくシナリオ上は嫌でもシリアスになってしまうのだろうが、出来るだけ日常的な部分も維持して欲しいもんである。今回は特に、やたらと初春お花畑越しの映像が多く、画面いっぱいに映るお花畑に無駄に心穏やかになった。クライマックスのテンポも良かったし、ラストでCパートから次回予告への入りも気が利いている。いいもんが見られたと思ったら、今回コンテ演出が八谷賢一氏でしたね。サービス精神に溢れたいい画でした。

 前回からの引きでその実体に迫っていくグラビトン事件。ジャッジメントの調査のおかげでミッシングリンクが繋がり、たまたま狙われたのが初春というラッキー(?)もあって拍子抜けなほどあっさり犯人確保。まぁ、犯人もターゲットに爆弾を送りつける時に幼女に顔を見られたりと随分杜撰な犯行なので、むしろ今までよく捕まらなかったもんだという気もする。学園都市って確か無駄にいっぱい監視カメラとかついてたし、事件前後の映像洗い出せばすぐに容疑者絞り込めたと思うんだけどね。その辺の整合性は相変わらず適当。他にも、冒頭で流れたジャッジメントの総会のような会議室は、初春のような末端構成員が出席しているにも関わらず、その座席数はおそらく30もない。この組織、どの程度の規模で動いてるんだろう。ほんと、設定が適当だな。

 そんな杜撰な組織とアホな犯罪者の対決だが、クライマックスで美味しいところを持っていくのは元祖主人公、上条さん。だからさ、あなたの右手はどうなっているの? 打ち消せるのって能力だけじゃねぇの? グラビトンってのは実在するものではないので仕組みはよく分からないけど、あくまで「操作する」対象であって、圧縮後に爆発するエネルギー自体は単なる物理現象じゃないの? なんできれいさっぱり打ち消せるの? バカなの? 説教なの?

 よく分からないけど……せっかく主人公(扱い)の御坂さんがどんどん下っ端っぽくなっちゃうじゃん。どれだけ犯人が雄弁に語っても拳骨一つと「……ったく」の一言で済ませる彼女の方がよっぽど主人公として格好いいだろ?! この世界は延々自分の厨二妄想を垂れ流さないと主人公扱いにはならないの? こん畜生。頑張れ御坂さん。ゲコ太も応援してくれているぞ!

 今回も上条さんに不満たらたらな感想ですが、唯一、彼の口ずさむ鼻歌だけは許せる。インデックスが歌ってたのと同じだった! 

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 お花が生えているんじゃないことが本人の口から告白された第6話。あれ、生えてたんじゃなかったんだ! 頭がお花畑じゃなかったんだ! じゃ、なんで着けてんだよ! 多すぎるよ! まだ育ちそうだよ!

 前回は黒子と初春の馴れ初めいざこざ話、今回はようやく御坂と黒子のいざこざの話。冒頭、御坂が絡みたそうにしているのを頭ごなしに怒る黒子を見て、「おぉ、黒子も仕事のこととなると本気だ」と思ったのだが、突きつけた条件が徐々に命令から願望になっていってるのがいかにも彼女らしくて笑った。オチでは「あ、意外と乳あるんだ」ということを文字通り「見直した」し、黒子がいればこの作品は何とかなるということが確認出来て何よりだった。

 話の本筋としては、御坂の無駄な負けず嫌いっぷりのおかげで「ジャッジメントって普段何してるんですか」ということを描きつつ、次回以降に引くグラビトン事件の導入を描いていたわけだが、相変わらず細々とした設定に無茶が多くて乗り切れないのがこの作品の痛いところ。「民間の何でも屋も務める甲斐甲斐しいジャッジメント」という側面を描きたいという意図は分かるのだが、流石にお掃除おばさんの仕事まで回ってくるのはおかしすぎる。確か「禁書目録」の方ではお掃除ロボットみたいな連中が瀕死のインデックスを取り囲んでいた描写があったし、少なくとも一介のアパートの廊下よりも、公共の場であるコンビニ前の方がお掃除ロボットが活躍する場としてはふさわしいだろう。せっかく「科学」が発達して機械に仕事を任せられる学園都市なのだから、貴重な治安維持機関であるジャッジメントが掃除まで委託されるのは設定が浅はかであるとしか言えない。むしろ、御坂がやったようにゴミを捨てていくような不埒者を注意する方が風紀委員の仕事らしいといえるだろう。

 グラビトン(重力子?)の管理という仕事もよく分からない側面で、普通、爆発事件が起こったからといって重力子(実在するの?)の変化量を観測しよう、などという発想にはならないだろう。ということは「常日頃から学園都市内のグラビトンは計測されており、今回そのデータと爆発事件の因果関係がたまたまつながった」と見るしかないわけだが、「恒常的にグラビトンを計測する機関」に意味はあるのだろうか。そして、そんな大仰な機関が、町の掃除なんかにかまける人員を割いていいものだろうか。何とも現実感に欠ける、釈然としない設定なのだ。まぁ、どうせラノベなんだからそんな細かいところに突っ込んでも意味がないんだろうけどさ。

