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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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次の更新はフルスポイラでお会いしましょう。

 

Gruesome Slaughter (陰惨な殺戮) (6) R

ソーサリー

ターン終了時まで、あなたのコントロールする無色のクリーチャーは「(T):このクリーチャーは対象のクリーチャーに自身のパワーに等しいダメージを与える」を得る。

 まさに虐殺。エルドラージの無慈悲な殺戮を端的に表した無色のカード。エルドラージという存在を無色のカードで表す時、問題になってくるのはカラーパイという概念である。今回は「有色だけど無色」という強引な手段でこの混乱を極力回避しているわけだが、それ以外にも、純粋に無色ながらも「エルドラージっぽい」というニュアンスの問題だけで何となくクリアしているものも。この「一方的格闘」とでもいうべき能力は現在赤に与えられた特性だが、エルドラージならそりゃこれくらい酷いこともするでしょ、ってな感じ。まぁ、これを他の色で実行出来るようになったからといって、そこまでゲームバランスがぶっ壊れるわけじゃないしね。そもそも「重い」の一点でエルドラージらしさになってるわけで、そんなに気楽に使えるもんでもないしな。リミテッドなら当然ゲームエンド。構築クラスでもある程度頭数が揃うなら一方的なラスゴ効果が見込めるが、流石に重いのかな。もう1段階軽い「チャンドラの灯の目覚め」でええやん、っていう話にもなるし。ちなみに、イラストで描かれているのは現在の海門の様子らしい。ここの奪還作戦をやるのか。うーむ。

 

Scour from Existence 存在の一掃 (7) C

インスタント

対象のパーマネントを追放する。

 単純明快、エルドラージによる暴食、破壊を端的に表した除去。土地すら対象に取れる範囲の広さ、インスタントという身軽さ、そして追放領域に送り込む周到さ、なるほど完璧。世が世ならアンコモン以上になるはずの呪文だが、この世界ではこれがコモンだ。まぁ、7マナだしな……。「イシュ・サーの背骨(MBS)」と同じコストだと考えれば打倒なコストだよなぁ。無色呪文はエルドラージからマナのサポートもあるし、案外この辺りの呪文がリミテッドで基盤を成すことになるのかも。構築の場合は、「完全なる終わり(KTK)」が使われていない時点でお察し。

 

Quarantine Field 隔離の場 (X)(X)(W)(W) M

エンチャント

〜は孤立(isolation)カウンターがX個置かれた状態で戦場に出る。

〜が戦場に出たとき、〜の上の孤立カウンター1つにつき、最大1つまでの対象の、対戦相手のコントロールする土地でないパーマネントを、〜が戦場を離れるまで追放する。

 多重キッカー付きの「払拭の光(JOU)」。世の中の能力の殆どがキッカーに還元されることがよく分かるデザインだ。元々、旧ゼンディカーは「すげぇ土地を並べる」→「マナフラッドを回避するシステムが必要」っていう流れでキッカーが再録されていたらしいが、流石に今回も再録しちゃうのはワンパターン過ぎる。でも、「土地を並べる」っていう構造は同じわけで、同じようなシステムがほしい……ならX呪文にしちゃえばいいよね! という発想だ。普通に使うと4マナなので基本形よりも1マナ重いが、その分6マナで倍、8マナで3倍と効果がでかくなっていくわけだ。6マナ程度ならば普通のデッキでも現実味がある数なので、上位種と見てもいいんじゃなかろうか。構築級の定番カードの上位種ってんだから、そりゃ神話だ。いや、神話にしちゃ地味ではあるんだけど。難点としては、相手も同じカードを使ってたりして一度追放領域にいって戻ってくるともう仕事してくれないこと。「太陽のタイタン(M12)」とか「蔵の開放(M10)」なんかでの再利用も無理。ま、今の環境だとあんまり関係無いけどね。まとめて追放領域が稼げるカードなので、そっち方面でもニーズがあるかもよ。

 

Benthic Infiltrator (2)(U) C

クリーチャー・エルドラージ、ドローン

1/4 欠色 嚥下

〜はブロックされない。

 今回各色に割り当てられた役職が分かりやすいコモンドローン。ライブラリ削りから派生したとも言える嚥下能力は青が中心色。そしてサブ色はエルドラージの中心である黒。つまり、昇華者を上手く使いこなしたい人は青黒から始めるとライブラリを削りながらのエルドラージライフが堪能出来るというわけだ。こちらのクリーチャーは、当初不安視されていた「嚥下って、ダメージ与えなきゃ意味がないんだから、かなり弱いのでは?」という懸念を強引かつストレートに解決した秀作。何しろアンブロッカブルである。パワー1とはいえ3マナでアンブロッカブルはコモンでは割と偉い方。ここから燃料をガンガン焚き付けて昇華者でガシガシ盤面をコントロールするのである。タフネスも4と大きくやたら死ににくいので、嚥下を無視してオーラで適当に強化して殴り切っちゃうのも手。マジで、赤緑とかだと対処法がない気がするんだけど。

