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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 重いよ辛いよ第7話。しかも次回予告を見る限りだとこの流れは次回も続きそうだよ。この鬱々とした気分をどこにぶつければいいものか。

 そりゃそうなるのは当然のことなんだ。精神操作系の能力でトラブルが起こり、自分の意志がままならないままで事態が望まざる方向に転がるだけなのだから、いいニュースなんて飛び込んでくるはずがない。冒頭では伊織や太一が多少「無難な」欲望解放を経験することで「そこまで大きな問題じゃないかな?」と思わせておいて、そこから繋がる新たな事件は、どんどん深刻になるものばかり。人間関係というものが、いかに建前で成立しているかがよく分かる構図だ。馬鹿馬鹿しい話だが、「もし、自分が欲望解放の犠牲者になってしまったら」とか考え出すと、確かに唯のように引きこもるくらいしか回避する手段は無いと思えてしまう。そして、その時でさえ、鬱々とした引きこもり生活に嫌気がさして「外に出たい」と思ってしまった時点でおじゃんになる可能性があるというのだから、この現象は本当に怖い。

 そして、欲望解放のダメージは、5者5様の影響を及ぼすことになっている。現時点で一番平和なのは義文だが、彼の場合、自分が比較的平和な状態を維持しているおかげで他人の悩みが理解出来ないのが辛い。今回の展開をみれば分かるように、感情の高ぶり、純粋な欲求という意味では、他者と接触している時が一番危険な状態になるのがこの現象なのだ。それを率先して関わりに行こうとしてしまう義文のメンタリティは、実は案外危険な状態である。

 普段から「自分を演じる」ことに手一杯の伊織も、まだ被害は軽微な方かもしれない。彼女の場合は純粋に「起こりそうな」被害を一番受けている人間で、授業中の奇行に始まり、普段ならば仮面で隠してしまえるはずの根っこの部分をクラスメイトに晒してしまうことで、少しずつ人間関係が歪んで行ってしまうのを止められない。頼れるのは全幅の信頼を寄せた「仲間」の存在であるが、全員が同じ状態で悩みを抱えている現在、なかなか他者に頼るのも難しい。こういうときの藤島さんの信頼感は異常である。なんかの間違いで藤島さんへの愛情が膨れあがってキマシ展開とかになってくれれば、本人も視聴者も平和になれるのだが。

 もっとも分かりやすい被害が出ているのが、今回渦中にいた1人、唯だろう。「欲望解放により他者を傷つけてしまった」という事実が、誰よりも他人のことを想える彼女にとっては大きな傷となっており、強さを保てないがために内にこもる選択をしてしまった。彼女の中でそれは最善の選択だったはずなのだが、意外な方向から、その目論見は破壊されてしまう。

 単に奇行に及ぶだけならばシンプルな「トラブル」と見なせる能力である「欲望解放」。しかし、最大の難点は、深刻な悩みを共有した仲間同士のトラブルであった。唯の方略を観た姫子が、自分の意見を主張する段でたがが外れ、心ならずも彼女を罵倒することになってしまう。「現象のせいだ」と分かってはいても、あくまで解放されたのは潜在的な欲望である、という設定が影を落とす。「表面ではどう取り繕っても、本音はそうなんだ」ということを感じてしまえば、信頼関係などいともたやすく崩れてしまうものだ。

 ここで、現象を仕掛けたふうせんかずら(というかこの作品のプロット)の憎らしいところは、「欲望」と「本音」という2つの要素をごっちゃにしているという部分なのである。たとえば、唯にくってかかった姫子を例に取ると、彼女の場合は「唯のように引きこもる方策は、自分も考えたが最善ではない」と、本音の部分で思っている。思っているが、「唯の方策は否定されるべきだ」と本音から思っているというほどでもないだろう。何しろ姫子自身も打開策を考えついていないわけで、「間違っているかもしれないが、どうしていいか分からない」というのが現在の状況だ。しかし、あの瞬間、姫子は「唯の方策は正しくないのだ」と思ってしまい、「正しくないと説き伏せたい」と「思って」しまった。おかげであのような暴言を吐くことになり、唯を傷つけたわけだ。ここで「本音」と「欲望」は全く同じものではないのだ。しかし、唯の目から見ればそれが「姫子の本心」に見えてしまい、連鎖的に負の感情が溜まっていってしまうのである。

 この「本音と欲望の差」が埋まらないことで、太一と姫子の関係も崩れていく。太一が「失望した」と発言したのは、そのときの「欲望」であり、決して「本音」とイコールではない。これまで散々姫子と太一は「自己犠牲」についての意見の相違を確認しているわけで、太一だって「自分がやりたいと思う欲望」が人と違うことくらい分かっているはずだ。本音では「自分はそうしたい」とは思っても「他者にそうしてほしい」は無いはずなのだ。しかし、一瞬生まれた「欲望」はそうではない。「姫子にも自分と同じ景色を共有してほしい」「みんなで力を合わせて現状を打破したい」、そうした欲求が、最悪の形で姫子にたたきつけられることになる。あまりに強すぎる「自己」を持つが故に、姫子が言った通り、今回一番危険なのは太一なのである。そしてもちろん、同様に強固な自己を持つ姫子自身も、危険なのである。

 転がり始めた関係性は、あとは現象の導くままに行き着くところまで行くしかない。この5人は基本的には「善人」であるはずなので、どこかで解決に転じることを待つしかないのだろうが、まだまだ辛い時間が続きそうだ。キツい作品である。見てられないのに、見るしか無いのがまた辛い。

 辛いので中の人の話で締めてお茶を濁そう。「本音じゃないのにしゃべってしまう」辛さは、キャラクターはもちろんだが、中の人にとってもかなりしんどい作業になっているだろう。今回心ならずも他者を罵倒することになった姫子・みゆきちと太一・だいちゅうの叫びは、色々と突き刺さるものがある切実なものだった。本当にキャストに負荷をかけ続ける作品である。ちなみに、完全に蛇足だが、中の人で嬉しいのは唯のお母さん役の渡辺明乃。あけのんは「俺妹」あたりから母親役が始まって、「スケットダンス」に引き続いてまたも母親役である。この歳でこんだけ母親役が回ってくるってのも珍しい話だ。本人はあんなに落ち着きないのに。更に年下の沢城先輩はまぁ、例外とする。

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