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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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<黒>
 
 
Appetite for Brains 脳食願望 (B) U
ソーサリー
対象の対戦相手1人は手札を公開する。あなたは、その中から点数で見たマナ・コストが4以上のカードを1枚選び、それを追放する。
 
 今回のハンデスのコーナー。イニストラードは本当に手札破壊がしょんぼりしっぱなしの世界だったわけだが、ようやくそれらしいカードが登場してくれた。見ての通り、構築でも活躍した「コジレックの審問(ROE)」の逆バージョンである。ただし、当然「軽いコストで軽いハンドを攻められる方が強いよ」と言われるだろうことは予想されていたのだろう、リアニなどの余計な不安要素を排除するため、このカードはリムーブという貴重なボーナスを手に入れている。基本的に、この設定は「メタ次第」という一言で片が付く。「コジレックの審問」の場合、世の中に3マナ以下のカードが入っていないデッキなんてあるわけがないので安定して使うことが出来たが、逆に4マナ以上のカードが入っていないデッキは、割と普通にある。世界中が赤単だらけ、手札全部が「秘密を掘り下げる者」みたいな世界になったら、泣こうがわめこうがこのカードに出番はないだろう。しかし、やはり1マナハンデスで「相手の強いカード」が狙えるのは魅力なのではないだろうか。「墓所のタイタン」に「スラーン」、「出産の殻」に「地下牢の霊」。このカードが引き当ててビンゴ! と叫びたくなるデッキは少なくないだろう。まぁ、落とせないカードの方ばかり見ていると寂しくなるけどねぇ。「忘却の輪」「戦争と平和の剣」「ゲラルフの伝書士」「ドラグスコルの隊長」に「聖トラフトの霊」……いやいや、前を向けよ。ギデオンもジェイスもガラクもソリンも、プレインズウォーカーならほとんどいちころだぜ! いや、ティボルトさんは呼んでないんで!
 
 
Barter in Blood 血のやりとり (2)(B)(B) U (ミラディンから再録)
ソーサリー
各プレイヤーはクリーチャーを2体生け贄に捧げる。
 
 ひたすら苦境に立たされる黒が望みを繋ぐのが、アンコモンで堅実に入手出来る除去カード。除去枠が優秀なら、何とかやっていけるはず。そして、そんな期待を背負いながら10年の時を経て帰還したのがこの「血のやりとり」である。……ん、まぁ、悪くない。使いづらいのは性格上仕方のない部分であるし、黒はこれの影響をもろに食らう単騎を推し進めているのが本当にどうなんだろう、という気もするのだが、逆に言えば単騎駆けしていたクリーチャーが死んでしまえば、心置きなくこのスペルが使えるということでもある。また、今回の黒は「死亡誘発」がサブテーマになっているのだから、積極的にそうした効果を発動させる意味はあるはずだ。そう、物事はポジティブに考えるべきなのだ。天敵である呪禁も対策出来るし、最高効率ならアドバンテージが狙える除去になるのだから、決してはずれ選択肢ではないのだ。これで「無謀な悪意(INV)」とかが再録されたら、それはそれで文句が出るところでしょ。
 
 
Blood Artist 血の芸術家 (1)(B) U
クリーチャー・吸血鬼
0/1
〜か他のクリーチャー1体が死亡するたび、対象のプレイヤー1人は1点のライフを失い、あなたは1点のライフを得る。
 
 現在非道な活躍を見せる「ファルケンラスの貴族」の能力だけをコンパクトパッケージ。能力的には0/1という単なる置物になってしまったが、「貴族」の場合も、自身によるパンチが(主な)強さの理由にはなっていなかった。この能力があるだけで、相手は死にたくなくなり、殺したくなくなる。ひたすら味方をサクるだけでもあり得ないスピードで広がるライフ差は、このクリーチャーでも充分再現可能だ。手軽における毒薬として、この世界でもきっちり要望に応えてくれるだろう。まぁ、タフネス1というのがこの世界では存外響くデメリットになってしまっているのが気になるが……除去を使わせた上で1点吸えればそれでいいか、という気も。ちゅるり。
 
 
Blood Connoisseur 流血の鑑定人 (2)(B) C
クリーチャー・吸血鬼
1/1
クリーチャーを1体生け贄に捧げる:〜の上に+1/+1カウンターを1つ置く。
 
 ブロックする力を得ることに成功した「屍肉喰らい(SCG)」。おかげで2マナも重たくなり、3マナ1/1と魅力が薄いステータスに見えるようになってしまったが、これは決して弱体化ではない。どうせ他人に依存するクリーチャーなので先んじて登場する意味はそこまで大きくなかったし、膨れあがるパワー・タフネスを最大限に使うためには、ブロック出来るかどうかは大きな差になるからだ。まぁ、このクリーチャーが使われる理由のほとんどは「1マナで出せるサクり台」っていうのが大きかったから、そういう意味でコンボデッキなどに使うことは出来なくなってしまったんだけどね。リミテッドならば無駄なく自軍戦力を拡大出来る中堅クリーチャーとして重宝するだろう。
 
 
Bone Splinters 骨の粉砕 (B) C (アラーラの断片より再録)
ソーサリー
〜を唱えるための追加コストとして、クリーチャーを1体生け贄に捧げる。
対象のクリーチャー1体を破壊する。
 
 どんどん天使に押し込まれてじり貧になっている黒が、破れかぶれで導入したグリクシス原産の1マナ除去。アラーラ当時にはジャンドの特殊能力の1つであるトークン生産と組み合わせて確実な殺戮を刻んでいたわけだが、この世界では、残念ながら黒にそうした物量を稼ぐ手段は与えられていない。大人しく虎の子のクリーチャーを差し出して、アドバンテージロスに唇をかみしめるだけだ。とはいえ、大したことのないクリーチャーの多い状態でなら、天使を撃墜するのに迷いは無いだろうし、単騎狙いならば脇に控えているクリーチャーがいらなくなるタイミングはあるかもしれない。そして、どんな犠牲を払おうとも、やはり1マナで無条件の除去は手放すことなど出来ないだろう。このスペルを撃ちながら、「クリーチャー除去ってこっちのクリーチャーが増えるんだから、本当にトリナクスって強かったよな」とかいうことを思い出すといい。尊い犠牲を払ったのに相手が「雲隠れ」とかで逃げたらキレていい。
 
