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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 今作スタッフの描く女性像は素敵過ぎる、第9話。ここに来て、個人的には美佳ちゃんの株が爆あげです。ここまでひどいと本当に素敵。サブタイトルに「全能者」と言う言葉が用いられているが、今作の主人公は、実は作中で一番非才な人間なのではなかろうか。

 予定通りのシナリオ進行。ちょっと鹿矛囲の行動が性急すぎるのが気になるが、まー、1クールで終わるんだろうからこのスピードも致し方ない。困ったときには全部「15年間準備してきたんで」って言われれば一応許容出来る。鹿矛囲のシビュラ転覆計画は、今回「全能者のパラドクス」で表現されていた。すべてに判断を下し、すべての価値を定めるシビュラシステムが「裁けぬ者」が現れた際にどうすればいいか。これが「重たい岩」にたとえられた不能のパラドクス。しかし、これには「免罪体質者はシステムの中に取り込んじゃうよ」という解決方法を図るという。まぁ、解決っていうか、問題の削除である。そして、鹿矛囲の突きつけた第2の矛盾は、「シビュラが自らを裁く際にはどうすればよいか」。酒々井さんを通して手に入れたドミネーターを振りかざすことで、鹿矛囲は擬似的に「シビュラVSシビュラ」の形を構成した上で、更に自軍は色相を保つことが出来る私兵で固め、相手取る執行官側が係数の高い連中という矛盾した状態を作り出す。酒々井のドミネーターを停止する措置すら執ることが出来ないシビュラ(ドミネーターの停止は、自らのシステム不備を認めることに他ならない)に対し、この問題は一見すると無理難題のようにも見えるわけである。

 ただ、今回はお話的に分かりやすくまとめるために「全能者のパラドクス」というお話にまとめて見せたが、実際のシビュラという存在は、このパラドクスに適合するものではないことには注意が必要だ。まず、免罪体質者という「不能」の問題が、そもそもシビュラが全能でないことの証左である。槙島事変の時の対応でも分かる通り、シビュラは免罪体質者相手には「裁く」ことを放棄する。「取り込む」ことはあくまでも副次的バージョンアップが目的であり、それ自体は必要事項ではなかったはずなのだ。この時点で、シビュラはすべてを見定める「全能者」としての存在意義を放棄している。あくまで「倫理」と「法」を司れば良いのであって、そこに求められるのは「全能感」であり「全能」ではないのだ。シビュラ側は流石に制作者集団なのでそのあたりの欺瞞は充分に理解しており、面白半分で免罪体質者を取り込んじゃうのも自己研鑽と暇つぶしの両立であるし、目の前にいる常守朱という免罪体質者を放っておいて外部に接続させているのも余興に過ぎない。

 そして、そんな「不完全な全能感」を操るシビュラに対して、「神の凋落」を目論んだのが鹿矛囲という存在。シリーズ全体を通して彼の「遠大さ」がよく分かるように作られており、今回も「事故の前に転校しちゃったおかげで、人としては存在するけど鹿矛囲の思想に完全に同調できる」なんてあまりにご都合主義な人間が登場。鹿矛囲の辞書に不可能の文字はない。しかも国交省とのつながりがあるってんでこれまで鹿矛囲が用意してきたコネも資材も全部その一本で説明をつけちゃったし、これから起こる地下鉄の事件だって、きっと便利な上役である桒島さんが全部やってくれたに違いない。鹿矛囲の真の能力って、透明人間とか色相操作じゃなくて、この「単にラッキーな周りの環境」なんじゃなかろうか。まぁ、透明人間になった後にひたすら人脈作りに奔走したのかもしれないけども。その程度の1個人の力で大規模テロが起こせる時点で、やっぱりシビュラは「完成形」ではないのである。

 しかし、鹿矛囲にとってシビュラはあくまで「破壊すべき神」には違いない。「決着」をつけるために何をしでかす気なのかは定かでないが、一番手っ取り早いのは、こないだの港の事件の拡大バージョンを実行することだろう。つまり、全国、全世界で同時に大規模な色相テロを起こし、国民総潜在犯状態にすれば、自らの操る色相浄化と相まって、シビュラという尺度は完全に崩壊する。そして、やろうと思えばそれくらいのことは割と簡単に出来そうなのだ。ばあちゃんを拉致られて久しぶりにおこな常守さんは、この鹿矛囲の決死行を止めることが出来るだろうか。まぁ、出来なくても別に問題無いんだけどね。むしろその後シビュラがどう動くか見てみたい気もするし。

 さて、そんな鹿矛囲・常守の対決を裏で操作しているのは、やっぱりシビュラ。というか東金さん。実は「初の人工免罪体質者」だったという今までの流れと真逆の出生を持っていた東金さん。彼が「史上最大の犯罪係数」に至ったというのは、シビュラ側の情報操作なのか、それともどこかで彼が狂っちゃったってことなのかは定かじゃないが、少なくとも今のところ「母さん」であるシビュラとの蜜月関係は続いている。シビュラの申し子である彼にとって、やはり鹿矛囲は致命傷とは言わずとも邪魔なのは間違いない。どうせだったら色々と問題を同時解決しちゃおう、ってんで、面白そうなので朱ちゃんをぶつける手はずを整えた。おそらく公安内に探りを入れてきた桒島にさりげなく協力して、ばあちゃんを譲渡したってことなのだろう。これで朱ちゃんも少しは色相が濁りそう。そして、マジおこになれば前回みたいなへまをやらずにきちんと鹿矛囲を潰してくれそう。いい事づくめのばあちゃん誘拐事件である。ばあちゃん、耳切られて箱詰めの割にのんびりしてたのは、単にぼけたのか、3代続くスーパー免罪一家だからメンタルがごんぶとなのか。どっちにしろ、年寄りいじめる図はあんまり見ていて気持ちの良いもんじゃないな。せいぜい殺されないように祈っておこう。

 そして、こんな面倒な三つ巴の構図を(知りたくもないのに)全部知っちゃった可哀想な美佳ちゃん。もう、冒頭の彼女のレイプ目スタンディングオーベーションの時点で私の加虐センサーが振り切れそう。アイデンティティをボコボコにする精神的加虐の愉悦である。また美佳ちゃんがいい顔するのよね。生き残るために必死で考え、スラスラと口から出てくるおべんちゃらと、全く求められてないのに止めることが出来ない万感の拍手に涙が止まりません。いいぞもっとやれ。ホント、彼女が大活躍する薄い本が凄く楽しみなんですが、個人的には東金さんにねちねちやられるよりもその辺のチンピラにボコられる展開の方が萌えるかな。理不尽に理不尽を重ねたどん底を見せてほしい。美佳ちゃん、酒々井さんという2大被虐キャラを産みだしただけでも、本作は価値あるアニメになったと思います。あ、あと雑賀さんね。あのおっさん、どんどんたがが外れとる。やっぱり潜在犯なんてロクな連中じゃないですね(歓喜)。

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