 

Murk Strider (3)(U) C

クリーチャー・エルドラージ、昇華者

3/2 欠色

〜が戦場に出たとき、あなたは対戦相手がオーナーである追放領域のカードを1枚そのプレイヤーの墓地に置いてもよい。そうしたなら、対象のクリーチャーをそのオーナーの手札に戻す。

 コモンにもばっちり存在している昇華者。その実体は、追加コストが必要になった代わりにパワーを高めた「分離主義者の虚空魔導師」である。青には珍しいそれなりのステータスになったおかげで、「ボディはおまけ」扱いしかされていなかった「虚空魔導師」さんも一気に存在感を増した。テンポを稼ぎつつわらわらと蠢く大群を相手にすれば、ほら、あなたも手軽にゼンディカー民の絶望が体験出来るはず。このまま殴り切ってしまってもよいし、デカブツに繋ぐための時間稼ぎとしても一級品。いつの時代もバウンス出来るクリーチャーは強い子。ただ、徒に同盟者トリガーを誘発させてしまう可能性もあるので、戻すクリーチャーは慎重に選びましょう。

 

Part the Waterveil (4)(U)(U) M

ソーサリー

このターンの後に追加の1ターンを得る。

覚醒6 - (6)(U)(U)(U)

 神話枠では毎度お馴染みの追加ターン呪文。スタンダードに限定しても「時の賢者(JOU)」「老いざるメドマイ(THS)」「時間への侵入(FRF)」(あと「ウギンのきずな(KTK)」?)と並び、常に製作チームが追加ターンにチャレンジしていることが分かる。そして、上の例を並べて分かることは、「チャレンジして神話にしてるけど、全然使われない」という残念な事実。追加ターン呪文はあまりに影響力が大きすぎるために、どうしたってその強さは慎重に調整する必要があり、結局実戦に耐えるレベルではなくなってしまっているのだ。しかし、ここでついに制作陣は大胆な勝負に打って出た。過去に使われた追加ターン呪文の代表といえば何と言っても「時間のねじれ(M10)」だろう。そこに1マナ追加して、分かりやすいソーサリーとして実現。どうせ追加ターンが得られるならばそのターンに寝るマナが1マナ多くてもそこまで問題は無い。初動は遅いが、それでもこれから訪れる(かもしれない)鈍重なエルドラージ環境ならば現実味のあるコスト。この6マナソーサリーは、久しぶりに構築環境に姿を見せる呪文になる権利を持っている気がする。加えて得られる脅威の覚醒「6」。でかい。速攻持ちなので、もし10マナ溜めていれば無防備な相手に6/6が2回パンチすることも可能。ゼンディカーを怒らせるとやっぱりまずい。さぁ、新しい時代の幕開けだ。

 

Retreat to Coralhelm 珊瑚兜への撤退 (2)(U) U

エンチャント

上陸 - 次のうち1つを選ぶ。

・対象のクリーチャーをタップまたはアンタップしてもよい。

・占術1を行う。

 撤退サイクルの青。「珊瑚兜/Coralhelm」というとかつて「珊瑚兜の司令官(ROE)」というクリーチャーがおり、そのイラストから見て「なるほど、珊瑚で出来た兜を被った司令官だな」と思っていたら、どうやら地名だったらしい。「奈良の叔父さん」とか「アメリカの友達」と同じ文法。これは流石に予想出来なかった。多分、地名だって知ってたら翻訳チームも「コーラルヘルム」ってカタカナで書いてたと思うんだけどね。さておき、このサイクルはどのカードも絶妙に微妙な能力のパッケージなのだが、これもなかなか微妙。ソーサリータイミングのタップだけってのはそこまでおいしくないんだよなぁ。となるといつやっても腐らないのは占術の方か。占術土地の退場とともにこのカードが活躍を始め……るかなぁ。わざわざカード1枚置いた効果と見るとなぁ。占術でトップに置いたのに嚥下でごっくんとか勘弁してほしい。何か強力なタップ能力持ちがいれば評価も変わるかも。