 
Butcher Ghoulグールの解体人 (1)(B) C
クリーチャー・ゾンビ
1/1 不死
 
 大丈夫、既に「盲いたグール」と「絡み根の霊」の時に覚悟は決めてたから。黒が緑にクリーチャーの質で圧倒されることなんて、よくあることですよ。むしろリミテッドで「若き狼」と同じ環境にいなくて良かったな、とポジティブなことすら言える。この素体って、2マナでも充分強い部類だよね。よかったな、黒。
 
 
Corpse Traders 死体の交易商人 (3)(B) U
クリーチャー・人間、ならず者
3/3
(2)(B)、クリーチャーを1体生け贄に捧げる:対象の対戦相手は手札を公開する。あなたはその中からカードを1枚選ぶ。そのプレイヤーは選ばれた手札を捨てる。この能力は、あなたがソーサリーを唱えられるときにのみ起動出来る。
 
 他人の死を使って一儲けを企む闇商人。この手の、クリーチャーを使って手札を攻めるカードというのは黒には脈々と流れる系譜であり、このクリーチャーに近いイメージなのは「サディストの催眠術師(ODY)」あたりだろうか。実際は起動出来る能力が「強要(9ED)」なので、ハンデスとしての性能は「精神創傷(8ED)」か。起動コストは多少重たいが、効果の絶大さを考えれば致し方ない。なにせ1回手札を確認すれば、次にもう1回起動するべきかどうかは大体判断出来るわけで、無駄遣いの心配は少ないのだから。そう、この手のカードは、相手の手札が目減りすると役立たずになりがちだ。「精神創傷」のような専門エンチャントは、すぐに無駄な置物になってしまうので「わざわざ設置するのもなぁ」というレベルだったわけだが、こいつが偉いのは、システムクリーチャーのくせに4マナ3/3と無駄にでかいところ。やっぱり死体を扱う人間はある程度体力に自信が無いとやっていけないんだろう。自分の能力で前方視界を確認し、大丈夫ならパンチパンチ。八面六臂の自己完結っぷりである。
 
 
Crypt Creeper 墓所を歩くもの (1)(B) C (オデッセイから再録)
クリーチャー・ゾンビ
2/1
〜を生け贄に捧げる:対象の、いずれかの墓地のカード1枚を追放する。
 
 オデッセイから出張してきた普通のコモン。当時はそれこそ徹底した墓地環境だったので、フラッシュバックを取り除いたりスレッショルドを邪魔したり、スタックルールを利用してきっちり相打ちを取りながら嫌がらせが出来る、お手本のような基本コモンだったのだが、さて、この環境に帰ってきて何をするつもりなんだろう。いや、2マナでパワー2だから普通に使うんだろうけど。ゾンビに厳しい世界ではあるが、頑張って生きてほしい。死んでるけど。
 
 
Dark Impostor 闇の詐称者 (2)(B) R
クリーチャー・吸血鬼、暗殺者
2/2
(4)(B)(B):対象のクリーチャー1体を追放し、〜の上に+1/+1カウンターを1つ置く。
〜は、これによって追放された全てのクリーチャー・カードの起動型能力を持つ。
 
 恐ろしく直接的な方法で息の根を止めにくる、珍しいタイプの暗殺者。何せ6マナ払えば問答無用の追放措置だ。未だかつて、ここまで圧倒的にクリーチャーを処罰する効果も無かった気がする。「6マナから始まる殺戮劇」といえば「戦慄をなす者ヴィザラ(ONS)」であるが、こいつも同じように、場に出ているだけで6マナがゴールテープになるのだ。なんか能力まで頂いたり、自分が大きくなったりするオプションもあるけど、6マナの起動型能力を複数回使う前提の時点であまり気にしなくてもいいだろう。使い続けられりゃ、そんなもんは無くても勝てるのだから。起動型能力を集めて何か恐ろしい生物を生み出す「壊死のウーズ(SOM)」みたいなプランも立てられなくもないが、ものすごい友情プレイが必要なので、夢にも見ない方が良いのです。
 
 
Death Wind 死の風 (X)(B) C
インスタント
対象のクリーチャー1体は、ターン終了時までーX/ーXの修正を受ける。
 
 今回の、貴重な「よさげな除去」。コモンであり、インスタントであり、対応範囲も広く、確実性もある。でかいクリーチャーを殺す時にはそれ相応の手間がかかるが、どうせこれまでも確定除去なら「死の愛撫」みたいにコストはかかっていたわけで、この程度の出費なら安いものだ。是非とも黒をやるなら複数枚そろえておきたい。ちなみに、イラストで白骨化しているのは、なんと天使である。天使さんの骨格標本なんて珍しいものが見られるのも、このカードだけ。
 
 
 
Demonic Rising 悪魔の顕現 (3)(B)(B) R
エンチャント
あなたの終了ステップの開始時に、あなたが丁度1体のクリーチャーだけをコントロールしているなら、5/5で飛行を持つ、黒のデーモン・クリーチャー・トークンを1体戦場に出す。
 
 白が天使を出し過ぎるんだったら、黒だってデーモンを出しまくってやるぜ! という意気込みが表れたカード。うまくいけば何のコストも支払わずに毎ターン5/5のデーモンが助太刀に来てくれるわけで、効率だけならリミテッドで暴れ回る「スカースダグの高僧」をも上回る。割と頑張った方なのは認めてあげるべきだろう。だが、やっぱりこの制限はなぁ……黒は単騎駆けが好きらしいので条件を満たすのは案外簡単なのかもしれないが、結局これが起動してしまうともう単騎ではなくなってしまう。毎ターン「スカースダグの信者」のような生け贄機構と一緒につかえばアドバンテージも狙えるが、それだったら「目覚めの領域(ROE)」でも「リスの巣(ODY)」でも、もっと軽くて楽なカードがいっぱいある。わざわざデーモンに依頼するようなお仕事じゃない。ということは、場に出たときのサイズを使わせてもらうべきか。ほら、「戦嵐のうねり」みたいな。……俺が手慰みで組んだ「荒れ野の本質」デッキの方がまだ強そうだ。やっぱり、最大の問題はこれが5マナエンチャントっていうところでさぁ。黒はなんか5マナのエンチャントに含みでもあるのか。
 
