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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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生けるレガシー、カーンKarn, Living Legacy
 今セットのカードナンバー1は、当然今回の主人公・カーンさんである。元を正せばテメェがミラディン(アージェンタム)を油まみれにしちゃったことが発端なんだよな、と言われたら何も言い返す言葉がなく、おかげで本人も何かと卑屈で孤立主義者になってしまっている様子。ジョイラなんてずーっと心配してくれてるのにあんまり接し方が上手くないのよねぇ……ストーリーでは最終的にシェオルドレッドとアーテイにボコられ、四肢を切断された上で頭部だけミラディンへ持ち出されてノーン様とのお目通りが叶った。正直ここからの逆転方法なんて存在しないはずなのだが、あとはタイムリープハゲに期待するしかないだろう。
 さておきそんなカーンは当然アーティファクト全振り能力……と思いきや、これが意外に技巧派。一番面白いのは何と言ってもプラス能力から生まれるパワーストーンだ。これが次の「兄弟戦争」の前振りになっているらしいのだが、興味深いのは「アーティファクトじゃない呪文を唱えるためには使えない」という変わった制限。これまでなら「アーティファクトにだけ支払える」と書かれるところだが、逆に「使えない範囲」を指定する形。おかげでこのマナ、ノンアーティファクトなカードの能力コストの支払いなんかには問題なく使用できるのである。つまりマイナス能力の「マナを追加で払わないとダメだよ」という妙な制限も、このパワーストーンをどんどん作ってそれで賄えと言っているわけだね。もちろん、そのまま貯蓄して奥義を発動し、パワーストーン砲撃陣を完成させてもいい。単体で置いていくだけで着実に軍勢を配備できるのはこれまでのカーンと同じである。フル活用するにはやはりアーティファクトデッキだろうが、そうでなくても多方面に使い方が見つかる万能機械。相変わらず「お前無色なのはなー」という文句が出そうなキワキワの調整である。

 


 
信仰を穢すものDefiler of Faith
 どうやら各色にサイクルとして与えられたらしいのがこちらの「穢すもの/Defiler」サイクル。全て単色5マナダブルシンボルのクリーチャーで、能力はキーワード1つに、色マナをΦマナにするもの、そしてその色のパーマネントを展開するとボーナスが手に入るという仕様が共通している。白の「穢すもの」は5/5警戒で能力は割と普通。その上で誘発能力もトークン1つと、現在判明している他の色(青がドロー、緑は全軍にカウンター)と比べると割と大人しめ。なんでこんな差をつけられるかといえば、おそらく白が「Φマナ化」と色々相性がいいためだ。白はライフゲインに長けた色なので、他の色よりもΦマナを使える機会が増える。さらに白は軽めのパーマネントを多数展開する色でもあり、呪文の数だけ能力を誘発させられれば、恩恵も積み重なるというわけ。ただまぁ、そうはいってもやはり自身に除去体制がとぼしく、戦術的には全体除去にめっぽう弱い。トークン戦術を敷く場合に1、2枚採用される可能性があるくらいか。ただ、白が苦手な手札補充さえ別な方法で補えれば一気に跳ねる可能性もあり、現在も活躍中の「鼓舞する監視者」や「憑く相棒」あたりとのシナジーを固めると面白いかもしれない。
 
 
騎兵Mesa Cavalier
 リミテに構築にとコモンとは思えない大活躍を続ける「鼓舞する監視者」のドロー部分が1ライフゲインに置き換わったもの。たった1つの要素が変わっただけなのだが、この「あぁ、うん……」みたいなガッカリ感はなんなのだろうか。別にこいつだって全然弱くなくて、ライフゲインクリーチャーのご意見版「ありがたい老修道士」と比較したらその進歩は目覚ましい。でも、やっぱり直近にあれだけ優秀な先輩がいるとなぁ……どれだけ人間が頑張ったところで天使には及ばぬか……。リミテなら普通に候補となる飛行クリーチャーだが、今回緑コモンに与えられた蜘蛛が1/3の「罠紡ぎ」なのはちと辛い。
 
 
サマイトの薬草Samite Herbalist
 全テキストをもって「後援能力に使ってあげてください」と書かれたギミックサポートカード。もちろん先陣を切って出撃できればふつーにパンチしてライフ差が3点開き、さらに占術まで行えるので2マナとしては破格だが、早々に殴れなくなったあとにも専門職があるというのはウィニーとしてはかなりありがたい性能。すると問題はデッキに後援クリーチャーがどれだけ集められるか。リミテッドではある程度アーキタイプを固める要素にもなり得るし、自身の占術で都合のいい盤面も調整しやすくはなるだろう。見た目以上に侮れない可能性もあるぞ。
 
 
時間稼ぎStall for Time
 白は相手クリーチャーをタップさせる。そして青はタップさせた上で起き上がれなくする。各々のカラーパイが分かりやすい合体呪文だ。ぶっちゃけ単体での性能はそこまで劇的ではないが、キャントリップ付きなので何となくでの運用でも問題ない。白単体で考えると、現環境のライバルは2マナでタップして履修を行う「休憩時間」くらいで、ドローできるなら決してコスパは悪くないことがわかるはずだ。青も加味したモードになると最近近かったのは6マナアンコモンの「降雪日」があるが、あちらは2枚ドローの1枚ディスカード設定だ。レアリティを考えればやはりこちらも決してコスパは悪くない。トータルで見れば決して悪い呪文ではないが、あとはデッキの全体像を見た時に必要なお仕事かどうかが問題になるだろう。時間稼ぎだけの役割で5マナ構えるのはちょっと手間なので、堪えるデッキにするなら稼いだ時間からきちんと解決策が見出せるようにしておきたい。全体除去とか、全体除去とか。

 

 


構えTake Up the Shield
 献身的に守ってくれるアジャニさんのイラストとセリフが今となっては本当に白々しく切なくなってしまう1枚。まぁ、もしかしたらこの段階では完成してなかったのかもしれないけども。もうこんな姿も2度と見られないんでしょうかね……。さておき、今回の白の軽量トリック部門だろうが、アジャニさんの完成された美技のおかげか、あっちもこっちも欲張ったかなりの贅沢品。修正値自体は大きくないので戦闘結果を「ひっくり返す」までいく可能性はやや下がったが、絆魂によるライフゲインで盤面そのものをひっくり返すことは難しくないだろう。その上で破壊不能による絶対保証があり、いざとなったら除去に対する防壁として構えることも可能。その後にカウンターが残って影響を与え続けるというのだから、2マナのコモンとしてはだいぶやりすぎ感が出ている。小粒すぎる気もするが、下手したら構築で刺されてもおかしくない影響力だ。アジャニさん、何でその力を正義のために振るってくれないんスか……。
 
 
の徘徊者Frostfist Strider
 氷漬け能力持ちの巨人。ステータスはアンコモンなら普通だし、能力の方も「霜のオオヤマネコ」の系譜とほぼ同じ。サイズ的にも一番近いのは氷雪マナが必要だった「氷山の徘徊者」で、レアリティが上がって確実性と護法がついたので「まぁまぁあり」くらいのレベルじゃなかろうか。一応「霜のオオヤマネコ」などの既存の氷漬けクリーチャーとの違いは、何らかの他の方法でアンタップしようとしても1回は無効化できるという部分。今回アンタップする呪文もいくらか用意されているので、その辺りに対する安全性も加味すれば、堅実派には違いない。デッキに入れといて困ることはないだろう。

 


 
交渉団保護Protect the Negotiators
 これは面白い組み合わせ。基本部分だけ見ると「自軍クリーチャー分のマナを払わないと打ち消す」というかなり微妙なカウンター。カウンター呪文が「自軍クリーチャーの数」を参照するなんてことはこれまでほとんどなく、それもそのはず、基本的にカウンターを構えるようなデッキはクリーチャー並べにくく、動きが噛み合わない弱いカードにしかならないはずなのだ。クリーチャーを参照したカウンターで実用的だったのは、直近だと「スピリットがいれば軽くなる」という「」、それに「飛行がいれば強くなる」設定の「高尚な否定」など、クリーチャー1体でクリアできるものがせいぜい。ウィザードを並べなきゃいけない「イクシドール意思」、相手より多く並べなきゃいけない「統一された意思」などはかなり使いにくい呪文だったのは間違いないだろう。そんな不利なジャンルにわざわざアンコモンで飛び込んできたこの呪文。なんと、「クリーチャーが少ないなら1枚のカードで増やすのとカウンター両方やればいいじゃん」という発想。増えるのはたかだかトークン1体だが、これにより要求マナが1つ増えれば確実に打ち消せる選択肢は増えていく。特に3ターン目に特別な条件無しに相手の3マナ呪文に構えられるのは強みと言えるだろう。まぁ、もちろん3マナあるなら確定カウンターを構えればいいという話ではあるが……それでもこのトークン1体が欲しいデッキもあるかもしれない。リミテッドならダラダラと戦線が横に伸びた後のカウンターとして一定のニーズがありそう。

 

 


ーナRona’s Vortex
 実質的にカーンを退けてシェオルドレッドを勝利に導いた立役者はローナさんだった気がする。そんなローナさんの手管なので、アンコモンらしいシュートな仕上がり。自軍に一切使えないというちょっとした制限は生まれたが、ふつーに使ってもPWまでを視野に入れた1マナバウンスとして文句なしだし、黒に触れるならなんと4マナの完全除去インスタントに格上げされる。「青の呪文のくせに除去やんけ!」という文句にも、「黒触ってれば除去なんて当たり前、青単体の呪文としてもカラーパイに問題はないですよねぇ」という模範的な解答である。リミテで色が合えば必須の1枚。青が中心であれば「黒が出せるかどうか微妙やな……」くらいのマナ基盤でも採用を躊躇う必要がないのはとても良い。

 


