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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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<アニメソング部門>

 毎年、声優部門の次くらいに悩んでいるのがこの部門。今年も候補作多めで一気に行きたいと思います。

 まず、楽曲として今年度一番最初に惹かれたのは、「恋の道程」(30歳の保健体育)である。kanon×kanonは去年の「屍鬼」でも印象的な楽曲を作ってくれていたが、今作は作品の珍妙なテーマ性を表現しつつも、ボーカルkanonの持つ長所をずずいと引き出したメロディが素敵。間奏でチェロの音が響くのもオリジナリティが活かされていて好印象だ。また、4月にぶっ飛んだ歌で心をわしづかみにした曲といえば「魂メラめら一兆℃」(Dororonえん魔くんメ〜ラめら)がある。遠藤正明によるシンプルな「燃えソング」なわけだが、シャウトもキまってインパクト充分な楽曲に仕上がった。

 アニソンシンガーとして安定感のある活躍を見せる面々なら、たとえば「Brain Diver」(ファイ・ブレイン)のMay’nや「Blood teller」(未来日記)の飛蘭あたりは外せないだろう。飛蘭はともに楽曲を担当した妖精帝國とあわせて、作品のカラーをがっちり決める大きな役割を果たした。作品世界とのリンクやハードな歌唱の妙味で言えば、新進気鋭の愛美が歌う「LIVE for LIFE〜狼たちの夜〜」(ベン・トー)も見事。馬鹿馬鹿しい世界観を覆い隠すハードなイメージは、素直に格好いいと思える名曲。また、声優歌唱部門も今年も元気で、個人的に推しておきたいのは「Fly Away」(マケン姫っ!)の富樫美鈴あたり。もちろん「HIGH POWERED」(侵略!?イカ娘。)のスフィアや「私のキ・モ・チ」(僕は友達が少ない)の井上麻里奈といった定番の安定感も格別。そういえば「SHOOT!」(ロウきゅーぶ!)なんて曲もありましたね。そして最後に滑り込んだ中毒曲というと「白金ディスコ」(偽物語)です。はぁどっこい。

 話題性、中毒性では「オリオンをなぞる」(TIGER&BUNNY)も春先の話題をさらった。イカした曲にあわせてかっとぶ「牛角」のロゴに度肝を抜かれた視聴者も多いことだろう。歌自体で度肝を抜いた曲なら「陽炎-kagerou-」(戦国乙女〜桃色パラドックス〜)もある。日本各地でハカナクテウツクシい被害者が出たのも記憶に新しいだろう。電波ソングと呼ばれるジャンルなら、「ゆりゆららららゆるゆり大事件」(ゆるゆり)も忘れてはいけない。萌え・電波ソングの正当後継として、安心のレーベルである。近しいかっとび電波ソングでは、未だ傷も癒えぬわさわさ患者を抱える「キルミーのベイベー!」(キルミーベイベー)も後世まで愛されそうな問題作。みんな困ったら「あんだとドーン!」

 続いて、楽曲もさることながら映像面で見せてくれたパターン。映像作家としては既にお家芸とまでいえる繊細な画作りが印象的な梅津泰臣の手による「Spiral」(BLOOD-C)は、テーマである「血」の映像美を実に艶やかに見せてくれた秀作。フランス語混じりの訳の分からない曲調も相まって、今世紀最大の茶番劇と呼ばれた本編のやるせないイメージを拡大させた。また、映像の見事さでは他の追随を許さないスタジオ、P.A.WORKSの手による映像が美麗な「面影ワープ」(花咲くいろは)も印象深い。オープンエンドのような「イメージ映像」の部門になるとP.A.の持つ描画力が図抜けており、四季の彩りを感じさせる湯乃鷺の景観が鮮やかに描かれた。また、この部門の問題作としては、「マトリョーシカ」(C)をあげておきたい。「経済ゲーム」というコンセプトを中村健治風に描出した唯一無二の画面は、見るべきポイントが多くて飽きずに見返すことが出来るだろう。

