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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 事実上の最終回、番外編その2。このエピソードを最後に持ってきたあたり、流石のけいおんとしか言いようがない。終わらない日常を維持しつつ、ほのかに漂う別れの空気。この配分はえげつないな−。

 さて、今回もある程度散逸的な内容を扱うネタ回としての側面があるので、大きく2つに分割して要素を見ていきたい。1つ目は、さわちゃん視点を主軸として、軽音部の「4人」を切り取っていく「卒業アルバム」を巡る事象。卒アルチェックを口実にさわちゃん宅を訪れるというのが今回のメインシナリオなわけだが、その端々には、「写真」という要素がちりばめられている。そして、ファンなら当然承知のことだが、今回撮影された3枚の写真、冒頭の梓歓迎写真、さわちゃんが撫でた軽音部の卒アル掲載写真、そしてラストシーンを飾ったジャンプ撮影写真は、全て1期のBDジャケットになっている。

 「さわちゃんが見る卒業アルバム」、そして「BDメディアのジャケット」という2つのファクターが導くものは、我々視聴者のメタレベルの視点がこの最終話に投入されているという事実。この最終回は、卒業を前にした唯たちが軽音部の部室や、桜高の校舎に別れを告げるエピソードであり、表向きは彼女たちの思い出をまとめ上げるエピソードであるが、その実、この「思い出」は我々視聴者に与えられたものだ。彼女たち本人にとってはあくまで「自分の人生」なので常にそこには主観が介入するが、我々視聴者はどう頑張ってもこの作品はディスプレイの向こうのもの。その隔絶を、このエピソードは極力補完する。彼女たちの思い出の象徴たる卒業アルバムの中にある写真は、視聴者が自宅の棚に入れているBDと「同じもの」なのだ。思い出の共有という実に些細な事象において、このリンクは貴重であろう。

 そして、そうした結びつきの媒介者として選ばれたのが、山中さわ子だったわけだ。彼女も、生徒達と一緒に軽音部を作り上げた「あちら側の人間」であろうが、管理者としての側面、そして来年以降も新たな軽音部を見守っていく「時代の超越者」としての側面を持ち、作中ではいくらか視聴者に近いスタンスを持つ。そうした「さわ子視点」で彼女たちの交流を見守ることで、2種類の決して相容れない思い出は、わずかながらも接点が見いだせるのである。

 そうして唯たち軽音部員の「思い出」をパッケージングした後は、最後に描かれるのは「未来」への指針。2つ目の要素は、最後の無声パートに象徴される、軽音部の未来と彼女たちの旅立ち。4人が学校に戻り、梓のギターの音を聞いてから、校舎前で飛び跳ねるまでの一連の流れは、流石に目が潤んだ。軽音部室に向かってかけだした唯。彼女がひた走る校舎の風景は、我々も9ヶ月間に渡って慣れ親しんだもの。一人称視点で部室のドアを開けようとするが、すんでのところで、その手が止まる。部室の中からは、新たな世代の軽音部の音が響いてきたからだ。もう既に、次の世代は歩き出している。唯は、既に部室に入らなくて良いし、入ってはいけないのだ。

 明るい未来を垣間見て、満面の笑顔で走り去る4人。そのバックに流れるのは、梓が奏で始めた「ふわふわ時間」だ。放課後ティータイムが奏でたものとは違う、新しい世代の「ふわふわ」が流れる中、元来た道を笑いながら駆けていく唯たち。亀の像に触り、誰もいない校舎に視線を走らせ、全ての思い出を総ざらいして、全てをやりきった。卒業式まではまだ日もあるのだろうが、これ以上無いくらいの旅立ちへの祝福である。全員が顔をくしゃくしゃにして泣いた20話と比較して、今回は4人が4人とも、本当に心から笑っている。このラストを与えてくれただけでも、多くの人が救われたのではなかろうか。

 

 ラストシーンでは澪が全部もっていくあたりが相変わらずえげつないとは思うが、ノリと勢いで過ぎ去った1日が、彼女たちの高校生活を全て物語っていたように見える。この騒がしさが、この何気なさが軽音部だった。何もかもに、ともかくお疲れ様とありがとうを。そして、最大のありがとうはやっぱり部長さんに! 今回はやたら殴られてたわ! なんで最終回でこんな扱いなんだ! 流石だぜ!

