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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 不条理さがメイドインアビスみたいになってきたな、第7話。アビスはひたすら下に降りる話だけど、こっちの場合は……上と下すら曖昧模糊。

 いうたら今回から「第2部スタート」みたいな感じだろうか。前回「漂流しているのも1つの可能性」という無慈悲な現実(まぁ、これを現実というならば、だけど)を突きつけられ、目標をむしり取られた形になった面々。「もとの世界に帰る」という願いが断たれ、さらに「戻らなくても誰も悲しんでないから別にええんやで」ということで心情面での動機すら奪われてしまう。そんな中でも停止した漂流者たちは死ぬことすら選べず、それぞれにこの先の目的を定める必要が出てきたわけだ。

 そして、ついでに世界の姿が見えたことで、今まで陰に隠れていた「蓄積した可能性」、つまり数多の漂流者達が姿を表すことになった。前回時点ですでにあき先生ややまびこ先輩が出ていたわけだが、その辺はあくまで氷山の一角。何しろ漂流は1000年単位で起こり続けている事象。これまでその中で絶望した人間は数限りなく存在するわけだ。厳密に定義しておくと、この時の「1000年単位」は元の世界における1000年とは一切対応していないというのは注意が必要だ。漂流しているのは全員が「同じ中学の学生」という制限があり、つまり最初に漂流を始めた者がいたとしても、それは長良たちが漂流を開始した特定時間点からそこまで離れた時点ではなかったはず。そこから漂流を開始し、表と裏の時流のズレから、気づけば数千年を「漂流し続けて」いるということになる。まぁ、やまびこ先輩が5000年で犬になったことを考えるなら、人型を保って活動していたバベルの住人達などはまだまだキャリアが浅いのだろうが。おそらくだが、変身に近い能力を固有スキルとは別に持っていたこうもり先輩なんかは、それなりに年季の入った漂流者だったと思われる。

 そうそう、こうもり先輩はよく分からん組織の「長良死すべし」という声に推されて登場したヒットマンの役割を持つ人物だった。あの謎会議、おそらくこちらも数千年単位で行われているのであろうが……その割には生産性が低いんだよな。どうにも、この世界における数千年という時間は、我々の想像するものよりも圧倒的に密度が薄い。勝手に想像するなら、やはりこうして「停止」を余儀なくされる世界の設定上、通常の世界と異なり、人間達は生きることの意味を喪失してただ無為にその場にいるだけになってしまうことが多いのではなかろうか。かつて暗幕に隠れて引きこもっていた連中がいたが、みんなしてあれに近い精神性になっちゃうのかもしれない。この度まだ「入りたて」の長良達一同は、何か抗おうとしている分だけまだまだ青臭い、初心者軍団なのである。

 だが、今回の漂流者の中には、漂流の原因と考えられる長良が混ざっている。さて、彼が本当に漂流のコア要素であるのかどうか……その辺りは一応まだ考慮の余地はあるんだよね。個人的に気になるのは、長良がそれだけ重要なファクターなのだとした時、ラジダニの動きがやけにあっさりしていたこと。まぁ、これまで散々長良とも行動を共にしていたので調べ尽くしちゃったという可能性もあるのだが、この世界の在りようが知りたいのだったら、やはり長良の近くで観察を続けるのがベターだと思うのだが……ラジダニ判断ではそうはならなかったらしい。彼はどこへ向かうつもりなのだろうか。

 チーム明星は予定通りに箱舟に乗って出発、あき先生達も(何故か朝風を残して)どこかへ去った。長良の近くに残っているのは、あとは瑞穂と希だけだ。……瑞穂のNyamazon、漂流者にとってはかなり大事な能力だったと思うのだが、箱舟組とかはあっさり手放してよかったんでしょうかね。

 さて、今後も長良は今回のように妙な世界を渡り歩いて観察を続けることになるんだろうか。それとも、本当に彼がしがみついているような理想の解決にたどり着けるんだろうか。……もう、ここまできたら何が理想かもよくわかんないけどね。あと、無駄に気になるのがキャラによって「ナガラ」のアクセントが微妙に違うっていうこと。今までのキャラはおよそ頭高アクセントで「ナ↑ガ→ラ→」だったんだけど、謎議会あたりに平板アクセントで「ナ→ガ→ラ→」って発音してる連中がちょいちょいいる。まぁ、たまたまって言われたらそれだけなんだろうけど。普通キャラ名のアクセントって音響で調整するので、ばらけてるのは珍しい。なんか意図があるんかな。

 

 

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 どないせいっちゅうねん、第6話。いや、答えは「どないもしょうないやんけ」なんだろうが……。え、これ6話目? 最終話ではなかろうが……え?

