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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 いまいち視聴時のテンションが分からない作品、第4話。闇堕ちからのシリアスゴリゴリ展開になってくると思ってたのに、想像以上にユルい。

 「上層部全員闇堕ち」という魅力的な展開からどのように広がっていくのかと期待していたが、どうやら各々の世界に飛んでそこで該当する先輩を1人ずつボコっていく展開になるようだ。「各世界のエクストラが薄まっていて、接近速度が早まる」というのが異世界遠征の直接の動機であるが、どの程度の緊急性なのかは分からないので相変わらずピンと来ない危機感。そもそも、これまでの作戦会議を見ていると「接近速度が速まる」か「接近速度が減少する」の2つしかないので、「接近が止む」とか「遠ざかる」っていう選択肢は無いようだ。つまり、このままどれだけプログレスが頑張ってもいつかは激突・崩壊にいたるということに……。まぁ、ひょっとしたら何万年単位の話なのかもしれないけども。とにかく、地球にプログレスが集まってバトルしてないと残りの4つの世界が近づいてきてヤバいですよ、ということ。

 最初のミッションは黒の世界。吸血鬼のおねーさんたちが住んでいる闇の世界で味方チームの出身者はアルマリアさん、闇堕ちサイドはその妹的先輩・ソフィーナさんという布陣。関係者人数も少ないので、最初のミッションポイントとしては適正だろうか。さっそく冒頭からアルマリアさんにスポットがあたり、彼女の「見た目は妖艶なお姉さん風だけど割とポンコツだし、けっこうな変態」という重要な部分がピックアップ。味方チームはそれぞれ天音に対する感情、友情のきっかけも描写される必要があるが、彼女の場合は純粋なる保護欲求であった。誰に対しても「私がいてあげないと駄目なんです」って言っちゃうあたりは病んでる雰囲気もあるが、そのあたりの気負いを無くして対等な関係になれるかどうかが、アルマリアさんが天音と接する上で、さらには先輩であるソフィーナと接する上でのポイントになってきそうだ。

 そんな吸血鬼の先輩後輩対決が展開されるわけだが、基本的にはマッチメイクは全部闇堕ちサイドの方が強いわけで、先週同様にワンサイドゲームに。ここから何を理由にひっくり返せるか、っていうやつを合計4回も天丼していくことになるんでしょうかね。それぞれの世界、それぞれのキャラに個性が出せるとよいのだけど。アルマリアさんはトップバッターだから展開被りを気にせずベタな愛憎劇だけでもOKかな。ちなみにソフィーナ先輩の中の人は「ペコさんの中の人」こと石原舞。アニメレギュラーで認識出来たのってこれが2作目かもしれない。ペコさんのくせに偉そうに……とか思っちゃうキャラやな。

 吸血鬼チームはシリアスしてるのに、それ以外の部分が何故か全体的にギャグのノリ。なかでも訳が分からないのは勝手にコントを展開した上に何故かCパートでオチまで持っていったサナギ姉妹である。あいつらの立ち位置は一体なんなんだろう。まぁ、闇堕ちチームは欲望に自由な身になったらしいので、ギャグを含めて何をやっても構わないんだけどさ。こいつらがラスボスではないやろな……。

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 作中のキャラが闇堕ちって言っちゃったよ、第3話。分かりやすさは正義ですが、なんかもう、エロアニメまっしぐらですね。

 シチュエーションは最高だ。あぁ、本当に最高だ。闇堕ち、とても良いものですよ。私は基本属性がMでNTR属性もあり、「気高きヒロインが俗悪な敵の手に堕ちる」なんてシチュエーションは大好物だ。普通はそうした展開ってのを作るためにあれこれと下準備をして、丁寧に育てて育てたヒロインがお目々の色を変えて登場するところにギャップがあり、萌え要素とか被虐要素が生まれるわけだが、本作はなんと、わずか3話目にして、組織のトップ軍団が全員闇堕ちという思い切りすぎた素晴らしい展開を向かえた。挙げ句に今回はメインヒロインの心の傷を的確にえぐり、精神的加虐は苛烈を極めた。もう、こんなもんは残ったシーンで18禁展開突入待ったなしだ。しかし、残念ながら本作は一応(1話の半分以上が風呂シーンだったが)全年齢向け。紗夜が根性覚醒から押し切ってしまった。残念。いや、そりゃそうなるだろうけど。

 これだけ素晴らしいシチュエーションを作っているのだが、本作は惜しいことこの上ない。「いくら何でも闇堕ちのギャップを出すには時期尚早すぎる」ってのが最大の問題だが、まぁ、そこは闇堕ちの悲壮感がメインではなく、あくまでも「すげぇ強いと分かりやすい連中が敵に回ったんだよ」ということをなるべく手短いに表示するための方策なのだろう。カードゲーム原作ということで明確に「敵組織」というものが作りにくく、「強いカードが敵側」というシチュエーションを構築するためにこうした設定が用意されたのだと思われる。元々どんな性格だったのかはそこまで重要ではないのだ。でもまぁ、やっぱりもう少し粘って欲しかったかなぁ。今回取り返した生徒会長だって、もう1話頑張ってくれればもう少し意地の悪いところを見せてくれたんじゃなかろうか。まー、まだたくさんレイプ眼軍団は残ってるから、各々の異世界の連中がなにかどぎつい悪行を働いてくれることを期待しよう。御前がCVやってる子(葵)は脳筋っぽいのであんまり精神にクるパターンは期待出来ないけど。

