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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 いい海だった、最終話。最終話は泣かされずに済んでホッとしています。本当に明るい海の景色は、まさにタイトルの「凪のあすから」を体現した神々しいまでのビジュアル。本当に綺麗。これまで凪いで氷漬けだった海に波の満ち引きが戻り、空の青、海の青が繋がり、この世界がようやく完成した実感が湧いた。もう、それだけでグッと来てしまう。

 一言でまとめてしまえば「海神様のなんやかや」が最後に残されたお話。お女子様にはじまり、まなかを強奪し、更に美海をも拐かしてきた海神様。これまでは「人智の及ばぬ超越的なもの」という認識が強かったわけだが、この度、まなかと美海という2人の「思いを持つ女性」が海に同時に飛び込み、2人同時に思いを打ち明けたことで、これまで海中に溶けていたはずの「お女子様の心」が共鳴する。更に、そこに光の悲痛な叫びが重なり、「好きという気持ち」への愛憎は広大な海の中を渦巻くことに。そこで巡り会ったお女子様の真の気持ち。海神の意志である御霊火が燃え上がり、ほころぶ。そして、気持ちが通じ、突き抜けた海の中では、一心に美海を想った光の気持ちが、ついに殻を打ち砕く。美海が帰還し、溢れた思いが長年にわたる海神の迷いを貫いた。凪は終わり、海は本当の姿を取り戻した。

 結局、「世界の終わり」というのは海神の迷い、悩みが産みだした災厄ってことだったようだ。考えてみれば「汐鹿生だけは冬眠させて次の時代へ持ち越し、地上の人間だけはゆっくりと滅びに向かう」というセッティングはやたらと「地上の人間だけに厳しい」設定であり、海神様が心の奥では地上と相容れないものであると思っていることが伺える。彼はお女子様を大切に思い、彼女のためを思って気持ちに介入したわけだが、実のところ何も分かっていなかったわけだ。まぁ、神と人との繋がりなんてハードルも多いわけで、海神様はこれまでそれを越える努力をしてこなかったってことだろう。たまたま、今回の騒動ではまなかと美海という2人の「お女子様」が存在しており、どちらも「地上と海の境を越える」存在であったために、積年の海神の思いを打ち破る一助となったのであろう。もちろん、そんな2人の気持ちを繋ぐための光の存在も欠かせない。全ての思いが連綿とつながって形を成し、凪を終わらせ、海を作った。結局、「海は好きに似ている」という言葉があった通り、波が無くなった海が海であり続けるように、「好きを取り除いた」なんて簡単な話だけで人が人で無くなるわけじゃない。好きにも様々な側面があり、簡単に失われたりしない。それら全てをひとくくりにしようとした海神様のうっかりさん、である。

 全てが動き出したのでこれでOK、というだけでこのお話を終わらせてはいけないが、ほとんどの「最終戦」は先週までで片がついていたので、エピローグは驚くほどすっきりしている。紡は海の問題が解決した後も、地元の海を大事にしながら仕事を続けていくだろう。此度の騒動の結果「地上に出る」ことになった2人目の女性(1人目はあかり姉ちゃん)であるちさきも、これからは紡を待つ「家庭」であり続けるはずだ。これまでの背景からするとちさきの選択は「様々なものを失う選択」であったはずだが、既に世界は海神の力で変容している。晃が余裕で海に潜ることが出来たのだ。もう、汐鹿生が地上で成した子供が余計な排斥を受ける心配も無い。ちさきは、あかりと一緒に新たな時代の「陸と海の関係」を象徴する女性となるはずだ。

 もう一組のカップルであるさゆと要については、まだ始まってもいない段階。しかし、2人の顔を見れば既に始まる前からクライマックス。なかなか個性の強い2人なので色々と波乱もありそうだが、まだまだ中学生同士の恋愛である。色々と失敗しながら大きくなればよい。

 そして物語の焦点となる最後の試合は、光とまなか、そして美海。最終的にどうなるものかと思われたが、ここで海神の物語が微妙に関わってくる。海神の誤解(というか鈍感?)を招いたのは、お女子様の寛容さ故である。本来「地上に残した男が、自分を思って先立った」なんてシチュエーションは海神様じゃなくとも「そんな事実を聞いたら後を追ってしまうかもしれない」と心配するものであるが、実のところ、お女子様はたくましくも新しい関係に前向きだった。寛容さというか、強さというか、「自分の置かれた状況を理解して、新たな好きを育む力」というのも馬鹿に出来ない。そんなお女子様と関係浅からぬ美海嬢にもそんな強さがあった。光がようやく認識した事実、それは「光のために尽くしてくれた美海」という存在。結局、彼女は最初からこの結末を理解していたのだ。そして、光が好きで、まなかが好きな彼女は、二人の幸せを何よりも願っている。エナを通してまなかと気持ちの共有まで成したのだからそれはなおさらだろう。彼女は、あの墓場で充分に「光の好意」を受け取った。それが最終的に望まれる「好き」なのかどうかは分からないが、世界には海と同じ、数多の「好き」があるのだから、そのうちの1つ、強い思いが確実に自分の方に向かっている。それが分かっただけでも、彼女は救われたのではないだろうか。

 この物語は海を描く物語であり、愛情を描く物語だった。そして、その始まりは一組の少年少女からだった。光とまなか、色々あった2人だったが、無事にここに戻ってきた。何とも遠回りでまだるっこしいラブストーリーではあったが、いかにも不器用な2人らしい。変わるも変わらないも自由な世界で、きっと2人は変わらず互いを思い合っていくのだろう。

 海が見たくなるなぁ……

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