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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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「刀使ノ巫女」 4→7

 珍しいくらいの尻上がり作品。中盤以降は毎回感想書きたかったんだけど、週末の作業量の多さに泣く泣く断念していた。そういうところで妥協するのが駄目なんだ。

 3点増はやや過大評価な気はするが、今作の当初の印象と終了後の印象の差を表現するために多少下駄を履かせている。最終話なんて、本当に色んなところで涙腺にダメージがあったのだが、悲劇としての涙ではなく、本当に爽やかで優しい涙だった。最初の印象ではここまで入れ込むような物語になるとは全く思っていなかったのだが。

 本作で最大の評価点は、昨今では珍しいくらいに地に足のついた構成プランだと思う。2クールアニメ自体が数を減らす中、いざ2クール作品があったとしても、どこか中だるみしてしまう作品が多く、「ダラダラ2クールも見続けるモチベーションが続かない」という反応が出て来がちである(そんな傾向がさらに1クール作品を増やしてしまうという循環を形成もする)。しかし今作の場合、前半パートでのドラマがしっかりと後半戦の基盤として機能しており、着実に積み重ねていることが実感しやすい構成になっている。ぶっちゃけ作画面ではそこまで優れた作品ではなかったので、純粋にシナリオと構成だけでここまでの作品になったと考えれば、さらにその希少価値が高まるように思う。「いや、お話で見せるなんて普通のことだろ」と言われるかもしれないが、本当に、最近のアニメはその「普通」が難しいのである。

 今作の難点をあえて挙げるとすれば、先述の通りに作画面で若干怪しい部分が見られたこと、そして何より、導入時の展開が強引だったこと。1話目で可奈美が突然試合に乱入して姫和を助けて逃げ出すくだりなんかは「主人公、頭おかしいんじゃねぇか?」と思われてしまったし、そこからの逃走劇のくだりも、世界観を少しずつ説明しながらのじりじりした展開に匙を投げてしまった視聴者も多かったのではなかろうか。よく「アニメは3話まで見ろ」なんてことを言われるが、本作の場合、いくらか波に乗れるまで7〜8話くらいかかっていたように思う。でもまぁ、全24話ならそれくらいの話数を下ごしらえに使うのは普通のことで、昔のアニメだったらそれくらいのスパンで展望を見るのが当たり前だったんだよな。昨今の情報供給過多のご時世、それをやっていると他作品に呑まれて埋もれてしまうという事情があるから、どの作品も必死に劇薬のようにして無茶な「つかみ」を行うのだ。

 本作もそうした「つかみ」は意識していたのだろうが、やはり最終的なゴールを考えるとあまり枠から外れたような馬鹿馬鹿しい派手さを出すわけにも行かず、結果的に「下準備」の期間を必要としてしまった。もっとうまい構成もあったのかもしれないが、こればかりは後考えなので何とも言えない。しかし、そうして多少なりとも辛抱して付き合っていけば、組み上げられた世界観、そしてキャラクター構造が少しずつ有機的に絡み出し、味わいが出てくる。今作は可奈美と姫和の友情を中心に置きつつ、どのキャラクターも無駄にならないような、個々の堅固なドラマが用意されている。ソシャゲ展開が前提になっているおかげでどのキャラも均等に力を入れたいという制作側の贅沢な要望が大きかったと思うが、幸い、そんな一見無茶とも取れる売り込みがきちんと功を成している。友情愛情憎悪に嫉妬、出世欲に自己顕示欲に生存欲求に単なる怠惰。それぞれのキャラの生き様がいちいち個性的で、どのキャラに、どのドラマにウェイトを置くかは視聴者それぞれが好きに選ぶことができるだろう。