 情報が錯綜しすぎていて、もう何をどう信用したらいいのかが分からないケイオティックアニメーション。普通、訳のわからない情報をばらまくスタートだったアニメは後半にいくにつれて少しずつ何かが繋がり、解体されていくものだが、今作の場合には繋がることで新たな謎にしか接続しない。それぞれのツールに、シーンに、言動に意味があるのかもしれないが、考える前にどんどん新しい謎が追加されていく。ここまで謎の玉突き事故が続くと、もう、元いた場所がどこなのかが分からなくなっちゃって考えるにしても拠り所がなくなる。「イド」と似たような第一印象だった気がするのだが、気づけば随分毛色が変わったもんだ。あっちはあくまでも超常的な現象を警察の捜査という理性的な遡上に乗せて解明していく作品、こちらの作品は……「青春群像劇」かぁ……。

 いや、でも諦めてはいけない今回何か大きなものにカタがついたのは間違い無いだろうから、今後の展開を想像しつつ、分かっている情報だけでも押さえておかねばなるまい。一番大きな新規の情報は、我々が見ていた長良たちが、作中のラジタニの言葉を借りるなら「神の降ったサイコロ」であったということ。これがなんの比喩なのかは想像するしかないが、よくあるパラレルワールドのたとえと考えて間違い無いだろう。この世は常に確率的に分岐しており、サイコロの1が出た世界と6が出た世界は、その後の未来が全く変わった別ルートとなる。それぞれ確率的には等価だし、どの未来にも「ありえたかもしれない」世界が広がっている。そして、今回の長良たちは「漂流した」という可能性の世界の住人たち。それは「漂流せずに無事に中学を卒業した」世界線とは全く関わりも無いし、交わるはずもない世界。つまり、この世界の長良たちは、「最終的に帰れる」という保証も必然性もなく、ただ「漂流したらどうなるのか」という未来が待っているだけだという。そこに数多の平行世界や奇妙なツールがあったからこそ「もしかしたら最後にはゴールできるに違いない」という望みを持っていたが、そもそも、その前提自体が単なる先入観で誤りだったということ。

 世界のありようと未来の選択について、大きく3つのチームに分かれている。1つは長良・ラジタニ・希・瑞穂らの「長良の能力を信じていればいつかは帰れるよ」派。主人公目線ということでこれが一番真っ当な希望を持っていたグループだが、この度ラジタニと長良で繋いだ「平行世界ライブラリ」を通じて「元の世界」の映像にシンクロしてしまったがために、かえってその差異を浮き彫りにするという悲劇に見舞われた。

 2つ目が明星を中心とする生徒会チームで、明星は漂流前の時点で「校長」に出会っており、「帰れない未来」を予見されていた。その上で、自分たちの可能性はもう「帰れない」に収束するのだから、新しい世界基準に対応し、新たな「箱舟」を形成して状況を受け入れろ、というのが明星の主張であった。今までやけに怪しい暗躍っぷりを見せていたわけだが、おそらく事前に「こうなること」が予測できていたからこそ、彼は彼なりに統制をとって未来を受け入れようとしていたのだろう。

 そして3つ目が、長良たちを糾弾する過激派のあき先生チーム。朝風を救世主として立て、こちらも「未来を受け入れる」ことを強要する。明星の考えとあき先生の考えは近い部分もあるのだが、あき先生の方はまだ本人に謎が多く、裏がありそうには見える。おそらく、ここまで来てしまったら「校長」の話を事前に聞いていた明星の方が真っ当な「ここで生きていくしかないんだよ」派だと見た方がいいだろう。あき先生は、もしかしたらやまびこ(犬)先輩と同じように、すでにこの世界に付属していたシステムの一部なのかもしれない。犬先輩の言う「学生しか漂流しない」というルール自体が本当なのかどうかも定かでは無いのだが、彼がこんなところで嘘をつく意味もないだろうし、5000年のキャリアは伊達じゃないのでおそらく信じていいのだろう。となると、まだ底が割れていないあき先生という存在こそが、まだ何か可能性を残したブラックボックスだと考えることが出来る訳だが……どうなんでしょうね? 普通に考えれば、「学生時代に漂流しちゃった世界線のあき先生(この時代はまだ学生)」という話だが……。