 
Demonic Taskmaster 悪魔の監督官 (2)(B) U
クリーチャー・デーモン
4/3 飛行
あなたのアップキープの開始時に、〜以外のクリーチャーを1体生け贄に捧げる。
 
 今回黒に与えられた「Loners(単騎)」というイメージの能力。1人でいればコスト以上のお得カードだけど、仲間がいるとすげぇ邪魔。人間どもが手に手を取って攻めてくるのと真逆の発想というわけだ。リミテッドで白黒とか組みにくそうだな。で、そんなアンコモンクラスの単騎駆けだが、3マナ4/3飛行は普通に考えればチビるレベル。かつて3マナで出てきてパワー4で殴れたフライヤーっていうと、何故かぱっと浮かんだのが「穏やかな霞(RAV)」だった。なんか違う。まぁ、それだけあのカードが強かったってこと。現環境でも「幽体の飛行」をしょった「金切り声のスカーブ」でお手軽に再現できます。こんだけ強けりゃ単騎だろうが損気だろうが何とかなる気がするけど、クリーチャー並べないと話にならないリミテッドだとやっぱりきついのかなぁ。かつて黒にデメリットを与えた「アーボーグのシャンブラー(INV)」とか「剃刀顎の鬼(SOK)」とか、なんやかんやで使いにくかったしなぁ。
 
 
Demonlord of Ashmouth 灰口の悪魔王 (2)(B)(B) R
クリーチャー・デーモン
5/4 飛行 不死
〜が戦場に出たとき、あなたが他のクリーチャー1体を生け贄に捧げない限り、〜を追放する。
 
 登場時に生け贄を要求することで無体なパワーを手に入れた、悪魔らしい悪魔。過去にも黒には犠牲を要求するカードはたくさんあったわけだが、レアデーモンってことで、そんな中でも破格の性能を持ち合わせている。4マナ4/4のスラーンさんが大活躍なんだから、同じコストでパワーが高くて空を飛んでるこの人が弱いはずもないのだ。いやいや、分かってる。スラーンさんは圧倒的な防御力が売りなだけですから、このカードと比較するのはおかしいですよ。でもね、このカードにも不死が付いている。一回までなら死んでも大丈夫だし、むしろ死んで6/5ならそこそこ「深淵の迫害者」の領域にまで到達する。出されたら相当危険なカードなのは間違いないだろう。ちなみに、「不死がついてるから全体除去にも強くて、ミラクル元気!」とか思いがちだが、不死で帰ってきた時にも当然生け贄は要求しますので。仲間がいないと結局あぼん。割と綺麗なバランスなのかもしれん。
 
 
Descent into Madness 狂気堕ち (3)(B)(B) M
エンチャント
あなたのアップキープの開始時に、〜の上に絶望(despair)カウンターを1つ置き、その後、各プレイヤーはX個の、パーマネントと手札の組み合わせを追放する。Xは〜の上の絶望カウンターの数である。
 
 今回のセットは黒がいじめられているらしい、という被害妄想が着実に進行しているわけだが、多分本当だ。このカードは神話であるが、非常に使いどころが難しいカードになっており、アホみたいな天使が飛び回る他の色の神話とは一線を画している。効果だけを見れば、決して弱いカードではない。過去には似たようなカードでも「煙突(USG)」や「陰謀団の先手、ブレイズ(ODY)」なんかはきっちりデッキを作った経歴を持つ花形カードなのだから。このカードは、さらにそれらの狙いにハンデスを加えることで、より黒らしさをアピールする形になっている。ひょっとしたら当時の「煙突」のようなソフトロックが組める可能性もあるだろう。ただ、残念ながら諸先輩方に比べると、はっきりと弱くなっているのは事実。一番の差は、効果が自分のアップキープにしか起こらないという部分。「煙突」も「ブレイズ」も、「サクりはじめはまず相手から」というのが強さの一要因であり、特に「煙突」はカウンターの増加によるダメージが相手に行ったあとで、自分はゆっくり「煙突」自体をサクるという技が使えたので反則じみた動きになったわけだが、このカードにはそんなペテンは通じない。あくまで仲良く、リソースがドカーンである。また、手札をも食い尽くすようになったのは面白い部分ではあるのだが、序盤は単に相手に選択肢を与えているだけである。今までのようにタイトな縛りを生み出す前に、手札である程度ごまかされてしまうのは速度の面で不安が残る。そして決定的な3つ目の欠点は、やはりどう考えても5マナは重すぎるということ。毎度毎度言ってるけど、5マナエンチャントに頼るデッキなんて、そうそう成立するもんじゃない。この神話は、お近づきになれない。
 
 
戦慄の奴隷商人 Dread Slaver (3)(B)(B) R
クリーチャー・ゾンビ・ホラー
3/5
このターン、〜によってダメージを与えられたクリーチャーが死亡するたび、そのカードをあなたのコントロール下で戦場に戻す。そのクリーチャーは、本来の色やタイプに加えて黒のゾンビでもある。
 
 殺した相手を洗脳する能力というと、「魂の収集家(SCG)」のように吸血鬼の能力だと思うのだが、何故か今回はゾンビである。そして、同じコストの「魂の収集家」が3/4フライヤーだったことを考えると、このクリーチャーはあんまりパッとしないレアである。タフネス5ってことで相当死ににくくなっており、この「ダメージを与える」能力とは噛み合っているのだが、だからって嬉しいかと言われると、そんなにぴんと来るもんでもない。1パック目を開けて出てきたところで「レアが……弱くはない、でも、そこまで引きたいかといわれると……」と頭を抱えてしまう。いや、弱くはないですから。緑と組み合わせて格闘に使ってみたり、赤のティム能力を付けたり、色々とあるじゃない。
 