 さて、これ以降が今年真剣にベスト3入りを悩んだ枠になる(最初からそこだけ書けば短くてすむんだけど)。まず、昨年もピックアップした要素として、前山田健一というアーティストがいる。最近はくどい露出のせいでよく思っていない層も少なからずいるみたいだが、やはり彼の音楽性はしっかりした基盤に裏打ちされたものだと思う。シンガーとしてデビューした「日常」オープニング2作は、京アニの見事なアニメーションとも相まって強烈な印象を残した。個人的にはテンポの良さと映像の賑やかさは「ヒャダインのじょーじょーゆーじょー」がお気に入り。また、曲の提供ではももいろクローバーの歌唱による「猛烈宇宙交響曲・第七楽章『無限の愛』」(モーレツ宇宙海賊)が見事。フル音源を大音量で流したときに、音の組み立てが実にソリッドであることが分かり、確かにこれは「交響曲」だということが理解出来る。それを親しみやすいアイドルソング、アニメソングの領域に軽々と導入してしまう胆の太さは大したものだ。

 総合技術といえば、同じ出身の神前暁も忘れてはいけない。つまり今年で言えば「READY!!」(IDOL M@ASTER)ということになる。正統派アイドルソングとしての立ち位置はもちろんだが、アイマスの場合は愛情溢れる映像の躍動感も、曲に彩りを添えてくれている。そして、アニメ業界で「作曲家」といえば、当然菅野よう子の名前が出てくるわけだ。「君の神話〜アクエリオン第2章」(アクエリオンEVOL)は、1期であれだけの話題を呼んだ「創世のアクエリオン」「Go Tight!」というビッグタイトルの後だというのに、一切気後れすることのない堂々とした楽曲に仕上がっている。本当に怪物じみたクリエイティビティである。

 異彩を放つ才能という意味では、最近はやくしまるえつこの活躍もめざましい。作品世界の奇妙な味わいとの絶妙なリンクを構築した「少年よ我に帰れ」(輪るピングドラム)は、彼女の持つ超然とした魅力が見事に作品世界とかみ合った一作といえるだろう。そして、唯一無二の方向性というなら、やはり私がアニソンを語る上ではULTRA-PRISMが外せない。声優ソングとしても素敵な賑やかさ、荒々しさが印象的な「るーるぶっくを忘れちゃえ」(そふてにっ!)は、誰が見なくとも、私は大切にしていきたい存在なのだ。オープニング映像が上坪監督というかみ合わせの妙も、巡ってきた運命だと思えば感慨深い。

 さて、恐ろしく前置きが長くなってしまったが、ようやくベスト3に到達出来るぞ。
 
 
第3位
‘05 「Canvas2」 ED  「NA NA IRO
‘06 「涼宮ハルヒの憂鬱」挿入歌 「God knows」「Lost my music
‘07 「Myself:Yourself」OP 「tears infection
‘08 「マクロスF」25話挿入歌 「娘々サービスメドレー」(ライオン)
‘09 「乃木坂春香の秘密ぴゅあれっつぁ♪」OP 「挑発Cherry Heart」
‘10 「みつどもえ増量中!」OP 「我が名は小学生
‘11 「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」ED 「secret base 〜君がくれたもの〜
 
 リバイバルソングをアニメに流用する、というのも最近は増えてきている手法かもしれない。「今日の5の2」が徹底してそのあたりを追求していたが、「らき☆すた」のエンディングもある意味その系列だろうし、もっと積極的にやった事例では「ダンスインザヴァンパイアバンド」のオープニングなんかもそう。「そらのおとしもの」のエンディング群も実に良い効果を発揮していた。音楽業界に停滞感が表れて久しく、あの頃の夢よもう一度、とばかりに音楽バブルが残っていた時代に助けを求めるのも致し方ない方向といえる。「名曲は色あせず」というのは事実だろうし、既に世代が一周してしまった後ならば、当時と同じように曲自体が新規の層を開拓し、懐古的な効果で当時の直撃世代にもヒットが望める。なるほど、セールスとしては実にまっとうな方向であろう。

 しかし、安易であるだけに、その扱いは慎重でなければならない。元の歌がすばらしければすばらしいほど、それを作り替えることにリスクも伴い、狙いが見えやすいだけに、易きに流れれば批判も増える。リバイバルソングは数多いが、一度目と同じような爆発的なヒットを飛ばせる事例などというものがなかなか見られないのはそうした理由もあるのだろう。