 

Ugin’s Insight ウギンの洞察力 (3)(U)(U) R

ソーサリー

占術Xを行う。Xは、あなたのコントロールするパーマネントの中で最も高い点数で見たマナコストの値である。その後、カードを3枚引く。

 レアで豪快に引くタイプのドロー呪文。ただ、「レア・ソーサリー・ドロー」っていうと「深水の底引き(LRW)」とか「遙かなる記憶(MBS)」とか、やたら微妙なカードも多かったんだけど。このカードの比較対象としてしっくりくるのは「流れ込む知識(SCG)」だろうか。あっちは6マナだけど、マナコストの最大値を参照してそのまま枚数を一気に引ける。こちらのウギンの技は、事前に占術を行う際にマナコストを参照し、じっくりとライブラリを吟味したのちに3枚を手堅く引く。どんな状況でも3ドローが保証されているので安定感を求めるならウギンさん、引ける可能性が無限大に広がるのでチャレンジするならイクシドールに頼ればいいということになる。エルドラージとかアホみたいなデカブツが並ぶならば、この呪文は「時を超えた探索」すら凌駕するスーパー発掘呪文になるが、やっぱり5マナソーサリーは軽いとは言い難いよな。リミテッドなら問題無し、構築だと、ちょい厳しいか? 優先すべきはやっぱり「探索」。枚数が引きたい場合でもインスタントの「龍王の大権」の方だろね。




Complete Disregard (2)(B) C

インスタント

欠色

対象の、パワー3以下のクリーチャーを追放する。

 現在のオリジンリミテッドで大活躍中の「魂裂き」が1マナ重くなり、その分インスタントになったり、追放効果になったり。「魂裂き」はリミテッドならばほぼ求められる仕事をこなしてくれる優良コモン。1マナ重くなってしまったので序盤の攻防での利便性はやや低下しているが、それでもインスタントになったことによる汎用性は代え難い魅力。相手の増強スペルに対応してたたき込めるようになったのは大きな変化だ。除去兼燃料補給という必須項目を完璧に満たしているのだから、エルドラージ軍の序盤の支えとして活躍してくれるに違いない。地味に構築戦でも「死霧の猛禽」対策に使えるんだけど、どうでしょうね。

 

Culling Drone (選別するドローン) (1)(B) C

クリーチャー・エルドラージ、ドローン

2/2 欠色 嚥下

 基本のキであるが、黒のクリーチャーのくせに熊ボディにプラス能力という、実にけしからんクリーチャーである。最近では「血顎の憤怒鬼(DTK)」のようにこの条件を満たすクリーチャーもぽつぽつ出始めており、ちょっと前に「コラガンの散兵」が出た時には時代の夜明けを感じたものである。その流れはきっちりこの環境にも受け継がれているということか。同じゼンディカー次元でかつて「愚鈍な虚身(ZEN)」なんて悪ふざけみたいな低スペッククリーチャーがいたことが嘘みたいである。やっぱりエルドラージさんの方が有能ってことっすかねぇ。

 

Drana, Liverator of Malakir マラキールの解放者、ドラーナ (1)(B)(B) M

伝説のクリーチャー・吸血鬼、同盟者

2/3 飛行 先制攻撃

〜がプレイヤーに戦闘ダメージを与えるたび、あなたがコントロールする各攻撃クリーチャーの上に+1/+1カウンターを1つ置く。

 かつての優雅な佇まいが随分精悍なものに変わってしまったドラーナさん。仕方ない。必死に同族や人間達を救おうとしているにも関わらず、無慈悲なエルドラージは日々進撃の速度を速めているのだ。彼女も見栄やプライドだけで生きていくわけにはいかず、前線に立って群衆を指揮したりもするのである。ちなみに、このドラーナさんは話の分かる親ゼンディカー派、というか、自分だって命を長らえたいよ派。逆に、完全にエルドラージに魂を売って妄信的な教義を認めてしまっているのがかつて並び立っていたカリタスさんである。吸血鬼レジェンドにはもう1人アノワンさんってのもいるんだけど、彼が今どこで何をしているのかは不明。さておき、そんな民衆の味方であるドラーナさんの能力は、見ての通りに群衆を引っ張り、力を与える能力。その身に同盟者の名を刻んで旗幟を鮮明に示し、今までは食料としか見ていなかった人間たちにもパワーを分け与えるのである。吸血鬼がなんでこんな事出来るんや、という疑問には公式ストーリーが答えてくれているので、興味がある人はそちらもチェック。絶妙なデザインになっているのは、先制攻撃とダメージ誘発の組み合わせ。飛行クリーチャーのドラーナさんは止められにくいので本体にダメージが通る。すると、一緒に殴っていた地上軍もダメージ解決前に増強される、という寸法。心得ておるナ。彼女が除去られたら……まぁ、元々滅ぶ予定だった人間どもですから……。

