忍者ブログ
最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8]

 能登・日笠・茅野とかいうメンツで雀卓囲みたい人生だった、第11話。麻美子強そう(個人の感想です)。ぴかしゃ弱そう(個人の感想です)。

 雀卓を囲める友達がいるというのは幸せな事ですが、今回もそんな「友達」のお話です。前回「パーシャル友情」では「言葉にできなくても友情」「言葉にならないから友情」という話が結月さん中心に繰り広げられたわけですが、今回の主人公は日向。そしてドリアンパーティで関係付けられた「しら×ひな」回であります。この2人の繋がりとして顕著なのは、前回の結月とは違った形でのコミュニケーション不全を抱えているために、お互いに人との関わり合いをすごくすごく気にしてしまうという事。両者性質は正反対で、報瀬はゴーイングマイウェイを貫き通すため、基本的に周りの人間のことは敵だと思っている。自分を害する人間、悪くいう人間など知ったことかと跳ね除けて、最後には自分の望みを打ち立てんとする。キーワードは「ざまあみろ」である。対する日向は、周りの人間が気になりすぎる。自分も気を使いたくないが、他人に気を使わせるのも嫌。彼女が気を使ってしまうのは、「自分が気をつけて(泥をかぶって)他人と接しないと、他人が自分に気を使ってしまうから」である。その結果、他者には一切認識できない「日向の中だけの気遣い」が溢れかえってしまい、シンガポールの時のように全てを一人で飲み込もうとしてしまう。相手が「気を使わなくても大丈夫な相手」ならば互いに不干渉でスタンドアローンなので問題ないが、ここに余計な関わりが生まれると日向は苦しくなる。抱え込んだ挙句のキーワードは「ふざけんな」である。

 この凸凹の二人がどのように互いの苦しみを共有していくか、というお話。もしかしたら、数ヶ月前の報瀬さんだったら今回のような出来事は起こらなかったかもしれない。他人は他人と割り切り、「相手が隠してるんだから詮索する必要はない」と考えてそもそも「ふざけんな」のシーンを目撃しなかったかもしれない。しかし、シンガポールの一件以来、報瀬と日向の関係性は「お互いに気を遣うな」という強い言葉で結ばれた。その結果、報瀬は「私が気になるから干渉するのだ」「あれだけのことを言っておいて自分だけこっちに気を使って隠し事とはふてぇ野郎だ」ってんで、独自に日向を掘り下げ始めるのである。さすがにメール見ちゃうのはアウトだと思うのだが、まぁ、最近までろくに友達もいなかった報瀬さんのこと、距離の取り方がわからなかったが故の過ちということで勘弁してあげよう。

 そうして明かされる日向の過去。まぁ、ありがちといえばありがちな理不尽劇場である。学校の部活という旧態依然とした体制、そして思春期特有のなんともジメッとした関係性の不和。ここからいじめなり不登校なり、問題が拡大するのもありがちな話だが、そこをスパッと「学校をやめる」まで突っ走ってしまうのが日向さん。彼女は、圧倒的に「善」を抱え込んでいるのだ。「元」友人たちの心無い振る舞いは、別に悪意から来たのではないことはわかっている。だからそこに自分が悪意や害意で返してしまうのは不毛だし、無駄だと判断する。煩わしい人間関係はバッサリと切り捨て、またゼロから始めよう。そのための目的地が南極っていうあたりも実にぶっ飛んだ発想だが、渡りに船、南極に報瀬。それができてしまう状況が整ったことは天啓にも見えたのかもしれない。新たな煩わしさの種を抱えながらも、日向は「何もないこと」に憧れて新天地を目指した。

 日向の過去を知った3人の対応ははっきりと2つに分かれた。「忘れろ」と言われて忘れる組と、忘れられない組。忘れる組の2人は簡単だ、かたやアホのキマリ。「気にするな」と言われれば表も裏も何もなしで「OK、気にしない!」で終わり。結月も簡単、「気にしないことが友達なんだよ」と言われれば、スムーズに契約を履行できます。それが友達だと言われれば学びます、お利口だから。しかし、ただ1人忘れられない報瀬さんはそうもいかない。なぜなら、日向の話は理不尽だからだ。何故、こんなことで自分の「友達」ばかりが背負い込まなきゃいけないのか、その部分に理不尽を感じ、不愉快だからだ。

 一緒に同じ「ふざけんな」を抱えさせろと、報瀬は申し出る。そのことが本当に嬉しくて、日向は再び全てを「背負い込もう」とする。自分は弱いから、そんなことになると自分を責め、報瀬をなだめる。自分のことで報瀬を悲しませ、不愉快な思いをさせてしまったなら、それだけで友人関係が成り立たないと考えるからだ。「報瀬は私じゃないだろ」と、そこをはっきりと分けて考えさせようとする。「善」の体現者たる日向は、そこにはっきりと線引きを求め、報瀬を自分から切り離す。

 しかし、そんなお利口な理屈が伝わるほど、報瀬さんは出来た子ではないのである。目の前のものを蹴散らし、自分の夢を掴み取って来たワガママっ子なのである。そんな報瀬がとるべき道は、「自分の幸せのための日向の幸せ」。ここに来て突きつけられる「ふざけるな」と「ざまあみろ」の融合。日向からすれば、ついに自分が原因で他者に「不幸」を生じさせてしまったわけだが、それでも何か、達成感があった。初めてのワガママは、どこか心地よかった。互いのはけ口を用意して、自他の垣根すら越える感情で動くことができる。そんな関係性を、「友達」と呼ぶのだろう。