 そして、この「あの花」エンディングである。個人的には全く知らない存在といってしまって差し支えない、幻のガールズバンド、ZONEの大ヒット曲のリメイク。「ZONE」と言われても私は全然ぴんと来なくて、せいぜい「ハルヒがライブアライブで歌ったときにヤマカンが元ネタに使ったバンド」というくらいのゆがんだ認識なのだが、それでもこの曲はさすがに知っている。それくらいに有名な曲。メッセージ性が非常にストレートであるために、当時の思い出がある人間には完全に1対1対応でイメージが固着していると思われる。過去の「思い出」の図案が、「あの花」という作品のイメージにそのまま転用できることは、ある意味運命的な出会いだったのかもしれない。時代も、奇しくもあの曲から「10年後」であり、ここまでお膳立てがそろえば、それは単なるリメイク・カバーではなく、新たなイメージを創出する「新曲」としての存在感すら持つようになった。

 とにかく、すばらしいのは作品世界との親和性だろう。青臭い思い出、避けられなかったあの日、それを振り返るまだまだ青臭い自分たち。そうした歌詞の世界1つ1つが、まるで誂えたかのように「あの花」に重なっていく。作品が無ければこの曲は成立しなかっただろうし、この曲が無ければ作品が完結しなかったであろう。「あの花」自体に感じ入ってしまった人間にとっては、この曲自体にも特別な重みが生み出されるのは致し方ないところである。

 また、単なるリメイクとはいっても、その完成度はすべてにおいて高水準である。戸松・早見という若手声優きっての歌い手を配し、中心にはまだまだキャリアの浅い茅野が位置するわけだが、キャラを維持しつつも見事に歌いきった3人のスキルは見事なもの。作中での3人のキャラの関係性を思えば、この3人がそろって夏の思い出を歌い上げるシチュエーション自体が1つの物語である。そして、これを彩る長井監督の映像も心憎い。氏の得意とする白を基調とした淡い色彩のイメージ映像だが、「あの日」と「今」を行き来する3人のヒロインの映像がオーバーラップし、色彩に変化を持たせた「花」でカバーするデザインはまさにタイトルそのもの。サビに入るタイミングで一斉に咲き乱れる「花」のイメージが曲の盛り上がりと相まって涙を禁じ得ない。

 徹頭徹尾作り込まれた作品であるが、このエンディングテーマ1つをとっても、そのこだわりが伝わってくるだろう。
 

 
第2位
‘05 「ゾイドジェネシス」 2期ED 「ありのままでLovin’U
‘06 「武装錬金」       OP 「真赤な誓い
‘07 「ひぐらしのなく頃に解」OP 「奈落の花
‘08 「狂乱家族日記」OP 「超妻賢母宣言
‘09 「獣の奏者エリン」OP 「雫」
‘10 「けいおん!!」OP 「Utauyo!! MIRACLE
‘11 「神様ドォルズ」OP 「不完全燃焼
 
 今年度発表された楽曲の中で、最も衝撃だったのはこの曲だったような気がする。一度聞いたら耳から離れず、絶大なインパクトを残すのに、歌えと言われたら歌えない、こんな曲も、世の中にはあるということ。

 それなりに長いことアニメやアニソンを見聞きしてきたが、こと「音」についての私の原体験は、割とよく触れている気がするが「NOIR」なのである。音の監督として名高い真下耕一の代表作であり、さらに音楽に梶浦由記を起用し、オープニングにアリプロ、エンディングは新居昭乃である。あそこまで「聞くこと」を強要されるアニメもなかなか無いだろう。そして、そんな「真下+梶浦」のコンビネーションの延長線上には、当然See-Sawがあった。石川智晶との出会いである。梶浦が引っ張ってくる歌い手というのは本当に外れが無くて、南里侑香やFictionJunction、Kalafinaと、本当に力のある歌い手が揃う。しかし、やはり原体験のおかげなのか、梶浦といったら石川智晶というイメージが強い。私の中の彼女は、そうした経緯から特別な地位にある。

 そんな石川智晶が少しずつソロ活動を始め、自分色を強く出すようになってきた。その1つ目の到達点が、この曲だったんじゃないかという気がする。梶浦の持つオリエンタルな「梶浦節」とも違った、枠に捉えきれない「石川節」全開のどこか不安定な曲調は、そもそもが「神様ドォルズ」の匡平をイメージして書かれたものであるという(エンディングの「スイッチが入ったら」が詩緒の曲)。アニメとの親和性というのも大事なファクターであることは前述の通りだが、この曲についても、その部分は完璧と言っていいだろう。モザイクのようにちりばめられたオープニングのイメージ映像も、後藤圭二原画の安定した画で短時間のインパクトに富む。こうしたショートムービーは岸監督の得意分野だ。