 

Guul Draz Overseer グール・ドラズの監視者 (4)(B)(B) R

クリーチャー・吸血鬼

3/4 飛行

上陸 - あなたのコントロールする他のクリーチャーはターン終了時まで+1/+0の修正を受ける。その土地が沼であるなら、代わりに+2/+0の修正を受ける。

 上記のドラーナさんの増強能力に共通するものがあるが、よく見るとコイツのクリーチャータイプに「同盟者」の文字はない。ある程度知性がある存在(ビーストとかじゃない人型クリーチャー)で手に手をとって協力している面々には「同盟者」と刻印されるのが一般的なので、どうやらこの吸血鬼はゼンディカー軍に力を貸す存在ではなく、エルドラージに心酔しちゃった方の駄目なやつらの主犯格のようである。つまり、その一時的な増強能力も「頑張れ頑張れ同盟者!」というエールではなく、「数は力だよ! 兄貴ィ!」と言いながら末裔トークンをすくすく育てるのに使われているわけだ。何とも憎らしい奴である。まぁ、実際のゲームではどちらの軍勢を引き連れて使っても構わないので、同盟者を並べた後のアクセントにも充分有用。イデオロギーなんてこの際どうでもいいのだ。

 

Mind Raker (精神掻き) (3)(B) C

クリーチャー・エルドラージ、昇華者

3/3 欠色

〜が戦場に出たとき、あなたは対戦相手がオーナーである追放領域のカードを1枚そのプレイヤーの墓地に置いてもよい。そうしたなら、各対戦相手は手札を1枚捨てる。

 ほどよい昇華者。4マナ3/3という一切エルドラージ感のないコモンボディに、燃料があれば起動できるちょっとしたディスカード能力。使用感は現在リミテッドで渋く活躍中の「死橋のシャーマン」と大して変わらないだろう。一応シャーマンと違って対戦相手全員に捨てさせられるけども、こいつが統率者戦のデッキに入る未来はあんまり想像できないし。2マナハンデス「精神背信」からこいつに繋ぐと燃料もうまく噛み合って綺麗にアドバンテージを稼げる。3マナ以下には結構な数の嚥下やら追放手段があるので、4マナ域まで来ればそこそこ安定して使えるんじゃないかしら。

 

Painful Truths 苦い心理 (2)(B) R

ソーサリー

収斂 - あなたはカードをX枚引き、X点のライフを失う。Xは〜を唱えるために支払われたマナの色数である。

 なるほど、と膝を叩きたくなる小技の聞いた収斂スペル。収斂というとどうしても「1か5か」みたいな烈日の大雑把な動きばかりイメージしてしまうが、こうして低マナ域でデザインすると面白いカードが出来上がる。ベースとしては「血の署名」の2マナで2ドロー。色拘束を弱くすると「労苦(DGM)」なので、2色デッキで使う場合にはほぼひな形通り。(B)(B)(B)で唱える機会ってのは殆どないだろうから、この呪文で損することはまずない。そして当然狙うべきは3マナでの3ドローだ。3ドローといえば「野望の代償(8ED)」の効果なので4マナが基本。ドロー本家の青でも3マナで3ドローというのは覚えが無いレベルであり、3色必須とはいえ、これはかなりの性能だ。そして収斂のよいところは別に3色が必須ではないという柔軟性。構築クラスも見えるよい燃料である。

 

Retreat to Hagra ハグラへの撤退 (2)(B) U

エンチャント

上陸 - 次のうち1つを選ぶ。

・対象のクリーチャーは、ターン終了時まで+1/+0の修正を受けるとともに接死を得る。

・各対戦相手は1点のライフを失い、あなたは1点のライフを得る。

 撤退サイクルの黒。下の1点ドレインはいかにもこのサイクルらしい手軽な効果。緑撤退が2ライフゲインであることを考えればこちらの方が上位と見られるので、多少なりとも優遇されているといえる。そして注目すべきは上の効果だ。ステータス修正は最小限だが、接死がつくので突破力が格段にあがる。攻め気の強いデッキではかなり頼りになる能力。方向性がはっきりしてるので、デッキインするかどうかを判断しやすいのではなかろうか。

 

