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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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  恐怖のエンドレスファイブ、第15話。今回はついに、初のバトルシーン無しエピソード。ここまでぎっちり物語が作れるなら、最初から妙なこだわりを無くしても良かったと思うんだけど。

 これまで天然不思議系として活躍してきたミズノだったが、今回は2つの点から一気にどん底へとたたき込まれてしまう。1つ目は、タクトとワコの関係性への干渉。ワコの気持ちも、タクトの思いも、未だはっきりしない奇妙な三角関係。おそらく一番意識しているのはワコだろう。ミズノとのキスシーン云々の問題でタクトがのらりくらりとしているのを見て自身でも判断の付かない妙な嫉妬に駆られ、思い切りアイスをほおばって立ち去るワコ。勢い任せの行動ながら、タクトの食べていたアイスを横取りすることにより、「実際は練習まで行かなかったミズノよりも先に間接キスをする」というアプローチに出ている。このあたりのことを意識せずに勢いでやってしまうのがワコの悩ましいところ。

 そして、遂にヘッド直々にスカウトを受けた「王」スガタ。戦士など自分には勝てるはずがないと放言するヘッドは、「タクトは間もなく敗れる」と挑発してくる。スガタはもちろんタクトを信じないわけにもいかない立場だが、その意識を改めて確認すべく、ワコとの関係性を餌にした真剣勝負を挑む。その心中には、王としての今後の方向性を定めなければならないという遠大な悩みも含まれているのだろう。タクトはタクトで、そんなスガタを知ってか知らずかワコの目の前でそれを受諾。ワコの方は幼い男連中を見て困り顔だ。相も変わらず微妙な関係性は動くようで動かない。

 しかし、傍目に見れば、それは明らかな三角関係。偶然そのシーンを目撃したミズノは、真っ直ぐ目もくれずに突き進んだ幼い恋心に初めてのひびが入り、自分でもどうしていいのか分からない状態。加えて姉のマリノまでタクトに心を寄せていた感があり、自分の気持ちの優先順位を計りかねてしまう。

 そして、そんな幼いミズノの心にさらなる追い打ちをかけるのは、幼少の頃に決定的なトラウマを与えた母親の帰還。天真爛漫な彼女ではあるが、母親との確執だけは唯一にして最大の心の影。マリノは「戦う意志」を示してみせたが、最大の理解者であるはずの姉の言葉すら、ミズノは拒絶してしまう。そして得られた精一杯の答えは、一時島を離れるという選択だった。

 そして、残酷な島の運命を全て知ってしまったミズノ。自分は巫女である。巫女には巫女の使命がある。そして、島から出ることはかなわない。一気に突きつけられた悲しい運命に、ミズノは拠り所を失う。そして、そこに現れたのは……

 

 なおざりなバトルシーンが無いために、ミズノの全てがたっぷりとした尺で描かれていく。ワンエピソードの中だというのに衝撃的なカットが多く、これまでの中でもトップレベルに密度の濃い内容となっている。まず、冒頭ではミズノとタクトの出会いのきっかけとなったひな鳥がいつの間にか巣立ったことが描かれる。タクトは「君のおかげだ」と褒めそやしたが、彼女にそんな意識は特になく、あくまで時間が経ったから、ひな鳥は翼を得ることが出来たというだけのこと。そして、時間の紡ぐ成長物語ということで、少女であったミズノにも、いつしか巣立ちが訪れることを暗示させる。彼女が巣立つべき「巣」となるのは、やはり唯一の理解者である姉のマリノ。しかし、今回のエピソードにおいて、ミズノとマリノの間には決定的な溝があった。

 過去にも何度か現れた、姉妹の過去の回想。しかし、2人の思い描く回想には決定的な差異がある。それは、「マリノの有無」。改めて見返すと、本来姉妹仲良く寄り添っていたはずの木の上のシーンや、橋の上のシーンで、何故かマリノの姿が確認出来ない。そして、先週から新規版に切り替わったオープニングの映像においても、この「マリノの消失」は実に明示的に描かれている。ミズノにとってのマリノとは、一体どういう存在なのだろうか。ヘッドやケイトの見た「マンティコール」の正体とは?

 「マリノとは何者なのか?」ということが表面化された謎になると、今回のエピソードは本当に恐ろしい。例えば部屋で2人が互いのベッドの上に居ながら会話をするシーンがあるが、同じ構図で描かれた2つのベッドの映像が、ミズノ側からマリノ側に切り替わると、いきなりマリノが消えているシーンがある。実際はミズノのベッドに移動しているだけなのだが、その一瞬の「消失」にはどきりとさせられる。また、今回クライマックスとなった恐怖の「ループ」シーンにおいても、ことさらに強調されるのが「マリノの不在」だ。ミズノがどれだけの朝を迎えても、どれだけの恐怖に怯えても、そこにはマリノの姿が確認出来ない。ずっと守り続けると誓った心優しい姉は、どこへ消えてしまったのだろうか。おそらく次回が「西の巫女編」のクライマックスとなるのだろうが、このあたりの結末は何がどう転がっても衝撃的なものになるだろう。今からやきもきしつつ待ちたいところだ。

 今回はサスペンスタッチの緊張感溢れるコンテワークがいつにも増して意味深で、ずっと引き込まれっぱなしだった。既に定番となったミズノたち姉妹の部屋での会話パートなんかはお約束で、陰影の差や構図の対比が綺麗に決まっている。前半、いつもならば降り注ぐ日の光の中を無賃乗車で颯爽と走り抜けるはずのミズノの上に、初めての雨が降り始めてからというもの、画面はずっと暗い。これまで西日が射し続けていたミズノのベッドも、今回は月明かりがかろうじて照らすだけである。ただ、それでも部屋の奥にある薄暗いマリノのベッドとは対比的であり、影に向かっておのが心情を吐露するミズノの気持ちが、どんどん暗い方へと向かっていることを暗示させている。他にも、ワコと出会っていくらか平静を取り戻したミズノが歌っているのは、西日が沈みかけた海岸線であり、「西の巫女」としての存在感がさりげなくアピールされていたりもする。もちろん、そこに現れたケイトの、全く対照的な不適な笑みについても、既に語る必要も無いものだろう。

 次回は今回の分もまとめてのバトル回となるのだろうか。順当に盛り上がって参ります。気分はどうしても沈みがちではあるが、この緊張感を維持したまま「アゲて」いってほしいものである。

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