 吹き出した感情は最後にドラム缶で吹っ飛ばそう。今回は除夜の鐘も含めて様々な南極特有の風景を見ることができて、いよいよ「南極アニメ」としても見所が増えて来ている。まぁ、日焼けには気をつけようってことだな。

拍手

PR

 遠い空の下にめぐっちゃん、第10話。久しぶりの登場だったが、しっかりいい仕事してくれるめぐっちゃんマジベストフレンド。

 圧倒的結月回。四人の中では比較的影が薄かった結月だが、ここにきて遅れを一気に取り戻す見事なこじらせを披露してくれている。面倒な連中の多いグループではあるが、こいつもこいつで面倒臭さが極まっていてたまらんものがある。待望の南極大陸にようやく上陸したというのに、南極のすごさとか怖さを中心的要素として描出せず、こういう方向の物語に持っていくあたり、スタッフの「わかってる」度合いが凄まじい。なお、生でペンギンが襲いかかってきたら私も5メートルを維持する自信はない。

 「友達って何?」。改めて問われると本当に面倒臭いテーゼを正面から扱う友情物語。中心に据えられた結月さんは、これまで特殊な職業的生い立ちのせいで高校生になるまでろくな友情を育んでこなかったというエリートぼっち。そんな彼女が初めて「友達的な何か」を手にし、改めてドラマの出演という「隔絶」をきっかけにして関係性を問い直すという内容。まぁ、ぼっち度合いでいえば他の三人だって並大抵のものではないんだけどね。孤高の奇人ぼっち、小渕沢報瀬。不可視の壁の体現者、三宅日向。そして大親友がめぐっちゃんでした、玉木マリ。まぁ、キマリはさすがにぼっちじゃなくて普通の友情を持ってる人間だけどね。そんなヘンテコで出会って間もない4人組が、プロぼっちの結月から「友達ってなんですか?」と聞かれ、言葉にできないあれこれをなんとか体現しようと模索する。

 友達なんてものは、確かに「言葉にするもんじゃない」。我々だって、改めて「友達」だと思っている人間に面と向かって説明しようとしたらこっぱずかしいだろうし、「友達だって明言してくれ」なんて言われたらそれこそ腰が引ける。しかし、そんな不文律的な空気感なんて、ぼっちには分からない。幼い頃から芸能界に生きる結月の場合、そこには何らかの口約・誓約が必要なビジネスライクな関係性だったのかもしれない。「言葉にするもんじゃない」ことと「言葉にできない」ことはまた別問題だろうが、残りの三人はそんな結月に「言葉じゃなくて心で理解した!」と言わせるためにあれこれ考えてあげている。そりゃま、あんだけ拗らせている様子を見たら無下にはできないだろうが、「友達だから友達だよ」みたいな適当な言葉で説き伏せるのではなく、魂に伝わる方法を探してあげているあたりは素敵な関係性である。まぁ、誓約書を出された時のキマリは本当にショックだったろうしなぁ。もちろん、「かわいそう」という上から目線の保護欲よりも、純粋な愛おしさがあったとは思うけども。こうしてみると6話の「しら×ひな」同様、今回の「きま×ゆづ」も新鮮でインパクトの強い関係性であるな。

 こうして改めて形成された「本当の友情」。誕生日のお祝いを通してそのことを伝えるなんてのはベタの極みなので新鮮なもんでもないはずだが、今作はやっぱり1つ1つの言葉選びというか、シーンの作り方が上手いんだ。最初に取り出したように、奮起・激励するキマリの背後にめぐっちゃんというベストフレンドの存在があるのがとても大きい。確認したら今回のコンテ演出は5話と同じ澤井孝次氏。この人は「へうげもの」とか「ユリ熊嵐」でもいい仕事をしてくれていた職人さんだったりするのだ。

 個人的に注目したいのは、昨今の友情・慕情アニメで増えてきたLINEを使ったコミュニケーション描写。「月がきれい」「Just Because!」の2本では特に目立った働きをしたが、今回もキマリを中心にLINEでのコミュニケーションが描かれ、その効果について、キマリが丁寧に説明してくれている。既存のコミュニケーションツールでいうメールに近い部分はあるが、よりリアルタイムに近い即時性を持ち、さらに目に見える形で既読がつくという部分には肌と肌の近さを感じさせる働きがある。今の若い子の友情って、すでに「同じ場所にいる」っていう「場所性」すら求められていないのだなぁ、なんてことを考えるとおじさんも色々と思うところがありますね。まぁ、ラストシーンでなんで結月だけ別な場所で行動してるんだよ、とは思うけども。「ね」って言いたいためにわざわざ離れてたんだろうね。「言葉にできない友情」から「言葉にしない友情(パーシャル友情)」へのステップアップ。なんとも象徴的な、良いお話でした。

 それ以外にも、今回は南極上陸1話目ということで、そこかしこに「南極のワクワク」みたいなものが転がっているのも注目したい部分。個室完備に床暖房とは、思った以上に良い生活だぞ昭和基地。まぁ、今後は色々と大変な部分も描写されていくだろうが、とりあえず1話目では「まだ見ぬ新天地への期待感」みたいなものが押し出されていて楽しそうである。魅力になる部分が「面倒臭そうだけどちょっとやってみたい」という意味では「ゆるキャン」につながるものがあるのかも。まぁ、こっちの方がよっぽど「はーどキャン」ではあるのだけども。

拍手

 CV麻美子は正義の証、第9話。ついでに言うとママンのCVかやのんも正義の証だし、それを言い出したらCV井口だって花澤だって正義の証だから、やっぱり大沢事務所は正義の証。