 もう1つ気になるのは、「光」を見ていた希の能力のこと。結局「光」を掴めなかった今回の顛末を考えると、単に彼女が希望的観測に基づいて動くだけの考え足らずだったと言う可能性もあるのだが、流石にそれだけじゃ彼女の能力がいかにもかわいそうだ。最後の最後に掴む「光」は、やはり彼女に見定めて欲しいところ。ここからの能力更新はあるんだろうか。

 というか、そもそも来週のお話ってあるんだろうか。いつ最終回になってもおかしくないアニメ。

 

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 おっぱいの大きな女の話は信用してはいけない、第5話。うん、なんか、中の人の魂の叫びみたいに聞こえなくもないけど……今期はおっぱいに顔を埋めるアニメが多すぎる気がするの。いや、いつもこれくらいあったか?

 さて、もうディティールで詰めていく気は無いな? という気になってきたので、あとは勘とセンスとフィーリングで見守って行くしかなさそうだ。冒頭の「チューチューロケット」みたいなゲーム世界のシーン、本当に何一つ意味が分からないのがすごい。どんなルールなのかは分かるはずもないし、希が何をやっちゃったのかも分からない、そしてどんな要素が朝風を「救世主」たらしめているのかもよく分からない。とにかく、長良の能力で世界を跳べることは分かった。後のラジタニの解説によればそれは「世界を渡る」ではなく「世界を創る」能力らしいのだが、まぁ、今はそこは置いとこう。とにかく、荒唐無稽なルールを持つ新たな世界に渡り、そこのルールを見極めて「攻略」すればちょっとしたご褒美がもらえたり、もらえなかったり。つまり最初に行き着いた「ものが燃える島」もそうした世界の1つにすぎなかったという話である。あそこの世界ではご褒美がもらえたのかどうかはよく分からないけど。まぁ、だいぶゲーム的なルールがわかりやすくはなっている。

 そして、当然漂流している生徒たちの目的は「元の世界への帰還」なわけだが、それについての焦点は大きく2つ。1つは「どうやったら帰れるか」、そして「そもそも何故漂流してしまったのか」。前者については、作中の誰1人として正解は知らないはずなので、今検討してもしょうがない話。一応それらしい提案はいくつもなされているわけだが、これだけ荒唐無稽な世界が羅列されてしまっている状況下で、今更そこに最後の答えだけは正当であることを期待するのは流石に無理がある。これまでの世界に「ご褒美」があったのなら、最後の最後にもらえるご褒美が「帰還」であることに望みをかけるしかない。そして、そのための手がかりとして、希には「光が見える」能力がある。これが本当にゴールを示すものなのかどうかは誰にも分からないが、能力を与えられた希自身がそのような認識を持つのなら、それは何かしらの天啓なのかもしれない。

 そして、もう1つの問題となる「何故漂流が始まったのか」という部分。前回突如乱入してきた巨乳先生は、それを「長良のせいである」と決めつけた。彼女は神を自称し、もしかしたら生徒よりもこの漂流について知っていることが多いのかもしれない。実際に、瑞穂が語っていた「漂流前から能力を使える人間がいた」ことは指摘しているし、今回の話を聞く限り、漂流前の時点で校内の異変は多く、「何者かの能力が漂流のトリガーとなった」という考え方は納得できるものだ。そして、お誂え向きに「世界を跳ぶ」能力だと思われている長良がいるのだから、彼に白羽の矢を立てることも、あながち突飛とも言えまい。なし崩し的に「原因」を想像するなら、長良犯人説は出てきてしかるべき考察である。ただ、問題は先生がそうした「蓋然性の判断」から長良を犯人扱いしているのかどうか。どうにもあのガンギマリした表情や、朝風に対する過度の持ち上げを考えると、彼女にも何か裏があるようには見えてしまうわけで……。

