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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 サイボーグ熊とは、第10話。わざわざ機械のボディを手に入れた熊が発電の為に使われる……謎だ……。

 歴史の真実がどんどん詳らかにされていく。今回は回想とるるの供述によって、銀子と紅羽を結んだいくつかの事象が明らかになった。澪愛がユリーカに殺されたあの日、澪愛は「ともだちの扉」を通じて銀子を壁の向こう側へと送っていた。8話でそのシーンが描かれた時にはそのあたりが微妙に隠れた状態になっていたので、澪愛が扉を使って熊の世界との接続が出来たことは一応新情報だ(前回の扉の演出で気付くべきだったけども)。ともだちの扉は誰でも開閉できるってものでもなさそうだが、澪愛は「月の娘と森の娘」を執筆できたことから考えても、あの扉をある程度使いこなすことが出来たのだろう。そしてその娘である紅羽も、幼少期のあの日、無意識のうちに扉を通って銀子と出会っている。椿輝の家に伝わる何か、ってわけではなく、「本当の好き」に通じる素質の有無が扉との接続に関わっているように見える。透明になろうとする「こんな世界」の人間達は、基本的にあの扉に辿り付くことさえできないのではなかろうか。

 そして、るるがその身を賭して紅羽に伝えたユリ裁判の真実。今まですげぇ適当に「何となくこなすバンク的お約束セレモニー」くらいの認識になっていたユリ裁判。あそこでのユリ承認は、やはり「女の子」になるためには必要不可欠な儀式だったらしい。熊の世界に戻った銀子は、クマリア様の審判、壁の審査を受けて「承認」されることで、人間の身体を手に入れた。つまり、これまで見てきた熊の子たちの中で、人間ボディを持っている連中は全てユリ裁判をくぐり抜けた者たちということになる。百合園蜜子も、百合川このみも、全員裁判を受けて、その結果「何か」を選択して人間の身体を手に入れた。ユリーカ先生の裁判ははっきり描かれていたので分かりやすかったが、どうやら「人の身体」を手に入れるためには「大切な何か」を失わなければならないらしい。そして、それが「紅羽との本当の好き」だったのではないかとるるは推察している。この推論が正しいのかどうかは、現時点では確定していない。お話的にはなるほどそんな展開になりそうなのだが、実際には、紅羽は澪愛が銀子を壁の向こうに返したその日の晩に既に銀子のことを忘れてしまっており、もし銀子が「紅羽との再会のために壁を乗り越える決意をし、そのためにクマリア様の審判を望んだ」のだとすると、時系列がおかしくなってしまうのだ。澪愛の手でペンダントを受け取り、壁の向こうに行ってから初めて、彼女はユリ裁判を受けたと考えるのが自然だろう。まぁ、そのあたりの時間軸については後から事象を歪めることはいくらでも出来そうだから何ともいけないのだけども(クマリア様がどの程度の全能性を持っているかは定かでない)。

 とにかく、紅羽はあの夜のうちに、「本当の好き」の記憶を失い、更に大切な母親までもを失った。そんな過酷な人生だったからこそ、彼女は強く生きねばならなかったし、それ故に透明になることを拒んでいたと考えられる。その異質さは成長するまでの長きに渡り「悪」と認識され続け、泉乃純花と出会うまで続いたわけだ。純花との出会いが彼女に新たな「好き」を与え、透明な嵐との対立姿勢を明示化した。そこに人間世界に舞い戻った銀子が乱入し、あとはご存じの通りである。銀子が失ったものは「紅羽からの好き」、紅羽が失ったものは「記憶」と「純花」である。こうして簡単な構図にして確認してみると、銀子と紅羽の間では平等な関係性になっていないことが分かる。紅羽にとって、蘇った記憶である「銀子との好き」も本当には違いないのだが、それに加えて「純花との好き」も紛うことなく本物。そのために「紅羽との好き」だけを行動原理とする銀子と相対した時、「純花」というファクターの分だけ偏りが生じてしまう。それが、現在生まれている軋轢の原因となる。