 いよいよ南極の地を踏むという節目のエピソード。そしていよいよ、南極行きを決意する最大の要因となった人物、小渕沢報瀬、そしてその母親・貴子に焦点が絞られていき、これまで孤高の存在だった観測隊隊長・藤堂吟のヴェールが剥がされる。

 きっかけとなったのはサブタイトルにもある「恋物語」要素なのだが、開始2秒で脈も無ければ意味もない恋愛事情だとわかるので、本当にとっかかりだけのお話。結局隊長の恋愛観が掘り下げられるわけもないし、この作品に男女の仲が介在する余地などないのである(偏見)。嫌な言い方をすれば、隊長は未だに貴子の亡霊に取り憑かれており、恋愛などというものにうつつを抜かしていられないと思っているのだろう。家庭を持つことは日本の地に根をおろすことを意味するような気がして、いつか「帰る」べき南極の地から遠ざかってしまうと言う遠慮もあったのかもしれない。彼女にとって、とにかく南極に舞い戻り、自らの過去の所業にけじめをつけること、それが人生の最大目標であるのだ。

 そしてその感情は、同じ最大目標を持つ報瀬とは完全な共有状態にある。母の一件で互いに軋轢を感じていた2人だが、その重圧の源泉は微妙に2人で認識が異なっていた。隊長は、シンプルに「自分が貴子を殺したようなものだから、きっと娘の報瀬は自分を憎んでいるのだろう」と言うので距離を置くようになっていた。しかし、実際に話した報瀬は「恨んではいない」とスパッとその辺りのことは否定している。ただ、「恨んでいないのなら、なんなのだ?」と言う部分が自分でも折り合いがついておらず、母親の喪失が未だに自分の中で消化しきれていないため、自然と隊長との関係性もややこしいものになり、煩悶から距離が遠のいていたということを告白するのである。もともと不器用が服着て歩いているような2人である。互いに近いところがあるはずなのに、なかなか言葉にもできず、態度にも現れず。なんとももどかしい関係性だったのである。しかし、今や最大目標である南極大陸はまさに「あと一歩」まで近づき、いよいよ2人は前へ進む時が来たのである。

 2人の関係性は、そうしてただ距離を置いていただけではなく、今回数多く挿入された回想シーンから、報瀬の人格形成には実は隊長が大いに関わっていたことが示されている。軽いタイプの貴子さんと違って口数少ない隊長の場合、あんまり幼子が一緒に時間を過ごすのには向かないタイプにも見えるのだが、ストイックに母親の仕事の知識を吸収しようとする娘にとっては、実は案外良い先生でもあった。専門家から南極知識を学び、観測隊の心得である不屈の精神も重ね重ね指導されている。彼女が「見た目通りに」上手にこなせる縄跳びも、実は隊長の目の前で幼い頃から黙々と続けていた蓄積の現れである。

 「諦めず続ければ、少しずつでも前に進めるし、夢はいつかは叶う」という非常にわかりやすいメッセージ性が、この縄跳びの描写と砕氷船の無骨な挙動で結び付けられている。少しずつでも飛び跳ねながら夢へと進み続けた報瀬、そして、どれだけ分厚い氷でも踏み抜いて少しずつ目的地を目指す砕氷船と、そのリーダー藤堂吟。2人は同じように、周りから押し付けられた偏見や不利益と戦い続けて来た。歴史上、弱い立場だった日本は世界から不自由な岸壁を押し付けられたという。力を持たぬ子供でしかなかった報瀬は、南極に行くなど世迷い言だと笑われたという。しかし、それでも一歩ずつ進む。踏み抜く。貫き通す。

 そうして最後にたどり着き、みんなで踏みしめた南極の地。真っ先に報瀬の口から漏れた言葉は「ざまあみろ」であった。「報瀬らしい」と三人から言われたその言葉は、もちろん過去に自分を軽んじたものへの返礼、快哉であろうが、過去の弱かった自分への鼓舞でもあったのだろう。そしてその気持ちは、「似た者同士」である隊長にも沸き起こるのである。広大な南極大陸、まだまだそのスタート地点に踏み入ったばかり。それでも、ここで叫んだ心からの「ざまあみろ」は、間違いなく力を与えてくれるものだ。

 次回、Cパートの流れからして結月回でしょうかね。これまで比較的影の薄かった結月だが、一体どんな困難が立ちはだかっているのだろうか。

拍手

 ヒロインがゲロ吐くアニメは名作、第8話。もしこれが本当なら、ヒロイン勢一同がまとめてゲロを吐くアニメは?

 最初の敵は船であった、って、なんかキャンペーンとしてはずるいタイプのタスクやんけ、って思うのだが、実際に生活している時間の長さを考えたらしょうがないのか。南極というメインバトルを控え、まずは予選か1回戦くらいの相手が船だ。例えるならようやくハンター試験会場を探し当ててトンパに出会ったくらいのレベルだ(トイレにこもるところは似てるかもしれない)。でも、実際どうなんでしょうね、船酔い。わたくし、人生経験に乏しいもので実はこれまでの人生で船旅って1、2回しかしたことないんですよね。小さい頃の記憶しかないので、船酔いがあったのかどうかもよく覚えてない。確か船内では特になんともなくて、作中でも出てきた「陸酔い」の方が印象に残っている。まさか地面があんなに揺れるようになるとは思ってなかったからなぁ。