 先生の動きも気になるところだが、まだまだ不確定要素しかないカオスな状態。一時は暗躍の代表選手みたいにしていた明星は気づけば求心力を失っている。彼はまだ何も終わっていないと思っているようだが、その真意はどこにあるのか。瑞穂はかつて「自分が漂流の原因である」と何者かに言われたというが、その真実はどこにあるのか。そして長良に語りかけてきた謎の「やまびこ」。まるでノッカーの襲来を告げるようなその声は、何者であるのか。そして最大の問題として、これらの要素は、最終回までに全て整理されるのか……。まぁ、まだ5話目だからね……。とにかく画面のクセだけで楽しんで見ていけばいいのよ。アニメ作ってる時にさ、黒一色の画面とか、青一色の画面とか、平気でバシバシ乗せていける豪胆さはやっぱりすげぇわ。

 

 

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 なんやこの話、なんやこの話、第4話。今までで一番頭がおかしいエピソードだったな……とりあえず、キャップ、っていうか上田さんお疲れ様でした。

 毎回「能力の話かな? ルールの話かな?」って思いながら観れば大丈夫だと思っていたのだが、全然大丈夫じゃなかった。もう、マジで何がなんだか分からん。一応能力としては長良の「ワープする力」がいよいよ明かされたという大事な展開があったことはあったのだが、そんなものが添え物であるかのように、とにかく猿、猿、&猿。そして、その猿の姿は誰にも見えない。なるほどこれが「こころのさる」か。「野球回があるアニメは名作」と申します。まぁ、これ自体が嘘なのでここで語る意味も無いのだが、謎の空間で突如始まるベースボールは、一連の麻枝作品を思い出させる。「サルゲッターしてやんよ」ってなもんである。いや、ダメだ、まだ何も分からん。多分最後まで分からん。

 一応真面目に何かを考えてみようかとも思ったのだが、どうあがいてもエースが持っている「サルゲッター」の話につながらないため、今回のお話は単なる不条理話として処理した方がいいような気がする。一応、限界まで条理の内で処理しようとするなら、キャップが頑張って野球場を作ったのは本当だし、エースがそこで猿と出会ったのも本当。そして、その猿に野球を教えようとしたのも本当なのだが、残念ながらその猿は同じ世界線に存在することのない「異次元猿」だったということ。そして、そんな猿たちの白熱のベースボールをみるためにはサルゲッターが…………いや、ダメだ、やっぱりここで詰まるんだよなぁ。何しろエースの能力は「水が美味しくなる」であることが明かされており、彼の手からサルゲッターが出てくる理由がない。これもまたラジタニの開発したものだと考えることもできるのだが、その場合にはラジタニは既に異なる空間へのプレインズウォーク能力の手がかりを持っていることになるわけで、おそらく現時点でのラジタニの状況とは一致しないだろう。

 そうなると、「異次元の猿」の話自体が眉唾ものということになる。この話をしているのは基本的にキャップとエースの2人だけなので、この2人が口裏を合わせてありもしない妄言を垂れ流しているという可能性があるが、ただ、少なくともキャップにはそんなことをするメリットが無いし、あのおっっっっそろしい長口上を必死に覚えたとも思えない。あれは間違いなくキャップが実際に目撃し、盛り上がったが故の熱量である。キャップの目には「猿の世界」が見えていたのは間違い無いのだろう。そして面倒なことに、冒頭のシーンで長良自身が飛んでいるため、どうやらその「猿の世界」は実在するようなのである。となれば、たまたまキャップとエースの2人だけはその世界との接点を持っていたということになり、長良のワープ能力は必ずしも絶対的な個性とは言えなくなってくる。まぁ、これまでも「朝風の跳躍+長良の能力」で次元を進んでいたわけで、何か別な能力に長良の存在が重なって、違う次元を垣間見たと考えることもできるのだが。

