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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 ラストシーン卑怯やろ、第23話。あんなもん、涙腺緩んだおっさんはもらい泣きするに決まってるやないか……。よかったなぁ宮森よぅ……。正直、この作品にはあんまり純然たるP.A.イズムって感じる機会が(他作品に比べて)多くないんだけど、ああやって丁寧な演出と表情芝居を見せられると、やっぱり大好きだなぁ、って思うね。今回のコンテはP.A.の代表格とも言える許琮氏と、「凪あす」19話演出などで良い仕事を残している菅沼芙実彦氏。こりゃ最終話は監督コンテ回で締めですかね。

 今回のお話、ぶっちゃけると中身は予想外の部分はないし、どないやねん、てな印象が強い。まぁ、思ってたほどにピンチがピンチじゃなかった、というのが一番の理由なんだけども、その更に根幹となる原因はこれまでずっと抱えてきた「理不尽」が本当に理不尽な理不尽だったせいだろう。つまり、茶沢という害悪について、これまでムサニの面々は甘んじてその好き勝手を受け入れていたわけで、実際にはあんなもんをほったらかしにしておく理由は無かったのである。以前キャラデザの時にも一悶着あり、あのときにはなんとか問題が解決してしまったために深入りしなかったという設定になっているが、もし今回のことを予見するならば、さっさと茶沢という男の問題を取り除いておくべきだったし、それをやらない理由がなかった。実際、今回は「万策尽きた」ことであれこれと方策を考え、結局「原作者に直接メールすればよくね?」という至極当たり前の解決策でもって、わずか1日ですっきりさっぱり解決したのだ。こんな状況になる前に、さっさとそれをしておけばよかったのに、という感想はどうしても生まれてしまうので、これ即ち「理不尽な理不尽」である。

 しかしまぁ、そのあたりがあまり無茶になりすぎないよう、シナリオラインにも最低限のフォローは入っている。やはり業界内部で「編集を通して原作者と話す」というのが絶対的な条件であるようだし、ムサニ側も「野亀先生は人嫌いだから会ってくれないだろう」という先入観もあったみたいだ。今回は本当にやむにやまれぬ理由があったからこそ、木下監督も動けたということだろう。最後の一押しをしてくれたのが本田さん、っていうのも良いセッティングよね。「これまで何度も万策尽きてきた僕がいうんだから」って、すげえ名言だよな。私の策は53万です。

 そして、そんな「VS原作者」という最後のトラブルシューティングの機会に、「ラス前でやりたいこと全部やっとこ」という水島節がこれでもかというくらいに炸裂する。今作のメインヒロインは実は木下監督だったんだと言われても驚かないくらいの、大・木下劇場である。眼鏡デブが恰好よく大活躍するアニメなんて、シュタゲとさばげぶくらいしか見たことないわ(結構あるな)。波動腹、昇龍腹、竜巻旋風腹。しかもCVは勇者王。この男、ただもんじゃない。いや、馬鹿なんだけどもね。茶沢がやっつけられるところはまだしも、編集長らしき男のゴルフアタックのとこなんかは、もう完全に「この物語はフィクションっていうか木下監督の脳内です」レベル。いや、茶沢のくだりも充分変か。なんで木下監督は入館証チェックされてるのにP二人はこっそりビル内に紛れ込んでるんだよ。清掃員に化けて侵入って、確実に違法行為やぞ(真面目に突っ込む意味なんて欠片もないことは分かってるけどさ)。野亀先生が最上階の大会議室でラスボス然として待ち構えているのも、完全に「勇者木下の冒険」のラストダンジョン風味。思った以上に話の分かる人でよかったし、ちゃんと(なんだか随分丸くなった風の平岡から)彼がアニメでの改変に過剰反応する理由も語られてたし、茶沢を一喝するくらいの常識は持ち合わせてるし、CV櫻井だし、もっと早くにメールしておけば良かったね。ちゃんと作家としてのこだわりがあって木下監督となあなあじゃない話し合いしてるのも良い雰囲気である。まぁ、目の前の一ファンと話してる程度で解決する問題だったら編集との相談とかで解決しておけよ、とは思うが。相手が茶沢じゃぁどうしようもないかなぁ、変な話。

 モンブランパワーで全てを打ち抜いた木下監督。彼の尽力のおかげで脚本総取っ替えの憂き目に遭わずには済んだが、結局新規部分を入れる必要があるので50カット削って100カット追加とか。これでも充分キツイ仕事内容である。ムサニは残された最終話のために、社内一丸となって完成を目指す。新人製作も、おでん屋で管巻いてた作画班も、そして宮森も。彼女が最後のアフレコ現場で見た光景は、(視聴者には分かりきってたけど)まさかのずかちゃん登場である。いいねぇ、このくらいの起用、このくらいの成功が、一番無理がなくてすっきりしているよ。いきなり主役抜擢とかだと上手くいきすぎてるからね。

 前回濁った目でテレビの向こうをうらやんでいたずかちゃんの、打って変わって晴れやかな良い表情。そして、彼女が精一杯仕事をした後の宮森との一連のシーン。あのシーン、ずかちゃんは目を潤ませてこそいるものの、決して涙は流してないんだよ。それが彼女なりの決意の表れになっている。彼女にとって、この仕事は確かに大きな第一歩だが、決して目標でもないし、まだまだ苦しい生活は変わらない。あくまでも夢への第一歩として踏み出したところなのだから、こんなところで泣いているようでは業界を渡り歩くことなんてできやしない。きっと報せを受けた日にはめいっぱい泣いただろうが、現場ではあくまでプロフェッショナルに、毅然とした態度で仕事をまっとうし、胸を張って帰るのだ。そんな姿を見て、彼女の苦労を一番良く知っている親友だけが涙を流す。宮森にとって、この大仕事の窮地の舞台で、いわば「助けてくれた」親友の存在はどれだけ大きく、どれだけ嬉しかったことだろう。どれだけ辛い仕事の中でも涙など見せなかった宮森が、親友の第一歩を見て、歓喜の涙が止められない。

 幸せなお仕事アニメ、「希望を持って終わらせなきゃ駄目だ」という木下監督の言葉も染みいりますね。次回、最終回!!

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