 とにかく、女子高生四人は船旅に関してはバッチリ素人なので、そりゃぁいきなりのグランドラインに船酔いは避けられない。それまでの道中が割と順調だっただけに、ここで立ちはだかるシンプルな障壁はなかなか脅威だ。幸か不幸か彼女たちはあんまり頭数にカウントされていないので動けなくなってもクルーたちに影響はないのだが、ここではっきりと「自分たちは役に立ってない、せいぜい足手まといにならないことが最大の努力」という事実を突きつけられ、なんとか奮起するきっかけにしていきたいところだ。芋の皮むきくらいはペーペーのお約束のお仕事だけど、割と皮が残った雑な状態でしか剥けてませんでしたね。

 今回描かれた主たる要素は4つ。1つは「足手まといノーサンキュー」という克己心の育成で、2つ目がそれと対比的に描かれた先輩クルーたちの頼もしさ。まぁ、眉毛のないお姉さんは置いとくとしても、みんなして「2周目」なので実に頼り甲斐がある。隊長たちの貫禄はもちろんのこと、出港前はなんだか変な奴らに見えていたそれぞれの隊員も、過去の経験をしっかりと活かして自分たちの仕事をこなしている。見て回った色々な部署がそれぞれに魅力的なのは、おそらく船内の様子が事細かに描かれており、そこでの実体験に説得力があるからだろう。船内の1つ1つの背景が本当にリアリティを持っているのも大きなポイント。

 というわけで3つ目の要素は「観測隊あるある」だ。多分このアニメを観るにあたって一番注目したかったのはこの部分で、「南極に行くときに、一体どんなビックリ体験があるのだろう」っていう純粋な興味を隊員たちのちょっとした言動から掘り下げて行く。荷物を固定するベルトのやり方とか、船上での身体の動かし方とか、そういう部分で「長い船旅の中で責任を持って自分たちの責務をこなして行く」ためのノウハウが描かれているのが楽しい。まぁ、本当はあんだけ海が荒れてる状況で勝手にドア開けて外に出るのはNGな気がするけど。その辺は多少フィクションも交えてね。しかし、本当に地球上にもワンピースみたいな設定の海域があるんやなぁ。逆カームベルトか。

 そして、「しっかりと地に足をつけた活動ができる先輩クルー」と、「何も出来ない役立たずの小僧っ子ども」という2つの隔絶を最終的につなぎ合わせたのが、4つ目の要素、「キマリの信念」ということになる。今回は四人が揃ってグロッキーになっていたので個々の特性はそこまで明確に出なかったのだが、そんな中、報瀬が何度も「選択肢」という言葉をあげたのを受けて、キマリが「自分で選んだ道なんだ」ということを力強く主張した。この言葉は四人それぞれに違った意味を持ち、報瀬にとっては長年の宿願を抱えた人生行路、日向には自分の緩慢な人生を撃ち壊すための破天荒な思いつき、結月には新たに出来た友達との初めての共同作業、そしてキマリにとっては勇気を持って初めて自分から選んだ人生だ。各々がそれぞれの理由で「選んだ」というその事実。それをはっきり示すことで、これからの艱難辛苦を戦い抜く決心を改めて固めさせる、そんな発破をかけたのがまさかのキマリだった。なんだかんだ言って、一番まっすぐに今回の目標に突き進めるのは彼女だったということなのだろう。残りの3人は、今回はキマリに「救われた」形になりました。報瀬さんは色んなところで救われっぱなしのポンコツ多めですが……。

 さぁ、いよいよ見えてきた氷の大陸。隊長たちの「帰ってきた」という言葉の重みたるや。まだまだ遠い、遠い場所。

拍手

 アスミスまで出てきやがった、第7話。何度も何度も繰り返しますが、本作のキャストパワーは高すぎます。各所で様々な声優的小宇宙が形成されています。報瀬のママンはCV茅野愛衣ということも判明し、なんだか年上チームがどこぞのゲーム製作会社の上司チームに見えてきた。

 さておき、相変わらず1話の中にきっちりと「盛り上がりどころ」を用意しつつ、物語全体を引き締める要素を落とし込んでいるおかげで前後の連結も良いというお手本のような作劇。まぁ、すでに本作にメロメロになっている身としては、何をされても楽しいと感じてしまうのかもしれませんが(実際、アスミスキャラが「愛してる」って連呼してるシーンで何故か爆笑した)。今回は女子高生チームのあれこれよりも、大人チームがここに至るまでを描いたお話。

 これまた何度も書いていることだが、「南極に行く」ってのは本作を見ているとなんだかサラッと片付けてしまいそうになるが、とんでもないことなのである。これまで度々「この4人は何故南極を目指そうとするのか?」という部分がテーマとして持ち上がり、前回は日向というキャラクターが「こんな奴だからこそ南極にでも行ってみるものだ」ということを報瀬との不器用な関係性から掘り下げられた。今回奇しくも全員が乗員たちの前で抱負を語ってくれたおかげで乗船理由はさらにはっきりしたわけだが、キマリの「此処じゃない何処かへ」というモチベーションは、この期に及んできっちり維持されているというか、めぐっちゃんとのあれこれのこともあって、さらに志が高くなっているようにすら感じられるのが嬉しいところだ(まぁ、今週やってたことといえばレフ板持ってたくらいなんだけど)。

 こうして中心になる4人の事情は一通り分かったわけだが、物語を進めて行く上で、もっと大切なことがあったのだ。それが、「そもそも大人たちはなんで南極に行くの?」という部分である。ことの発端となったのは報瀬の母親・貴子さんであり、民間に譲渡されるという観測船・観測基地を使って、なんとか自力で南極へ渡り、その地を踏むという野望がスタートした。そして、この1回目の挑戦で貴子さんは不幸にも行方が知れなくなり、残された面々(能登ボイスが藤堂さん、日笠ボイスが前川さん)は、貴子の残した無念の分まで、「負けてたまるか」の精神で再びの挑戦を目指して戦い続けてきたわけだ。