 
Driver of the Dead 死体の運び屋 (3)(B) C
クリーチャー・吸血鬼
3/2
〜が死亡したとき、対象の、あなたの墓地にある点数で見たマナコストが2以下のクリーチャーを、戦場に戻す。
 
 強いて言うなら「グレイブディガー」的な枠で、書いてあることは悪くない。4マナ3/2は黒としてはそこそこだし、殺されたとしても代打が墓地から出てきてくれるので、アドバンテージも狙いやすい。2マナ以下に限定されているので大した援軍は期待出来ないけど、無いよりあった方がいいのは間違いない。……でも、なんだろう、この地味さ。吸血鬼なんだよね、こいつ。吸血鬼らしさが欠片も無くて、墓地から云々が何をイメージしたものかさっぱりわからんのだ。あげく、「単騎」というこのセットの黒のコンセプトも華麗にスルー。なんなんだろう。何に使おう。2マナ以下で拾いたいカードっていうと、真っ先に「瞬唱」が思いついちゃうのが本当に酷い。こいつが死んで瞬唱戻って、瞬唱から「墓暴き」でこいつ回収とかどうだろう。……意味が無い! まぁ、最初の情報だとアンコモンってなってたけど実際はコモンだったので、アドバンテージゲット出来るコモンなら文句は無いわな。
 
 
Essence Harvest 本質の収穫 (2)(B) C
ソーサリー
対象のプレイヤー1人はX点のライフを失い、あなたはX点のライフを得る。〜は、あなたのコントロールする、最もパワーの高いクリーチャーのパワーの値である。
 
 ドレインスペル。黒のドレインといえば最近だと「魂の消耗」ということになるが、このスペルはコストにXを採用しておらず、参照するのはクリーチャーのパワーだ。まぁ、3マナ固定であることを考えれば、Xの値は3〜4でも不満はないのかもしれないが、それってクリーチャーにも打ち込める火力だった場合の話。このカードって、本体のライフしか狙い撃てないんですよ。……ちょっとひどいな。そりゃまぁ、4ターン目に「朽ちゆく沼蛇」からこの呪文連打してたら勝てることは勝てるだろうけど、そんなチャンスそうそうないだろうし、そもそもこの呪文を集めまくったデッキが勝てるか、と言われると、いくら何でも無謀過ぎる気がする。なんらかのパワーをあげる装備品とかとの併用かなぁ。そこまで頑張りたいカードにも見えないんだけども。
 
 
Evernight Shade 常夜の影 (3)(B) U
クリーチャー・シェイド
1/1 不死
(B):〜はターン終了時まで+1/+1の修正を受ける。
 
 このブロックのシェイド枠。あれ、そういやシェイドって最近いなかったか。直近だと変則シェイドの「ゾフの影(ROE)」が最後、随分久しぶりですね。せっかくなので復習しておくと、シェイドの基本形は3マナの「立ちはだかる影(M10)」。大体拡張セットの場合はそこに能力を1つ加えて4マナとか5マナになることが多い。1マナ増やしただけでステータスアップした上に速攻まで付けた「墓所の切り裂き魔(ZEN)」あたりはヒット作。で、このクリーチャーもそのフォーマットに従っており、1マナの増加で不死がついた。他の不死クリーチャーを見ると、たとえば「盲いたグール」はどう考えても不死が無かったら2マナ以下のカードだったわけで、その増加コストは3マナだ。「復習に燃えた吸血鬼」も元々は「ギザ蜂の群れ(WWK)」なので2マナの増加。そう考えると、1マナ増えただけで不死を手にしたこのカードは充分やりよるデザイン。シェイドの弱点は、出したターンにマナが無くて無力であるという部分だが、このクリーチャーはよみがえることで一回分の弱点をチャラにしているし、サイズアップのプレッシャーがさらに大きくなるだろう。いっぺんでいいからピカレスク気取りの黒単なんかを組んでこいつに我が世の春を味わってもらいたいところだ。
 
 
Exquisite Blood 極上の血 (4)(B) R
エンチャント
いずれかの対戦相手がライフを失うたび、あなたはそれに等しい値のライフを得る。
 
 かつて僕が好きだったエンチャント「血なまぐさい結合(M10)」の真逆の能力を持つエンチャント。「結合」は自分がライフを得ることで相手のライフを削ったが、こちらのカードは相手を削ることで自分が回復する。デッキの組みがいがあるのは当然「結合」の方。ライフを失わせる効果は直接勝ち手段になりうるし、ライフゲイン効果というのは軽んじられることが多く、低コストで相手のライフを攻めやすくなったからだ。しかし、ライフゲインってのは狙ってやらないとなかなか起こらないのに対し、ライフルーズは試合をしてりゃ必ず発生する。このカードは適当に置いといて殴るだけで、幾ばくかのライフリソースとして使えるということである。そう考えると、無駄なカードではないということになるが……いらないよねぇ。5マナだもんねぇ。回復出来る上限は20点なわけだし、そこまで回復出来るほど攻められるデッキでこんなカード入れてる暇が無いし。「火炎の裂け目(NEM)」みたいにダメージがお互い発生するカードをガンガン使うとかなら面白い……かなぁ。使わないだろうなぁ。一応、「血なまぐさい結合」を置いた状態でこの似たもの兄弟を並べると、1点のダメージ、1点のライフゲインのどちらかで相手を瞬殺出来る謎のコンボが成立する。レッツ5マナエンチャント。
 
 
Ghoulflesh 腐肉化 (B) C
エンチャント・オーラ
エンチャント(クリーチャー)
エンチャントされたクリーチャーは−1/−1の修正を受けるとともに、本来の色やクリーチャー・タイプに加えて、黒のゾンビでもある。
 
 白が天使にするなら、黒はゾンビにしたろやないか、というオーラ。とりあえず-1除去なので、リミテッドならば重宝する。また、相手クリーチャーが「奉仕へのいざない」で天使のコスプレを楽しんでいる時にこれを張ると、黒くなるので相手のオーラがはがせる、なんて小技もある。基本的に黒のゾンビになることに一切メリットは無いので、単なる除去として使うしかないカードなんだろうね。「死の重み」に慣れた状態だと、本当に切ない。
 