Wasteland Strangler 不毛の地の絞殺者 (2)(B) R

クリーチャー・エルドラージ、昇華者

3/2 欠色

〜が戦場に出たとき、対戦相手がオーナーである追放領域のカードを1枚そのプレイヤーの墓地に置いてもよい。そうしたなら、対象のクリーチャーは、ターン終了時まで−3/−3の修正を受ける。

 公式記事では「皮裂き(SOM)」との比較をしていたクリーチャー。なるほど、確かにパワー3で相手に−3をたたき込む黒クリーチャーといえば「皮裂き」か。餌が必要ではあるが、1マナ軽い「皮裂き」は確かに構築クラス。リミテッドならば1引きレアとして文句のないクリーチャーではあるのだが、ただすこぶる地味なのでせっかくの1引きで損した気もするっていう。どうしても派手な動きを期待しちゃうリミテッドのボムレアの感覚って不思議なもんでね。1引き「金箔付け(BNG)」とかだって、文句無いはずなのになんかガッカリしたもんである。で、このクリーチャーが構築レベルにまでのし上がれるかどうかは2つの要素に依る。1つは「倒したいタフネス3以下がどれくらいいるか」。例えば現在のアブザンだと2ターン目「森の女人像」→「包囲サイ」とか、「クルフィックスの狩猟者」→「包囲サイ」とかいうムーヴが当たり前だったもんで、このクリーチャーが出てきてもなんじゃらほい。流石にそこまで骨太なデッキばかりではないと信じたいが序盤の細かい攻防が重要になるマッチが増えるかどうかというメタが大きく関係してくるだろう。そしてもう1つ、3ターン目に燃料が準備出来ているか。2ターン目嚥下が理想だが、クリーチャー頼みの戦略では安定性に欠ける。1,2ターン目に確実に餌が仕込めるカードの量も大事な要素だろう。現時点で公開されてるカードでは2マナのハンデス「精神背信」から繋ぐのが強そうだが……。

 

Makindi Sliderunner (1)(R) C

クリーチャー・ビースト

2/1 トランプル

上陸 - 〜はターン終了時まで+1/+1の修正を受ける。

 調整された上陸生物サイクルの赤。旧ゼンディカーの+2/+2軍団は流石にやり過ぎだったという反省から、この手のコモンは全て+1/+1どまりになっており、とても穏やかにリミテッド向け。とはいえ、2マナで出せて3ターン目に殴れる3/2トランプラーは決してスペックが低いわけではない。旧エルドラージ環境は「2マナ2/2熊を拾うというリミテッドの基本が一切通用しない」という鬼のような環境だったが、今回の環境はそこまで極端にはならない(ってマローが言ってた)ので、この辺りの低マナ域の確保も引き続きデッキメイクの腕を問われる重要な部分ですのよ。

 

Molten Nursery 溶鉄の生育場 (2)(R) U

エンチャント

欠色

あなたが無色の呪文を唱えるたび、〜は対象のクリーチャーかプレイヤーに1点のダメージを与える。

 我がドラフト仲間が見たら「アイツが好きそうなカードだな……」って思ってるかもしれない。YES、そうだね。僕が好きなタイプのリミテッド戦略カードだね。多分、最初のドラフトで開けたパックから出てきたら1引きすると思う。なんとかかき集めようとすると思う。しょうがない、そういう宗教の人だから。あんまり構築レベルのカードには見えないので、やっぱりリミテッドでどの程度運用出来るかを考えるのがいいだろう。過去の例を見ていくと、個人的に実戦レベルまでいったと思ったのはイニストラードの「燃え立つ復讐(ISD)」。何回かデッキにチャレンジしました。ギリギリのラインだったのは「炉の式典(SOM)」。起動時に追加コストが必要だとちょっと辛い。そして駄目だったのは「憤怒の抽出機(NPH)」とか「火炎収斂(RTR)」あたり。やっぱり設置マナが重いと重ね置きが前提に出来ないので辛い。あと、チェックする対象が少なすぎるよ、っていう。そして、話にならなかったのでデッキを組もうとすらしなかったのが「轟く余震(WWK)」。駄目な条件が揃い踏みだった。さて、今回のコイツはどうかというと、チェックする対象はかなり多そう。無色呪文は各色にそこそこ配備されているし、コストだって全部クソ重いってこともないだろう。このカード自体も3マナで重ね置きに適した設定。下準備はやりやすそう。ただ、そうした条件がユルい分、与えられるダメージは1点と少なめ。重ねて置かないとあまり効果がないので、よりピック時の出現運に左右されることに。一番近いのは「自警団の正義(AVR)」じゃないかな。あれはいまいちだったけども……。