 こうしてみると、今回乗船しているメンバーは1回目の乗員とほぼ同じということなので「リベンジ」というのが大前提の目標ということになるが、はて、それでは「復讐心」を持つ前の「そもそもの」目的とは一体なんだったのだろうか。実は、この部分は作中ではほとんど描かれていないのである。メインの3人は「南極の空を見よう」というふわっとした言明からスタートしているし、周りの人間たちはそもそもほとんど喋ってすらいない。そんなふわっとした状態では、女子高生チーム以上に「そんなに大変なことをわざわざやる理由はあるのか?」と疑問に思われてしまいそうなものなのだが、不思議なことに、本作ではそうした部分にあまり違和感がない。おそらく「リベンジ」という大前提を用意してしまっているので「その前の時点のモチベーション」があまり気にならないという二段階の構えが(ちょっとズルっこいけど)疑問の生成を抑えているのだろう。そしてそれ以上に、「何は無くとも人間は未踏の地を目指すものだ」というフロンティアスピリットの後押しが全体的な雰囲気を支えているのだ。つまり、やはり全ては「此処じゃない何処かへ」。キマリを主人公たらしめているのは、もしかしたらそうした普遍的な欲求を最大限に発揮したキャラクターであるからなのかも知れない。

 こうして漠然としながらも少しずつ形作られて行く「南極観測という苦闘」。人手が足りない、物資が足りない、何よりも予算が足りない。事情が掴みきれない女子高生チームからは「何か裏があるんじゃないか」と勘ぐられてしまうくらいに無い無い尽くしで絶望的な挑戦。ここまで不自由な部分に言及されてしまえば、あとはそこに携わるスタッフたちの「熱意」を裏に読み取るしかないのだ。冒頭のインタビューで、隊長の東堂さんは「南極の良さを皆さんに知ってほしいですね」と語っていたが、南極なんて観光地でもなければ即座に利益が出るような金の話もない。どうあがいても民間レベルでの「いいところ」を一般人が感じられるような場所ではない。それでも、観測隊の人たちは我が身を捨ててこの地を目指す。もちろん長期的に見ればお宝が眠っているのも事実であり、天文学的に、地質学的に、生物学的に、歴史学的に、とにかくやりたいことはてんこ盛り。ただ、そうした大上段の目的意識以上に、今回の観測隊の人たちは、「南極に行くこと」そのものが目的であり、1つのゴールとして見定めているのである。そのことが伝わればアニメのシナリオとして万事OK。余計な説明は削ぎ落としつつ、キマリの目的をグループ全体に押し広げたようなわかりやすい設定が、物語の「熱」を維持してくれている。

 そうして「南極へ行くんだ」というモチベーションを皆が高め合う中で、やはりひときわ特殊なのは報瀬さんであろう。東堂さんたちも、報瀬を南極まで連れて行くという一連のイベントが今回の1つの目的であるように見て取れる。全ての発端となった母の思いを受け継いで、キャッチーでウィットでセンセーショナルな旅になると良いですね。(ポンコツふだを貼りながら)

拍手

 サブタイトルだけで「ねぇ、キャンディ買って、キャンディ」って延々言い続ける凄惨なショーをイメージする人間は世界に存在しなくていいよ、第6話。俺がキャンディを山ほど買ってやる(故人)。

 冗談はさておき、今回も「攻めるなぁ」という実に濃いお話。前回のめぐっちゃんの感情も、一歩間違えれば本当に後味が悪くなってしまいそうな感情の塊をダイレクトにぶつけてくるものになっていたが、それが絶妙なブレーキングできっちり共感を呼ぶ青春劇として活きていた。前回のテーマは長い長い付き合いであるが故の友情のあり方。そして今回は、つい最近会ったばかりのコミュ障同士の、なんとも不器用で頑なな友情形成である。

 今回のお話を見て久しぶりに思い出したが、そういえば日向って学校をドロップアウトした人間だったんだね。なんとなく「そういう設定にでもしないと南極旅行なんて遠大なプロジェクトに参加できる女子高生なんてなかなかいないしなー」くらいに考えていたが、よくよく一人の人間として日向を見てみると、これって結構不思議である。常にあれだけハイテンションで、キマリとの関係性も良好。すぐに報瀬とも打ち解けてガンガン突っ込みながら南極まで同行しちゃうようなスーパーアルバイター。そんな彼女が、何故高校に行かなくなってしまったのか。そんな話を、今回はメンバーの中でもひときわ面倒臭い報瀬との関係性を通じて掘り下げていく。

 本作を観る上で本当に何度も確認しなければいけないのは、「南極に行く」というだけでもとんでもないプロジェクトであるということ。そして、それを女子高生チームがやるとなれば、さらなる労苦を伴う、人生を賭けた一大事になるということ。アニメだからというのでその辺の「非現実感」はさらりと流しても良いのだろうが、今作の場合、4人が全員そんな「とんでもない行動」に出てしまってもおかしくない人物として描かれている。一番わかりやすいのは人生を全て南極に賭ける覚悟の報瀬だろうが、彼女に引っ張られ、人生が一変したキマリも「主人公気質の天然バカ」という属性でこれをきっちり満たしている。キマリの天衣無縫な突き抜け方は、前回のめぐっちゃんとのエピソードでもその偉大さ、甚大さが確認できた部分だ。また、女子高生といっても「芸能人としての仕事」に徹している結月は別枠で考えるべきだろう。