 
機を見た干渉Timely Interference
 トレイリアアカデミーで落ちこぼれの身分ながらもとんでもない発見をしちゃったせいでファイレクシア軍勢に集団で追われることになってしまった可哀想な学生、ウルフくんの悲劇を描いたシーン。学内の勇敢なヴィーアシーノさんが助けに駆けつけてくれたが、しばらく後のシーンで彼は亡骸になって発見されるのである。合掌。そんな可哀想なシーンを切り取った呪文だが、まぁ、よくある青のパワー抑止である。ベースとなっているのは1マナキャントリップで効果も最小限という「一瞬の散漫」で、どちらかというとカードを引く目的とかスペルカウントを増やす目的で使われるタイプのもの。そこに今回はキッカーを導入することで、なんと積極的に攻める場合にも使える面白いギミックが追加された。たとえば2/2どうしが睨み合ってる状態でこれを使って殴りに行けば、なんと事実上の除去として機能する。修正値が最小限なのでドンピシャでハマるタイミングはあまりないかもしれないが、可能性が増えるのは良いことである。採用されますかねぇ。
 
 
トレイリアの噴出Tolarian Geyser
 「引きずり込み」にちょっとしたボーナスがついた豪華版。どうせいじるならインスタントの「排撃」をベースにしてほしかったところだが、どれだけ時代が進もうとあのミラクルバウンス呪文は戻ってくることはない。ソーサリーの不自由さを噛み締めながらも、「まぁ、カード引けるからいっか……」と思いながらリミテッドではお世話になるだろう。ライフゲインのボーナスもやっつけ感はあるが受けのデッキらしい悪くないボーナス。これを連打してるだけでも相手のイライラを重ねられるはず。トークンが支配的な環境になるなら加点。
 
 
トレイリア恐怖Tolarian Terror
 イゼットカラーに稀によく登場する、墓地のインスタントソーサリー大好きクリーチャー。性能としては「謎めいた海蛇」とほぼ同じで、パワーが1減った代わりに護法を手に入れて耐久力をアップさせることに成功している。「謎めいた海蛇」がアンコモンだったことを考えると、コモンでほぼ互角の性能ってのは文句無しのクオリティ。このステータスなら5マナでもお釣りがくるくらいのもので、墓地に該当カード2枚を用意するのは青なら造作もないことだろう。構築戦なら最大で1マナまで軽量化することも容易く、ほぼバニラではあるが、実は何かでっかいデッキの可能性を秘めているかもしれない侮れない奴。それにしても、トレイリアアカデミーは毎回必ず何らかの海洋生物襲われとるな。構図もほぼ一緒やんけ。

 


 
ォーダ海あさりVoda Sea Scavenger
 アドにはならないけど次のドローの質を確実に高めてくれるマーフォーク。版図によって多少価値は上下するが、まぁ、2色以上使ってれば一応の恩恵は得られるのであまり気にする必要もないだろう。もし版図を前面に押し出したデッキだったら、きっとデッキにはボム的な何かが入っているはずなので(入ってるよね?)、それを最大5枚分も探しに行けるのは魅力的。適材適所でコモンらしい働きを見せてほしい。しかし、これが青にいるってことは……マジで今回は版図狙いの5色が推奨されてるな?
 
 
廻しヴォルシェVolshe Tideturner
 フレーバーを見て「いや、沈めろよ」と思ったんですが、多分マーフォークとしては自分達の住んでる海がファイレクシアの油で汚れるのは嫌なんでしょうね。環境汚染なんてレベルじゃないからね。さておき、「ヴォーデイリア秘儀術師」に端を発する青いマナクリーチャーシリーズの最新作。「秘儀術師」はまさにこの地、先代ドミナリアで開発されたクリーチャーで、当時は無色マナしか出せない制限があったが、「カーフェル先触れ」では出せるマナが青マナになって予顕コストに使えるオプションがつき、「またたかぬ観察者」は降霊コストを支払うのに使えた。今回は環境に合わせてキッカー呪文を適用範囲に含め、単なるスペルサポート以上に活躍の幅が広げられるようになっている。1/3というステータスも受けの役割にマッチしていて序盤要員としても堅実な仕事ができる。キッカーデッキの基盤として構えておきたい名バイプレイヤーである。

 


 
バルデュヴィアの非道Balduvian Atrocity
 3マナ2/3威迫というごくごく庶民的なステータスにちょっとしたスパイスを上乗せしたアンコモン。「コスト3以下を墓地から戻す」「キッカー含めて黒赤が必要」という設定からはかつてコンボデッキで一世を風靡した「墓所の勇者」を思い出させるが、残念ながらキッカーが条件なのでこちらはコンボ要素はなさそうだ。墓地から戻ってくるカードも一時的な復活でしかないのであくまでもマナが余って色があってる時のおまけ程度に考えておく方がいいだろう。同じような能力を持っていた「勤勉の神」もそこまで活躍はなかったので、リミテッドでは積極的にシナジーを確保しにいくほどではないと思われる。まぁ、コストが軽いのでおまけ感覚でも損した気分にはならんからいいんでない?
 
 
教団Cult Conscript
 今回のスケルトン枠。毎回手を替え品を替えなんとかして墓地から戻ってこようとするスケルトン族だが、今回は「他のクリーチャーの亡骸が起き上がる」というフレーバーを陰鬱条件で再現。自軍クリーチャーの死をちょっとした補償で慰めてくれる。スケルトン族はあまりステータス自体に期待されないことが多く、大抵は生贄要員とか、チャンプブロッカーとしてその生(?)を満喫するもの。今回は復活条件がやや厳しいこともあってか、一応パワー2で戦力としてもカウントできるようになっているし、何よりも1マナ2/1というステータスで前のめり感をアピールしている。各種生贄デッキでの新たなエンジンとして検討してもいいかもしれないが、やっぱりその場合は起動コストがネックか。
 
 
怪物的ヒル/Monstrous War-Leech
 墓地にある最大コストを見るというやや珍しい指標を持つ可変クリーチャー。単体だと0/0で戦場に出ることすら叶わないが、「マグマ・オパス」を捨てて宝物トークンから唱えれば、なんと3ターン目に8/8が着地するという異次元のゲームを見せることができる(スタン落ちするが)。あまり類を見ない能力だけに、何か楽しいオプションは楽しめるかもしれない。この能力の利点は1枚でもいいので狙ったカードが墓地に落ちればそれだけでステータスが爆裂するという夢があること。逆に不利な点は1枚のカードに依存することがあるので、墓地対策されると一気にサイズダウンする可能性があること。それをサポートするためにも余裕があればキッカー込みで払って少しでも墓地を豊かにしておきたいところ。まぁ、墓地一掃呪文使われたらなんにせよ死ぬんですけどね。

 


 
センギアの鑑定者Sengir Connoisseur
 センギアの名を冠する吸血鬼もドミナリアの危機と聞いて馳せ参じた。まぁ、吸血鬼も油まみれの化け物ばかりだとコレステロールが心配ですからね(?)。これこそ死活問題ですわ(単に「マズいから」言うとるが)。いわゆる元祖センギア能力は「自分でダメージを与えたクリーチャーが死んだらカウンターがもらえる」というものだったが、戦闘が絡まないとほぼ成長の見込みがないもんで実際に機能することはほとんどなかった。そこでこちらの御仁は自分と関わらない戦闘でも何でもいいし、自軍でも相手軍でも、なんならトークンでもいいからとにかく何か死んだらカウンターがもらえるというガバガバ設定に更新された。ただし、それだけだと即死コンボなんかの温床になりかねないため、1ターンに1回までの食事制限も合わせて付与。センギアさんに比べればステータスも一回り小さくなり、丁寧なバランス調整の結果という感じか。生き残れば強いのは間違いないし、置いとく価値のあるクリーチャーではあるのだが、問題は環境のテンポだろう。のんびりお貴族様の食事風景を眺めてられるくらいのスロー環境なら、じっくりゆっくり支配圏を広げられそうだが。

 


 
ぼろぼろの亡霊Tattered Apparition
 なんかすげぇ久しぶりな気がする、とてもシンプルなシェイドらしいシェイド。ちなみに現在のスタンダード環境でシェイドっていたっけ? と思って確認してみたら「スカイクレイ」が存在しているだけだったので、ローテーションによって今度はこちらが環境唯一のシェイドということになります。古き良きシェイドは1マナでパンプアップできたものだが、最近はそこに制限がつくことが多くなってきた。特に無尽蔵に増強されていくシェイド能力は回避能力との相性が良すぎるため、飛行持ちの場合はパンプ効率はそこまで良くない設定になっている。とはいえ飛行クリーチャーを構えるだけでこれを止めるのは難しいし、マナに余裕があれば充分決定力たりうる人材ではあるか。ちなみに、過去に全く同じステータス、同じ能力の「」がいたが、10年近くの時を経てコストが1マナ軽くなった。ちょっと進歩したのかと思ったが、その2年前に開発された「漂う」はステータスこそ低いがパンプ効率がダンチ。シェイドの歴史は3歩進んで2歩下がる。
 
 
有毒の嫌悪者Toxic Abomination
 黒によくあるデメリット付きでちょっと大きなクリーチャー。直近の比較対象はタップ状態で戦場に出た絨毯おじさんこと「歪んだ守衛」。どちらが上かはかなり難しい比較だが、ぶっちゃけ相手次第なので「どっちも強いよ」でいいんじゃなかろうか。リミテの大切なマナカーブ要員。「しつこい負け犬」に対しては「2マナ3/2、2ライフルーズ、大体同じだな!」と気さくに話しかけてボコられよう。

 


 
アーボーグ奪還Urborg Repossession
 毎度おなじみ「墓暴き」枠。素で使っても「墓暴き」+2ライフゲインなのでそこまで悪い話でもないが、まぁ、わざわざスロットを1枚割くかと言われたら微妙なレベル。そこで追加されたのがゴルガリカラーのキッカーで、こちらのモードならなんと「クリーチャー+パーマネントおかわり」でアド確定。3マナのソーサリーではあるが、回収できる範囲も一気に広がるので充分にその価値はあるだろう。というか、ここまで優秀だと1マナで唱えるのは馬鹿馬鹿しくなる気がするので、これはゴルガリ専用呪文だと思っていい気がする。いや、ライフゲインしてるところを見ると「ウィザーブルーム専用」って言った方がそれっぽいかな?(どうでもいいがな)
 