 

Retreat to Valakut ヴァラクートへの撤退 (2)(R) U

エンチャント

上陸 - 次のうち1つを選ぶ。

・対象のクリーチャーは、ターン終了時まで+2/+0の修正を受ける。

・対象のクリーチャーはこのターンブロック出来ない。

 ヴァラクートって阿蘇山みたいにボンボン噴火して人なんか住めない印象があったのだが、避難先として問題無いんだろうか。もう、そんな危険地帯に逃げ込まなきゃいけないくらいに追い込まれてるってことなんかな。さておき、撤退サイクルの赤はとても分かりやすい。何しろ、その2つの効果は旧ゼンディカーのコモンランド「ぐらつく峰(ZEN)」と「くすぶる尖塔(WWK)」と全く同じ。土地を置いてこれらの効果が得られる感覚はイメージしやすい。サイクルの中では最も攻め気が強く、守勢に回った時に使える能力が1つもない。つまり、黒以上にデッキインするデッキがはっきりしているカード。攻めに回ったときにはどちらの効果を選んでも相当な打撃力を誇る。サイクル中では一番強いんじゃなかろうか。

 

Beastcaller Expert (獣呼びの熟練者) (1)(G) R

クリーチャー・エルフ、シャーマン、同盟者

1/1 速攻

(T):あなたのマナ・プールに好きな色のマナを1点加える。このマナはクリーチャー呪文を唱えるためにのみ使用出来る。

 「同盟者のマナソース」というところまで読んでてっきり「このマナは同盟者呪文にのみ使える」だと思ったら、流石にそこまで狭量ではなく、クリーチャーなら何に使ってもOKだった。ってことはフレーバー的に一切空気を読まずにここからエルドラージを召喚しても問題無いわけだね。いつの時代も求められるマナエルフ。入れ替わりで退場するのが超性能の「森の女人像」なのでどうしても比べられてしまうが、こいつは速攻と同盟者という2つの側面から違いをアピール。すぐに起動できるために実質1マナクリーチャーということも出来るわけで、中盤以降に引いた時に色マナを捻出する方法としては、この速攻も割と大事な要素。そしてナチュラルに同盟者トリガーを誘発させつつ、色事情の厳しい他の同盟者へのアクセスをサポート。なるほど、小器用で使い道の多そうなクリーチャーである。旧ゼンディカーの同盟者マナソースは「ヘイラバズのドルイド(WWK)」で、あちらは生み出せるマナの量が売りのクリーチャーだった。どちらも使える環境では、新旧マナソースタッグで色鮮やかな同盟者マナを生み出す2人の共演が楽しめるかも。

 

Snapping Gnarlid 噛み付きナーリッド (1)(G) C

クリーチャー・ビースト

2/2

上陸 - 〜はターン終了時まで+1/+1の修正を受ける。

 調整された上陸サイクルの緑。2マナ2/2の熊が、上陸で+1する。うん、普通だ。3ターン目に3/3パンチは普通じゃ止められないが、4ターン目になれば相打ちくらいは取れるようになるだろう。割とあっさり出番は終わるが、その間に3ダメージを刻み、相手クリーチャー1体と相果てる。うん、普通だ。一つ言えるのは、これらのおかげで「土地2枚の初手キープしたけど3枚目を引かない事故」の悲しさがより際だつということである。ゼンディカー環境は土地多めで構築、コレ基本ね。

 

Angelic Captain 天使の隊長 (3)(R)(W) R

クリーチャー・天使、同盟者

4/3 飛行

〜が攻撃するたび、他の攻撃している同盟者1体につき、〜はターン終了時まで+1/+1の修正を受ける。

 イオナさんとか「不死の天使(ROE)」とかもそうだったけど、ゼンディカー次元の天使って、羽多くない? 各々の羽がぶつかって空飛ぶのに影響したりしないんだろうか。フレーバーに「全天を覆うようであった」って書いてるけど、そりゃこんだけもっさりしてりゃな。羽が多いことで有名なコラガン氏族の龍でもここまでもっさりしてない。さておき、そんなもっさり多毛天使は他人には力を貸さないタイプの同盟者。その分、いかにもボロスらしい殴り気強めの一撃必殺パンチで早期の戦争終結を狙う剛の者。地上に2〜3体の同盟者を配置した後のこいつの殴り値は半端じゃない。6ターン目に殴って7/6フライヤーとか、そりゃ強いだろう。ただ、こいつにエネルギー注入するために殴りに行った他の同盟者の命がどうなるかは分からない。普通に考えれば、地上の2〜3体が殴っても死なないような有利な状態だったら普通の同盟者デッキは押せ押せムードなわけで、空から特大パンチする必要は特に無い気もする。結局「有利をより有利にする」クリーチャーなので同盟者デッキではそこまで求められる力ではなさそう。彼らに求められるのは個を群にする団結力なのである。まー、5マナ4/3フライヤーっていうだけで強いんだから、リミテッドだったらそれ目的でいいんじゃないかな。