 となると、やはりこの計画に一番似つかわしくないのは日向だったのだ。彼女が何を思って高校に行かなくなり、そのくせ南極旅行なんてとんでもない計画に加担することになったのか。その彼女の複雑なメンタリティが、今回の騒動では垣間見えるのである。一番わかりやすい彼女の主張は「気を遣うな」というもの。相手の好意であれ、気後れであれ、遠慮であれ、とにかく「相手が気を遣っている」という状態が、日向には耐えられないものであるという。おそらく彼女のいう「気遣い」というのは、他者が自分のためになんらかの不利益を伴いながらも、それを飲み込んで取り繕っている状態のことだ。自分の存在が他者にとってマイナスになっている、その状態が、とにかく日向は耐えられない。人間関係を構築する上で、どれだけ頑張ったとしてもこうした「気遣い」は不可欠なものであり、これをゼロにすることは不可能だといって良い。だからこそ、日向は高校生活という集団行動をあきらめ、「一人で」生きて行く道を選んだのだという。

 これはこれで大いに問題がある決断なのだが、こうした「気遣われたくない」という感情も分からないものではない。気遣いによって帰って傷ついてしまうシーンというのは、日常生活でも案外多いもの。そして幸いにして、これまでの4人の関係性を見ていると、裏表なんて作りようもない阿呆のキマリ、そして他人の隠し事は絶対許さないし、仕事は仕事と割りきるくせに自分が嫌だと思ったことははっきりと拒否する結月という「ストレートしか投げない」2人は非常に付き合いやすい相手だったと言える。今回パスポートを無くしたことが発覚した後の2人の行動も、純粋に「じゃぁ、飛行機遅らせるだけだな」という即断即決で、そこには配慮や遠慮があったわけではない(キマリは脇でやいやい言ってただけだが)。しかし、報瀬だけはさすがにそうもいかなかった。だからこそ、今回はこの2人だった。

 終わってみれば、結局は我(が)のぶつかり合いである。いっぱしに気遣いしてみせようと頑張った元祖コミュ障の報瀬さんと、それがダメなんだよ、と言ってしまう更に厄介な日向さん。互いが嫌いなわけじゃない。むしろ理解しあったからこその対応だ。でも、まだお互いの信念を理解するまでには至っていない。そんな関係の中で報瀬がちょっと自分を押し込めたことで、日向は傷ついてしまう。普通に考えたら日向の方にも咎はあるのだからなんとも不遜な態度ではあるのだが、結局「仲間とつながる」ことに慣れていないという意味では日向の方がより子供っぽかったのだ。

 最初に我(が)を通して相手をねじ伏せたのは日向の方。しかし、そんな一方的な物言いに負けてられない報瀬さん。ウルセェ黙れと面倒なコミュ障をねじ伏せ、「気遣えないなら気遣わない」というストレートをきっちり身につけてみせる。遠慮配慮も大事だが、いらないと相手が言っているならそれはそれでいいのだ。なかなか日本の一般的な女子高生ではなし得ないような関係構築の豪腕。報瀬が空港窓口で啖呵を切るシーンは、前回のめぐっちゃんにも負けていない名シーンではなかろうか。

 まぁ、そのあとのオチがなければだけどね……。モゥ、結月アイに嘘は通じませんのにねぇ。4者4様、遠慮のいらない殴り合いが出来る最高の関係性が、赤道を越える前にさっさとできてしまったみたいですね。

 ちなみに、毎回言ってるからいい加減申し訳ないけどまじで最後にするから言わせて。やっぱり、4人のキャストの熱量が凄すぎるんだわ。今回はゆかちと花澤パワー。特に難しいのは日向で、「気遣い無用と言ってる人間が一番気遣ってるやんけ!」っていうなんとも複雑な葛藤を掘り下げなきゃいけないのに、あくまでも明るく、前向きに全てを見ていることをきっちり表さなきゃいけないんだ。なんだろう、あの不思議な「なんとかなる」みたいなパワーは。全然関係ないけど、7年前、あの震災を受けてのラジオの口火を切った時の井口を思い出した。自分にできることを精一杯やるんだ、っていう意志。格好いい。

拍手

 ウアァァア! めぐっちゃん!! 第5話! 切ないなぁ。青春だなぁ。記念すべき今年初のボロ泣きアニメは意外なところから現れました。痛々しいって、素敵だなぁ。

 まさかのめぐっちゃん回だった。なるほど、今作は「南極探検」という大上段のテーマに目が行きがちだが、どちらかというと女子高生たちの生の感情が行き交う青春ドラマとしての側面が強い。そして、キマリや報瀬の物語が成立するのなら、めぐっちゃんだって立派に主人公たり得るのだ。そしてそれは、なんとも切なく、身を切るような物語だ。

 気づけば本作もすでに5話目。南極でのあれこれを描くためにはそろそろ旅立つ必要があり、前回初めて訓練に参加したかと思ったら、いつの間にやら出発当日。もう少し「南極での心構え」みたいな部分でトレーニングするシーンが挿入されるかと思っていたのだが、そんなことをしている時間はないようだ。尺に余裕があって試験やトレーニングを延々流すことができた「宇宙兄弟」とは作品の性格が異なるからね。そうして月日は流れ、キマリたちの南極行きは当然それなりに話題になっている。学校ではなんと朝礼で登壇するまでの話題になり(まぁ、3ヶ月も休学する事態だしなぁ)、報瀬さんは闘犬モードに拍車がかかる。もちろん、学校側がここまで大々的に取り上げてくれれば、今まで妄言だとしか思われていなかった報瀬の大望だって一気に現実味が出てくるわけで、そうなってしまえば周りの人間の反応だって変わる。今や2人は学校ではちょっとした有名人。そして、その知名度は決して悪い方向での噂ではなくなっているのだ。