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 チェケラッチョイな番外編その1。番外編っていうか……こっちの方が本流のけいおんだよなぁ。

 前回で無事に「最終回」を迎えた本作だが、日程調整のために作られた特別編が2本残っている。その内1本は、本編で卒アル撮影、正月から受験までせわしなくぶっ飛んだので、そのあたりの穴を埋める過去エピソードである。これならすんなり時系列順に放送しても良かった気もするのだが、あのちょっと寂しげな雰囲気の20話以降にコレを入れられてもちょっとイメージがねぇ。ほんと、こいつらは緊張感がねぇな。

 今回のテーマは、新入生歓迎のためのPV撮影。本編だけだと唯たちは梓のために一切気遣いをしていないように見えたのだが、陰ではきちんと部員誘致の努力をしていたんだね。ちゃんとPVは完成していたので、視聴者はあの最終回のあとも、ビデオを見た来年の新入生が軽音部に入ってくれたかもしれない、というifの未来をイメージ出来るというのは嬉しい。ただ、残念ながら悪ふざけの域を出ないのがこの先輩達(顧問含む)の限界。全米を震撼させたり、脅威の露出率を発揮したり、実現したら素晴らしいアイディアはたくさんあったのだが、残念ながらそれだけの技術も人員も無かった。無念。

 さて、基本的にネタ回なので、久し振りに1人ずつ確認していきましょう。今回一番動きが少なかったのが澪。冒頭でナースコスをかました絶妙なテンパりっぷりは流石。ああいうシーンの「素人がホームビデオで撮った映像」の作り方は、本当に京アニ炸裂でこだわりが見えて嬉しい部分。そう言えば、勉強シーンを撮影するカットで彼女は唯の右側に座っていた。あのくらいの距離だと左利きはなるべく左側に座りたがるものだと思うのだが、彼女は気にならないんだろうか。いっつも座ってる指定席だからいいのかな。

 地味にひどいことを連発していたのはムギ。「このままだと、澪ちゃんが全米を震撼させる衣装を着ることになるわ」って、ほんとにこのお嬢さんはひどいことしか言わない。他にも、実際さわちゃんが作ってきた衣装をなんとかビデオに盛り込もうとしてみたり、しっかり梓の恥ずかしい姿を撮影していたり。さわちゃん以上に黒幕はこいつな気がしてきた。常人には「ごはんはおかずの歌詞の通りに行われる連続殺人」なんて発想は絶対出てこないぞ。……書いてみたいな、それ。もしくは「ごはんがおかずだろ」と言ってコンビニで白ご飯を2つ買ってきた先輩に対して、後輩が怨恨をもって復讐する話かな(身内の実話)。

 これだけ頑張ってて突っ込み疲れないんだろうかと心配してしまうのは梓。PVの企画は結局彼女が1人で作ったようなもので、意外にも高い企画力を見せてくれた形。撮影に憂と純を引っ張ってきて手伝わせたり、映画研究会から機材を借りてきたり、やはり自分1人に部の存亡がかかっている意識があるのか、かなり積極的に動いていたのが分かる。せっかくいいものができたのに、とっさにマイクを向けられると「にゃん」しか出来ないアドリブのきかなさが唯一の難点か。そういえば、梓の自宅が映るシーンって1期の頃から必ずリビングだった気がするのだが、梓はああいうことを考えるときでもリビングで作業をするのだろうか。ひょっとして自分の部屋がない? そんなわけないよなぁ。

 髪の毛ぱっつんが直っていないのが唯。澪に嘘方程式を教えるシーンのあまりにぶっ飛んだおとぎ話、全部アドリブだったとしたらこの子はやっぱり天才だと思う。Xの帰りを待つYは、結局どうなったんだろう……三次方程式の解にタライを持ってくるセンスも抜群。なんでこの子が大学受かったんだろうね。そして、今回やたら印象に残っているシーンが、和のトンちゃんアテレコシーン。和がやったあとに唯は「和ちゃんがアタイって言った……」とやたらしょんぼりしている。いや、お前らがやらせたんだろうが。どうも和が絡むと唯はよく分からないテンションになる。よっぽど特別な感情を抱いてる幼なじみなんだろうなぁ。

 あと、唯と言えば今回冒頭の回想シーン、フォークを加えて「ふむぅ?」って振り返る唯と、鏡に向かってポーズを決める唯は、どこかで見たことがあると思ったらそれぞれ1期と2期のオープニングからなんだな。こういう細かいサービス(?)がこの期に及んで出てくるのは流石だ。

 ついでだから和も含めたその他大勢についても触れておくと、今回はPVの中にクラスメイトが大集合。すっかりお馴染みになった面々が集まっているが、いちごちゃんは相変わらずの無関心でしたね。あんた、学園祭の時講堂外でTシャツ配ってたじゃんよ。他にも軽音部大好きの図書室眼鏡っ子とか、どさくさに紛れてバレー部の宣伝をする連中とか、この学校の雰囲気はなんだかのどかでいいですね。あのPV見たら、確かに一年生は軽音部に興味を持つに違いない。