 

Pilgrim’s Eye/巡礼者の目(WWK)」 U

 同盟者サイドのおかげで色マナ事情がめっちゃ大変そうってことで再登板を要請された優秀なマナサポートアーティファクト。実はワールドウェイク以来の再録なのだが、とても便利なカードなおかげで各種統率者デッキ、そして僕の作った「オレマス」など様々なシーンで目にすることが多かったので、あんまり久しぶりって感じがしない。1/1フライヤーがおまけについてくる割にはマナ効率も良く、直接土地が出るので1ターンに上陸2回の達成も容易。環境を盛り上げるナイスサポーター。しかし、あまりにナイスだったせいなのか、何故かアンコモンに格上げという残念過ぎる結果に……。えぇ〜、それはちょっと……。足下見過ぎじゃないですかね……。

 

Blighted Cataract  U

土地

(T):あなたのマナ・プールに(1)を加える。

(5)(U)(T)、〜を生け贄に捧げる:カードを2枚引く。

 これもサイクルだろうね。今回の土地シリーズは、コモンに187ランド、アンコモンにサクって効果を得るランド、っていう陣容なんじゃなかろうか。このカードは中盤以降のドローをサポート。もちろん土地のやる仕事なのでマナ効率は良くないが、思い出したように使える能力としてはそれなりのものだろう。こうした土地がデザインされた動機は、上陸を推し進めるリミテッド環境の保全である。「上陸を活用したい」→「土地をいっぱい入れたい」→「スペルを入れるスロットが減る」→「土地をいっぱい並べた時にスペルみたいに使える土地があればいいじゃない」という論法。無色マナしか出せないので色が広がりきった同盟者デッキなんかでは悩ましいが、エルドラージが二の矢・三の矢を補充する方法としてはまとまっている。

 

Fertile Thicket 肥沃な茂み C

土地

〜はタップ状態で戦場に出る。

〜が戦場に出たとき、あなたのライブラリを上から5枚見てもよい。そうしたなら、その中から最大1枚までの基本土地・カードを公開し、それをライブラリのトップに置き、残りのカードを好きな順番でライブラリの下に置く。

(T):あなたのマナ・プールに(G)を加える。

 今回も登場した「ちょいおまけコモンランド」サイクル。旧ゼンディカーではゼンディカー・ワールドウェイクで5枚ずつ、計10枚が登場し、色事情が厳しくなかったリミテッドではどれもそこそこの活躍を見せた。「カルニの宝石(ZEN)」あたりで戻してやると再利用出来る小細工、っていう立ち位置で、当時の課題を強いてあげるなら、「めっちゃ速いゼンディカーリミテッドでタップインランドが許容出来るか」という部分だった。その点、今回の環境はタップインへの抵抗は薄い。確実に環境の速度が低減されると思われるからだ。あとは、同盟者側は色マナ勘定との相談である。さて、このサイクルの緑は旧作では「カルニの庭(WWK)」が結果を残したために今回も期待されるがどうだろう。今回はなんと土地による土地サーチ。「土地を置いたら次に土地引くのが確定って、強いか?」と一瞬訝しんだが、これは一種の色マナ調整機構と考えることが出来るだろう。色が広がってしまったデッキの場合、5枚も探せばお目当ての土地にぶつかる可能性は高いし、駄目だった場合でも公開は任意なので、何も見せずに下に回せばハズレ5枚をすっ飛ばすことが出来る。どうせ多色を目指すなら緑が一番有利だろうから、その端緒を示す渋く光るカードだ。

 