 そんな変化に、もちろん本人たちだって戸惑ってはいるだろうが、キマリのよく分からない図太さは、周りの頼りになる仲間たちの存在もあり、南極行きの不安や恐怖よりも期待や楽しみの方が上回っている。1話目で学校と反対向きの電車に乗ることすらできなかったあの時のキマリはもうおらず、今では立派な「南極チャレンジ隊員」の一人なのだ(多分、時として自分以上にポンコツになる報瀬さんの存在は大きいのかと思います)。変わる世界、進む時代。こうしてキマリは立派に自分の人生の「主人公」たらんとしている。

 そして、そんな変化に影響を受ける人間は、何もプラスの影響があるだけでは済まされない。意外なことに、前へ進むキマリを見て一番の影響を受けたのは、「隣にいるメガネ」、めぐっちゃんだった。これまでも少しずつ彼女の変化への「戸惑い」や「焦燥」を見せていためぐっちゃんだったが、キマリの旅立ちを契機に、それが一気に爆発した。依存されていると思っていた相手に、実は自分こそが依存していたのだ気づかされること。それは彼女にとっても耐え難いものだっただろう。自分が上にいるという優越感を幼い頃からずっと抱えてきたはずなのに、実はそれこそが依存であり、今やキマリは自分では想像もできないほどに、広くて明るい世界にいる。そんなことを考え続けた結果、キマリを害する方向への感情が動いたとしても、それは一概に責められるようなものではない。

 もちろん、めぐっちゃんのやっていたことは悪いことだし、許されるべきではない。しかし、彼女の抱えるどうしようもない葛藤は、思春期の繊細な感情の1つとして、本当によく分かるものだ。周りの人間の変化は、自分の停滞を浮き彫りにする。別にめぐっちゃんだっていっぱしの女子高生として普通に進路のことも未来のことも考えているのだろうが、さすがにわずか数ヶ月で南極へとぶっ飛ぶ親友と比べたら、それは霞むものであるし、「駄目だと思っていたやつが一念発起して劇的に変わってしまった」という事実は、必要以上に自分を小さく見せてしまったことだろう。そんな中で、なんとか友達の変化を止めようと足を引っ張ってしまった感情は、人間ならば誰だって思い当たる節はあるのではなかろうか。なんともいびつで、救われない方向ではあるのだが、それだって、長年蓄積してきた関係性ゆえのもの。培われた友情の裏返しでもあるのだ。

 本作はそうした微細な感情の揺れ動きを、嫌らしいほどに執拗に届けてくれる。一番端的だったのは、キマリが夢中で進めていたゲームのコンセントを抜いてしまうシーンだろうか。そんなことをしたところで現状に変化があるわけでもないし、別にゲームの腕がどうだろうと知っちゃこっちゃないはずなのだが、今のめぐっちゃんにとって、キマリが何かを進める、成し遂げるという事実がどうしても耐え難いものに思えてしまった。だから成し遂げる前にそれを消してしまったし、あくまでも自分の責任ではなく、「キマリが自主的に」辞めることを期待し続けてしまったのだ。

 しかし、報瀬や日向たち、キマリの新しい「世界」を目の当たりにすることで、めぐっちゃんは全てを悟る。キマリはもう、あの頃のキマリではない。新しい世界の中で、自分の手を離れて歩き始めた一人の人間なのだ。そんな当たり前の事実から目を背けようとしていた自分を恥じ入り、めぐっちゃんも、新たに一歩を踏み出す決意をする。旅立ちの日の早朝。おそらくめぐっちゃんはキマリが家を出る時間を知らない。それでも、彼女はあの日の朝に絶交宣言をしなければいけなかった。きっと、本当に早い時間からずっとずっと、キマリのことを待っていたはずだ。謝るために。前に進むために。

 確かに南極は遠く、それを目指すキマリの挑戦は勇敢で偉大である。しかし、彼女を見送り、日本の地に止まりながらも、新しい自分の未来を目指すことを決意しためぐっちゃんの挑戦だって、決して負けてはいない。3ヶ月間の南極よりも先に、2人の人生は続いていく。そんなずっとずっと遠い場所を目指すための決意は、立派な冒険心と言えるのではないか。めぐっちゃんは、本当に素敵なお友達だと思います。

拍手

 うるかにしてください、第4話。初見では何言ってたかさっぱりわからなくて、しばらく考えてからようやく分かった。いや、あのイントネーションでは言わんやろ。

 今期2本目のゆるキャンアニメである。いや、一応ゆるくないはずなんだけど、まだあんまりキツいイメージもないからね。寒空の下でテントを張るのが流行るという謎のシーズンを迎えております。しかし、富士山の麓でなんとなくテントを張るチームとは異なり、こちらの面々はガチで南極に行こうとしているわけで、気合の入り方もだいぶ違う……かな?