 
のたうつ分解者Writhing Necromass
 ゴルガリギルドの渋いサポート役だった「腐れ巨人」をさっぱりさせたようなコモンファッティ。一応能力としては「宿根」能力ということになるが、まぁ、あんまりこれに名前がついてたことを覚えてる人も多くはなかろう。5/5接死ということで5マナ以下で出せれば割と満足。6マナでもコスト相応くらいの印象なので、よっぽどのことがない限りはコスト面で不自由するということはないだろう。墓地のクリーチャーなんてもんは普通なら増えこそすれ減るもんではないはずなので、試合が進めば進むほどに利用価値が高まっていくのはありがたい。ちなみにこのゾンビはファイレクシアとか関係なさそうなんだが、単にその辺歩いてる騎士がゾンビに襲われたっていう話なんだろうか。ファイレクシアにかまけてる暇ないのな。

 

 


混沌性変異Chaotic Transformation
 赤が思い出したように炸裂させる「パーマネントランダム入れ替え」の贅沢版。元になっているのは「混沌のねじれ」だが、最大で5つものパーマネントが変化するため、感覚としては「歪んだ世界」あたりのちゃぶ台がっちゃん呪文に近いかもしれない。最大数のパーマネントが変化する場合にその結果はもう予測不能。まさに赤が大好きなケイオスである。とはいえ、わざわざこの呪文を使うってことは当然そういうこと。適当なトークンクリーチャーを化け物に変えるムーブはお約束だし、宝物トークンを巨像に変えることもできるかもしれない。PWについてはあんまり得するビジョンが見えないが、トークンの方のニクシリスさんとか使うと精神的にはちょっとお得感あるかもしれない。土地は……あんまり使い道なさそうだが、クリーチャー化した土地を使えば一応クリーチャーになる可能性もなくはないかな(その前に土地がヒットしたら終了だが)。まぁ、結局何かコンボを狙う場合はもうちょい小回りの効く専用呪文に任せたほうがいいとは思うが、せっかく赤を使っているなら混沌に身を任せてお祭り騒ぎを楽しみたい。リミテでもなんとなく入れとけば、一応除去っぽい働きになる時もあるし、ならない時もあるよ。God bless you.
 

 


チビ・ドゴンDragon Whelp
 なんとまぁ、随分懐かしいところからの再録。私は「時のらせん」にタイムシフト枠で再録されいたのでかろうじて知っているが、Magic最初期に活躍し、第4版までは現役だったらしい古の「強豪」ドラゴンである。どうやら当時は赤い飛行クリーチャーが乏しかったため、これでもかなり強かったとか。現在でも飛行+ブレスの組み合わせは一定の脅威であるし、あまり大きな火を吹くと倒れちゃうというデメリットもあってないようなものなのであまり気にする必要もないが、まー、周りのクリーチャーや除去の質も向上しているので、「それなりにアンコモン」くらいの活躍でとりあえず満足しておこう。

 


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ベナリア潜伏工作員Benalish Sleeper
 2マナ3/1、いわゆる白コモンの定番商品の1つ。バニラでも文句を言われないポジションではあるが、昨今はここにどんな味付けをするかでそのセットの特色が伺える。今回は対向色の黒キッカーを払うと、なんと「肉袋の匪賊」へと格上げされる。黒のこの手のサクらせ系の基本スペックは3マナ3/1なのでマナ勘定は据え置きだし、普通はアンコモンに配置される性能のはず。それがコモンになり、多色とはいえ選択肢が増えた状態になったのだからとんでもない話。色さえ合うならこれだけ集めててもゲームになりそうなスペックである。白ならトークンで水増しする作戦も使えるし、現在活躍中の「婚礼の発表」なんかとのシナジーは見てみたい。こんなもんを平気でコモンにしちゃえるあたり……なるほど、ファイレクシアには勝てねぇや。
 
 
カリスマ溢れる先兵Charismatic Vanguard
 いかにもコモンらしい綺麗な一般兵。3マナ3/2がすごく普通だし、能力もリミテではたまに起動することもあった「旗騎士」と全く同じ。つまり「パワーが2あがって2マナ重くなった旗騎士」である。まぁ、ゼンディカー環境と違って「とりあえず戦士を戦場におければそれでええねん!」みたいなニーズは無いため、ある程度単体で戦えるステータスになってもらわないと使われなかっただろう。そこそこの順目で、そこそこの数を。
 
 

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 OK, Guys, 俺だぜ。どうもお久しぶりです。「ニューカペナ」ではスポイラの作成放棄をしたので、Magic関係の記事立ては半年ぶりとなります。ついにきちゃいましたね。ドミナリア。これまた波乱に波乱を重ねたようなストーリー展開でもう私のメンタルはボロボロなんですが……ほら、以前タミヨウさんが完成しちゃった時も触れたかもしれないですが、こういう容赦ない裏切り(裏切らせ)ストーリーって、NTR属性の変な琴線に触れるんですよね……ぬるぬるオイルの触手プレイで快楽堕ちするアジャニさんの薄い本ください。
 せっかくなので誰も求めてないだろうけど最近の私のMagic模様をご報告しておくと、アリーナとの付き合い方は今まで通り……と言いたいところなんですが、実はちょっと違ってまして、ここ1ヶ月は一切ドラフトをしておりません。というのも、今年は「夏セットの販売がない」という珍しいシーズン構造だったじゃないですか。代わりに紙媒体だとエルダーズゲートとダブルマスターズ、アリーナ上でもアルケミーのテコ入れが行われてドラフト環境は新設されてたんですが、なんかこぅ……妙なこだわりというか、不思議と電子オンリーの環境にあまり興味が湧かなくてですね……ニューカペナの最後のあたりでちょうど最後のジェムを使い果たしたこともあって、そこから課金してまでドラフトしなくていいかな、ってんでしばらくは構築デッキでデイリーを回すだけの接し方になりました。ちなみに愛用の構築デッキは「五者会談打ってドーンするぞデッキ」です。4回に1回くらいは勝てます。何がいいって、色の概念が無茶苦茶だからデイリーミッションの達成がこのデッキ1個で全部できること。
 そんなわけで、「ドミナリア」が帰ってきたら、私としては数ヶ月ぶりのドラフト復帰も意味するんですね。色々と世界は変わっています。ちなみに、こないだアリーナから送られてきたメールによると、私のニューカペナ環境の結果は以下の通り。
 
 こういうデータが残るのもデジタルならではで面白いですね。
 閑話休題、とにかく半年ぶりのスポイラになるので、リハビリも兼ねて頑張っていきましょうね。スタイルについては最後に作成した「神河」準拠になります。つまり、わざわざ積極的に情報を追いかけることはせず、公式に発表があった情報のみを取り扱うよ。あと、ややこしいので先に断っておくけど、記事の中では2018年発売の「ドミナリア」のことを「先代」と表記するよ。
 
○メカニズム
 詳細については公式記事参照。
 
・後援(enlist)
 戦闘特化した、「賛美」の亜種ともいえる能力。賛美との違いもたくさんあるが、開発コンセプトとして最大の違いは、能力を持っている方が後方に控えるんじゃなくて殴りに行くという部分だろう。賛美はどうしても「受けの能力」のイメージがあったが、こちらはどんな味方でも武器に変えられるために積極的に殴りに行くイメージが強くなっており、昨今の「クリーチャー戦闘主体のゲームにしたい」というWizardsの意向が伺える。また、殴りに行くクリーチャーが絞り込みやすくなり、そいつ自体に戦闘関連の能力を付与することで強さを調整しやすいのも特徴だろうか。タフネスが増加せず、必要以上に無敵感が出ないあたりもバランス調整の賜物だろう。後援に使えるクリーチャーは召喚酔いしていてはダメなので、必要以上にゲームバランスを壊すようなことにもならないと思うが、「殴れないけどパワーが高いクリーチャー」(「装飾庭園み歩くもの」あたりだろうか)の需要が上がり、アンブロッカブルを付与する方法なども付随して価値が生まれるのはチェックしておいてもいいかもしれない。腐乱ゾンビに後援させるのも面白いかもしれない(嫌な図だな)。
 ちなみに余談だが、ルールテキスト上に「召喚酔い(Summoning sickness)」という言葉が正式に書かれるのはだいぶ久しぶりな気がする。最近はサプライセットなんかを全然チェックしてないので統率者関係のカードなんかは分からないが、Wikiで調べると明確に言及されているのは「ドライアドの東屋」以来とか?
 