 その他、設定がざっくりすぎてよく分からない部分は気になるが、もう「世界どうしの衝突」要素とかはあんまり気にしない方がいいだろう。何がどういう仕組みなのか、あんまり説明する気も無さそうだったし。「何となくバトルしてないとタイムリミットが迫る」程度の認識だ。どっちかっていうと説明が必要なのはアンノウン……じゃない、「ウロボロス」と呼ばれる連中がどういう存在なのか、って部分だろう。1話目を見る限りでは単に突っ込んでくるだけの謎物体に見えていたのだが、今回のエピソードでは想像以上に高度な作戦を実行してくるとんでもない連中であることが分かっている。ただ、その「とんでもない作戦」がとんでもなさ過ぎて、「これ、ハナから人間側に勝機無いんじゃ?」と思えてしまう。わざわざエクシードどうしをぶつけずとも、トップランクのエクシード全部を片っ端から闇堕ちさせた実力があるなら、それだけで全エクシードは掌握できる気がするんだが……その辺のディティールが分からないところはもやもやするわね。あとはまぁ、単純に作画が今ひとつ。女の子の画が崩れるわけじゃないんだが、バトルシーンが完全にお飾りなのが勿体ないなぁ。もうちょい動きが何とかならなかったかねぇ。

 とりあえず、今回は紗夜ちゃんの中の人、美菜子が頑張ってくれたのでそれで良しとしましょう。後は闇堕ちした相坂君、御前あたりの仕事も良かったし。っつうか、闇堕ち側のキャストは今からみんな楽しみだわ。花澤・悠木・佐倉ラインの悪逆プレイとか、どんな風になるのかしら。いっそ味方チームもいっぺん悪堕ちしてもらえると、闇堕ちしたはらみーとかも聞けるのだが……いや、何回も聞いたからいいや。闇落ちした美菜子を聞くためにはジュウオウジャーを観ようね。

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 分かってた、分かってたさ……最終回! いや、台無しにしてくるだろうってことは分かってたけど、まさかの開始数秒かよ! いくらなんでも潔すぎるだろ!

 いやー、でも逆の意味で意外じゃなかった? ちゃんと最終回らしいことはやったんだぜ。ほら、味方全員で力を合わせる必殺技とか、クライマックスに1期OPが流れるとか。あと、えーと、えーと……作中で野球をやるアニメは名作! あれ? でも結局野球だったのかどうかすらわからねぇな。実は十四松が暴れてたのは「正しく野球じゃなかったから」っていう伏線だったのでは?(絶対違う深読み)

 そんなわけで、先週の一切合切は無かったことになってのセンバツ編。相変わらず1つ1つ全部突っ込んでいったらとてもじゃないが追いつかない密度で、やりたい放題である。個人的に気に入ったところだけ触れていくと、一番笑ったのは野球の初戦の諸々かな。最初におそ松がマウンドに立ってチョロ松がマスク被った時点で「お前らポジション逆やろ」って思った人が日本中に数百人単位でいる(と思いたい)。今となってはおそ松(の中の人)は100%キャッチャーだし、その文脈だとチョロ松(の中の人)は投手なんだよ。他の4人は知らん。そして、野球というホームグラウンドがついに来たはずなのに、いつも以上に限界を超えている十四松。「実は一度も試合したことない」ってマジかよ……いや、普段出かけてるのは一日中河原で素振りとかしてるだけだと思えば別に不思議でもないが(だって十四松だし)、多分幼い頃のエピソード探せば1回くらい野球やってる回はあるんじゃねぇのかな。4−6−3のホームランを達成出来るほどのポンコツなのに、野球ギャグはスムーズに出てくるってどういうことだよ。そして安定のカラ松さん。あいつ、良い奴なのは間違いないんだが、今回の大炎上で「良い奴だけどやっぱり頼っちゃ駄目」ってことがよく分かった。基本的に、あらゆるパラメーターがオール最低なだけだわ。あ、あとグラウンドのシーンで妙にツボッたのが開始のサイレンのダヨーン。飛田さんの絶妙な音響が上手すぎる。

 その後はコーチ松の一件なども挟みつつ決勝へ。ことごとく虐殺されていくメンバーの中にエスパーニャンコや神松がいるところまでは堪えたが、石油王で吹く。なんでお前いるんだよ。そしてクライマックスは無駄に揺れるトト子の乳。いいじゃないかトト子、脱いだらそれなりに見映えするぞ。罵詈雑言もセット販売だけど、その道ではご褒美です。実際六つ子はそれでエレクトしたしな。最終回のクライマックス。クソニートの六つ子が全員で力を合わせ、童貞卒業のために屹立した息子を全力で奮う、見事な糞アニメじゃないか! ド下ネタと野球という、女性ファンをドン引かせる方向で最終回を作ってくれるスタッフ、やっぱり有能や! 2期? えーと、まぁ、好きにしろ! ここから新シリーズ「第四銀河大附属高校さん」が始まっても俺は驚かないぞ。いつの日かあの校歌がカラオケで歌えるようになるといいな!

 ラストソングは、イヤミバージョンとトト子バージョンのエンディングをマッシュアップさせ、オールスター登場のスペシャルな仕上がり。こういうところで手を抜かないのもいいところよね。あ、劇中で流れた野球応援歌バージョンのオープニングも好き。もう、2期をやるなら野球アニメにしちゃいな!

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 なんだ盗塁王?! 第24話。ラス前でこの球を投げてくるあたり、やっぱりこのスタッフは油断出来ない……。これ、最終回は相当ひどいことになるぞ。ここまで高低差つけてたら、恐ろしいカタストロフィが確実にやってくるぞ……。

 温度差が激しいので大変なAパートから。ラス前ってことで、メインヒロイン(?)トト子の大きなメイン回。やっぱり、改めて見てトト子のキャラ造形ってのは奇跡的だよな。六つ子の強烈なキャラに埋もれないようにしっかりとガチクズでありながらも、サイコなイメージを加味することでどこかに危険な魅力も……いや、魅力はないか? 魚臭いからな。いや、でも「嫉妬やコンプレックスという概念自体を知らなかった」ってのはすごい設定だと思うぞ。深読みするに、幼少期の「おそ松くん」の時代には完全に「メインヒロイン」というキャラクター属性だけを与えられており、とにかくまわりから可愛いとしか言われてこなかった彼女の不幸で一面的な人生が、トト子をこんなサイコキャラに仕立て上げてしまったのだろう。ある意味では原作からの純正進化形と言えないこともないわけだ。ひょっとすると、しずかちゃんみたいな他のアニメのヒロインも、同じような末路を辿るのかもしれませんね……。でもまぁ、普通のアニメに石油王は来ないと思うし、石油inフラスコで乾杯はしないと思うけども。