 
Gloom Surgeon 鬱外科医 (1)(B) R
クリーチャー・スピリット
2/1
〜に戦闘ダメージを与えられる場合、そのダメージを全て軽減し、その値に等しい枚数のカードを、あなたのライブラリの上から追放する。
 
 まず1つ。こいつの日本語名、流石にどうかと思う。「Gloom」の定訳は確かに「鬱」もあるのだが、その他に「薄暗がり」というのがある。イラストのイメージやフレーバーを見ると、どう考えてもこいつは「薄暗がりの外科医」で良いと思うのだが、なんでこんな、絶対に執刀を任せたくないような危険な名前になったんだろうか。「メス、鉗子、……死にたい……」とか、嫌だろ。さておき、そんな鬱病患者であるが、書いてあることはかなり斬新。「相手のライブラリを攻める」というカードならたくさんあるわけだが、こいつの場合、自分勝手に「ライブラリを攻めさせる」。ライフが20点、ライブラリは60枚(リミテッドなら40枚)、それなら、相手がライブラリを攻めてくれた方がこちらとしては助かるわけだ。その間、こいつは死なずに2/1クリーチャーとしての仕事を続けられるので、リミテッドでは手頃な延命装置として役に立つし、序盤に出せれば死なないアタッカーとして結構なダメージをもたらしてくれるだろう。構築においても、クリーチャー戦闘で死なないというのはでかいし、こいつにブロックさせて墓地を増やすことはアドバンテージにも直結する。相手がそれを嫌がってくれるならしめたものだ。なかなか面白そうな素材ではないか。
 
 
Grave Exchange 墓の入れ替え (4)(B)(B) C
ソーサリー
対象の、あなたの墓地にあるクリーチャー・カード1枚を手札に戻す。対象のプレイヤー1人は、クリーチャーを1体生け贄に捧げる。
 
 コンセプトは面白い。自分の墓地からクリーチャーが舞い戻り、相手の場からはクリーチャーが1体消え去る。アドバンテージ面でいえば1枚分のお得。そりゃまぁ、悪くない。でもさぁ、これ、6マナのソーサリーかよ……似たような「交換」をイメージするカードは過去にもある。たとえば「残酷な蘇生(ONS)」ならばクリーチャーを屠った上で墓地からゾンビを戻せたし、近いところでは「囁く者、シェオルドレッド」様の交換は激烈だった。また、1枚のソーサリーでのアドバンテージ方法というなら、「疫病の胞子(INV)」みたいに2枚の対象を狙い撃つ方法もあるだろう。このスペルがやっていることは、片方が「墓暴き」で、もう片方が「残酷な布告」である。しょせん1マナと2マナのソーサリー、足しあわせて効率はあがるが、それでも6マナっていうのはどうかと思う。この呪文が一番突き刺さるのが単騎狙いの黒っていうのがどうにもこうにも……
 
 
Griselbrandグリセルブランド (4)(B)(B)(B)(B) M
伝説のクリーチャー・デーモン
7/7 飛行 絆魂
7点のライフを支払う:カードを7枚引く。
 
 安心のブランド、それがグリセルブランド。……言ってみたかっただけ。へぇ、これがあのグリセルブランド様ですか。アヴァシンさんよりもちょっと小さいくせにクアドラプルシンボルとか、どうなのよ。しかも別に防御力が高いわけでもなし、攻撃力が高いわけでもなし、とてもじゃないけどあのリリアナさんに一泡吹かせた御仁には見えなくてよ。ただ、アヴァシンさんみたいな八方美人じゃないだけに、その能力は使いどころがある。とにかく場に出てしまえば「7ライフ払って7枚引くインスタント」がいつでも使えるようになるわけで、むやみにライフに満ちあふれたデッキだったら何とかなる。もしくはさっさと墓地から釣れば早いターンのうちにアドバンテージを爆発させる加速装置になるかもしれない。ご丁寧に本人に絆魂付きなので、出したターンに「捕食」とか使ってライフを稼いでおけば色々とごまかせそうだし。そういう突出した使い方が考えられるだけ、まだアヴァシンさんよりも人気が出そうなのは、黒スキーとしてはちょっと助かった部分だ。今のご時世だと何になるのかね。「掘葬の儀式」でも構わないけど、個人的にお勧めなのは「降霊術」。グリセルブランドコピーでカードを引き、その7枚にグリセルブランドがいたらどうせ捨てることになるから、また7枚引いて……さて、どうやって勝とう。
 
 
Harvester of Souls 魂の収穫者 (4)(B)(B) R
クリーチャー・デーモン
5/5 接死
他のトークンでないクリーチャーが1体死亡するたび、あなたはカードを1枚引いても良い。
 
 デーモンとは思えない素直で使いやすい能力を持った、普通のレア。書いてあることは充分強いが、天使がこれだけ好き勝手やっている状態で6マナ5/5接死のみ、飛行も持ってないのはちょっとだけ寂しい。まぁ、カードが引けるなら文句はいうもんじゃない。相手のターンに引く回数も増えるので、それだけでこの悪魔が奇跡を起こすチャンスは増えているんだ。こいつと「墓所這い」で爆裂ドローシステムとか、やってみたいもんだが。
 
 
Homicidal Seclusion 人殺しの隠遁生活 (4)(B) U
エンチャント
あなたがちょうど1体のクリーチャーをコントロールしている限り、そのクリーチャーは+3/+1の修正を受けるとともに絆魂を持つ。
 