・先読(Read ahead
 日本語は「サキヨミ」と読むのでいいんでしょうかね? 「センドク」ではないよな。ドミナリアなので当然英雄譚はたくさん用意されているが、その全てがこの新機能であるページスキップが与えられているという。なるほど英雄譚の根本的なシステムを破壊せずに利便性を持たせるのには、シンプルだが効果的なギミックである。ほんのちょっとの変更で新鮮味を与えられるので、これはうまいデザインなんじゃなかろうか。一応の懸念は2つあって、1つは、そうして利便性を与えることで当然強さは増すわけで、壊れないように安全弁をかけると鮮烈さが薄れやしないかという懸念。これまでの英雄譚は「3章まで読むのに時間がかかるから……」という免罪符を手に強烈な能力を配置できたわけだが、それが出来なくなると多少穏当な能力にまとめられる懸念はある。でもまぁ、それくらいは開発部も分かってるだろうし、せっかくのギミックをフル活用する面白いデザインに期待しよう。もう1つの懸念は「先読」のルールテキストを記載する分だけテキスト欄が小さくなっちゃったので、文字数の関係で制限される能力が多そうなこと。こればかりは紙のMagicの限界なので致し方ないが。
 あと「ヴォリンクレックスさんがいるとカウンターの扱いがややこしそう」という心配もあったんだけど、どーせスタン落ちするから別にええか。
 
・麻痺カウンター(Stun counter)
 青が得意な「氷漬け」能力をカウンターにしたもので、能力としては直感的に理解しやすいので取り扱いには不自由しないだろう。ただ、現在は盾カウンターやら能力カウンターやらとカウンターへの負担がかなり大きくなっているので、紙のMagicは相当ややこしそうである。変な装備品のせいでPWが攻撃してきた時に「えっと、忠誠カウンターが4つと+1/+1カウンター2つ、盾カウンターと絆魂カウンターがのった状態で……」「いや、その2つは麻痺カウンターだよ」とかいう地獄絵図が実現可能。ちなみに、何故この能力が今回ギミック化されたかを考えるに、おそらく後援能力との兼ね合いがあるんじゃないだろうか。青の必殺技はオーラで氷漬けにして押し込めることだが、そうなると白の「平和な心」系との差に「後援で使えるか使えないか」という優劣がはっきり出てしまう。そこで、青の除去オーラの一部をこのように「制限時間付き」にすることで後援能力の強さを底上げしようとしたと思われる。どうせ多色ならリミテッドは多少スローダウンした環境になるだろうし、この時間制限の扱いも勝負のポイントの1つになるんじゃなかろうか。
 ちなみに日本語名は「麻痺」だが英語名はstunになっている。過去のカードの和訳と照らし合わせると「麻痺」は「paralyze」で、「stun」は「気絶」。揃える意味では「気絶カウンター」でもよかった気がするのだが、雰囲気を優先した結果でしょうかね。
 
・版図(Domain)
 ここからは再録ギミック。こちらは能力語であるが、語としての登場は2回目。概念が初登場したのは初めて多色を売りにしたインベイジョンブロックの時で、この時はまだ名前がなかった。続いて同じく多色世界、アラーラ次元の「コンフラックス」にて、初めて名前付きの能力となった。振り返ってみれば、インベイジョンブロックはドミナリアがファイレクシアと最終決戦に挑む様子が描かれたセットであった。その時に初登場した能力が今回大々的に再録されるというのは、偶然かもしれないが運命めいたものを感じる。
 この能力が登場したということはリミテッドでも多色化が打ち出される可能性もあるが、流石に多色を売りにしたニューカペナの次のセットでコンセプト丸かぶりはないだろうから、今までの扱いを考えるなら緑(と多分赤)のアーキタイプの1つに「多色」がある感じじゃなかろうか。ニューカペナの宝物トークンがそのままギミックとして置き換わると考えるとイメージしやすそうだ。
 ちなみに構築レベルで考えると、現在は土地タイプを3つ持ってるニューカペナトライオームがバリバリの現役。なんと最速2ターンで5種類の基本土地タイプを全てカバーすることが可能。そう考えると、デザインチームはあんまり壊れたか版図カードは作れないってことになるが……まぁ、版図のいいところはどれだけ頑張っても最大ボリュームが5で終わるって部分なので、そこまでヤバいものにはならない……と思いたいね。
 
・キッカー(Kicker)
 あらゆる能力の頂点に立つKing of 能力、キッカーさんがもう何度目になるかも分からない再録。解説記事では「ドミナリアに戻るんだから、先代で人気のあった要素はちゃんと入れとかないとね!」みたいな言い方してるが、別にキッカーにドミナリア固有のイメージねぇよ。まぁ、正確には「歴史的を入れようとしたけど諸事情で外れちゃったから、穴埋めで手っ取り早く使えるのがキッカーやった」という話なのだが。どこにいたって完璧な仕事をしてくれるのがキッカー先輩の実力ですんで。今のところ発表されてるキッカー、多色化が推し進められてるのでなんとなくアポカリプスみがある。「ラッカボルバー」とか再録されねぇかな。
 
・その他雑感
 上で触れた「歴史的を入れられなかったからキッカー入れたよ」など、最近のマローは積極的に開発の狙いを事前に開示してくれるのでいろんな情報が見られるし、考えることができるので助かりますね。セットの全容はまだまだ分からないので完全に第一印象での話だが、正直、歴史的が再録されなかったのはちょっと残念。先代環境の時には割と好きなギミックだったので。でもまぁ、そこまで支配的な概念でもないし、あんまり構築環境には影響を与えなかったので問題は無いか。英雄譚さえゴリゴリに強くなればドミナリアっぽさは出るわよ。ただ、そうなると「前回同様に伝説のカードをいっぱい入れるやで」っていうのが本当に「それだけ」の話になっちゃってあんまり周りとの有機的な絡みがなくなっちゃうのは残念。一応伝説絡みのギミックは残るらしいが……。そんな中で笑ってしまったのが、「先代にあったギミックで再録を検討したけど即却下されたのは伝説の呪文やな。あれはあかんかった」という一文。まぁ、そうやな。とても正しい判断です。
 
 
以下、個別カード。
 

拍手


 全カードリストが公開されましたね。今回は「スポイラ書かへんぞ」と宣言していたので気楽に眺められたんですが、普段からなかなかこうして「スポイラ書かずにのんびり見守る」ってことをしないので……ざっと見ただけだと全然頭に入ってこないね。いざ環境が始まったら慣れるまでしばらく時間がかかりそうだ。
 せっかく総覧したので、おまけ程度に気になったカードだけピックアップして触れておこう。カードの能力・効果を気にし始めるとキリがなくなっちゃうので、フレーバーとか翻訳とか、そういう視点中心でのピックアップですので悪しからず。
 

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 スポイラ記事のふりして、単なるお知らせ。

 なんのことかってぇと、「多分ニューカペナのスポイラ書くのは無理やろな」という宣言です。というのも、正式にスケジュールの告知が出たんですが、今後はこのペースで全てのセットが進んでいくんだろうか、さすがに追いつけるスピードじゃない気がするので……。一応確認しておくと、プレビューの開始が4月の7日、そして全リスト公開が15日(全て現地時刻)。つまりこの間1週間。まぁ、ぶっちゃけ神河も似たようなスケジュールで展開してたんだけど(確認したら最初に記事あげたのが128、フル記事あげたのが2812日)、1〜2月の時期は割と暇があるからさぁ。4月の頭は新番チェックも重なるので1週間の短期決戦で勝てる気がしない。今回からアリーナでのリリースも紙と同じ日になるらしいので一応プレリの22日までは猶予があるとも言えるが……トータル15日かぁ……いけんのかなぁ……(書きながらまた悩み始めてる)。まぁ、多分無理でしょ。冷静に考えて、まっとうな社会人が趣味でチャレンジする企画じゃねぇんだよ(まっとうな社会人とは?)

 

 ってことで多分全カードプレビューはやれそうもないので、今のうちに新セットへの期待の表明だけしておきますね。

 

 ここ1年近くは既知の次元の再訪が続いていたが、ストリクスヘイヴンぶりの新次元。そしてサイバー未来な神河を挟んで、今度の次元はバリバリの現代世界ということでこれまた思い切ったデザインになっている(現時点で公開されてる世界観については公式記事を見てくださいな)。いきなり「現代風次元」だと衝撃が大きいだろうから、間にトンチキ未来な神河を挟むことで強引に正当化しちゃおうというショック療法。Magic世界も色んな広がりを見せるもんである。それにしても、ベーシックランドのイラストを見るだけでも圧倒的に「都市」のイメージなのよね。ラヴニカがかつて「都市次元」とか言ってたのがアホ臭く思えてくるのだが、ゲートウォッチの連中とかはこの次元の存在を知らんかったのだろうか? まぁ、それを言い出したらタミヨウさんはサイバーバリバリ神河を知った上での登場後ずっとあの状態だったわけだけども(本当はノートブック使いこなせてたはずなのにみんなの前では巻物しか開かないのはなんだったんだろう)。まー、文明レベルが自分の出身次元より低い世界にいっても「あ〜、それくらいのレベルね」ってんで驚きはしないか。

 

 さらに今回注目すべきは、セットテーマとして「3色」が提示されている部分。すでに5つの「一家」という括りが発表されており、いわばアラーラにおける「断片」と同じ役割を果たしている。実はセット全体で「3色」を取り扱うことはこれまで何度かあったが、何故かここんところ「タルキール」→「M20」→「イコリア」と、敵対色を交えたいわゆる「楔」の3色をフィーチャーしたセットが多かった。隣り合った友好色3つ、いわゆる「孤」を大々的にテーマにするのって、実はアラーラ以来なんですよ。調べたらアラーラが2008年だから14年ぶり。こりゃぁすげぇぞ。この14年でカードデザインの技術も向上し、Magic全体の製作スタンスも随分様変わりしている。アラーラとは違った形で打ち出される「孤」の3色環境がどんなものになるのか、今から楽しみ。ラヴニカの「ギルド」の後にストリクスヘイヴンの「学舎」を作り上げてくれたWizardsなら、ちゃんと新しい物を作ってくれていることを期待するよ。

 

 せっかくなので現時点で公開されている新カード(ほぼ土地)を見ながら、新しい3色のくくりである「一家」を見てみよう。

 

・緑白青(バントカラー)

スパーラの本部/Spara’s Headquarters

 真っ先に公開されたのがこちらの「友好色トライオーム」サイクル。残念ながら「トライオーム」という名前ではないし、サイクルをまとめる名称もつけられていないのでちょっと覚えにくいのが難点だが、その強さに疑う余地はない。トライオーム10種がスタン環境に揃うことはなかったが、まぁ、こんなもんが使い放題だったら色の概念なんてなくなっちゃうからね。

 そんで、こちら「スパーラの本部」が緑白青のトライオームの名前。スパーラがなんなのかもわからんし、ここがどこなのかもよくわからん。教会っぽい内装、白を含んでるのでいくらか宗教的なニュアンスで表向きは慈善的な集団なのだろうか?