 そして改めて、やっぱり遠藤綾ってすごいと思う。「私って、ちやほやされるために生きてるみたいなとこあるじゃん?」とか、ガチで言ってほしい。彼女のどこか浮世離れした超越性は、トト子という無茶苦茶なキャラクターに不思議な実体感を与えている。いや、ひょっとしたらあり得なさに拍車をかけて彼岸まで持っていってしまってるだけかもしれないけども。中の人は結婚して幸せにやってますが、石油王がいたらそっちに行きそうではある。でも、面倒だから婚活パーティーには絶対行かなそう。未だ謎多き遠藤綾。彼女の私生活はもう二度と明かされることはないのです。

 さて、切り替えてBパート、「手紙」。まー、ラストでシリアスを持ってくるってのは常套手段の一つではあるのでそこまで驚きはしないが、今作で厄介なのは「ラスト」じゃなくて「ラス前」にこれを持ってきて、まさかのTo be continuedで最後に持っていったこと。あかんやつやん。絶対今週のは盛大な前振りですやん。でもまぁ、シリアス一辺倒というわけでもなかったし、これまで培ってきた六つ子のキャラを存分に活かして、ちゃんとしたホームドラマになっているところは相変わらず周到である。だって、普通に考えれば「二十代半ば(推測)の息子たちがバイトを含めて働きに出たり、一人暮らしを始める」ってすげぇ普通のことだからね。わざわざこんなに大々的にやるような話題でもないからね。それを手放しで喜んでくれちゃってる松野家の両親はやっぱり甘々だ。まぁ、これまでの苦労を振り返れば喜びたくなるのも分かるけどね。お父ちゃん、よく1人でこんな苦しい財政を支えてきた。仕事のコネで息子を商社にねじ込めるあたり、そこそこの役職ではあるんだよな。

 そんなわけで、ついに仕事が決まったのはチョロ松。親父さん、誰か1人を仕事に推薦する時に、悩みに悩んでチョロ松を選んだのだろう。まぁ、ライジング成分を控えめにすれば、一番人当たりが良さそうなのはチョロ松だからな。無事に仕事も決まり、現実に直面すればそんなにご大層なライジングも起こらない。とんとん拍子で一人暮らしまで話が決まり、松野家一同で珍しく8人の食卓。4人の兄弟の喜び方は意外と言えば意外。トッティのバイトですらあれだけ全力で足を引っ張っていた連中が、ここに来てシコ松の門出を素直に祝えたのはどんな事情からか。まー、トド松の場合は内緒で経歴詐称しながらのバイトだったし、「合コンとかの予定を全部秘匿してた」ってのが逆鱗に触れただけだからな。一家の中から稼げる奴が1人でも出てくるのは素直に喜ばしいことなのかも。

 しかし、長兄のおそ松だけは事情が違った。明らかに苛立った様子、ギャグ無しで、マジのストレスを溢れさせ、しまいには無邪気な(?)十四松に爆発させた。彼の心情は、駄目な人間ならばすぐに共感できるもの。それは「変化への恐れ」である。これまでずっと6人一緒、食うも寝るも失敗するも、全部6人で変わらずにやってきたのに、突然訪れる環境の変化。そういうものに、駄目な人間はひどく弱いのだ。これまでのぬるま湯を変えられることが我慢ならない。まわりの兄弟がそうした共感を持つのではなく、脳天気に喜んでいることも、おそ松の怒りを増進させたのだろう。身の振り場所のないおそ松の怒りは、理不尽にも弟たちに投げつけられる。そして、ここで登場するあまりに格好良すぎるカラ松。そう、長男の駄目なところをたたき直すのは次男の役目なのだ。おそ松に進んで手を出せるのは、カラ松だけなのだ。このシーン以降、今回はとにかくカラ松が格好良いので、カラ松ガールズには垂涎のエピソードである。

 その後は、蟻の穴から堤も崩れる。チョロ松の前進、おそ松の体たらくを見て、まずはトド松が変わる。チキンボーイの彼は相変わらず定職を見つけるまでには到らないが、とにかく家を離れて自活することで進化を目指す。まぁ、元々バイトはやれていた人間なのだから、そこからの延長で新たな生活までもう一歩だ。弟の奮闘を見て、カラ松も歩き出す。彼にはチビ太という盟友がおり、彼の優しさに甘える形にはなったが、それでもカラ松が本気だったからこそ、チビ太は受け入れてくれた。ひたすらエントリーシートを用意して就活に励むカラ松。リクルートスーツに身を包んだ彼はいつものサングラスをしておらず、過去の自分からの脱却を図っている。そして十四松にも変化が訪れる。元々六つ子の中ではピカイチのフィジカルを持つ五男は、他の連中と違って肉体労働にはそこまで抵抗を感じない(まぁ、他の5人も石油掘るのに迷いは無かったが……)。まさかのデカパン博士の縁も繋がり、彼は工場勤務のバイトから第一歩を踏み出す。いや、その後の大怪我の理由はよく分からないが……あと、なんでハタ坊が一緒に働いてるのかも分からないが……まぁ、そこはほら、十四松の世界だから……。そして一松は……よく分からんけど、なんか家を出たよ。結局最後までよく分からないな、一松。何が偉いって、ちゃんと十四松の旅立ちを見送ってから家を出てるところね。やっぱりこの2人の繋がりが六つ子の中では一番強い気がする。

 そして残されたのは長男1人。彼は頑なに、意地になって今までの生活を貫き続ける。変化することは弱いことだ。これまで通りのスタイルで生きていけるなら、それを何故続けないのか。あいつらのニート魂は、そんなにも脆弱なものだったのか。食って寝て、うんこ製造器となりながらもおそ松は動かない。それが長男に、最後に残された矜恃なのだ。たとえそれがどれだけ社会的に間違っていても、彼は家を、六つ子のスピリットを守り続けるのである。格好良い……かは別にして。そして、そこにやってくるのはチョロ松からの手紙。はてさて、これで来週は一体……。