 まぁ、なんにせよキャップたちがモンキーベースボールにあれだけ入れ込んでいた理由ってのは絶対に説明がつかないし、何故そこまで盛り上がったなら他の連中が知らなかったのかという説明もつかない。ここはもう、本当にキャップたちが幻視した真夏の夜の夢だったと思うしかないのだろう。そして、そんなあやふやな世界を描くためのアニメーションが………………エラい省エネ作画だ……しかも、「作画がしょぼい」とかの省エネじゃねぇんだわ。「ただひたすら背景を写し続けるだけで延々話を進めていく」という、普通の作品だったら単なるサボり以外の何ものでもないカット割りでキャップの実況は続いていく。この作品だからこそ許される暴挙である。いや、もしかしたら許されないのかもしれないが……私は笑ってしまったので負けだ。野球するのに超絶作画なんていらない。ヤシの木の背景さえあればいいのである(ただしモンキーベースボールに限る)。

 さて、本当に悪い夢のようなお話が終わり……ここでまさかの外部からの新キャラ投入。超絶おっぱい・白衣・ガン決まりの眼・CV加隈亜衣という情報過多の先生登場。大人が加わることで、物語はどっちに転がりだすのか……まぁ、猿が加わっても転がらなかったけども(果たして加わったのか?)。

 

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 能力も発動せずに世界の全体像をつかもうとしてるラジタニが一番やばいやつなんじゃないか説、第3話。あいつは能力を持ってるんでしょうかね。敵に回した時に一番やばいタイプなんだが。

 毎回1つの世界で1つのルールや1つの能力をフィーチャーしていく展開になっていくわけだが、今回は特に新規で能力のお目見えを行ったやつはいなかった(土木工事の現場で木を引っこ抜いてたやつは一応気にはなるが)。あ、あと指光ってるやつもいたか。まぁいいや。とにかく今回は「能力」じゃなくて「ルール」の方。人的な欺瞞が介在しにくいのはルールの方なので、その調査の過程で長良と瑞穂の関係性を掘り下げるだけの余裕が出来た。正直、瑞穂を巡るお話は一通り終わったと思っていたので、こんだけがっつり活躍(?)する展開になったのはちょっと意外。そして、思った以上にメインキャラの関係性がギスギスしてるのも意外。瑞穂目線だと一応長良は猫を助けてくれた恩人ではあるはずなのだが……まぁ、そんなつながりだけでこの極限生活の中で何日も信頼は維持できないか。結局、長良のいまいち煮え切らない性格が仇となり、ずけずけものをいうタイプの瑞穂とはすれ違いが生まれてしまったようだ。まぁ、瑞穂が憤慨していた理由が「長良もなんかできると思ってたくせしてやたら自己肯定感が低くてつまらねぇ」って感じだったので、長良が主人公らしい動きを見せ始めれば、この関係性も改善していく気はするんだけども。メインヒロインは希なのか瑞穂なのか……。

 今回の見どころはやはりルールで現れた巨大な暗幕の視覚的処理だろう。突然空間を引き裂いて暗幕が出現する(というか、暗幕に世界が描かれてる)様子はまるでマグリットの描くシュルレアリスムの世界のようだ。世界を繋ぐ扉の発想はかなり超現実の見せ方にこだわっているみたいだし、そのあたりのデザイン性を寄せることは意識しているのかもしれない。こういうアニメならではの無茶苦茶を視覚的に楽しい現象として見せてくれるのは良いね。そして、その暗幕を吹き飛ばすのにも一役買った謎のグッズシリーズ。あれも誰かの能力で生み出しているものなわけだが……もしかしてあれがラジタニ製なのか。そういや前回も瑞穂とトレードするために変なガジェット作ってたしな。やっぱり攻守にわたって最強なのはラジタニ。

 そして、いよいよその正体が見え始めた主人公・長良の能力。彼が持っている資質はどうやら世界渡り。つまりはプレインズウォーカーである。彼のおかげでいろんな世界が発見できたってのに、その恩恵を勘違いしちゃってて必死に強がっている朝風がなんかかわいそう。まぁ、結局こいつもこいつであんまり性格良くなかったからなぁ……一度能力でマウント取っちゃうと、そっから負けを認めたくない気持ちはわかるんだけどさ。

 

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 黒板にQRコード書き込むのはすごいな、第2話。まぁ、アイツの情熱はそんな程度じゃ収まらないっぽいけども……時間だけはたっぷりある連中なので、やろうと思ったことは徹底的にやれるんだろうな。