 ひでぇ日本語名だな。カードのコンセプトとネーミングの意味合いもさっぱり分からんし。まぁ、とにかく力強く単騎コンセプトを押し出すエンチャントである。「単騎」というテーマが無茶にしかみえないのは、1体でがんばれるクリーチャーなんてそうそういるはずもなく、どれだけ優れていても数で押されたら結局負けるだろう、ということがわかりきっているからだ。結魂は集まれば強くなるメリット能力なのに、単騎は「1体じゃない」時にデメリットになるというのもなんだか気乗りしない理由である。では、そんな無茶なコンセプトを成り立たせるにはどうしたらよいか。答えは、クリーチャー以外の方法で単騎駆けしてるやつを支援してやればいい。このカードは本当に直接的に問題解決に乗り出したカードであり、どんなクリーチャーでもパワーが3も上がって絆魂が付けば、相当ライフアドバンテージが稼げるようになるはずだ。単騎クリーチャーは元の性能が高く、たとえば3マナ4/3フライヤーの「悪魔の監督官」に続けてこれを出せば、それだけであっという間にゲームが終わるだろう。コンセプトを尖らせる分には面白いカードである。ただ……やっぱりリミテッドで実現させるのは難しいんじゃなかろうか。ほとんどのシチュエーションで置物だからなぁ。まぁ、相手がクリーチャーを除去するのをためらってくれるだけでも意味はあるんだけどさ。せめてもう1マナくらい軽くならなかったもんなんでしょうか。
 
 
Human Frailty 人間の脆さ (B) U
インスタント
対象の人間・クリーチャー1体を破壊する。
 最軽量除去。このコストでも、黒にはきちんと除去を送り出してきた歴史がある。たとえば過去に墓地環境で基本除去としてリミテッドを支えた「恐ろしい死(ODY)」。使用制限はあったものの、きちんと一軍の仕事をしていた。変わり種ならば各種シナジーが美味しかった「暗黒破(RAV)」なんてのもある。修正は小さくてもピリリと辛い、良い除去であった。そして最近でも、「見栄え損ない(ZEN)」は構築でも見事に活躍したヒット作だったし、直近のセットからも「悲劇的な過ち」が小さな身体で本当に頑張ってくれている。1マナインスタントだからって、捨てたもんじゃないのである。で、このカードだが……うん、まぁ、それなりじゃない。大丈夫、ゾンビがいない色はたくさんあるけど、人間がいない色は無いから。今回は割とどの色も人間祭りだし、とにかく人間の邪魔をしまくるのが良いだろう。……で、天使はどうすればいいんでしょう。
 
 
Hunted Ghoul 狩り立てられたグール (B) C
クリーチャー・ゾンビ
1/2
〜では人間をブロック出来ない。
 
 狩り立てられたんならしょうがないよな。うん。
 
 
Killing Wave 殺戮の波 (X)(B) R
ソーサリー
各クリーチャーにつき、そのコントローラーはX点のライフを支払わない限り、それを生け贄に捧げる。
 
 白!白!白! どいつもこいつも白! なぜだ! というわけで黒がお怒りになったパワーを発散するためのカード。過去にもこうして「各クリーチャーについて追加料金を払って下さい」というカードはあったが、大体がマナの支払いを求めてきた。たとえば一時期あの「ブラストダーム(NEM)」が殺せるってんで使われていた「関税(6ED)」、クリーチャーの多いウィニーを消し飛ばせる「溶暗(EXO)」など。どれもこれも唱えるタイミングはこちらが選べるので、大体の場合は「コスト払え」じゃなくて「とにかく死ね」だった。このカードの場合は黒いアレンジが施されたために、X呪文であり、かつライフを要求する。ライフってのはどんな状況でもそれなりに「ある」リソースなので払おうと思えば支払えるわけだが、おそらくこのスペルのXはそれなりにでかい数字になるだろう(最低でも3か4は欲しい)。問われたタイミングでライフを犠牲にして良いものか、小さいクリーチャーだったら1体2体いなくなってもよいものか、なかなか難しい判断が迫られるだろう。数を頼みにするデッキならそれなりに効きそうだ。でもまぁ、結局相手に選択権があるからなぁ。強いクリーチャー1体残せばいいっていう状態なら、単なるXライフ喪失呪文。使う方も難しいぞ。


Maalfeld Twins マルフェルドの双子 (5)(B) U
クリーチャー・ゾンビ
4/4
〜が死亡したとき、2/2で黒の、ゾンビ・クリーチャー・トークンを2体戦場に出す。
 
 4/4ゾンビが、死んでもさらに2/2ゾンビ2体に。なるほど強し。同じコスト・ステータスで似たようにトークンを引き連れてきた「グリクシスの奴隷使い(CON)」も、蘇生を介してトークンを2体生み出すことが出来て、こちらもリミテッドでは人気の1枚だった。ある程度時間が許す環境ならば、きっと活躍出来るはずだ。そして、このクリーチャーを心の底から堪能するためのコツは、決して「墓所のタイタン」のことを思い出さないこと。あと「ワームとぐろエンジン」も。
 
 
Marrow Bats 骨髄コウモリ (4)(B) U
クリーチャー・コウモリ、スケルトン
4/1 飛行
4点のライフを支払う:〜を再生する。
 
 ライフで再生するクリーチャーも黒のお家芸。基本的なところなら1ライフで延々ブロックを続けられる「悪戯なポルターガイスト(6ED)」がいたし、緑のトロールに対抗しようとパワー2で再生した「ディープウッドの食屍鬼(8ED)」、あまりのライフの支払いっぷりに全米が号泣した「沼居ののけ者(CHK)」と、支払う量も様々。痛いのは間違いないが、マナを残す必要が無いので維持しやすいのが特徴である。そして、今回の新キャラもなかなかの支払いっぷりである。5回再生すれば自分が死ぬという4ライフ。流石に2回も3回も払ってられる量じゃないが、相手がパワー5以上で殴ってきたならしかたない。そしてなにより、こいつ自身がパワー4のフライヤーなんだから仕方ない。相手のフライヤーを無理矢理8ライフかけて押しのけたとしても、その後12点削れればもとはとれるわけで、後ろを向かずにガンガン支払う姿勢が大事なのである。クリーチャー1体を4ライフで殺せるなら、充分ペイ出来るはずなのだから。ただ、1点火力で狙われた時にどのくらい再生するかは難しいところ。大丈夫だよ、今回ライフ回復する手段はいっぱいあるんだからさ!
 