 とまぁ、シリアスには書いてあるが……絶対ただじゃおわらねぇぞ。さぁ、来週は一体何がくるでしょうか。①爆発オチ ②うんこオチ ③概念オチ。まず間違いなく、一松はうんこすると思うね。

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 恋人出来てたりあと少しで結婚のところまでこぎ着けたり、なんだかんだで割とリア充生活してる六つ子、第23話。まぁ、十四松はともかく今回のチョロ松は末期も末期だけども。ライジングな割には素直にあそこまでこぎ着けられたんだから、やっぱりダヨーン族って神なのでは。

 先にBパートに簡単に触れます、「ダヨーン族」。この話で注目すべきは、実は珍しく六つ子が「上」と「下」に分かれたというところ。おそ・チョロとか一・十四のようなコンビで展開することは多いが、3対3に分かれて行動しているのはなんだか珍しい。そして、上下に分けた時にどれだけ上3人が頼りないかが分かったのは収穫だ。一応、上の突っ込み役はチョロ松のはずなのだが、これが致命的に使えない。また、おそ松・カラ松の2人も、明確に突っ込ませないヌルッとしたイカれ方なのでチョロ松の平坦な突っ込みを受け付けにくいのだ。今回上3人のハイライトといえば飲み屋で管巻いてる兄貴面してるシーンくらいで、あとの部分では単なる「ながされた奴ら」である。それに対し、数字+トド松の構成になる下3人は色んな意味で頼りがいがある。キレのあるボケに丁寧な突っ込みのトッティ。ボケ倒すことも可能な変幻自在の3人組。ダヨーン坂を転がり落ちてる時の3人も、上の兄弟の束縛がないせいかやけに楽しそうだった。案外、この3人だけだったらイカれた上2人をトド松が支える形で上手くいく家庭になっていたかもしれない。返す返すも、上2人の残念っぷりが悔やまれるな……。まぁ、オチは文字通りクソだったので後は略。

 そしてAパートの「灯油」。何故今回Aパート感想を後に回したかというと、下手したらこれまでで一番好きなんじゃないかっていうくらいにハマったナイスエピソードだったため。あのね、私も兄弟の多い家庭に生まれたんです。さらに、冬場は寒さが厳しくてファンヒーターをよく使うような環境で育ったんです。今回の灯油エピソード、あり得ないくらいによく分かるんですよ、この空気。ヒーターが灯油切れのアラームを鳴らしたあの瞬間の緊張感。今回六つ子は「さっさと誰か入れてこいよ」って言ってたけど、灯油入れるのってすげぇ面倒なんだよ。ポリタンクから直接だばだば入れるわけにいかないからしょうゆチュルチュル(ポンプね)を使わなきゃいけない。これをシュコシュコやってヒーターの灯油缶いっぱいにするのって結構時間も手間もかかる。当然、灯油は室内に置くわけないのでこの作業は全て極寒の屋外でやらなければいけない。あげく、ポンプを缶から抜く時にほぼ確実に手に灯油が付く。これが石けんでこすってもお湯で洗ってもなかなか匂いが取れない。もう、灯油を入れるのはうんざりだ。私は幼少期、兄と2人部屋で生活していたのだが、ヒーターは2つに分けられた部屋の俺のテリトリーに置かれていた。もう、生まれながらにして「灯油を入れるのは弟の仕事だから」と決定づけられていたのだ。今にして思えば本当にクソみたいな設定だ。とにかく、そんな風に灯油というのは兄弟にとって大きな大きな問題の1つなのだ。

 そして、松野家兄弟がこれを巡って争うとき、見事なまでの策謀と下衆の思惑が交錯する。冒頭、平凡な冬の居間のワンシーンかと思いきや、ここから戦いが始まっている。トド松は献身的におそ松にお茶を出している! さらに、十四松は既にこの時点で寝ている(あと、チョロ松が読んでる本は「自意識との付き合い方」っていうやたら分厚い本。横書きのくせに開きが和書っていう謎の本だ)。第1ラウンド、こたつ争奪戦ではカラ松が一歩出遅れる。横入りしようとした時の他の4人の真顔が怖い。しかし立場の弱いカラ松も末っ子トド松相手には何とか兄の権利を行使出来るようで、こたつに5人が無理矢理入ったところで第2ラウンドに移行。

 互いに声に出さずに牽制し合う5人だが、真っ先にやり玉に挙げられるのは(当然)カラ松。しかしこれには理由があり、なんと「昨日も一昨日も俺が行ったんだ!」とのこと。つまり、残りの連中は「とりあえず灯油は一番クソなカラ松に入れさせればいい」と思っていたわけだ。実際、6人の中で最も心優しいカラ松は昨日まではその立場に甘んじていたようだが、流石に3日連続はおかしいと気付いた。どうやら今晩ばかりは鉄の意志で動かない。それにしても、ファンヒーターの灯油を毎日補充しなきゃいけないってことは、当然家から出ないニートは毎日毎日つけっぱなしにしてるってことなんだよな。……光熱費、馬鹿にならないよ……親御さんも大変だ(今更)。

 予定が狂った残り4人は、「寝ている」十四松を除外しての押し付け合い。ここで一松、先行逃げ切りの「寝たふり」。十四松の後を追う形になるのは仲の良い一松ならではの作戦だ。ここに外道神おそ松からのバーニングこよりアタックが炸裂するも、鉄の意志で守り抜く一松。そしてここでおそ松に尿意。策士トッティの先見の明がここで活きる。トド松と感性の近いチョロ松はいち早くこの状況に気付く……が、ここで突然おそ松らと協力しての末っ子いじめにシフト。ようやくここに来て一番シンプルな手段、「暴力」に出る。末っ子という立場の弱さを見せつけられて劣勢のトド松。そして、追い詰められたことで「6人で最も危険な男」が牙をむく。死なばもろともの換気アタック。これによって状況は最悪の持久戦に持ち込まれるかと思ったが、ここで最悪よりも最悪の展開、寝ていたと思われた十四松が寒さのために化けの皮を剥がされ、驚異の「寝たふり」が発覚する。そうだ、いつだってこの六つ子のトラブルにはこの男がいたのだ。