 さて2話目。やはりどんな世界なのかはさっぱり分からないわけだが、視聴者目線も作中人物目線もさほど情報量が変わらないおかげで「分からない」ことはストレスになっておらず、むしろ謎を解き明かして欲しいというモチベーションにつながっているので素直に惹かれる展開だ。まぁ、いきなり一ヶ月経っていたのは驚いたが……逆に言えば、それくらいの期間がなければ謎を解くことができない状況ということなのだろう。一応、「空間内の生徒たちは不変の存在」というサジェスチョンがあるため、この空間内でどれだけ時を過ごそうとも実世界に影響は無さそうだしね。

 今作の難しいところは、大きく全てを左右する「世界の謎」があることに加え、それぞれの生徒たちの固有能力が多岐に渡り、誰の思惑で、どんな事象が起こっているのかが特定できないという部分。これについては視聴者目線と「能力の使用者」目線が異なる部分なのだが、どうやら学生たちがみんながみんな自分の能力をおおっぴらにしているわけではないようなので、今回のように「アイツの能力はなんなんだろう?」という謎の広げ方も、疑心暗鬼の中で展開されていくことになるだろう。

 1話目も2話目も、実はそうした「空間と人の能力」の組み合わせがキーとなっており、1話目の学校内では空間ルール「バツ」があたかもキャップの能力であるかのように描かれていた(キャップ自身はあれを自分の能力だと思ったのだろうか?)。そして今回の「島」では、物の燃焼と瑞穂の能力が関連づけられる。これだけ莫大な物品を生み出した瑞穂が一人孤高になってしまったら、普通に考えたら関係性のリカバリーは不可能になるところなのだが、幸いにもクラスの中にも多少考える能力を持つ人間もいるようだ。30人以上いるみたいなのでどうしても「衆愚」の方にばかり目がいってしまうが、ここからヒロインの能力をキーとして、どこまでクラスがまとまることが出来るのか。

 視聴時の難点の1つに、「お互いにいちいち自己紹介とかしないから名前が覚えられない」というのがある。流石にこのまま「黒いの」とか「ヒロイン」とか言ってると支障が出そうなのでここで名前をまとめておくと、冴えない主人公っぽい男の子が「長良」、そしてコンパス持ちのメインヒロインが「希」である。名字が明らかになってないのだが、たまたまなのか、設定されていないのか。今回中心となった猫好きの物質生成能力者が「瑞穂」。こちらも名字不明。こうして並べると女性キャラは名前ばっかり。公式サイトの並び順にいくと、1話で暴れてたサイコキネシスっぽい能力を持つのが「朝風」。2話目ではフツーに協力体制を取れるようになっていたので、マジで「最初は能力を手に入れて浮かれていた」だけのいい奴なのかもしれん。そして一番賢そうな黒い奴が「ラジタニ」。……もうこの時点で本名じゃねぇな。ラジオ好きの「?谷」の略かな。

 一番の問題児になりそうな星型のアザを持つのが「明星(あけほし)」。こいつの動きが今後のギスギス度合いを左右する。公式ページだと「イメージを具現化できるという能力」って書いてあるけど、どこまでが本当なんでしょうね? そして明星と一緒に行動してるのが、生徒会選挙で不正を働いたらしい「ポニー」と、1話でひどい目に遭っちゃった「キャップ」。それぞれ、公式ページには能力の説明があるのだが、もしかしたらネタバレ気味なのかもしれないので、気になる人は自己責任で確認してくれ。

 さて、ここまでが一応メインキャラ……なのかな? もうちょいいるみたいだが、流石に1クラスは多いな……1クラスまとめて転生してるアニメとかもあったけどマジで先生が大変そうだったし……今作も製作陣が大変そうだ……何が出てくるか全く予想できないので、次回も楽しみではある。猫が可愛いアニメは正義。

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 ACCA!!! 久しぶりィ! ツダケンがTwitterで報せてくれたから知ることができた作品。まさか、これだけ期間が空いて改めてOVAが作られることになろうとは。そして、まさかの特別上映が展開されようとは。放送当時その素晴らしいクオリティにも関わらず世のアニメファンの話題にもほとんどならず、そのままフェードアウトしていった作品だったので、こうして帰ってきてくれるのは本当に嬉しい。そして、今回劇場に行ったら(期間限定上映とはいえ)劇場がほぼ満席レベルで埋まっていたのはもっと嬉しい! やっぱりちゃんといるところにはファンがいるんやなぁ。こうしてちゃんと集客効果があるんだってことを確認できると、劇場公開っていう戦略も悪くないな、って思えますね。全国のACCAファンの人はしっかり声上げていきましょうね。

