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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 浄化、第10話。長きに渡って描かれてきた有馬公生の苦闘の物語に、ようやく1つ目の決着がついた。Bパートラストの母親の幻影の表情の変化。そのたった1コマのためだけに、まるまる10話が費やされてきたのである。

 ただひたすらに公生の演奏を眺めるだけのエピソード。もつれ始めた演奏は一向に復調する気配もなく、慌てる客、困惑する客、失望する客たちが見守る中、おとずれたのは「演奏中断」という最悪の結末。やはり、わずかな練習期間では、十年にもわたり積み重ねられた母親の呪縛から完全に抜け出すことなど不可能だったのだ。しかし、「中断する」という行為そのものが、彼にとっては大きく2つの意味を持つものになっていた。1つは、呪縛に囚われ続けたこれまでの自分の演奏を一度「断ち」、次のステージへと進む準備段階という意味。そしてもう1つは、同じ「演奏中断」という行為によって公生との関係性を無二のものとした宮園かをりとの接続。コンクールは「賞を取るための場」である。それが、母親にたたき込まれた公生の生き方。そのコンクールで一度でも演奏を中止してしまえば、そのたった1つの選択でコンクールそのもの、そして自分の存在意義すらぶっ壊れてしまう。しかし、そんな場所であるにも関わらず、かつて宮園かをりは笑顔のままで演奏を中止した。そこには、公生が見たこともないような、全く別世界の音楽がある。彼は、母親との演奏に別れを告げ、宮園という新しい世界へ歩を進めるため、一度全てを捨て、演奏を中止することを選んだのだ。

 なげうったものがあれば、そこから返ってくるものもある。再び奏でられた公生のピアノは、決して手放しで上手いと褒められるようなものではなかったようだが、絵見の耳には確かに届いていたし、絶望した武士にも届くものがあった。そこに込められた景色は、あくまでも観客の中の唯一人、宮園かをりにだけ向けられたものである。特訓を重ねたあの音楽室、無防備に寝こける彼女との、不思議な時間。長い無音の映像に白一色の画面など、彼の込めた「想い」は不可思議な引力を持つ画面にも集約されていく。そんな思い出が感謝や思慕と共に音としてあふれ出した。そのことを確かに受け取れた人間は多くはないが、観客たちにもただならぬ何かは届いたようである。

 彼の音を受け取ったのは大きく4人。1人は武士。「3人の人間が演奏しているかのよう」と漏らした公生の劇的な変化に新しい展開を察知している。絵見も彼の見せる景色の不可思議な力を感じており、新たな有馬公生の誕生を確信した。そして当然、宮園かをり。悲願となっていた新たな一歩。公生の歩み始めた姿を見て、彼女は思わず涙を流す。ただ1人、公生が音楽を向けた彼女に、その気持ちはきちんと届いていたようだ。そして、そんな彼女の涙を見て、何とも複雑な表情を見せる椿の様子も注目すべき部分ではある。新たな旅立ちに、回りの面々はどう反応するべきなのか。

 そして、彼の音を聞きつけた最後の1人は、Cパートで登場した謎の女性。これまでの誰とも違い、彼女は公生を「凡才」と呼び、小憎らしく笑ってみせた。さぁ、次なるステップでは一体何が待ち受けているやら。

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