 あとはもう、これをひたすら聞いて不安定になるだけの簡単なお仕事。まぁ、これ一曲で完全燃焼してしまうので、看板に偽りだらけなんですけどね。

 
 
 
第1位
‘05 「ぱにぽにだっしゅ」 OP群
    (「黄色いバカンス」「ルーレット☆ルーレット」「少女Q」)
‘06 「うたわれるもの」PS2版・アニメ最終話ED「キミガタメ」
‘07 「ぽてまよ」  OP 「片道きゃっちぼーる
‘08 「ひだまりスケッチ×365」 OP「?でわっしょい
‘09 「シャングリ・ラ」OP 「キミシニタモウコトナカレ」
‘10 「侵略! イカ娘」OP 「侵略ノススメ☆
‘11 「灼眼のシャナF」OP 「Light My Fire」
 
 色々と悩んだ結果、今年一番に持ってきたのはこの曲。3シーズンの長きにわたって制作され続けた「シャナ」という大作アニメのトリをつとめ、イメージを確固たるものとする旗印の役割を果たしたこの曲の存在意義というのは、そのまま歴史の重みと捉えてしまってもいいかもしれない。

 「シャナ」シリーズといえば本来ならば川田まみの方をピックアップするべきなのかもしれないが、彼女の場合は他のラノベでもちょいちょい名前が出てくるので、個人的には「電撃ラノベ歌手」というイメージなのです。盛り上がりを考えると、2期の後半でOPEDを担当していたKOTOKOの印象が強い。そして、今回そんな「看板」としてぶち上げられた曲が、実に見事な「顔」を持っているのだ。「アニソン」としての顔を。

 なんと言ってもアニソンに大事なのは親和性。口を酸っぱくして繰り返していることだが、なかなか今のご時世、そこまで徹底的に「アニメありき」のテーマソングというのも作りづらいもの。タイアップの必要はあるし、80年代のようにしつこくアニメのタイトルを繰り返してりゃ盛り上がるってもんでもない。それは分かった上で、やっぱりアニソンは「アニメのオリジナル」であってほしい。そんな悩ましい状態を見事な方法で突破してくれたのがこの曲なのだ。聞いて分かる通りに、この曲は完全に「灼眼のシャナ」のイメージから構築されている。作詞作曲はsupersellの手によるものだが、当然、その部分の意識はしっかりもっていただろう。「無に帰る現実」「己の存在」といったワードはシャナの世界観を表現したものだし、「Light My Fire」というタイトル自体も、トーチとしての人間の存在を表示している。なんと言っても「Shout Out」を強引に「シャナ」と読ませてしまう力業のサビ部分。これがちゃんと「叫べ!」というフレーズとかみ合っているってんだから面白い。雄叫びをあげる炎髪灼眼の様子が目に浮かぶようではないか。

 こうしてできあがった「アニメオリジナルのテーマソング」の存在感は、やはり今のご時世だからこそ際だっている。今期のシャナは全編が「戦争」であり、そのための行軍歌として響き渡る「Light My Fire」は、映像のまっとうな「アニメのオープニング」感とも相まって、在りし日のヒーローものアニメのような懐かしさすら感じさせる。様々な奇手妙手で新しいものを作り続けているアニメ業界だが、こういうオーソドックスな良さというのも、大事に守っていってほしいものだ。
 
 
 
<キャラクター部門・男性キャラ> 

 特定のキャラクターにスポットを当てて評する部門。野郎部門についてはそんなに興味が……と毎年言っているのだが、なんだかんだでそれなりにピックアップ出来るのは、やっぱりアニメってば男の子が頑張ってくれる作品は応援したくなるからですわ。

 私の場合、男性キャラについては基本的に「ヘタレ萌え」な属性が強く(単なる共感度の違いかもしれないけど)、過去の選出者を見てもそのあたりは何となく分かると思う。その流れで見ていくと、たとえば「やるときゃやるけど基本駄目親父」な鏑木虎鉄さんなんかはなかなかのキャラクター。タイバニという作品が見事に成功したのは、虎鉄のキャラクターが好印象だったことも大きいのではなかろうか。また、ヘタレ能力では他の追随をゆるさず、神域まで達した絶望的駄目キャラには、ゆきあつこと松雪集君もいる。必死に取り繕った優等生の顔と、どうしようもない精神的弱者としてのギャップが心底情けないのだが、ことが明るみに出た後の開き直った賢者タイムのあまりの清々しさに、逆に格好良さが増してしまうという謎のボーナスが発生した奇跡のキャラ。ゆきあつ視点から改めて「あの花」のドラマを描いたら、それはそれで面白そうな気もする。