 結月を迎えて4人体制で改めてスタートする南極への道。しかし、最初に立ちはだかった壁は意外にもキマリのママンであった。まぁ、そりゃ声が本田貴子のお母ちゃんは強いわ。なんともスペクタクルな玉木家は、お母さんに頼み事するだけでも一大イベント。そこからは殺人兵器を使いこなす母親との対決を、お父さんはサポートできません。でも、確かに子供の頃に親に何かお願いを切り出すタイミングって、ああいう風に「この一瞬をつくんだ!」みたいな謎のクエスト感がありましたよね。結局ズルズルと引き延ばして怒られたりするのもあるあるネタだ。キマリの場合、そこに移行するまでの過程がずいぶん短かった気はするけども。ママンも娘さんが考えてくることくらいは何となくわかるんやろな。しかし、生まれてこのかたろくに生きる目的も見出せなかった娘さんが突然南極旅行を提案してくるのを見て、一体どんな風に考えたんだろう。ある意味「宇宙旅行に行きたい」って言ってるのと大差ない事件なわけで、あんなに冷静に「赤点とったら駄目やで」なんて条件出せるのはスゲェよな。

 キマリ宅の問題はひとまず置いとくとして、やはり問題の中心は報瀬さんであろうか。いよいよチームに合流して訓練がスタートするわけだが、彼女だけは関係者に知った顔がたくさんいるわけで、過去の記憶との帳尻合わせが大変。能登麻美子ボイスの隊長さんについても、母親との因縁浅からぬ複雑な思いを持っている様子だ。こうして見ると、やっぱり4人の中では報瀬だけが唯一シリアスな理由で南極を目指してるんだよな。今週はずっとしかめ面のままだった。

 こうして彼女の信念が浮き彫りになってくると相対的に「残り3人は遊び感覚じゃないの?」という非難が出やすくなってしまい、実際、そういう違いは少なからずあるはずなのだが、今のところ、4人まとまってちゃんと「シリアスに」南極に行こうとしてくれている。隊長さんに「あなたは報瀬に誘われたのか?」と聞かれた時、キマリは「でも、決めたのは私」という一番大事な一言を口にした。まだまだ辛さも難しさもわからない南極旅行だが、キマリのモチベーションは問題ないようだ。後の2人がどうなるかはまだわからないけども。

 それにしても、何故キマリが「コンパサー」なんて謎の属性を得るに至ったのだろうか……。今後も色々と難しい訓練が出てきて、その都度3人で「得意分野」を分けてプロフェッショナルを育てていくことになるんだろうか。こうして見ていると、確かに南極も宇宙も大して変わらん危険度なんだ、っていうのは伝わってくるなぁ。

拍手

 かわいかろ? みんなしてかわいかろ? 第3話。ぼちぼち新番チェックが片付いたので気になっている作品にスポットを当て始める。

 もう、とにかく愉快の一言に尽きる。やはり4人のメインヒロインのパワーが桁違いで、特にその声のヒロイン力の高さと言ったら。デビル花澤破壊力、デビル井口は貫通力、デビル早見は浸透力、デビル水瀬は……ド天然。4人が4人とも一人で看板を背負えるクラスのエネルギーを持っているのに、それがお互いに一歩も後ろに引かずに前に出ようとする脚本の賑々しさ。これで物語が破綻せずに中心線が見えやすいのも高評価だ。

 キャラクターデザインだけで見れば、むしろあっさり気味で物足りないくらいの画面になりそうなものだが、何故か本作はこのキャラデザでちょっと粗雑なぐらいに動く方がテイストがあっている。テンポの良い掛け合い芝居のおかげでヒロイン同士が狭い空間にみっしりと詰まっている窮屈さが一切感じられず、まるで4本の物語を同時進行で見ているかのような充足感がある。今回のメインはもちろん、新キャラの白石結月ということになるだろうが、彼女が他の3人と心を通わせていくまっすぐな友情形成ストーリーながら、実は他の3人だって出会って1ヶ月も経っていないというとんでもない状況下で、日向×報瀬間の関係なども、一気に縮まってマブダチレベルになっていることが不自然でないのだ。まぁ、日向の持っている無体なエネルギーによるところが大きいのだが、1話目の時点でも「単なる黒髪ロングではないな?!」と警戒心を抱かせてくれた報瀬が順調に(そして急速に)ポンコツ化していっていることでハードルが下がりまくっているのも大きい。そして、それらの核弾頭をなんとなく丸め込んでしまうのがキマリの主人公パワーということだ。実に綺麗なトライアングル。次回からはこれがスクウェアになる。

 アイドルの有名人パワーを借りて南極行きの切符を手に入れるというのはお手軽で御都合主義的な展開には違いないが、逆に言えばこれくらいやらないとやっぱり南極行きは難しいということ。なまじ自力で解決してしまうよりかは、こうして「ラッキーすぎる運命」を利用してもらった方が筋立てとしてはスッキリするだろう。結月との友情形成が丁寧に段階を踏んでいるので、この急展開も別に不自然なものではないし。何もなかったはずのキマリという一人の少女が、たった1つの大決心から次々に周りの景色を変えていく様子は、不思議な充足感がある。めがねフレンズのめぐちゃんからみて、キマリどんな風に成長しているのだろうか。

 あとはまぁ、結月のお母さんが格好いいとか、そういうところですかね(特に声が)。なんかもう、南極に行っても行かなくてもいいので、この面子で延々ドラマCDとか展開してほしい。

拍手



忍者ブログ [PR]
カレンダー
04 2024/05 06
S M T W T F S
10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31
ブログ内検索
カテゴリー
プロフィール
HN:
Thraxi
性別:
男性
趣味:
声優のこと全般
自己紹介:
関西在住の、アニメを見ることを生業にしてるニート。必死で好きな声優を12人まで絞ったら以下のようになった。
大原さやか 桑島法子
ーーーーーーーーーー
↑越えられない壁
沢城みゆき 斎藤千和 
中原麻衣  田中理恵  
渡辺明乃 能登麻美子
佐藤利奈  佐藤聡美
高垣彩陽   悠木碧
最新CM
[04/26 な]
[04/25 な]
[04/19 NONAME]
[04/17 NONAME]
[04/17 NONAME]
バーコード