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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 P.A.といえば能登麻美子! 第12話。いや、未だかつてない適当な登場の仕方だったけども。やっぱり北陸地方の叡智を結集させるとこうなるわけですよ。麻美子の出演するP.A.作品は名作(この発言は、彼女が登場していないTTRDGなどを貶める目的のものではありません)。

 安藤真裕コンテ回ということで、いつも以上にがっつりと重たいシナリオが、じわりじわりと染みいる出来映え。修羅場となった教室のシーン以降の展開は本当に見事なもので、ぬくみ雪の降る汐鹿生の村の青い青い景色と相まって、非常に印象深いものに仕上がっている。もちろん、序盤のあかり姉ちゃんの挨拶シーンも胸を突く仕上がりだ。ドロドロしてるお話というのは、何もドロドロとだけ描く必要はない。こうして、一抹の寂しさの中にも、ちゃんとドロドロする理由となった人と人との繋がりが描かれれば美しいものになり得るのである。

 今回は大きく2つの物語があった。1つは、海の上での「あかり編エピローグ」とでも言うべきいくつかの事象。アバンは美海、さゆのコンビからスタートし、この2人があかりのために必死に頑張っている姿が描かれる。幼い2人の未来を暗示するものなのか、今回地上のシーンでははっきりと青空が描写されており、不審者親父を撃退する幼女2人の戦いが久しぶりに明るいイメージで描かれている。まぁ、親父さんからしたら災難以外のなにものでもないが……ちっちゃければ何をしても許されるのですよ。可愛いは正義。そして、そんな親父さんが改めて海の上に出てきて、愛娘と最後(になるかもしれない)の言葉を交わす。残念なことに冬眠決行とお船引は同じ日らしいので、父親が娘の晴れ舞台を見ることが出来ない。花嫁の父としてはこれほど残念なこともないし、何とかあかりには「もっといい選択肢」を選んで欲しかったこととは思うが、彼女の芯の強さも、肉親である親父さんが一番よく知っていることだろう。最愛の妻の姿も重なり、一人の親として、娘の意志を大切にすることに決めたようだ。

 これまでを振り返ってみると、実は光たちの父親・灯(ともる)は一度たりとも悪人としては描かれてこなかった。彼は汐鹿生の村の責任者、宮司という重い身分にあり、家族のことを思っても、村のことを思っても、まずは「大きな意志」を優先しなければならなかった。そのために、分からず屋の父にも見えたし、排他的な海の男にも見えただろう。しかし、これまでの1つ1つの局面を振り返れば、実際はちゃんと「人間らしい」感情で家族を見ていたし、出来ることなら回りの人間には幸せでいて欲しいと思っている。そんな彼の感情が、今回ようやく結実したように見えるのである。どうしても、私も歳のせいか娘を嫁に出す父親の気持ちの方を追いかけたくなってしまい(いや、そこまでじゃねぇけども)、あかりに「やめろ、そんなこと言うな」と必死に嫌がる様子もなんだか共感してしまう。ひょっとしたらこれが永久の別れになるかもしれないと考えれば、その寂しさは格別である。この状態であかりの意志を尊重できたあたり、やはり彼は「いい父親」だったのではなかろうか。

 そして、地上は着実にお船引へと歩を進めているわけだが、そんな中でも確実に変化を続けるのは汐鹿生の生態環境である。どれだけ光が嫌がっても、「巨大な周期」の1つと考えられる冬眠への変化は止まらない。村ではついに冬眠に入ってしまう子供まで現れ、なんだかぼんやりしていた冬眠の話も、にわかに現実味を帯びてきた。「いつ目覚めるか分からない不安」「地上が壊滅するかもしれないという罪悪感」、そして「目覚められるのかという不安」。たくさんの不確定要素が渦巻く中で、ついに、ついに何かが動く。そして、そのスイッチを押したのは、長い間外野であり続けようとしていた、あの要だったのである。

 考えてみれば、4人のスタンスというのは、どこまでも悲しいくらいに似ていた。「好きな人を見ているだけでいい」という諦観……というか理念は、光、ちさき、そして要の3人が持っているものだ。非常に「弱い」生き方ではあるが、これまで作り上げた関係があまりにも大切すぎて、そうなってしまうのは仕方ないことだ。しかし、そんな「弱さ」を言い訳にしてしまい、光が現状に甘んじているのを見て、要はついに我慢が効かなくなってしまった。自分自身は既にけろっとした顔でちさきに告白してしまっただけに、そこにすら至らない光に対して、苛立ちがあったのは事実だろう。そして何より、冬眠に対する不安感から、今まで我慢してきた「関係性」への遠慮がついに揺らいでしまったというのも大きかったかもしれない。要の手によって動かされた振り子は、光を通してまずはまなかにぶつかる。光がはっきりと告白したのは意外ではあったが、流石に彼も男の子。あそこまで要に挑発され、ステージを整えられてまで逃げるような玉無しじゃない。そこは素直に光を褒めていいだろう。

 しかし、残念ながら当のまなかにはそれを受け入れるだけのメンタルが無かった。突然の告白にパニクり、思わず逃げ出してしまう。そして、そんなまなかの逃走劇のどさくさで、バトンが次のちさきに回る。堂々と告白し、逃げ出したまなかを必死に追った光を見て、「いつかやらなきゃ」と身構えていた告白モチベーションが暴発した形。前門のまなか、後門のちさき。どちらをどうしたらいいのか分からなくなった光だが、とりあえず、ちさきと一緒に現状の確認。「これからも何も変わらない」とちさきに言って聞かせたわけだが、「お前がそれを言っていいのか」とは思う。そして、逃げ出したまなかは必死に自分の感情に整理をつけようと努めており、悩みに悩んだところで浮かんだのは、やっぱり光の顔。それが答えなのか、と結論づけようとしたところ、これ以上ないグッドでバッドなタイミングでまたも紡の操る網の中へ……この短期間で2回も釣れるなんて、むろみさんクラスのちょろい女だ……。

 さぁ、次回で1クール目の締めとなるわけだが、一体どこにこの振り子は振れるのか。こうしてみると、なんだかんだで光もちさきも割と大人な判断が出来ているみたいだし、まなかだって、一番奥にあるものがなんなのかは、きっと分かっているはず。これで要が余計なことをしなければ、何とか着地点は見つかる……と、いいな。(あと、紡が余計なイケメン発言をしない、っていう条件も必要なんだけどさ)

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