Looming Spires そびえる尖頂 C

土地

〜はタップ状態で戦場に出る。

〜が戦場に出たとき、対象のくリーチャーは、ターン終了時まで+1/+1の修正を受けるとともに先制攻撃を得る。

(T):あなたのマナ・プールに(R)を加える。

 コモンランドサイクルの赤は+1と先制攻撃。旧作の白赤上陸ビートや赤単で大活躍した「ぐらつく峰(ZEN)」ほど打撃力が上がるわけではないが、先制なのでクリーチャー戦闘に与える影響は大きくなった。どうせ相手はブロックしなくなるだろうが、1ターン分のブロック不可を与えられると考えれば打撃力は充分。「ゴブリンの先達(ZEN)」「板金鎧の土百足(ZEN)」なんかでガッチガチに固めた当時の赤単スライみたいな速度のデッキが出来上がれば、これは追加の「ダメージスペル」としてカウント出来るかもしれない。リミテッドでは、1つ1つの泥臭い戦闘の重要度があがるのでさらにニーズが増す。「廃墟の幽霊(WWK)」とか再録されないかなぁ。

 

Mortuary Mire 亡骸のぬかるみ C

土地

〜はタップ状態で戦場に出る。

〜が戦場に出たとき、対象の、あなたの墓地にあるクリーチャー・カードをライブラリのトップに置いてもよい。

(T):あなたのマナ・プールに(B)を加える。

 コモンランドサイクルの黒。旧作では「ボジューカの沼(WWK)」があらゆる環境で、そして現在進行形で大活躍している。コモンの土地とは思えない存在感で、やっぱり「土地の効果ってバランス調整が難しい」ということを感じさせる1枚になっていた(まぁ、リミテッドでは空気だったわけだが)。今回の黒はクリーチャー限定の「回収」効果。うーむ、サイクル中では地味な方かな。ただ、今回のセットは「クリーチャー」といってもピンキリ。2マナ2/2の熊をトップに詰んでも相手はほっとするばかりだが、これがやっとの思いで倒した11/9のエルドラージだったら? デッキの組成次第でクリティカルもありますぜ。

 

Sandstone Bridge 砂岩の橋 C

土地

〜はタップ状態で戦場に出る。

〜が戦場に出たとき、対象のクリーチャーは、ターン終了時まで+1/+1の修正を受けるとともに警戒を得る。

(T):あなたのマナ・プールに(W)を加える。

 コモンランドサイクルの白。実は旧サイクルは白が一番地味で、2点ライフを得るだけの「カビーラの交差路(WWK)」とプロテクション付与の「セジーリのステップ(ZEN)」の2枚。プロテクションはリミテッドで一応出番があったが、ソーサリータイミングなので用途が限定されていた。ライフゲインの方はよりによって「隠れ家」サイクルと一緒にいたのでパチモン感が半端じゃなかった。今回は赤と同じように直接戦闘に影響する効果。先制攻撃に比べると地味ではあるが、これも使う対象次第だろう。エルドラージに警戒付与ならば相手の嫌がる顔はたっぷり拝めるはずだ。赤と違って攻防一体なので、序盤のせめぎ合いでも渋い仕事をしてくれる。攻め一辺倒の赤よりも、実はこっちの方が使いやすいかもしれない。

 

Skyline Cascade 天空の滝 C

土地

〜はタップ状態で戦場に出る。

〜が戦場に出たとき、対象の、対戦相手のコントロールするクリーチャーは、そのコントローラーの次のアンタップ・ステップにアンタップしない。

(T):あなたのマナ・プールに(U)を加える。

 コモンランドサイクルの青。旧作のこのサイクルといえば、やっぱり「ハリマーの深み(WWK)」だろう。今になってみれば占術土地の亜種程度にしか見えないかもしれないが、当時はあの青い悪魔、神ジェイス、そしてフェッチも同じセットにいたのである。まだ現役だった神ジェイスを4ターン目に置けるかどうかが青いデッキの勝敗をはっきり分けたあの時代、「深みで探す→なかったらフェッチでシャッフル」を繰り返して確実にジェイスを引き当てる様子は鬼気迫るものがあった。そんでジェイスが出たら出たでまたライブラリの上をいじり始めるしね。本当に精神衛生上良くない環境だったよ(トラウマ)。さておき、今回はそんな悪夢じみた効果はないが、サイクル中でも分かりやすく強そうな1枚。置くだけで相手クリーチャーを1ターン無効化出来る(かもしれない)。流石に「夢への誘い」のようにタップしてくれる効果まではないが、相手アタッカーが予想外の方向から「眠らされ」たら、相手のダメージ計算もブロック計算も大きく狂う。土地を置くついでの時間稼ぎとしては充分過ぎるだろう。白青で組んで「潮流の先駆け」と「迅速な報い」とか全部ぶっ込めば、相手は怖くてタップ出来なくなるかも。

 

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