 

<以下、一応ネタバレ注意だけど、まぁ、ファンなら観てるよね>

 


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 ウアァァア! めぐっちゃん!!(7話ぶり、2度目) 最終話! 常に我々の予想を超えてくる女! めぐっちゃんで始まりめぐっちゃんで締めたぞこのアニメ。すげぇなヲイ。

 大団円でしたわー。ドラマとしての最大のクライマックスは先週だったので、今回はエピローグといえばエピローグ。しかし、それぞれが今回の旅で培ったものが一体なんだったのかを確認できるという意味では、まさに集大成のエピソードである。本当に素敵な旅だった。

 報瀬は髪を切った。「ある意味で失恋」と日向が言っていたように、髪を切ったことは何かとの別れを暗示するかのようだ。母親の死をこれ以上ない形で受け入れることになった報瀬は、その決別から大きく成長し、まっすぐに前を向き、新たな目標を手に入れた。母親の影を追うばかりだったこれまでの生活に別れを告げ、これからは自分の意思で、自分の力で再びの南極を目指す人生の旅が始まる。また1からアルバイトでお金も貯めるだろう。正式に観測隊に入るために、あらゆる努力を惜しまないだろう。その先には、母が見た本当のオーロラも待っている。自分たちよりもずっと先を進んでいる吟たちも待っている。それでももう、その場所は決して手の届かない場所ではないのだ。「宇宙よりも遠い場所」は、今や彼女には地続きの故郷だ。

 日向は新しい友情と、人生観を手に入れた。歪んだ集団生活でくしゃくしゃになっていた彼女の「友達」感覚は、南極で綺麗さっぱり洗い流され、かけがえのない友情で上書きされた。高校に戻るというわけではなかろうが、これからも彼女はバイトを続けるし、その持ち前の優秀さでもって、今後の人生もうまく渡り歩いていく。そして、事あるごとに傍迷惑な「友達」から連絡が入るに違いない。「今度はあそこへ行こう」「次はこっちに行くから用意をしろ」。そんな厄介な友達が、一切気を遣う事なく、日向に無理難題を押し付けにくる。そんな関係こそが、日向が何よりも望んだ触れ合いである。緯度も嵐も乗り越えて、たどり着いた南極よりも遠い場所なんて、日向には存在しない。

 結月も新しい友情を手に入れ、仕事の新しい意義を手に入れた。特殊な世界で生きてきた彼女にとって、人付き合いはビジネスの延長線上。ずっとそのまま続くと思われた外界との関係も、あまりに特殊すぎる南極大陸で脆くも打ち崩された。ズケズケと土足で入ってくる無遠慮な奴ら。証書も念書もなしに友達になっちゃう身勝手な奴ら。死なせたくて仕方ないどうしようもない連中の生き様に、結月は同世代の女の子のたくましさを見る。まだまだ自分は未熟者で、知らない世界、知りたい世界がたくさんあったことを知る。そして、そんな自分が精一杯仕事を続けていれば、それが人の心に伝わり、「空よりも遠い場所」へとつながっていく。南極で待つ自分のファンに向けて、彼女はこれまで以上に、仕事熱心に我が道を突き進むことだろう。

 キマリの日常は、また静かな女子高生のそれへと戻っていく。しかし、明らかに「これまで」と「ここから」は違う。帰りたくないと思えるほどに惹かれてしまった南極の純白。どこへ向かえばいいのかもわからずにがむしゃらに反対行きの電車に乗ろうとしていたあの頃とは違って、彼女の視線は、ただまっすぐに「宇宙よりも遠い場所」へ向けられている。一人きりなら夢物語でしかないそんな視線も、友達がいれば現実になる。彼女はそれを自らの手で、身体で、魂で知ったのだ。めぐっちゃんだってすぐに自分の殻を突き破ってみせた。次の機会があるならば、今度こそ自らの手で摑み取ろうではないか。向かうべきは、あの空の向こう側。自分の足で、歩き続けた非日常の先。そう、この4人で。