 というわけで、どうにも「シナリオ作るために後付けで世界観をその場しのぎに決めてる」感が否めないためにストーリーにのめり込めないわけだが、そのおかげなのかどうか、設定と特に関係ない部分にいるキャラクターの方が安心して見ていられる。佐天、初春に対しての容赦ないネタ振りが素敵です。もう、それくらいの感想でいいや。

 そうそう、今回はスタッフロール見るまで気付かなかったのだが(そして見てからすぐに確認したのだが)、モブの女の子役に佐藤聡美が、そして竹達彩奈が登場。学園都市に軽音部が出来る日も近い。

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 やたらと強盗事件ばかり起きるので学園都市の治安が不安で仕方ない第5話。わずか1年足らずで「偶然」強盗事件に2件も遭遇するってのはどうなんだろう。

 今回は黒子と初春の馴れ初めから友情タッグ成立までのお話。筋はあまりに単純ながら、相変わらず安定した画面とあまりにアホの子っぽい表情がキュートな初春のおかげで、何となく見られてしまう罪作りな作品である。ロリ黒子もロリ初春もなかなか愛らしいです。まぁ、現時点でも中学生なんだから小学生だって対して変わらないはずなんだけどさ。よくもまぁ成長したもんだ。

 ただ、筋立ての単調さ、ご都合主義な状態は相変わらず看過するには厳しい部分が少なくなく、今回も最も重要なファクターである「黒子と初春の友情」という要素への成立課程がおかしい。シナリオメイクで一番いただけない点は、黒子のあの過去の挫折を描く前に、車上荒らしを相手に向こう見ずに飛び込んでいく黒子が描かれていたこと。それなりに訓話的な反省を過去にしているにも関わらず、現在の黒子はそんな教訓をすっかり忘れて自分勝手に振る舞っている。視聴者は回想シーンを見る前にその事実を知ってしまっているわけで、幼い黒子がどれだけうちひしがれ、反省したとしても、「お前、1年後にはきれいさっぱり忘れて傲慢になってるじゃねーか」と冷めた目で見てしまう。

 さらに、郵便局での黒子の心理状態も、よく考えるとおかしい。初春は身を挺して自分を庇ってくれた黒子に憧れを抱き、黒子を目指して精進したいと思うのは自然な流れなのだが、黒子の側から初春に歩み寄る理由が何一つ無い。確かに自分の浅慮のせいで初春を危険にさらしてしまったという負い目はあるかもしれないが、だからといって「初春と一緒に切磋琢磨していこう」という心理状態になる理由にはならないだろう。脚本上は「何となく2人で危機を乗り越えたんだから友情は成立するだろ」というくらいの気持ちで構成されているのだろうが、黒子はプライドが高く、自分本位の性格であるのだから、あのエピソードから初春に対して親愛の情を抱くには何かが不足している気がする。

 もちろん、強盗事件が発生したときの郵便局側の対応が明らかにおかしいとか、大して強くもない能力を笠に着て単身突っ込んでくる強盗の頭の悪さなんかは考えてはいけない要素なのだろう。「モノが同じスピードで前に進み続ける」という能力は使い方次第では面白いが、後ろに壁などが無い状態の人間(つまりクライマックスの黒子の状態)に向かって放ったとしても、単に「ゆっくり進んでくるパチンコ玉に押されてちょっと後ろに下がる」だけのような気がするのだが。足に根が生えているわけではないのだから、落ち着いてかわせば何ら驚異ではないだろう。

 とまぁ、不満たらたらの脚本面ではあるのだが、まぁ、なんとなくきゃっきゃうふふしてくれてるから、許してやらんでもない。日課とはいえ初春のスカートに頭突っ込んでご満悦の佐天はまずい気がするが、頭お花畑な子にちょっと特殊な感情を抱いても仕方ない、かもしれない。約1年のうちに頭のお花が咲き乱れるようになったのも仕方ない、かもしれない。ラストシーンで夕日に向かって走るところも、お花が咲き乱れているせいでギャグにしか見えなくても仕方ない、かもしれない。今日もいい花咲いてます。 

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性別:
男性
趣味:
声優のこと全般
自己紹介:
関西在住の、アニメを見ることを生業にしてるニート。必死で好きな声優を12人まで絞ったら以下のようになった。
大原さやか 桑島法子
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↑越えられない壁
沢城みゆき 斎藤千和 
中原麻衣  田中理恵  
渡辺明乃 能登麻美子
佐藤利奈  佐藤聡美
高垣彩陽   悠木碧
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