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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 ホラー映画かな? 第9話。むー、しかし引っ張るなぁ。1人の演奏に1話ずつでもすげぇのに、公生は2話またぎだもんな。

 正確には公生1人だけのエピソードではない。前回からのまたぎで絵見の演奏についても改めて触れられているためだ。彼女が出会った幼い日の公生、「ひまわりを咲かせる」演奏が見せる風景。井川絵見という1人のピアニストを産みだした圧倒的な情念の物語。たった1音で彼女はすべての他の可能性を捨て去った。もう、この時点で幼少期の公生よりも幼少期の絵見の方がヤバイ人間だった気はするのだが、それくらいに公生というのは恐ろしい可能性の塊だったということだ。絵見が封印した諸々のツールのことを考えると、きっと彼女はピアノだけでなく、その他のあらゆるジャンルにおいて、回りを凌駕するだけの才能を持ち合わせたマルチタレントだったと思われる。絵を描いても、野球をやっても、きっと彼女は成功したのだろう。しかし、公生のピアノを聞いてしまったのが不幸の始まり。そこからは幽鬼のごとく迫る有馬公生という化け物を相手に、彼女の長い長い苦闘の日々が始まったのであった。当の公生は奏法をスイッチして「ヒューマンメトロノーム」に成り果て、彼女の追うべき背中は長年喪失していた。だからこそ彼女は「いまここにある」公生を否定し、在りし日の思い出をつかみ取りたかったのだろう。だからこその「響け」であり「戻れ」である。彼女の願いは、はたして公生に届いているのか。

 そしていよいよラスボス、公生の登場。彼はこれまでの時間を、宮園と一緒にひたすら練習に費やしてきた。前回の宮園の伴奏の時点で「過去の幻影」との対決は一段落したものだと思っていたが、あのコンクールではあくまでも宮園さんがメインであり、公生には「演奏」そのものが求められたわけではなかった。今回は、観客のすべてが公生の演奏を聴きにきており、公生も「聴かせる」ことを目的としなければならない。1つの作品を提出するという意識が高まることで、再びあの悪夢が蘇る。

 公生の母親については、今回完全に悪霊のような描かれ方になっている。もちろん、彼女のやったことは確実に人道に反するものであるし、公生の人生を、演奏をぶち壊したという意味でも許されるものではない。しかしその反面、やはり彼女は公生の愛する親でもある。幼少の公生は、ただひたすら母親に喜んでもらうために演奏を続けたのだ。友達と遊ぶ時間がなくなっても、むち打たれ、体中が傷だらけになっても、彼は母親のために演奏することをやめなかった。そこには横暴な母親に強制されたお仕着せのものだけでなく、親を思う子供の心も確実に存在しているはずなのだ。「誰かを思って演奏をする」という気持ちは、きっとこれからの彼の人生にも必要不可欠なものであると思う。それは「機械のような演奏」の対極に位置し、彼が宮園かをりと出会って掴んだものでもあるのだから。だとすれば、出来ることなら公生には母親を完全に否定して欲しくはない。母親が間違っていたことはきちんと認めて、それを乗り越えながらも、彼女が息子に残していったものも存在していることを、どこかで思い出してほしい。そこまで出来て、初めて公生は過去を乗り越えられるのではないだろうか。

 そう考えると、今回の演奏はまさに剣が峰。ここで落ちれば彼は今度こそステージには立てなくなるだろう。逆に、ここで母親の呪縛を乗り越え、武士や絵見をも凌ぐ世界を開くことが出来れば、それこそが母親の望んだ「有馬の血」の到達点であるはず。ちゃんと供養してあげられる結末になるだろうか。

 今回の一押しシーンは、こうした公生のドロドロとした母親との関係性も捨てがたいのだが、それでも女の子の表情の方が大事かな。絵見ちゃんが演奏を終え、公生に食ってかかるシーンがたいへん良い。肩で息をしながら、遠慮なくぶさいくな顔を披露する絵見。やっぱり、頑張ってる女の子の必死な表情というのは、それだけで神々しいものです。

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