 
Mental Agony 精神的苦悶 (3)(B) C
ソーサリー
対象のプレイヤー1人は手札を2枚捨て、2点のライフを失う。
 
 2ライフ失わせる「精神腐敗」。2ライフ失わせる効果は1マナにも満たないので、正直このコストはあまり心躍らない。今回コモンのハンデスはこれだけだが、だからって無理に使う必要も無いだろう。それにしてもイラストのおっさん、びびりすぎである。「僕も天使が良かった! 天使が良かったのに!」
 
 
Necrobite 屍噛み (2)(B) C
インスタント
対象のクリーチャー1体は、ターン終了時まで接死を得る。そのクリーチャーを再生する。
 
 接死を与えるインスタントってことは、事実上のクリーチャー除去だ。黒なんだからもうちょっと直接的な方法で処理しろや、とは思うが、まぁこのくらいの使いやすさなら耐えられるかな。過去の同じジャンルの呪文だと、一番近いのは「ツキノテブクロの毒(LRW)」だろうか。あちらはキャントリップだったので相打ちしつつの手札補充という形でアドバンテージ面をフォローしているが、こちらは再生を付与することで相打ちを回避して相対的なアドバンテージロスを防いでいる。どちらがいいかは一長一短なので決められないが、一応このスペルならば戦闘に関わらないクリーチャーでも除去から守ることが出来るので、使いどころには不自由しないだろう。と、ここまで書いてこのスペルって「ゴルゴンの凝視(RAV)」じゃねぇか、ということを思い出した。どうりで見たことがあると思ったら。
 
 
Polluted Dead 汚染された死体 (4)(B) C
クリーチャー・ゾンビ
3/3
〜が死亡したとき、対象の土地1つを破壊する。
 
 死に際に土地を巻き込む謎のゾンビ。同様に5マナ3/3で土地が割れるクリーチャーには「蛮族の裂け目切り(RAV)」ってのがいたが、あの環境で特に活躍したという話は聞かない。大したサイズでもないので、このクリーチャーもそんなもん。せいぜい黒の穴埋めに使われる程度で、たまに相手の特殊土地なんかが割れたらプチラッキー。土地破壊なら今のイニスト環境にいてくれた方が強かった気がするんだけどねぇ。
 
 
Predator’s Gambit 捕食者の計略 (B) C
エンチャント・オーラ
エンチャント(クリーチャー)
エンチャントされたクリーチャーは+2/+1の修正を受ける。
エンチャントされたクリーチャーがあなたのコントロールする唯一のクリーチャーであるなら、それは威嚇を持つ。
 
 白にはコスプレ版の「聖なる力」があったので、こちらは単騎推しの「邪悪なる力(M11)」を用意してみた。特にデメリットがないので完全上位互換。オーラの質で黒が有利になれるのはちょっと嬉しい。「単騎」というとなんだか無茶なお題のようにも見えるが、実は、試合が始まって最初の数ターンというのは、誰もが「単騎」状態になる。たとえば2ターン目に2/1の「墓所を歩く者」を出し、3ターン目に殴るなら、これは確実に単騎である。ということは、1マナでお手軽にこれをつけると、威嚇持ちの4/2が3ターン目に走り抜けることになり、そのダメージ効率はかなりのもの。そう考えると、案外この小粒オーラも面白い選択肢なんじゃないかという気もする。2体以上のクリーチャーが並んでいる場合にはそのうちの「しょぼい方」にエンチャントすることで、「しょぼくない方」を除去していいものかどうか、という選択を相手にせまることにもなる。そう、物事はポジティブシンキング。単騎は「1体じゃないと弱い」じゃない、「1体だと強い」なんだ。ほら、ちょっと使ってみたくなったでしょ。
 
 
Renegade Demon 反逆の悪魔 (3)(B)(B) C
クリーチャー・デーモン
5/3
 
 「グールの大群(10ED)」の種族変更クリーチャー。元々「グールの大群」は未来予知で生み出された「コストの割にサイズが大きいバニラ」サイクルの1枚なので、コモンのバニラとしてはそれなりのスペック。居並ぶ緑のファッティにも物怖じしないだけのパワーと、その辺の3マナクリーチャーとも平気で相打ち出来るアンバランスボディがたまらない。そして、このクリーチャーは史上初の、「コモンのデーモン」という肩書きを手にしたクリーチャーでもある。コモンの天使がわさわさ出てきたこの世界、デーモンさんだってコモンに陣取りたいのである。一応、「グリセルブランドの巻物」を使うための土台としても使えるといえば使える。
 
 
Searchlight Geist 照明灯の霊 (2)(B) C
クリーチャー・スピリット
2/1 飛行
(3)(B):〜はターン終了時まで接死を得る。
 
 黒では案外珍しい、コモンの3マナパワー2フライヤー。基本形は「薄暮のインプ(10ED)」なわけだが、そこにボーナスがつく事例はかなり少ない。このステータスだけでも、黒ならば充分に出番があるはずだ。で、そんな貴重なクリーチャーなのだが、おまけ能力は本当におまけ程度に。ゲームも中盤以降、マナが余り出した上でこのサイズのクリーチャーが役に立たないと判断出来る段階ならば、確実なブロッカーを1体増やせるのはありがたいことではある。ただ、やっぱり起動に4マナというのは運用が難しい。過度な期待はせず、突如緑が到達を付けてブロックしてきたときなんかに、確実に相打ちに持って行けるようには準備しておこう。
 
 
Soulcage Fiend 魂獄の悪魔 (1)(B)(B) C
クリーチャー・デーモン
3/2
〜が死亡したとき、各プレイヤーは3点のライフを失う。
 
 黒の3マナパワー3コモン。最近は色んな異種再販のおかげですっかり3/2というステータスが定着したが、その原型となるべくは、やっぱり(1)(B)(B)というコストの「ニシキヘビ(6ED)」ですよ。このデーモンは、そんなニシキヘビにメリットともデメリットともつかない謎能力をおまけとしてつけてもらっているわけですが、まぁ、どっちでもないなら悪くないじゃない、というお話。ライフを失うのが全員と言っても、たとえば「腐食の猟犬(MBS)」とか、出されたら結構困ったでしょ。そしてなにより、3/3で同じルーズライフ効果だった先輩の「死呪いの大峨(CHK)」は、なんと6マナクリーチャーなんですよ。そう考えたら、この3マナってすごいじゃない。まぁ、大峨先輩がショボすぎただけ、っていう話もあるんだけどさ。一応、コモンで手に入る史上最軽量のデーモン(正確には「幻影の悪魔(ARB)」がいるのでタイ記録)なので、「グリセルブランドの巻物」とか使いたい時は是非どうぞ。壮絶なルーズライフデッキが組めるかもしれないよ。
 