 男も惚れる、どこかゆがんだ魅力を持つキャラクターというのも何人か見繕ってみよう。たとえば、最終的にはラスボスポジションに落ち着いたギモーブ店長こと七原文人さん。どこの誰が見ても怪しさ満点の笑顔の裏に、想像を超えた茶番劇の内情を秘めた愉快なキャラクター。アクターとしても逸材だったのだろうが、それ以上に白々しさがネタになるという、何とも変わった立ち位置のサブキャラ。また、少女漫画チックな世界で怪しげな男達が競演してみせた「輪るピングドラム」も、濃密な野郎キャラの世界だ。高倉兄弟や渡瀬医師などもじっとりと染みつくような描写が印象深いが、個人的には声の力もあってか、何故か多蕗さんの印象が強く残っている。声つながりだったら「Fate/Zero」のキャスター陣営も強烈だったなぁ。

 変態じみたラインナップついでに上げておくのは、2年前に一度ノミネートしている阿良々木暦君も清々しいまでのシスコンっぷりが見事であったし、シスコン度合いで言ったら「P4」からシスコン番長こと鳴上悠も大看板。妹思いの兄貴はそれだけで格好良く(?)みえるもんだ。神谷浩史と浪川大輔という絡みで出てくるのは、「アザゼルさん。」からベルゼブブさん。スカトロ鳥系紳士という謎の生物ながらも、神谷ボイスならネタとして完結するというのが何とも。悪魔軍団の中では個人的にべーやんが一番輝いていた気がしますね。そういや、さらなる変態といえば青鬼院蜻蛉なんてのもいますね。以上、悪のり部門。

 なんだかこのラインナップだと単に変態が愉快、というだけになってしまうので、最後のエントリーとしてまっとうな主人公属性の格好いい人たちもあげておこう。キャスター陣営を取り上げてみたが、格好良さではライダーさんが文句なし。そりゃセイバーもアーチャーも格好良くはあるのだが、ライダーの前だと威厳も詭弁もかすんでしまう。そして、ほんとうの意味で「主人公として格好いい」というと、今年度では「うさぎドロップ」より河地大吉さんということになるんじゃなかろうか。もし許される世があるならば、私もあんな立派な父親になってみたいものである。
 
 
第3位
‘05 「灼眼のシャナ」より「“蹂躙の爪牙”マルコシアス」
‘06 「コードギアス〜反逆のルルーシュ〜」より「ジェレミア・ゴッドバルト」
‘07 「CLANNAD」より「春原陽平」
‘08 「SOUL EATER」より「鬼神・阿修羅」
‘09 「亡念のザムド」より「寺岡フルイチ」
‘10 「会長はメイド様!」より「碓氷拓海」
‘11 「Steins;Gate」より「岡部倫太郎」

 このキャラクターの場合、作品の成功と密接に結びついているので単純にキャラとして切り離すのは難しいのだが、ここまで1人のキャラクターに比重が置かれた物語が上質のものに仕上がったということは、多分この鳳凰院凶真様がナイスガイだったからに違いない。

 本当に、最初に見た時にこんなに酷いやつはいないと思った。同じ制作会社の作品である「カオスヘッド」でも似たような方向性から引きこもりで対人コミュニケーションに障害を持つ主人公が登場したが、オカリンの場合も似たようなもんで、実際に周りを見たって絶対にいないような「ネットの中で生まれた架空のオタク」の体現者であり、その実普段から何しているかもさっぱり分からず、一切地に足がついていない「嘘くさい」キャラクター。秋葉原を舞台にした薄ら寒そうな舞台設定も相まって、「こりゃあんまり面白い要素がなさそうな作品だ」と思ってしまった記憶がある。しかし、それが2クールの時を経て、ここまでの「勇者」になってしまうというのだから驚きだ。冷静に見てみりゃたくさんの女の子に囲まれたあり得ないくらいのハーレム気質、リア充主人公に成り下がっているはずなのに、「まぁ、このオカリンなら仕方ないかなぁ」というだけの説得力はあるのだ。