 ちなみにこのカラーの「一家/Familiy」の名前は「斡旋屋/Brokers」で今回唯一土地以外のカードが先行公開されている。

 

斡旋屋一家の隆盛/Brokers Ascendancy

 隆盛! 隆盛じゃないか! 同じ3色環境タルキールで各氏族ごとにデザインされたのが、3色マナで設置できるエンチャントサイクルである「隆盛」。かなり個性的なデザインが揃っており、中でもコンボの温床となった「ジェスカイの隆盛」は、その面白イラストも相まってタルキール屈指の人気カードとなったもんである。今回の隆盛ももちろん効果は特盛。こちらのバント隆盛はあまりに分かりやすくて思わず二度見してしまう効果。何しろ置いとくだけで自軍クリーチャーが全員まとめてすくすくと。過去の色んなカードを亡き者にしちゃう勢いのやりすぎカードだ。一応増強カラーの緑や白が絡む意味はわかるのだが……青い要素はどこなんだろう。「クッソずるい」かな。残念ながらこのカードを見ても「斡旋屋」がどういった集団なのかはあまりわからないのだが、少なくともメンバーの中にロウクスとエイヴンがいそうなことだけは確認できる。種族配置はまじでバントに近そうね。

 

 こっから下は土地しかないので情報量が皆無。現時点では妄想するしかない。

 

・白青黒(エスパーカラー)

ラフィーンの塔/Raffine’s Tower

 このカラーリングの一家は「常夜会/Obscura」という名前。性格はやっぱりよく分からんが、紋章に鍵の意匠があしらわれていることや土地のフレーバーなどから、何か情報を探って秘密を暴く、的なニュアンスの集団なんじゃなかろうか。ま、神河にしろどこにしろ、お空の高いところにいるのが青のお約束ですんでね。全部の組織が悪そうな連中ばっかだと、黒が個性を発揮しにくそうだが大丈夫なのだろうか。

 

・青黒赤(グリクシスカラー)

ザンダーの居室/Xander’s Lounge

 このカラーリングの一家の名前は「貴顕廊/Maestros」。やっぱり名前の響きだけからはよく分からんが、どうせ青と黒が入ってるからろくなもんじゃないだろう。意匠に刃物とグラスっぽいものがあしらわれているのだが……ニュアンス的にはやや貴族的なイメージ? イラストのシャンデリア、幾ら何でも密に釣りすぎじゃないですかね? ちなみにこのカード名「Xander」の頭文字がXってのがちょっと気になってて、アラーラでもこのカラーリングは「Grixis」でXが入ってたのよね。単なる偶然だろうけど、「この色ってネイティブの感覚的にXっぽいニュアンスなのかしら?」ってちょっと不思議だった。

 

・黒赤緑(ジャンドカラー)

ジアトラの試練場/Ziatora’s Proving Ground

 このカラーリングを支配するのは「土建組/Riveteers」と呼ばれる集団。お、さすがに赤緑が入ってるおかげかちょっと脳筋っぽい雰囲気が出てきたぞ。土地の中身も地下格闘技場っぽいし、闇賭博とかで稼いでる連中だったりするのだろうか。

 

・赤緑白(ナヤカラー)

ジェトミアの庭/Jetmir’s Garden

 アラーラでは怪獣大行進だったこのカラーリングを象徴しているのは「舞台座/Cabaretti」という一家。一応今回の土地サイクルの中では一番自然のニュアンスが出てる場所なので、緑っぽさは一応出せてるんだろうか。原語のニュアンスを調べてみると「Cabaret」だけならまさにあの「キャバレー」の意味となり、割とサービス業のニュアンスが強い集団なのかも。

 

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結局全部のカード書いてるやんけ、と呆れてるみなさん、安心して下さい。私が一番呆れてます。
 

記憶の担い手/Bearer of Memory
 「リミテッドでマナフラッドを緩和するために作ったのさ」というマローの顔が見えるようなわかりやすいコンセプトのコモン。ただ、なんでそんな小梅太夫みたいな格好しているのかは分かりにくい。ってか分からない。お前モンクなのかよ。どういう流派だよ。とりあえず3マナ3/2エンチャントとして使っておき、終盤にはサポートに回って盤面を切り崩す役割。最悪でも自身にカウンターは置けるので引きゲーになった時でも一応勝負にはなる。でもまぁ、3マナ域が激戦区になるようなら優先順位は下げめでも良さそうな気はする。チクショー!
 
 
入念な栽培/Careful Cultivation
 二方向からマナ加速を狙うちょっと前例がないタイプのカード。メインのエンチャントとしての用法はまぁ分かる。クリーチャーへのマナ能力の付与ってのは珍しいが、現環境の「自然の抱擁」の二つの効果ががっちゃんこした姿だと思えば理解はできる。タフネスを上げることで生存率を高め、なんとしても次のターンのマナ爆裂まで生き残って欲しいというやる気が感じられる。これがうまくつながれば4ターン目に6マナに到達可能だ。しかし珍しいのは魂力の方。こちらはエンチャント先のクリーチャーがいない場合に備えてなのだろうが、2マナでマナクリーチャーが出せるのは普通にそっちメインでも構わないくらいの性能である。そりゃ最近のマナクリーチャーは「2マナで出して、ちょっと何かボーナスがあるくらいの1マナ生産クリーチャー」が主流なのでこのトークンは決して強くはないが、魂力なのでカウンターされづらく、相手のターンエンドにインスタントタイミングで出せるマナクリっていうだけでも意味はあるんじゃなかろうか。エンチャントカウントにも貢献できそうだし、リミテッドなら優先順位高めでいい気がするけどね。
 
 
精霊との融和/Commune with Spirits
 神河世界が産んだ地味な功績ってのがあると勝手に思ってるものがあって、それが「自然との融和」という1枚のソーサリーだ。名前を見て分かる通りにこの呪文と同じ路線で、「1マナソーサリー、ライブラリを5枚見てクリーチャー1枚を手札」という効果。今なら各セットに1枚はあるだろう、緑の「濾過」と言われるカード。何故これが功績かというと、実はこれ以前にはこうした効果のカードがほぼ無い(と思う)から。一応類似の概念はあるのだが、軽量のソーサリーとして形になったのはこれが初な気がする。そして、その後またしばらくこの手の呪文は作られなくなり、Wikiによればゼンディカーあたりからは割とコンスタントに生み出されるようになった。つまり、「自然との融和」は早すぎる「緑の新しい姿」だった気がするのだ。……という長い前振りを使って無理やり神河の歴史と接続してみた。今回は見られる枚数が4枚に減ってしまったが、土地も選べるのでハズレくじのリスクは低い。その上でピンポイントでエンチャントを狙いにいくので、白緑あたりでは便利な1枚。ちなみにこれが「エンチャントかクリーチャー」だとテーロスの「神々との融和/Commune with the Gods」になる。カードの効果に歴史あり。
 
 
古代への衰退/Fade into Antiquity」(テーロスから再録)
 最初のテーロスより、約10年の時を経て舞い戻った万能対策カード。このセットのリミテッドにおける重要度の高さは説明不要。その辺にいるクリーチャーの多くがエンチャントかアーティファクトなので、下手なクリーチャー除去より強いまである。このカードのコスト調整を見ると製作チームもまだまだカラーパイの扱いに悩んでるのかなぁ、という印象があり、全く同じ効果が白だと「存在の破棄」の2マナ。そしてこれが割と最近まで再録されてるのである。まぁ、今回は全部の色に対してエンチャントかアーティファクトのどっちかが必ず刺さるため、より重要な存在ということなのかもしれないが……「帰化」を経てなお、未だ緑はこの辺りのジャンルで白の後塵を拝しているのだろうか。
 
 
樹海の好意/Favor of Jukai
 それに好かれて嬉しいのか……というちょっと怖いスピリットが目印。まぁ、多分真ん中にいるのは樹海のモンクだろうし、キモいのと交流するのに慣れてるのだろう。とりあえず神の好感度が上がると素直に増強してもらえるよ、というオーラ。最近じゃ珍しいくらいに無骨なオーラだが、到達を持っているので一応独自の存在意義は見いだせるだろうか。まぁ、多分このカードも魂力がメインっていう扱いだろうけどね。おまけ感覚で「活力の贈り物」が手に入っちゃうってのはズルい気がする。今回の魂力、本当に節操がないな。
 
 
融合する成長/Grafted Growth
 イクサラン、灯争大戦と2つの環境で緑を支えてくれた「新たな地平」のほぼ同型再版。一応、今環境に合わせて機体にもカウンターがおけるようになってるのがちょっとだけ強化。単なるマナ加速はどうしても引きに偏りができてデッキを薄めてしまうが、「新たな地平」はカウンターを置くことで盤面のサポートにも回れるため、様々なシナジーと噛み合って良い仕事をしてくれる。今回はもちろん「改善」との絡みがあり、マナ事情とクリーチャーのどちらも同時に解決してくれる名脇役となる。さらに破壊されづらい土地へのオーラというのも高評価で、これ1枚で様々なシナジーを補強できるはずだ。私のような多色スキーは何もなかったとしても引くんですけどね。
 
 
調和した出現/Harmonious Emergence
 赤にもあった「源獣」のような「ゼンディコン」のような土地変化クリーチャーオーラ。このサイクルは赤緑の2枚だけなのだが、何故この色かというと、今回の赤緑は「改善」がテーマだから。そう、このカードを使った土地は間違いなく「オーラが貼られたクリーチャー」なので、生まれた瞬間に確定で「改善」しているのである。赤よりもやや重く、速攻があると言っても実際に殴れるのは5ターン目だが、4/5警戒はそのあたりのマナ域でも充分主力と言えるサイズ。手軽にコモンで集められるので、多少のマナフラッドを受け止めつつもしっかりクリーチャーの圧をかけることが可能だ。ところで、このイラストはどの辺が4/5なんだろう。全部合わせて?
 