 
Treacherous Pit-Dweller 奈落に住まう騙し屋 (B)(B) R
クリーチャー・デーモン
4/3 不死
〜が墓地から戦場に出たとき、対象の対戦相手は、〜のコントロールを得る。
 
 開発チームは、自分たちが考えた能力をどのように予想外の方向へのばすか、という意外性の創出に信念を燃やしているわけだが、今年初めに生み出された新能力である「不死」がまさかこのような形で使われることになろうとは。なんと、完全デメリットの不死能力持ちである。2マナ4/3というはっちゃけた強さのデーモンは、そのまま走り抜ければ1体でゲームが決められるくらいのインパクトがあるが、一度殺されてしまうと、帰還後にサイズアップして裏切ってくれるという。流石デーモン。この痛みはほんものだ。ここまでのデメリットを見せられてもなお、2マナ4/3というのが魅力的なのも困ったもの。現時点では判断出来ないが、環境にこれを軽く除去出来るカードが多いようなら、そっとサイドボードに収めておくのが無難だろう。一応、Flicker能力が使えるようにしておくと、墓地から帰ってきた瞬間にちらつかせることで寝返りを防ぐことが可能ではある。思えておくとワンチャンあるかも。
 
 
Triumph of Cruelty 残虐の勝利 (2)(B) U
エンチャント
あなたのアップキープの開始時に、もしあなたが最もパワーの高いクリーチャーを1体でもコントロールしていたなら、対象の対戦相手1人は手札を1枚捨てる。
 
 緑に与えられた「獰猛さの勝利」とは対になっているエンチャントで、設置コストが同じで、効果も対称になっている。また、こちらのイラストではリリアナさんがガラクをフルボッコにしている様子が描かれており、「獰猛さの勝利」の方ではガラクがリリアナさんをレイプしている様子が確認出来る。どうやら最終的にはリリアナさんの逃げ切りがちみたいな雰囲気だが、ストーリー的にはどういう風に決着がついたんでしょうね。さておき、確かにこの世界ではリリアナさんが有利ではあるのだが、実際のカードで見ると、どうも黒は勝ち目がない。まず、このカードの誘発条件であるパワー比べだが、普通に考えたら緑と黒が戦って、パワーで黒が勝てる道理は無い。今回は単騎クリーチャーがいるのでコストあたりのパワーが高い可能性はあるのだが、ノーリスクでこの勝負に挑めるほどの安定感はないだろう。そして何より、頑張ってパワー比べで出し抜いたとしても、発生する効果はディスカード1枚である。そりゃ毎ターンディスカードするのは弱いわけじゃないが、「夜陰の本殿(CHK)」だったら何の制限もなしに毎ターン捨てさせられていたのだ。逆の効果を持つ「獰猛さの勝利」が5マナだった「風見の本殿(CHK)」と同じ効果なわけで、これをもって「黒と緑が綺麗に対比している」とはとても言えないだろう。リミテッドでも使えるかどうか微妙なところだと思うぞ。
 
 
Undead Executioner アンデッドの処刑人 (3)(B) C
クリーチャー・ゾンビ
2/2
〜が死亡したとき、あなたは、対象のクリーチャー1体がターン終了時まで−2/−2の修正を受けることを選んでも良い。
 
 「スズメバチ騒がせ(LRW)」と大体同じクリーチャー。一応色拘束が弱くなり、死んだときの能力発動が任意になったので、若干のアッパーバージョンとはいえるのだが、あの環境のゴブリンは「死んでも戻ってくること」が特性として与えられていたので、一概に上位とは言い切れないくらいのレベル。4マナでパワー2なのでアタッカーとしてははなはだ頼りないのだが、ブロッカーに回るとタフネス4までと相打ちがとれるし、やろうと思えば2対1交換も可能なので、リミテッドでの制圧力はかなり高い。地味キャラだけど、この堅実さは黒コモンの拠り所たり得るかもしれない。まぁ、これを拠り所にしなきゃいけないんだとしたらその時点で負けな気もするけども……
 
 
Unhallowed Pact 不浄の契約 (2)(B) C
エンチャント・オーラ
エンチャント(クリーチャー)
エンチャントされたクリーチャーが死亡したとき、それをあなたのコントロール下で戦場に出す。
 
 「まやかしの死(MMQ)」の色変更カード。当時はアンコだったが、今回は死と復活を得意とする黒に収録されたおかげか、コモンでの採用となった。まったくもって個人的な思い出話だが、このカードが収録されていたマスクスは、私が丁度Magicを始めたくらいの時期でして、このカードを見たとき「ほう、色々な使い方があるのか、Magicのカードってのは面白いな」と感心した記憶がある。あと、イラストのおっさんは水死体のふりをして逃げようとしているシーンなので「まやかしの死」なわけだが、フレーバーテキストを見る限りだと助かってないので、この後どうなったのかがすごい気になったりもした。 閑話休題、このカードは2種類の使い方があり、自軍クリーチャーに付ければ死んだときに一度だけ復活出来る保険になり、相手クリーチャーに付ければ殺した時にパクれる誘拐オーラとなる。どちらの使い方でもリソースの消費は大体同じ。上手いこと除去と噛み合わさった時には、後者の使い方をしてみてもいいだろう。というか、前者の使い方だけだと、単に再生を与えるオーラよりも弱くなってしまうわけで、3マナも払いたくないのである。とはいえ、今回の黒は「単騎」テーマ。1体だけで一騎当千の活躍を見せる趙雲みたいなクリーチャーが駆け抜けている状況なら、このカードで後押ししてやってもいいのかもしれない。

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