 結局、彼がやったことはまっとうなラブロマンスであり、有史以来連綿と紡がれ続けた「人の死」をテーマにした悲哀譚で、タイムパラドクスを利用した「メロドラマ」である。そこに入ってきたのが妙なオタクであろうが、厳つい特殊部隊員であろうが、政府に狙われ続けるエージェントであろうが、最終的には「愛する女を守るための格好いい行動」に出るんだからナイスガイになるのは当たり前。それなら、より最後の姿とギャップが大きな厨二病の可哀想な男の子にしてあげた方が、お話も盛り上がるってもんである。オカリンは、そういう意味では本当に良くできた「主人公」であった。

 もちろん、番組感想のときにも書いたが、この岡部倫太郎というキャラクターが成立したことの功績の多くは、中の人である宮野真守に依っていると見ていいだろう。「嘘くささ」を消す方向ではなく、斜め上に向けてキャラとしての愛嬌にまで作り上げた手腕は実に見事なもの。やっぱり、彼に似合うの愛すべき小市民である。

 
 
第2位
‘05 「魔法少女リリカルなのはA’s」より「レヴァンティン」
‘06 「ネギま!?」より「モツ」
‘07 「天元突破グレンラガン」より「ロシウ」
‘08 「コードギアス 反逆のルルーシュR2」よりルルーシュ・ヴィ・ブリタニア
‘09 「化物語」より「阿良々木暦」
‘10 「四畳半神話大系」より「私」
‘11 「逆境無頼カイジ破戒録篇」より「班長大槻」
 
 はい、ほぼ1年前の5月に書いた記事の約束を守りに来ました。やっぱり、この人無しで今年のアニメは終われないでしょう。完璧なる小悪党、絶対的胡散臭さ。カイジにとっては最初の強敵、視聴者にとっては最初の萌えキャラ、それがこの、班長大槻。

 彼の魅力は、カイジの敵キャラの中でも最も近しさが感じられる「しょうもなさ」である。過去に対決した船井や北見も、エスポワールに乗っている時点で結構な小物なわけだが、さすがに地下にたたき落とされた人間はなかなかいない。そして、そんな「地下世界」という駄目人間の巣窟でも、やはり上下関係が出来るんですよ、というのがあの場所なのだ。利根川のような強さも、一条のようなこざかしさもどこか違う、負け組だからこそ出来る、姑息でみみっちい手練手管。それを恥ずかしげもなく「秘策」に仕立て上げ、自分なりの幸せを追い求める「小物の王様」。そんなあり得ないキャラクターが、このアニメでは原作以上の「おいしさ」で完全再現。既に各話感想で書いたが、演出の勝利、中の人の勝利。もう、あれだけのことをやっていたというのに、視聴後にはいとおしさしか残らない。身の丈にあった強さ、ずるさ、イヤらしさ。カイジ史上最も強かった敵は、ひょっとしたらこの大槻だったのかもしれない。

 
 
第1位
‘05 「アカギ」より「浦部」
‘06 「うたわれるもの」より「ハウエンクア」
‘07 「大江戸ロケット」より「赤井西之介」
‘08 「仮面のメイドガイ」より「コガラシ」
‘09 「花咲ける青少年」より「クインザ・ハフェズ」
‘10 「魔法少女まどか☆マギカ」より「キュゥべえ」
‘11 「へうげもの」より「千利休」
 
 本来なら班長大槻が1位になるはずだった1年前の予測。しかし、小物を吹き飛ばす化け物というのもいるものなのです。「へうげもの」は千利休という歴史上の化け物の生涯を描いた作品であり、その作品があそこまでのものに仕上がったということは、やはりこの男がとんでもないキャラクターだったということである。最終話のターミネーターっぷりは記憶に新しいが、ただ1点自らの数寄のためにあらゆるものを犠牲にし、他人はもとより自らをも不幸にたたき込む執念には鬼気迫るものがあった。織部との関係性、秀吉との関係性、そして光秀との関係性。彼が望んでいたのはたった1つの真理なれど、そこにたどり着くために迷い、悩み、嘆くその姿は、化け物とはいえどこまでも人間臭く、これこそが人の持つ業なのだ、ということを痛切に感じさせる。主役であり、最大の敵であり、最大の謎でありながら、その実最終的には最も愛すべき「人」なのだ。涙無しでは見られない彼の壮絶な人生に、今一度賛辞の言葉を贈りたい。


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関西在住の、アニメを見ることを生業にしてるニート。必死で好きな声優を12人まで絞ったら以下のようになった。
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