 
古霊招来/Invoke the Ancients
 招来サイクルのトリを飾る緑のクアトラプル。そしてなんだか、久しぶりに僕らの憧れる馬鹿ででかい緑が帰ってきた気がするぞ。他の色の招来が必死に色の個性を見せようと変なことにチャレンジする中、緑は「知るか! クリーチャーだ! でかいクリーチャーを出せ!」ってんでとにかくサイズを追求した。その結果、なんとたった5マナで合計8/10。単純に足し算しちゃダメなんだろうが、この数字はやっぱり異次元な気がするぞ。さらに各々のトークンに自分好みのアレンジまで出来ちゃうおまけ付き。こんな楽しそうな緑は久しぶりだ(そうでもない)。ただ、なんでこのトークンが4/5になったのかはちょっと不思議。これまでの開発チームは余計な混乱を避けるためにトークンは極力正方(パワー=タフネス)にしていたのだが……4/4だと物足りなくて、5/5だとやりすぎだったんでしょうかね。
 
 
珠眼の寺守り/Jugan Defends the Temple
昇る星の残影/Remnant of the Rising Star
 今回の再訪まで全然知らなかったんですが、旧レジェンドドラゴンサイクルで特別扱いされてたのって珠眼さんなのね。具体的には、神の乱で味方が次々と死んでいく中唯一生き残ったのが赤の流星だけだったらしいのだが、その後、樹海を守るために大蛇人が珠眼を復活させ、流星と一緒に世界を守ったという。その後「再誕」のために残り3匹の龍の精髄を集め、生まれ変わりを先導したのも珠眼。そういう効果はやっぱり赤の流星よりも緑の龍の方が得意そうだもんね。というわけで、人々のために最後まで戦ってくれた珠眼の勇姿を葉っぱに刻んだのがこの英雄譚。いきなり1章でマナソースが出てくるあたりでびっくりだし、2章のサービスも単体で完結する強さ。そして裏返った後のドラゴンは優しさを履き違えて凶暴になりすぎたような危険な能力を持っている。クリーチャーが出たら、余ったマナで好きなように増強していいんだってさ。頭おかしいよ。おもて面が充分強く、裏返ると英雄譚にあるまじきイカレ野郎が飛び出してくる。そりゃ神話レアだろうよ。珠眼さん、絶対に当時の神河で「やっぱ緑が一番使えないわww」って言われたこと根に持ってません?
 
 
樹海の保護者/Jukai Preserver
 ガーデニング大好きおばあちゃん。「ババアが一人で花いじりかよ!」とか思って突っ込むと3/3と意外にマッシブなので返り討ちにあいやすい。お前のようなババアがいるかよ。能力は場に出た時のカウンター付与なので、今回のセットに限っても白の「七つ尾の導師」と仕事が被っている。あっちは2/3で死亡時にもカウンター付与、こちらはババアが3/3だが生涯で置けるカウンターは1個だけ。トータルで1点分負けている。しかしそれは別な方向でエネルギーを使ったせいだった。魂力を使えばなんとあの「旅の準備」がインスタントで使用可能。普通に考えたらこいつも魂力メインのインスタントカードだと思った方が良さそうである。いや、でも自分にカウンターおけば4マナ4/4(改善済み)だし、クリーチャーとしても平均値はクリアしてるのか。やっぱ魂力呪文のバランスが色々おかしいな。
 
 
樹海の練習生/Jukai Trainee
 ブシドー! 今回唯一収録されている、旧神河のキーワードである「武士道」を受け継いだクリーチャー。侍というクリーチャータイプを引き立てるための面白い能力ではあったのだが、マローの記事によれば「プレイ感は悪くない能力なんだけどね、あんまり大量のクリーチャーに持たせてもな」ということで残念ながら再登場は叶わず、結局ここに残るのみとなった。1200年前の武士道を持ち続けているのが、樹海の奥に隠遁してる侍だけってのもちょっと寂しいものである。とりあえず2マナ域どうしでの戦いなら一方的に負けることはまずないだろう。ただ、それ以上になったら後は知らんし、今回赤の火力は最低でも2点なので狙われたらコロリ。まぁ、2マナ域ならそんなもんか。緑だと特に侍シナジーもないんだよなぁ。
 
 
無常の神/Kami of Transience
 なかなかにエキセントリックな見た目の神様。英語の「transience」は「一時的な、はかない」という意味の言葉らしいが、あまりにもインパクトがありすぎる見た目にはそうした印象がない上に、能力も儚さとは無縁でだいぶ名前詐欺の感が強い。ベースは「セテッサの勇者」っぽい「星座」による増強クリーチャー。流石にドローはできないが、この次元なら放っておいてもすぐにすくすく成長してくれるはずだ。そして、そんなデカブツになられてたまるものかとすぐにでも除去られるわけだが、これが大して難しくもないトリガーですぐに手札にカムバックする。そして2マナで出したら、再びの育成期間スタートである。もう、どっちかっていうと「恒常の神」とか「永遠の神」に改名した方がいいかもしれない。武器となる部分が純粋にサイズだけなのでそこまで優先順位は高くないかもしれないが、エンチャントデッキの主軸としての活躍が見込めそう。ま、最近は追放除去の数も多いけどな。
 
 
達人の咎め/Master’s Rebuke
 師匠に怒られちゃう系除去。多分、破門された生徒さんが敵軍の中ボスポジションになってるフラグである。格闘系除去の新作だが、もうこのジャンルを「格闘系」というのも問題があるな。カード品質の全体的な向上により、格闘本舗の緑もすっかり「一方的格闘」が主流になってきている。今回はついに、セット全体でも格闘呪文が姿を消し、緑除去は全てこの形式になってしまった。ま、使う側としては安心できるから別にいいのだが。しれっと登場した新作の割に、一方的格闘のベースとなる「狂気の一咬み」と比べると「インスタントである」「PWも狙える」と2箇所もパワーアップしている。特にインスタントになった部分は大きく、現在活躍中の「狼の一撃」のより手軽なバージョンとして今後もお世話になる所存。お願い見捨てないで師匠。
 
 
更生の季節/Season of Renewal
 今回の墓地回収呪文。このジャンルはもともと黒の専売特許だったが、いつからか緑が少しずつシェアするようになり、今回は珍しく黒にこの手のコモンがないという状態。そしてこの呪文は結構な事件で、まず、効果はかつてテーロス次元で作られた「蘇生の旋律」と全く同じ。3マナとそれなりのコストだが、状況次第ではアドが取れるようになっているいつも通りのデザイン。ただ、決定的な違いが2つあり、1つはインスタントになったこと。そしてもう1つは、レアリティがコモンであること。そう、かつてはこれのソーサリー版がアンコモンだったのだ。緑のアドの取り方として、リミテッドでそんなに頻繁に起こらない効果だと認識されていたはずなのだが、今の時代ならこれがコモン。今回のセットはクリーチャー・エンチャントも多いので、ここからアドを取るのはかなり簡単なはず。これが時代の流れなのね……。
 
 
春葉の報復者/Spring-Leaf Avenger
 緑の忍者はこれで4体目。内訳がコモン2、アンコ1、レア1となっており、実は緑もそこそこ忍者派閥があることが判明した。ちなみに他の色はというと、白がアンコ1だけ、青は2、3、1の6枚、黒が一番多くて4、2、2(と神話レア1)という内訳になっている。コモンの数を考えると、ギリギリ黒緑とかでも忍者デッキらしさは演出できるのかも。そしてこちらはレアなので、忍者デッキがどうとかいう必要がない能力になっている。4マナ忍術で飛び出す6/5というだけでも結構な理不尽だし、ダメージ誘発で雑なアドバンテージ。相手としてもさっさと処理しなきゃならんのだが、仮に先手4ターン目にこれが繰り出されてしまったら、相手は全力で止めようとしてもシンプルにフィジカルで突破される可能性すらある。さすが緑だ。ちなみにこいつ、大蛇人かと思ってよく見たら、なんとクリーチャータイプは「昆虫」。……え? もしかしてバッタの改造人間ですか? そんなところまで日本文化のオマージュ?
 
 
タミヨウの保管/Tamiyo’s Safekeeping
 タミヨウママが「ほら、貯金しといてあげるからお母ちゃんに預けな」って言ってる「注目のストーリー」。ではなくて、皇から現実チップを預かってるシーンだが、平和そうな印象とは裏腹に、これが後の悲劇のダイレクトな伏線になってるという、なんともやるせない呪文である。もちろんこの時のタミヨウに悪気があったわけじゃないので、呪文としては間違いなく安全確保できている。たった1マナで呪禁・破壊不能・2ライフと3方面への配慮が行き届いており、これ1枚が通ればターゲットは絶対安全。現在主流の「蛇皮のヴェール」のような増強効果こそ無いが、こちらなら全体火力への耐性ができるし、サイズ差のでかい戦闘でも生き残れるのが売りだ。甲乙つけがたいところだが、現在の緑単のように攻め気優先のデッキなら「蛇皮」、ミッドレンジなどのある程度中〜長期戦まで見込んだデッキならタミヨウという棲み分けができるんじゃなかろうか。ちなみに「蛇皮」とのもう1つの違いはパーマネントならなんでも対象に取れるところ。つまりこれで皇やタミヨウを守ることも可能。まぁ、タミヨウはもう……。
 
 

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百節棍のムカデ/Chainflail Centipede
 形から入るタイプの換装クリーチャー。まぁ、確かに多節棍っぽくはあるので、このメカがシャキンシャキンと形を整えて武器になる図はイメージするとちょっと楽しそうだ。ただ、そういう棍がどんな能力の装備品になるかがよく分からんかったため、「攻撃時だけパワーが上がる」という変な能力になってしまった。別にブロックで使ってもええやんね。換装能力の中では比較的コストが軽く、効果がそこまで大きくないのもやむなし。むしろクリーチャーとして見ると3マナ4/2のアタッカーなのでブイブイ殴り込むタイプの黒デッキでニーズがあるかもしれない。
 
 
鷲掴む苦悩/Clawing Torment
 ほんのり邪魔なエンチャント。−1程度では殺せるクリーチャーはあまりいないだろうが、着実に邪魔はできているし、さらにライフが勝手に減り始めるのでトータルで2点分くらいは仕事をしてる計算。実はこれ、リミテッドで渋い活躍をした「刺し傷」の親戚筋。あちらは−2と2ダメで3マナだったので、一応こちらの方がコスパには優れるのだが、やはりカード1枚使うならもうちょい派手な効果が欲しいと思ってしまうのが人情。除去としてもダメージソースとしても半端なこのカードは普通に考えるとデッキインしづらい。ただ、今回のリミテッドにおいて、黒はエンチャント・アーティファクトの両取りボーナスがあり、「相手も処分せずになんとなく残しておくかもしれないくらいのふわっとした妨害オーラ」はいくらかその仕事を任せやすくはある。ま、結局相手陣営に張るオーラは確実性がないのであまり計算できないのだけど。あと、どう見てもイラストはわしづかんでない。
 