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 尽き果てぬ想い、第12話。言葉も無い。

 正直、今回のエピソードについては、何を書こうとも野暮にしかなるまい。それくらいに全てを描き切ってしまっている。それだけに、ただ黙って受け入れればいいという気持ちと、ここまで積み上げてきたドラマ作りの技法について、貪欲に解体したいという気持ちが半々である。蛇足とは知りながらも、ある程度は覚書をしたためておこう。

 正直、前回までのお話で「さて、ゴールはどこにあるのだろう」という疑問はあったのだ。まさか小淵沢貴子が生存しているわけもなく、報瀬はわざわざこれだけの苦労を重ねて南極にたどり着き、一体何を見て「終幕」を迎えればよいものかと。まさに、今回報瀬が前半でぼんやりしていた、あの感情そのままに「南極についてしまった時点で目的は終わりなのか」と思っていた。実際、彼女が南極に降り立って最初に発した言葉は「ざまあみろ」だったわけで、彼女の中で南極という目標が「母の夢の跡」という要素よりも、それまでの自分の人生を支えてきた「生きる糧」としての機能を前面に押し出し、母の面影は最小限に留める可能性もあるとすら思っていた。女の子4人の友情物語としてなら、それでも成立しないこともないのだし。

 しかし、これまでたっぷりのドラマを見せてくれた本作が、その1点で手抜かりがあるはずもないのだ。今回顕著だったのは、報瀬と吟隊長が並んでいる構図。二人とも「貴子の弔い合戦」という大前提となる目的を共にしているが、かたや社会人として南極到達に確固たる目的意識を持った大人。かたやいざ自分がかの地を訪れる段になり、途方に暮れてしまった高校生。吟はまだまだゴールではなく先があることは知っている。では報瀬はどうなのか。その問いかけに、確固たる答えを見つけるのは困難だった。

 そして、そんな行き詰まった報瀬に対し、一番気を揉んでいたのはキマリであった。これまで4人の中で様々な関係性が描かれ、ことに日向と報瀬の関係なんかはそれだけでも一大ジャンルを形成しそうな厚みがあったわけだが、やはり本作のスタート地点はキマリと報瀬なのである。何もなかった虚しい世界に新しい光を投げかけてくれた傍迷惑な恩人・報瀬への感謝。キマリはただ愚直に、その気持ちに報いようと奔走する(最初に報瀬の様子がおかしいことを指摘したのが日向だったのはちょっと面白い)。いまやこの4人は本当に「良い友達」である。我々視聴者なんかより、よっぽど報瀬の幸せを願い、報瀬の明日を想っている。そんな彼女たちだからこそ、わずかに残っていた3年前の記憶を掘り当てることができたのであろう。

 そしてラストシーン。報瀬にとってのゴールとは何か。報瀬は何をもって、この旅の目的を果たせるのか。すでにその前のシーンに答えはあったのだ。故人は何も語らない。故人は何も思わない。ただ、その人に対して、生きている人間が何を想うかだけである。報瀬は、南極に来るためにただ一心に努力を続けてきた。様々なアルバイトに精を出し、高校生にできる限りのことをやり続けた。1つ1つ違うバイトで積み重ねた100万円。そのお札の1枚1枚に、彼女の人生が詰まっている。そして、そんな風に並べた100枚のお札にも勝る執念。10倍を超える量で押し寄せるメール。今の報瀬をねぎらうことができるのは、友達でもない、吟でもない。まして、物言わぬ故人でもない。ただひたすらに積み重ねてきた、過去の自分からの返礼。こんなにも必死に、こんなにも純粋に、戦い続けてきた歴史だった。

 報瀬は間違いなく、ゴールにたどり着けた。当て所ないメールの数々は、母親の下には届かず、返礼として自分に還る。一万四千キロの旅の果て、その気持ちの届かぬ果ての果ては、「宇宙よりも遠い場所」。

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声優のこと全般
自己紹介:
関西在住の、アニメを見ることを生業にしてるニート。必死で好きな声優を12人まで絞ったら以下のようになった。
大原さやか 桑島法子
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