 今回最も感じ入ってしまった場面は、るると紅羽の別れのシーンだった。全てを吐き出し、自己犠牲のうちに真実を伝えたるる。熊であることもばれてしまい、彼女が銀子に嫉妬し、取り返しの付かない結末を迎えたことも明るみに出た。そんな状況でも、紅羽はるるをかばい、在りし日の澪愛が銀子にやったのと全く同じようにして、彼女を壁の向こう側へと送り届ける。そんな献身的な紅羽を見て、るるは思わず「ともだちになれた?」と尋ねるわけだが、それに対する紅羽の返事はまさかのNO。彼女がそう返答したことには、様々な葛藤が込められていそうだ。まず、扉が閉まった後の「これでいいんだ」という独白からするに、彼女は純真無垢なるるを、これ以上「透明な嵐」の吹き荒れる人間世界の犠牲にしたくなかった。「熊と人の友情」は、銀子と紅羽、そして澪愛とユリーカがかつて結んだ関係であるが、それは超えてはならない禁断のつながりであり、2つの前例はどちらも悲しい結末を迎えている。結局、これまでの騒動から紅羽が受け入れねばならない教訓に「人は人、熊は熊」という厳然たる区別である。銀子のこと、るるのことを思えばそんな残酷な事実は受け入れたくないだろうが、るるが生き延びるため、彼女がこれ以上不幸にならないために、紅羽はるるを突き放した。彼女が一言「ともだちだ」と言ってしまえば、るるは再び壁を超えて苦難に巻き込まれるかもしれないのだから。

 そして、そんな優しさに加えて、紅羽の中で未だ熊に対する葛藤があるのも事実だろう。銀子との記憶が蘇ったとはいえ、「銀子が純花を見放した」ことも紛れもない事実。銀子との関係はアンバランスなままであり、「月の娘」の方から二人を分かつ「鏡」を砕く決心には至らない。だからこそ彼女は、そんな状態でるるだけを受け入れるわけにはいかなかった。熊は敵である。次に見つけたら殺すことになる。そう言い聞かせることで、彼女は純花との関係性を自分の中で必死に守っているのである。「受け入れない」ことを決心した紅羽の胸中、そしてその言葉を受けたるるの胸中を考えると、2人の別れのシーンは本当に切なくてしょうがなかった。

 今回は銀子がほとんど登場しなかったため、オープニングで描かれるトライアングルの最後の一辺、「紅羽とるる」に焦点が絞られることになった。るるが銀子に対して何故あんな行動に出たのかが本人の口から説明され、それでも後悔の念からペンダントを届けに来たるるを、紅羽はわざわざお風呂に入れている。最序盤では「風呂を貸して」と言ったら激怒していた紅羽が、である。特番の時に中の人たちが言っていたように、バスタブの中での関係性はキャラクターの親密さを如実に表している。このお話の中心はあくまでも銀子であるが、その回りの2人の距離もぐっと縮まっており、こんな状況でさえなければ、とても平和な「百合の園」が楽しめたかもしれなかったのである。残念無念だが……まぁ、るるはおっぱいが大きいのがよく分かって良いですよね。

 そして、そんな熊の動向に目を光らせる学園側の動きも大きくなってきている。残された学園側のキャラクターは、前回登場した大木蝶子のみ。彼女はこれまで以上に熊との対決姿勢を明示化しており、謎の組織クマタギ(略号はKMTG,熊とマタギの複合語なので、そりゃまぁ、熊を撃つのが目的だろう)を結成、殺熊光線車までもを用意した、分かりやすい「熊を殺す者」である。これまで熊が出没するというと警戒するばかりで攻撃などしてこなかった人間サイドであるが、ここに来てはっきりと「熊は見たら殺す」という態度を明確にし、これまで以上に境界の存在感が増している。このセッティングは、おそらく最終的に問われるであろう「熊と人のつながり」、つまり銀子と紅羽のつながりがいかに過酷なものであるかを明示するためのものだろう。熊は人を食べる。人は熊を殺す。そんな状況で、熊と人が互いを理解し、本当の好きを手にすることが出来るのか。……しかしまぁ、流石にサイボーグ熊はエグすぎやしませんかね。「毒をもって毒を制す」と言っていたが、そこに熊を介入させる必要性はこれっぽちも無いのだが……人間の悪辣さ、残酷さを際だたせるための措置なのか、それとも単なるクマタギジョークなのか。サイボーグこのみさん、元気そうで何よりでしたけども。ひょっとしたら、「熊と人を複合した力」であっても、熊と人が理解し合うことを認めないっていうねじれの強調なのかもしれないな。何よりも熊を憎んでいるはずの連中が熊を利用してその恩恵を受けるっていうのは、それだけで痛烈な皮肉になっているわけだし。結局、最終的には大木たちの猟銃は熊ではなくて紅羽に向けられているのも非常に倒錯的。透明な嵐の持つ暴力性の理不尽さがよく表れている。もちろん、嵐の中にいる人間にとっては、それは理不尽でも何でもない、単なる「自然現象」である。このままの調子でいくと、大木蝶子が最後まで透明な嵐の代表格ということになるのだろうか。……針島さんが可哀想やな。

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