 
神への債務/Debt to the Kami
 ここ最近黒が力を入れはじめている「限定的エンチャント対策」の新作であり、同じくエンチャント環境だったテーロスで開発された「ファリカの献杯」の調整版。効果もコストもほぼ同じだが、解決が生贄から追放に変更されてちょっぴり強化されている。今回の環境はエンチャントやアーティファクトに触る方法を増やすことが必須であり、アーティファクトに触れる色は白緑赤、そしてエンチャントに触れる色が白緑だけ、という旧来のカラーパイだとやはりバランスが悪いということなのだろう。まだまだ器用とは言えないが、黒もこうして少しずつエンチャント対策力をあげているのである。リミテならとりあえず入れとけ。
 
 
毒血勢団の口封じ/Dokuchi Silencer
 ねぇ、後ろのやつ何? マジで何? 気になってテキストが全然頭に入ってこないんだが……この男のスタンドかなんかですかね……どうにも「写真……焼いて……ね、写真……」とか言ってるようにしか見えんのだが。さておき、なんとダメージ誘発でクリーチャーを除去できるというめちゃめちゃ強力な忍術の持ち主。これがブンブン回るようならニンジャ業界最強を名乗ってもおかしくないくらいのありえへん効果である。ただ、もちろんその強さには裏もあり、コストとして自分はクリーチャーカードを1枚捨てる必要がある。相手には「これでお互い、損失はイーブンですね」とニッコリ握手を求めるわけだ。そんなんブチギレられて終わりだろうが。ま、しょせんは貧弱な2/1なので通せるのは本当に忍術1回分ピンポイントだろうが、それでもやはり除去は除去。相手からしたらこいつが戦場に残ってる間は怖くてかなりアタックに慎重にならざるを得ないだろう。危険度Sの要注意スタンド使いだ。
 
 
魁渡の追跡/Kaito’s Pursuit
 イラストだけを見れば魁渡とテゼレットが2人して「うふふふ、捕まえてごらんなさぁい」ってやってるシーンに見えなくもないが、実際にはこのあとテゼレットが決定的な悪業をやらかす前の緊迫の場面を描いた「注目のストーリー」である。いや、でも次元橋は初見では対処できないって……しかも今回は現実チップまで絡んだしなぁ。対PW戦が初めてだった魁渡を攻めるのは流石にかわいそう。で、そんなチェイスシーンのカードがなぜかハンデスになった。いわゆる「精神腐敗」型で3マナコモンからの2枚捨て。いつの環境でも「決して弱くないのは知ってるんやけど、結局デッキに入らんなぁ」くらいの立ち位置になることが多いジャンルだが、今回のボーナスは「忍者に威迫」。これで能力持ちの忍者を忍術以外の方法で通すチャンスが生まれ、ハンドで確定アド、さらに盤面でもういっちょ、という二面作戦が可能になった。なるほど、これなら忍者デッキは積極的に採用できそうだ。綺麗に決まった時の踏んだり蹴ったり感は結構なものなので、是非リミテッドで1回くらいは決めてみたい。こないだアリーナで試合してて、相手の「頭狙い」があり得ん刺さり方したんですよね(オリヴィアの付き人とデーモン落とされた。マジで)。
 
 
眠らぬ影の神/Kami of Restless Shadows
 そもそも神って睡眠必要なんですかね? って話ではあるんだが。とにかく不眠不休であなたの墓地をチェックしてくれてるみたいですよ。4マナ3/3とコモンにしても物足りない性能だが、忍者デッキなら登場時に墓地から回収。つまりちょっと大きな「グレイブディガー」だ。忍者デッキじゃなくても一応回収モードはあるのだが、シノビ以外にはあんまり興味がないのか、カードは手札じゃなくてライブラリに戻る。アドにもならんのでよっぽどのボムを抱えていない限りはそこまで歓迎されない性能。トータルで見ると……別に忍者デッキでもそこまで評価をあげる必要はない気がする。ご本人はどこかしら忍者っぽさをアピールしてくれてる気はするんだけどね。
 
 
恐るべき秘密の神/Kami of Terrible Secrets
 恐れた方がいいのかどうかよく分からんビジュアルの神。例によってキモいのは間違いないが……「秘密」の部分に「壁に耳あり障子に目あり」みたいなデバガメ根性が表れるんでしょうかね? そんなパパラッチな神が監視しているのは、「お前、アーティファクトとエンチャントのどっちも使ってるか?」というよく分からない審査だった。うまいこと条件を満たせばキャントリップになり、さらにライフもちょっとくれる。ステータスはそこまで大きくもないが、キャントリップについてくるなら文句のないもの。黒のくせにドロー時にライフを持っていくんじゃなくてくれるってのも新しい。是非とも気に入られたいものだが……どれくらい狙って達成できるもんかねぇ。「レジスタンス部隊」くらいの難度だったらあんまり考えずにデッキインできたけども……こいつ自身は出したところでエンチャントシナジーにもアーティファクトシナジーにも絡まんのよな。
 
 
夜の長い陰/The Long Reach of Night
夜陰の意図/Animus of Night’s Reach
 旧神河では5色サイクルを形成していた「明神」たち。その中の黒い神が「夜陰明神」である。結局明神連中はどういう存在だったのかはよく分からんのだが、そんな中で夜陰明神がやったことが描かれている……のかどうかはやっぱりよく分からん。まぁ、1章2章で手札を捨てさせているあたりに、明神さんの面影が残っているだろうか。一応ハンデスは選択式でクリーチャーも選べるが、どちらにしろリソースが削れるので問題なし。最終的に4マナで2枚のリソスを削り、こちらはクリーチャーが1体残るのだからコスパは悪くない。出てくるクリーチャーは相手のデッキ構成に依存するためになかなか評価が難しいが、リミテなら1章2章の効果も鑑みれば3/4くらいは期待できそう。平均値は超えていると考えていいんじゃなかろうか。お好みならば他のカードでブリンクしたり、戻したりして相手の手札をジリジリと攻め続けるというのも面白い。こうして各方面からの締め付けてるのを見ると、リミテッドで「最古再誕」に泣かされた日々のことを思い出しますね。まぁ、こっちはあそこまで強くはないが。
 
 
無孤勢団の霊裂機/Mukotai Soulripper
 黒に突如現れた半グレたちの極悪マシン。2マナ4/3ととりあえず打点が高く、2ターン目にこいつ、3ターン目に適当なパイロット出して出撃の流れは緑単にも負けないパワーヒッターっぷりである。加えて人の命を粗末にする能力が与えられ、適当なリソースを食い潰すことでサイズアップ、貫通力アップが狙える。まぁ、そんなにバカバカ使えるもんでもないが、やはりここでも最適解は宝物トークンじゃなかろうか。1ターン目「よろめく怪異」3ターン目「スカルポートの商人」からのアタックなら宝物デッキに速度をプラスした形になるだろう。リミテッドでも普通に強いが、こうして生贄装置が出てくるとどうしても赤との共闘を考えたくなる。今回の誘拐呪文は……コモンだけど5マナです。そっちはダメかぁ。
 
 
勢団の揺さぶり/Reckoner Sakedown
 単なるハンデスじゃなかなか使ってもらえないということで、最近はこうして色々と複雑なモード選択が可能になっていますね。ベースはいつも通りに「困窮」で、今回の選択肢は「捨てさせたいカードが見当たらないなら増強スペルとして使ってもいいよ」という全く異なるベクトル展開である。ハンデスも増強も3マナの呪文としてはそれなりの効果だが、どっちも選べるという利便性を買うか、主義の見えない半端な呪文として敬遠されるか。当然デッキが「改善」要素を多く求めているならニーズは上がることになるが、手札を見るのは確定なので、「カウンター置こうと思ってたのにヤベェカードが見えちゃった……」みたいな展開も多そう。いや、それならそれでいいんだけど。やっぱり、手札みたら捨てさせたくなる気がするんだよなー。
 

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終わったところまで、今日は白と青。


刃吹雪の狐/
Blade-Blizzard Kitsune

 史上初の白い忍者。今セットにも白忍者はこいつしか収録されておらず、しばらくは「唯一の白忍者」というポジションになりそうだ。3マナ2/2二段攻撃というアンコモンらしいスペック。過去には二段攻撃は強い能力だってんでかなり制限され、同じステータスでも「炉火のホブゴブリン」のようにマナコストが厳しかったものだが、最近じゃ能力が追加されてもこのコスト設定である。ただ、能力がついたとはいうものの……なんかよく分からん設計だな。なんと素出しよりも忍術の方が重たいという。つまりこれが忍術で出ることが強いという認定だと思うのだが……いうほど強いか? なんのサポートも無かったら単に4ダメ通すだけだし、それなら前のターンに素出ししてから殴った方が手っ取り早いと思うのだが。白が推しているタイマン戦術は忍者とはかみ合わず、周りに忍者がいないのでサポートも受けにくい。正直、なんで忍術を身につけようと思ったのかよく分からん存在だ。ただ、素出しして単独で殴る分には強いので、むしろ侍戦術の矢面に立つのには向いている。忍びなれども、忍ばない。
 
 
蜻蛉鎧機/Dragonfly Suit
 どうやらこの世界ではこうしたパワードスーツのことを「鎧機(ガイキ)」と呼ぶようである。ま、英語だと単に「スーツ」なんだけども。3マナの機体の割にはそこまでステータスに優れるわけではないが、乗り込むのが簡単なので活かし方はちゃんと用意されている。最大のポイントはこの世界の機体の多くが搭乗3程度に設計されているという部分で、つまりパワー1のトークンだろうが市民だろうが、これに乗り込めばより大きな機体に乗り込むことができるのだ。機体デッキは乗り手とマシンの分配が難しそうだが、こうして間に挟まるカードがあることによっていくらか管理しやすくなるんじゃなかろうか。もちろん単純にパワー3のフライヤーなら殴るだけでも文句はないだろう。
 