 この異常事態、処理が追いつかない5人に、十四松が追い討ちをかける。「灯油が切れている」という発言をわざわざ口にすることで戦況を一気にクライマックスへ。ついでに温かいスープで自分だけ逃走する奇行は流石の十四松。相も変わらず振り回される5人は、このまま放心状態で幕を下ろすものかと思われたが、十四松の最後の一撃は、「チョロ松名指し」というあまりにも危険な一手だった。もう、彼の思考が全く読めない。彼がチョロ松をどう見ているかも読めない。そして、これで決着するということは、やっぱりこの世界は十四松を中心に回ってるってことだよな……。敗者チョロ松。決まり手「十四松が怖い」。

 今回のまとめ。「カラ松優しい」「トド松ヤバい」「十四松もっとヤバい」。

 いつも通りですね。

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 芳忠さん、秀勝さん、そしてくぎゅぅというとんでもないアフレコ現場、第22話。先週が銀さん、今週が神楽ってことは、来週ぱ新八登場待った無しやで。

 Aパート、「希望の星、トド松」。ホントにオーディションが大好きな家族やな。まぁ、どっちのオーディションも中身は最低なわけだけども……。やっぱり改めて見るとトド松のリア充(未遂)設定って六つ子の中でもかなり特殊なんだよなぁ。基本的に駄目なところは他の5人と一緒のはずなのだが、世渡り上手なおかげでそれなりに外部とのコミュニケーションは取れている。ただ、この状況だけを見て「トド松が優秀」と思ってはいけないんだな。今回の血で血を洗う死闘を見れば一目瞭然だが、「他が駄目過ぎる」だけなんだ。持ち前の童貞力でがっつく勢いだけは6人とも負けず劣らずなのだが、そうしたリビドーの放出方法がみんなトチ狂ってるわけでね。トド松も多少の不都合には目をつぶって普通丸君を連れて行けば良かったのになぁ……。なんでアツシにしてしまったんだろう。

 外部に助っ人を求められず、かといって内部にも当然求められないが……内部の方は熱烈に求めていたために、久しぶりに開催されることになった松野家名物オーディション企画。しかし、今回は審査側にトド松が回り、5対1の対決になった。六つ子で残り5人と対等に戦えるのって、トド松か十四松くらいだよな。「澄んだ眼」とか、確実に持ってちゃいけない武器を振りかざす強者トド松。そんなトド松を前に開催される金魚の糞の背比べだ。トップバッターは一松。あれ? ひょっとしてコイツの方がよっぽどクソ松なのでは……。なんでこいつ、この性格で合コン行きたがるんだよ。「俺には俺のペースが……」のところの一松とか、本当に全力でぶん殴りたいくらいムカつくな。なお、オーディションのカチンコならしてるのはカラ松と一松の2人。なんか自然にサポートに回ってるこの2人の立ち位置ってナチュラルに不幸な気もする。

 2番手、モラルハザードの魔物、おそ松。ある意味腐女子は望んでいる(??)展開、おそ×トド。いやぁ、でもいくらオーディションの仮想設定とはいえ、実の弟に襲い掛かるおそ松ってどうなのよ……本能に素直……なの? 3番手、カラ(クソ)松。まぁ、いつも通り。いや、でもこいつも「ひょっとしたら合コンのテンションに噛み合う」可能性も……無いかなぁ。遠巻きに見てる分には面白いかもよ。残念ながらトッティのお眼鏡にはかなわず、いつぞやダヨーンが使っていた謎のスイッチで地下送り。その後生コンで埋め立ててたのはチョロ松と一松。結構色んな資格持ってるよな、こいつら。4番手、チョロ松。相変わらずのライジングっぷりが惚れ惚れする。「そうやってライジングしてろ!」の一言が全てを物語っている。こいつも殴りたい度数高いなぁ。そしてラストは十四松………………おさまんないかぁ。正直、血の繋がった兄弟のソレはあまり見たくないなぁ……。結局合コンの神様の神託に従ってアツシ君を連れて行った何も無し男。こいつ、前回の麻雀の時もチキンっぷりを存分に発揮してたし、本番にクソ弱いんだよなぁ。こんな奴がわざわざオリジナルソングまで作られて希望の星扱いされる六つ子って……。あの挿入歌、いつの日かカラオケで歌えるようになるんでしょうかね。

 Bパート、「ファイナルシェー」。秀勝さんと釘宮理恵がゲストの贅沢エピソード。「中華娘」っていうだけでくぎゅを呼んできたのは間違いないですよね、藤田監督。エピソードとしては分かりやすい不条理が旧作おそ松くんに近いテイストにも見える。イヤミが主役だからそういうテイストに寄せたのかも。よく分からんことをやりに異国まで飛ぶあたり、なんかヒュペリオンに近いものも感じるな。最後の最後まで不条理で終わるお話だが、例えば十四松がどさくさに紛れて出場しようとしてたり(学園松のときにも身につけてた最強武装だ)、「脇締めてー! ボールよく見てー!」とか、不条理の上にも重ねられる不条理が優秀。そしてギリギリのピンチで訪れるダヨーンと、かつて熱心に公園で練習を重ねていた、あのアレ。…………伏線回収? なのか? もう、何を突っ込んでいいかは分からないよ。

 < 終 劇 >

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 「可愛い声優を追いかけて、一生を終えたいです!」第21話。ライジングシコースキーの言葉は魂に響くなぁ。