 個人的には「母親」というテーマ、「家族」というテーマに弱いので最終回に代表される「血脈の物語」はやはり最大の見どころになったが、モチベーションが上がりにくかった序盤戦を大きく下支えしてくれたキャラクターは実は薫だった。作中で唯一と言っていい全力のコメディリリーフ薫さん。彼女の野放図な振る舞いはよくわからない世界の中でも芯が通っていて見やすいもので、彼女とねねのコミカルなやり取りを挟むことで序盤の視聴を継続することができた。後半まで続く学長との攻防はいつでも最大の見どころであるし、ねねとの関係性は今作最大の眼目であるノロとの関係性の体現でもある。薫が作中で成し遂げた役割は、単なる賑やかし以上のものだったはずだ。

 そして中盤以降は圧倒的に「チーム折神」の面々がお気に入りだった。本作のキャラクターは誰もみな我が身を削って人のために戦っているのだが、そんな中でも最大の自己犠牲を払った最も強い女性は、文句なしで折神紫様だと思う。彼女の凛とした強さは、前半パートでの「ラスボス」的スタンスとのギャップ(地続きではあるが)も相まって本当に格好いい。そして、そんな紫様に心酔し、一心に忠義を遂げた親衛隊の面々。本作は「命の使い方」も構成が巧みで、作中で落命した主要人物は実は親衛隊の2名だけである(隠り世の存在を除く)。元々悪役として設定されてしまった結芽は、人の弱さを感じさせながら、世界中の人間に人とノロとの関係性を考えさせるきっかけを作ったし、最後まで己が正義を貫き世界を我が身に取り込んだ夜見は一義ならざるタギツヒメの複雑な善悪の概念を訴えながら消えた。そんな2人の命を背負いこみ、弱さと強さの間で戦い続けた真希、そしてそれを支えた寿々花。この4人の配置が本当に絶妙なのだ。まぁ、毎回言っている通り、「落ちる女」というモチーフにすこぶる弱いっていう理由もあるんですけど。作中で最後の最後にホームランを打った百合の中心地がまさかの真希×寿々花だったというのもポイントが高い。

 その他、「世代」を入れ替える物語として、ママさん世代の構成が(キャストも含めて!)完璧だとか、最大のボスキャラであるタギツヒメたちを3つの分身に設定してそれぞれの要素を掘り下げていく構成とか、オリジナル要素になっている設定が全て物語を効率的に盛り上げてくれている。別段複雑なことをやっているわけでもないのだが、2クールという尺でできる範囲をきちんと見定め、風呂敷の広げ方、たたみ方を心得ていたからこそ、端正なシナリオラインを組み上げることができたのだろう。何よりもその部分を評価したいのである。もちろん、「剣術」というありきたりに見えて意外に表現の難しいアクション要素を丁寧に描画したことで、映像的にもしっかりとオリジナリティを発揮していたとは思いますよ。

 あとはまぁ、どこまでも個人的嗜好にズドンとくるキャスト展開がなぁ。「ママさん世代」に配置されているキャスト陣が、本当に私のストライクゾーンど真ん中の世代なんですよね、今時、川澄・ゆかな・伊藤静・中原・小清水のラインががっつり楽しめる作品って珍しいでしょう。そこに若手から臆面もなく食い込んで微動だにしない瀬戸麻沙美の存在感や、これだけの面子を前にしながら堂々とラスボスをやってのける日高里菜の特別感にも注目したい。そしてメインとなる「若手世代」の活躍も当然注目すべきところで、本渡・大西の黄金コンビが実に素直に魅力を伸ばしているし、松田姉妹や鈴木絵理、木野日菜ちゃんあたりの仕事ぶりも実に伸び伸びしている。やはりじっくり腰を据えて1つのキャラに挑めるこうした作品は、キャスト陣の経験を積むのには欠かせないだろう。

 ソシャゲだろうが何だろうが、こうして「作り込める」アニメ作品が成り立つメディア展開は今後も推し進めて欲しいところ。そして、こうした作品を見逃さずにきちんと捉えていけるようなアニメ視聴体制も維持したいもんである。

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