 
永岩城の模範/Eiganjo Exemplar
 侍のタイマンギミックは賛美っぽいと思われていたわけだが、そんな中で、元祖賛美と同じ(侍限定)能力を持つのはこいつただ1人。とりあえず雇っておけばタイマンでの戦績がアップするありがたいガヤ要員である。そうでなくとも、2ターン目に出して3ターン目に殴った時に3/2なので序盤のアタッカーとしても安牌。戦術を組み立てるには、まず2マナコモンからだ。
 
 
告別/Farewell
 ちょっとアンニュイなイラストが印象的な、「今回のラスゴ」のコーナー。モード選択で様々なパーマネントタイプに対応できるデザインは過去にもちょいちょい存在しており、「浄化の輝き」や「質素な命令」あたりが近いカードだろうか。「次元の浄化」のように区別なく全てを吹き飛ばすカードとは一長一短で、デメリットは当然対処する方向性が制限されること。例えば相手が機体を駆使するデッキの場合、どうしても機体かパイロットのどちらかしか狙えないというのはリスクになるだろう。逆に言えばそれはメリットにもなり、自軍の戦力と相手戦力のタイプが異なれば、相手側だけを一方的に虐殺することが可能になる。振れ幅が大きく、当たった時の見返りがでかい除去、と認識すればいいだろうか。もちろん、全てのモードが追放になっていたり、墓地掃除のおまけモードがあるなど品質は悪くない。基本的に「損しない取り引き」さえ選べばいいのだから、やはり存在感を見せてくれるカードではあるはず。
 
 
金之尾の門弟/Golden-Tail Disciple
 旧神河にいた狐の剣豪、「金之尾師範」の流れを汲む者。師範本人は当然亡くなっているが、彼が源流となった武道の一派は1200年の時を超えて「金之尾学院」として立派に残っているようだ。さぞかし鍛錬にも身が入っていることだろうと思ったが……うん、まぁ、普通だな。降霊が無くなった「慈愛の祖霊」だな……。後ろ盾をガチガチにつけてタイマンで殴れば絆魂が輝きますよ。
 

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七つ尾の導師/Seven-Tail Mentor
 妖怪ねこまたが尻尾2本で立派に妖怪なので尻尾7本もある時点でご立派だと思ってしまうのだが、神河狐人の中では案外普通なのだろうか。コモンの4マナ2/3という平凡な能力で粛々と侍業務を担当している様子。その任務とは後進の指導で、出た時と死亡時の二面作戦で味方を「改善」していく。いわばタイムラグがある「ガヴォニーの銀鍛治師」みたいな感じ。出た時点で仕事が終わる「銀鍛治」の方が強いとは思うが、遅れるなら遅れるで使いようはあるだろう。相手としても殺し方を考える必要はあるわけだし、尻尾7本分のいやらしさはあるんじゃなかろうか。それにしても、刀ちょっと長くない?(先生が人間よりちっちゃいと考えるとちょっと萌える)
 
 
幼き日々/When We Were Young
 魁渡と皇が、お互いに身分の差も気にせず奔放に遊んでいた頃の記憶。魁渡の頭巾が「お前将来忍者になりたいの?」みたいな感じではあるが、もしかしたら神河の男児はこういう格好で育つのが普通なのかもしれない。皇の方は幼少期からびっくりするほど綺麗な白髪をしており、成人後の威厳がこの頃からちょっとにじみ出ているのが良いね。この頃の二人は、こんな残酷な未来なんて予想もしてなかった……そんな素敵な思い出の「注目のストーリー」。カードとしては分かりやすく白らしい増強呪文。2体に+2ってことで「同期した一撃」なんかと比べると4マナはやや割高感があるが、絆魂までつけられればライフレースがありえんくらいひっくり返ることになるのでこのコストもやむなし。2人の未来に幸あれ。
 
 
収得のタコ/Acquisition Octopus
 イコリアのタコに引き続き、何故かこの次元でもタコが「殴ったらドロー」能力に関連づけられている。なんでなんでしょうね? 吸盤で張り付いて剥がれないから「掴み取る」みたいなイメージになってるんだろうか? まぁ、とにかくそんな装備品だが、これが他の換装クリーチャーに比べるとやけにスペックが高い。まずもって3マナ2/2ドロー能力ってことで「秘密を盗む者」と完全に同じ能力だし、リミテッドでハマっちゃうとここからのドローだけでゲームが支配できる可能性がある。そして装備させればカササギ能力が他者に移るわけだが、この時の換装コストが2マナとやたら軽い。「換装は重くするもんなんやなぁ」と思っていただけに、こうして有用な能力が比較的安価で取り扱えるのは意外である。直接ステータスに影響しない装備だからチェックが甘いのかしら。今回は忍者がらみで手軽なフライヤーやブロックをくぐり抜けるクリーチャーも多いので、その辺りとのシナジーで爆ドローライフを。
 
 
不可能の発見/Discover the Impossible
 今回の「拾い読み」呪文。だいたい2〜3マナのコモンで与えられることが多いこの手のドロー調整だが、今回は3マナアンコモンという「発見への渇望」と同じコストで微妙に強め。5枚というサーチ性能も優秀だし、なんとお目当てが2マナ以下のインスタントだったらそのまま唱えてもいいというおまけ付き。3マナ使って2マナの呪文を唱えているのだからコストだけを見れば損しているわけだが、ここからさらにドローに進めたり、3マナからギリギリで「呪文貫き」にたどり着けたりと、繊細なプレイングが要求される青デッキなら活躍する場面も多そう。もちろん、そうしたギミックを使わずに単にコンボパーツを探すだけのカードとしても使っていけるだろう。通好みの一品。
 
 
月罠の専門家/Moonsnare Specialist
 ついに忍者が「戦闘ダメージを与えた時」すら放棄し始めた。なんと、単に場に出た時にバウンスする忍者。つまりチーム「大クラゲ」の新人である。素出しなら4マナ2/2なので「分離主義者の虚空魔道士」と同じだが、そこに忍術を絡めることでちょっとコストを誤魔化すことが可能になった。……まぁ、1マナしか誤魔化せてないし、こちらの攻撃フェイズに突然バウンスする意味がどれくらいあるかは定かでないが……一番ありそうな目的は、どこか戦闘で負けそうなところがあればそこを潰せるという使い方か。もちろん、自軍の忍者の忍術再利用のために戻しちゃってもいい。普段あまり無いタイミングなだけに、慣れないうちは変な動きに翻弄されそう。別に攻撃前に素出ししてもいいし、相変わらずクラゲクリーチャーは利便性が高い。
 
 
複製の専門家/Replication Specialist
 こりゃすごいや。なんとどんなアーティファクトでもたった2マナでコピーしてくれるというパチモン作成のプロフェッショナルである。フレーバーテキストを見ると製品の品質にはちょっと不安もあるが、実際出てくるトークンは混じりっけなしの本物クオリティ。細かいアーティファクトで堅実にアドが取れるので立ってるだけでも強いのだが、何故か5マナ3/4フライヤーとステータスもそこそこ使えるものになっている。流石に構築じゃお呼びでないが、リミテなら色々悪さができそう。一番コピーしたいのはやっぱりアーティファクトのコスト軽減ができる「熱心なメカ乗り」。
 
 
鬼の刃/Blade of the Oni
 「なんか漢字が1文字足りない気がする……」と思ったあなた、僕も同じです。どうせだったら「箱に入った妹」みたいなクリーチャーがいれば完璧だったんですけどね。僕は長男じゃないから耐えられません。さておき、こいつは純粋に「鬼が持ってる武器」のはずなのだが、換装カードってことは現代技術によって作られたサイバー武器なのよね。鬼(デーモン)も革新技術は平気で使っちゃう次元である。見た目には刀っつうより棍棒なのだが、これ、どの部分がどう動いてクリーチャーなんだろう? なんか足っぽい部分が見えるけども……デーモンってことは上の頭みたいな部分もセットで動くんかな? 神話レアにして雑に強いカードになった割にディティールがよく分からん。とりあえず2マナ3/1威迫というだいぶずるいクリーチャーであることに加え、装備したら細菌トークンですら5/5威迫というマッシブすぎる破壊兵器。せめて伝説であれよ、と思ったらそんなこともないのでふつーにウィニークリーチャーとして並べることだって可能。今後の黒コンや黒ウィニーで雑に活躍できそう。リミテなら……まぁ、装備前に焼けば……。
 
 
波止場の料理人/Dockside Chef
 ついにMagicはここまできた。なんと、単なるラーメン屋の親父がカード化されたのだ。クリーチャータイプの「市民/Citizen」が燦然と輝く、混じりっけなしの一般市民である。その割にタフネスが2あるので、そこらの兵士トークンとかよりもタフである。まー、でないとこの次元でラーメンの屋台なんてやってられませんからね。一応、神と仲良くしてその恩恵を受けているようなので、神がケツ持ちしてくれてるのかもしれん。日頃の行い大事ね。そんな親父の手にかかれば、どんなアーティファクトでもクリーチャーでもドローへ変換。現在大活躍中の「スカルポートの商人」と全く同じ能力だが、圧倒的に軽いので宝物トークンも無いしタフネスも低い。この手のクリーチャーはある程度場に残ってコントロールしてほしいし、「商人」は「食肉鉤虐殺事件」との相性もあるので、残念ながら多少軽いくらいではこちらにお鉢が回ってくる可能性は低そうだ。もちろん、リミテッドならそんなことを比べてもしょうがないし、手軽にいろんなアーティファクトが確保できる世界なので、これはこれでニーズがあるだろう。それにしても、チャーシュー・煮卵くらいは定番だが、キノコ・タコとなるとちょっと具材盛りすぎな気もするな……右側のやつは……ナルト? なんか違わない? あんま具材でごまかすタイプのラーメンは好きじゃない。
 

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