 これまでパチンコ・競馬といったギャンブルにばかり入れ込んできた六つ子が、ついに兄弟で対決することになる。今まで一切触れてこなかったことが不思議なくらいの舞台設定、麻雀。やっぱり麻雀はクソニートに欠かせないツールであるな。松野家の雀牌はなんと完全オリジナルのステキ仕様になっており、ソーズがおでん、ピンズは全てに松マークが入っているという凝ったデザイン。さらにイーソウは鳥の代わりにエスパーニャンコが彫り込まれており、14枚集める「十四松」というオリジナル役まで存在する(?!)。これ、ちゃんとした筋から商品化したら結構売れそうな商品だけど、どっかの企業が動かないもんですかね。腐女子の皆さんに麻雀を売り込もう。

 激しい雨の中の薄暗い闘牌シーンは、深夜の麻雀アニメの火付け役である「アカギ」の分かりやすいパロディ。福本漫画を基盤に「哭きの竜」なんかも姿を見せていたお話だが、当然、六つ子のやることなので最強雀士決定戦なんかにはならない。全員が全員、分かりやすい欠点を抱えたヘボ麻雀。それぞれまとめておくと、棒テン即リーのみのノーガード麻雀、「オーラス知らずのおそ松」。最速最強の鳴き麻雀のくせに、下りるときにはひたすらチキンという矛盾だらけの阿呆、「ベタオリの貴公子、トド松」。完全デジタルで流れやツキ一切信じない、徹底理論派麻雀のくせに、嘘がつけない性格のせいで待ちが丸わかり、「ノーリターンなオープンリーチ、チョロ松」。オカルト上等、突然のあがりから絶対時間に突入する流れの帝王ながら、チョンボ率も大幅アップ、「フリテンの暴君、十四松」。異様な麻雀、速さも打点も全く読めないが、それって単に弱いだけなので機嫌が悪くなってしまう、「卓がえしの一松」。ひたすらに役満オンリー、あがれるわけない「不和了のファンタジスタ、カラ松」。よくもまぁ、揃いも揃ったりのヘボ6人である。

 こうしてみるとおそ松、カラ松、十四松、一松なんかは分かりやすい。おそ松は基本的にイケイケで都合の悪いことは考えないタイプだし、カラ松は麻雀漫画なんかでハマってしまい、効率無視で格好だけつけるタイプ。十四松も普段の生活通りに注意力が散漫なだけだし、一松も「陰キャラを気取ってる割に普通に駄目なだけ」という分かりやすい打ち手(ただ、十四松は突如ロジカルに場況を読む覚醒モードもある)。それらに比べると、普段から突っ込み役にまわる2人は一見すると強そうだ。どちらも理論派を気取っており、ドライだったりライジングだったりするのは麻雀に強そうなのだが……勝負事だとメンタル弱いのかよ……トド松なんて普段あれだけ面の皮が厚いんだから、勝負事もしれっと戦えそうなもんだが、普段から危ない橋を渡らない生活をしている人間なので、ちょっとしたリスクでもとにかく避けたがるんだろうなぁ。そのくせに手牌を短くして防御をおろそかにするあたりは単に向いてないのか。チョロ松までいくと既に芸術。いくら「手牌が透ける」といっても、なんで四七ピンとか一点読みで顔に出せるんだよ。いや、案外素人の時点って待ちが分からないから口の中でぼそぼそと「スーチーピン、スーチーピン来い」とかつぶやいてたりするもんだけどさ。結局、ステージが変わっても駄目なもんは駄目っていうだけなのね。

 オチは「おそ松が突然ゾーンに入っちゃったから他の5人がなあなあにしてうやむや」オチ。そうなんだよなぁ、麻雀って最低でも4人のゲームだから、1人で独走すると完全に冷めちゃう3人が連帯してグダグダになることがあるんだよなぁ。いや、普通はあそこまでひどくならないけども。しかし、あの家には百点棒がどんだけあるんだろうな。ちなみにその他の要素としては、カラ松のナレーションが非常に聞きやすくて助かる、ってのが1つ。まぁ、当たり前なんだけどさ。カラ松さんは六つ子の中では一番の常識人(??)なので、こういうサポートの仕事に回ってくれると信頼感があってありがたいです。あと、そんなカラ松が冒頭で読んでいたスポーツ新聞には、チョロ松が応援しているアイドル「橋本にゃ〜」について「熱愛発覚?!」という記事が載っている。まぁ、Bパートでチョロ松が変わらず応援してたみたいだからトバシだった可能性も高いが。

 というわけでBパート、「神松」。ついにあらわれた、六つ子の追加キャラ神松、あと悪松(ご丁寧にキャストクレジットは神松だけ白い文字、悪松は黒い文字で記載されている)。ただでさえ画面がうるさい六つ子アニメなのに、さらにもう1キャラ追加してしまうという無茶だが、それでも何となく「来るんじゃないか」と思われていた話でもある。六つ子の善を全て吸い上げてあらわれた神松は単なる良い奴。さらに超人的な能力までを持ち、六つ子を徹底的にコンプレックスのドツボにたたき落とすという悪魔である。いや、そんなんで苛まれる六つ子の方に全面的に責任があるに決まってるのだが、しょうがないんだ。もう、こればかりは。神松を称える両親の台詞は1つ1つが俺みたいな人間にもダイレクトに刺さるから辞めろ。マジで辞めろ。でもまぁ、まっっっっっっっっっっっっっっっっっっっったく働きたくないよね。

 Bパート開始時から実はこっそり湯船に紛れ込んでいた神松。その存在に最初に気付いたのは、おそらくそっち方向とのチャンネルが広いと思われる十四松(単にポジショニングの問題かもしれないけど)。いや、流石に。流石にぃ! まー、その後の展開は非常に分かりやすいものだったので特に突っ込みどころもないのだが、六つ子が持ち寄った殺害手段がそれぞれに個性を持っていたのは相変わらずだ。カラ松のマシンガンは……本物なんでしょうかね。一松の腹マイトは本物な気がする……。こういうシチュエーションでも一切自分の手を汚さずに脇でガヤに徹しているチョロ松は、前回の「イヤミの学校」の教訓を全く活かす気がないんだよな……。

 そして、なんか変なタイミングでCM挟んできたなー、と思ったら、突然のエンディング。脚本家、面倒になって投げてないか? いや、むしろこの投げ方こそがおそ松か。ネタとして見過ごせないのは、六つ子パワーの集合体、悪松のCVが満を持しての杉田だったことだろうか。杉田まで揃ってしまっては、もう完全に収録現場が単なる遊び場だ。ちなみに神松はCV野島・弟。充実してんなー。

 なお、今週のエンディングは完全にブリタニアの王子。

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 エンディングはもう、カラ松っつうかよくあるイケメン中村キャラそのまんまやないか、第20話。こうしてみると一番やりやすそうなのってカラ松だな。まぁ、やってる本人が楽しいかどうかは微妙なところだけど。

 今週はあんまり刺さる話ではなかったな。やっぱり六つ子がそれぞれの個性を突出させて暴れる話が一番面白いので、脇キャラに回してしまうと攻撃力は低下する。そして今回メインだった「イヤミの学校」はちょっと理屈が過ぎていて、オチも弱い。……ほら、こうしてなんかえらそうなこと書くと全部滑って見えるのもあのお話の悪いところだ。も〜。

 1本目、「教えてハタ坊」。ものすごく久しぶりにハタ坊メイン回ながら、たった1つの要素だけで引っ張る、今作に多い「執拗な天丼」展開。最初の1回は面白いんだけど、みたいなやつ。ただ、今回は六つ子それぞれがどのようにセッティングされているかで多少のバリエーションはあり、個人的には「あんだけ好き勝手やってるのにまだトド松はカラ松と一緒に釣りに来てくれるのかよ」っていうのが印象深い。あの釣り堀が出てきただけでちょっと笑えるのは、カラ松先生のおかげやで。一松&十四松のコンビについてはもう放っておくしかないが、十四松の犬モードって、いわゆる「よつんばい」の状態ではないんだよね。人間が四つ足になろうとするとどうしたって後ろ足(つまり人間の足)が「膝立ち」になるわけだが、そうではなくて完全に犬と同じ形状になっている。あの着ぐるみの中で十四松は一体どんな格好をしているというのだろうか。そしておそ松だけがやたらと豪華な場所に引きずり回されている謎のシチュエーション。最終的には六つ子全員が「それっぽいところ」に招待されるわけだが……ハタ坊と友人関係ってのも考えものですな。まぁ、友人でなければもっとひどいことが……。

 2本目、「スクール松」。スクール要素は皆無のヤンキーコント。これを見れば分かるが、大体において六つ子でネタを組むと「トド松 or チョロ松で導入」「カラ松でひとネタ」「おそ松で膨らませ」「一松でオチ」「さらに十四松でとどめ」というのがお約束。今回はその中でおそ松・カラ松パートがちょっと長すぎたので中だるみ感が。十四松もコワレ過ぎて何が何だか分からなくなっちゃってるしな。ただ、個人的にはカラ松(の中の人)の「やりなれてる感」は好き。カラ松+ヤンキーがやたらはまっているおかげで、その後に出てくるおそ松の「声が甲高すぎる問題」が引き立つ。そりゃおそ松の中の人だってヤンキーくらい軽々とやれるだろうが、おそ松ヤンキーは格好良くなっちゃ駄目だからな。おそ松さんの畳みかける圧倒的ニートラッシュ、やめろ、その攻撃は俺に効く。別に、おごり目当てで友達呼び出したりはしないよぉ。だって友達いないし……(なお、後輩なら平気で呼び出してしかも驕らせる模様)。

 3本目、「イヤミの学校」。チビ太って、おでん屋やってればある程度の安定収入はあるはずなのに何故かこういうグレーな世界に足を突っ込むよな。まぁ、このパートはチビ太と六つ子も面識が無い設定になっていたし、一種のパラレル(というかシチュエーションコント)なのであんまり関係無いんだろうけども。非常にデリケートな「お笑いとはなんぞ」という問題を、まさかの「今最も売れてるギャグアニメ」が切り込んでしまったという問題作。お笑いにも主義信条や理論理屈はあるのだろうし、提供する側はそうしたものを持っていて然るべきなのだろうが、それって観てる側に垂れ流しちゃった時点でもう駄目なんだよな。今の世の中はテレビなどのメディアの「業界人」と、マスメディアを享受する側の消費者の間の隔たりが薄くなっているのは大きな問題なんじゃないかと思う。本来見せなくていい舞台裏まで見えてしまうし、それを見てちょっとかじった程度の素人が「知ってる気」になってしまうし。「知ってる気」の問題については作中でもイヤミ先生が全身全霊で訴えていたわけだが、流石にそれをネタにされても笑えるところまでは来てないなぁ。なんか、ネタだってことは分かっていても痛々しかった。最初におそ松を「つまらないとかいうと教養の無さが露呈するぞ」とか論破する図も惨めだしなぁ。ま、他の5つについてはおおむね同意だけども……そうそう、十四松については「なまじ本物っぽいから駄目」ってちゃんと十四松のキャラに即して駄目出ししてたのは良かったかも。非常にレアな、「十四松が正面から圧倒されるシーン」である。やっぱりこうしてみると一松と十四松の方向性は被っているので処理が難しいな。十四松の場合は「一生地下劇場で自主演芸やってるモグラ芸人」でも気にならなそうだしなぁ。それにしてもライジングシコースキーはマジでうざい。

 オチ、六つ子たち、声優学校へ行く。「なんかこれなら出来そー」。そりゃ出来るだろうよ。てっぺん取れるだろうよ。ありがとうトト子、君のおかげで若い声優たちの仕事が潰されずにすんだよ。

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 上田という姓の声優は1作品で10役以上の兼ね役をする宿命にでもあるのか、第19話。探せばうえだゆうじも似たようなことやってそう。

 今回は全体で見れば軽めのネタが多いのでそこまで刺さらない話。かっこ最後を除くかっことじる。

 1本目、「しどう、聖澤庄之助さん」。すげぇ! ちゃんとやるんだ! …………ちゃんとやれよ! あそこでネタに限界って、考える気無いやろ! いや、誰がどう見ても一切ニーズが無いから頑張る意味は無いんだけども。聖沢庄之助はCV上田燿司で確定。一体いくつの兼ね役なのやら。まぁ、わざわざゲストで呼んでくる意味は全く無いからしょうがない。

 2本目、時代劇おそ松さん。ギャグアニメではお約束の時代劇スピンオフ(?)だが、単に配役がそれっぽいオムニバスという、あまりこの世界である意味は無いお話が多かったか。グラサン風来坊みたいな理不尽さは嫌いじゃないけど。今回カラ松の活躍ここだけやん。あと、トド松は歳を取った状態の風貌でも何となくトド松のままで、性格も違和感ないのは良いところ。なんで爆発したんだろ。一松のあれは……おののイチ子なんでしょうかね。円盤屋敷は単にトッティフェイスがやりたかっただけなのでは。

 3本目、一体何度あらわれるのか、「じょし松さん」。しかも性転換だけでも面倒くせぇのに、さらに時代まで重ねて全員ババアという、一体誰が得をするのかさっぱり分からない一本。とりあえず、十四子はその歳でその格好なのはマジ勘弁してくれ。全員男運がないのは分かったが、あそこまで際だった地雷を6人全員が見つけてこられるとなると、逆に才能なんじゃなかろうか。

 4本目、今回のメイン、「チョロ松ライジング」。史上初の自意識可視化アニメ。自意識ライジング、ライジングシコースキーなどの数々の名言が飛び出し(相変わらず絶望的なものに名前をつけるのは上手いおそ松)、これまで他の兄弟の陰に隠れていたチョロ松という最終兵器を見事なまでに爆散させる結果となった。ここで用意された突っ込み役がトド松というのはなかなか業の深いセッティングだ。いや、残りの3人はまともに突っ込み出来ないだろうからしょうがないんだけど(特にカラ松はチョロ松の提案でも優しく受け入れてくれそうだし)。これまで何度か独自の「自意識の高さ」を見せつけてきたチョロ松。かつて職安に履歴書を出した時にもその片鱗は窺えた。今回はそれが大爆発した結果、トド松があそこまでキレてしまったわけだが、まぁ、一種の「同病」に近いものはあるはずなんだよな。物事を上から見てるっていう意味ではトド松だって六つ子の中では同種なわけだし。しかし、決定的に違うのは、その目線の特異さ、有利不利といった部分を、客観的に理解出来るか否か。

 トド松も充分なモンスターであり、彼は自分の「ドライさ」については無自覚である。そのことは14話の「ライン」の話で明らかになった。しかし、彼は自分が他の兄弟と異なった目線を持っていて、それが世間に適合する上での武器であることを理解している。末っ子として手に入れた「世渡りの巧さ」は彼の腹黒さに直結し、兄弟以外の人間に対しては、臨機応変に外面を使い分けることで最大限の利益を得ることが出来る。その狡猾さがあってこその「上から」である。しかしチョロ松は違う。彼は純粋に、自分の意識の高さは尊いものであると信じ、他の兄弟も自分のようにあるべきだと考えている。そして、その意識の高さは世間では評価の高いもので、「自分で考えた」成長戦略が、効果的で有意義な、そして何より「自分だけのオリジナル」であると考えている。そこが恐ろしい。「身の丈を知っている自分」と、「そんな自分が全てを分かっているつもりの世間」。その世界の中でのみ生きているチョロ松は、何よりも現実を利用しているトド松や、現実の厳しさから目を伏せて既に隔絶することに成功しているおそ松には何よりも異質なものに見えるだろう。その自意識のライジングは、2人には絶対許されないことなのだ。具体的には、おそ松にとって、自意識は磨くものではないし掲げるものではない。「身の丈」に合わせてこっそりしまって、他人の作った流れに迎合することが正義だ。トド松はおそ松と違い、自意識を磨き上げることに関してはチョロ松にも負けないのだが、彼は決してそれを手放してはいけないことを知っている.あくまで自分のコントロール下に置き続け、人からどのように見えるか、常に意識して最良の見せ方を模索し続ける。放り出して人の目につく往来で輝かせるなど、言語道断である。そんな絶対のタブーを平気でやってのける男、それが、チョロ松なのである。

 これでついに、六つ子の「6つの闇」がほぼ完成したような気がする(こうしてみると一番薄いのが一松なのか)。今回はエンディングもチョロ松で締めたおかげで前半パートの記憶を消し飛ばして完全にチョロ松まつり。このエッジも今作の恐ろしい武器だよなぁ。なお、このチョロ松が脅威の火力を誇る最大の理由は、やっぱり声のせいだ。エンディングの台詞、怖すぎるくらいに説得力が……アジアナンバーワンは伊達じゃないよ。

 なお、他の兄弟の自意識も確認しておくと、一松は実は割と大きめ。他の兄弟との一番の違いは、そこに誰の目にも明らかな大きな傷がついていること。彼は一体どんな人生を歩んできたのやら。そんな大きめの自意識を、誰にも見られぬよう、自分でも見えないように、土の中に埋めて一切を消してしまうのが一松のスタイル。カラ松の自意識は、手に取りやすい、ほどよい大きさ。彼の自意識も磨きに磨いてぴっかぴか。そしてトド松との最大の違いは、それが回りから見てもスケスケで一切隠し立てされていないところだ。この分かりやすさ、流石だよカラ松兄さん。おおっぴらに自意識を見せびらかす彼は、誰にも伝えず、積極的にフリーハグを実行するのです。おそ松のちっぽけな自意識は、有っても無くてもいい、本人にとってもどうでもいいもの。ナンパなんて速攻で攻め込んでボロボロになっても平気。だって、ゴミのような自分を知っているから。十四松は……………………観てごらん、自意識が、君のような顔をしてこっちを見ているよ。やっぱりあいつホラーだよ。

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