 というわけで、最後の1人。今回もフル回転してました、部長。せっかく真面目な作業をやろうとしたのにことごとく水を差す使えない顧問には「エロ親父自重しろ!」と遠慮のないメガホンが飛ぶ。こういうことが出来るのは彼女だけ。そして今回は、1人で2役も3役もこなしていく彼女の才媛っぷりに頭が下がる。トンちゃんのアフレコを見事にこなし、軽音部に入ったことで志望校に合格、宝くじもあたって身長がのびて肌もつやっつやになった人を見事に演じて見せた。あの頃のことがう・そ・の・よーぅ! ……なに子の部屋だよ。フリーダムですなぁ。こんだけ芸達者なんだから彼女は将来大物になる気がするよ。声優とかどうだろう。声が可愛いから。

 来週で本当に最終回なんだなぁ。というわけで、空気を読まずに普通の1枚。今回は隊員ならみんな大喜びだったと思われる、澪に泣きつかれる律ちゃん。この関係性が、2人を一番よく表していると思われる。

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 終わったね……最終回。原作と同時に最終回を迎える作品っていうのは、愛されているので成功する気がします。ソースはARIAととらドラ。

 ラストとは言っても放送的にはまだ2話残されているし、それと同じように、唯たちの生活はまだまだ続いていく。20話における明確な「終わり」とは対照的に、今回はそうした「続く」ことを意識させるような最終回となっていた。視聴時も、20話ではボロボロ泣いたけど今回は要所要所でうるっと来るくらいで泣くには到らず。露骨に「泣かせ」に来てもおかしくない話数だけに、この演出は作り手側の信念が感じられます。あくまで「けいおん」に必要なのはゆる〜い日常風景であって、劇的なドラマではないのですな。

 卒業式の最中もどうでもいいことで盛り上がる面々。寄せ書きやら伝言ゲームやら、本当にどうでもいいんですよ。「流石軽音部だね、ギリギリで生きてる感じ」とは純の言だが、彼女たちに限ってギリギリってことはないよ。卒業しようがすまいが、一向に変わりゃしません。そのためか、さわちゃんやらあずにゃんやら、周りの人間ばかりが感極まって彼女たちを眩しく見ているような気さえしてきます。確かに卒業式って、送り出される側はいまいち実感が湧かないまま終わっちゃう気がするなぁ。

 最も端的に実感を与えてくれたのは、なんと言っても梓の涙。文化祭でも、受験のときでも見ることが出来なかった貴重な泣き顔は、やはりこのときのために。それまで必死で気をはって唯たちを送りだそうとしていた梓だったが、ほんの些細なやりとりの中で気持ちが決壊し、ポロポロと胸中があふれ出す。一瞬の心の揺れだったが、それだけにどうしようもないくらい本当の気持ち。それを笑って受け止めて、おおらかにいつも通りのテンションで接してくれる諸先輩方の大きさがありがたい。背伸びしていつも心配ばかりしていた奇妙な関係性も、今日をもっておしまい。随分時間はかかったが、ようやく余計な気を遣わない、素直な先輩後輩の関係になれたような気がする。最後の最後に送った言葉が「上手くないですね」とは、何と良くできた後輩だろう。

 クライマックスとなるのは梓のためだけに演奏する、「放課後ティータイム」のラストライブ。映像も、中身も、ごくごく普通の、ある意味「味気ない」ライブ風景ではあるのだが、このスケールの小ささこそが彼女たちが到達出来た最後の一歩。今までのライブはあくまでイベントの一部でしかなかったが、今回はたった1人の観客のために歌えた、最も目的のはっきりした演目。凡庸で、ありきたりで、だからこそ伝わりやすい歌詞に、梓は遠慮無く泣き、笑うことが出来た。本当の意味で、最高のライブでした。

 ラストシーンは「ふわふわ時間」のイントロで締め。「ふわふわ」は1期の最終回でも流れていた曲で、このオーバーラップは明らかにアニメ的な演出として狙ったものだろう。そのまま曲に乗せてエンディングっていうのもアリだった気もするのだが、この作品の場合はきちんと通常エンディングを流すんだな。ま、そのへんのメリハリもありっちゃありかな。晴れやかなままで、いつも通りに。それが、「けいおん」の世界なのです。

 蛇足と分かりつつ、中の人の話をさせておくれ。今回もクラスメイトの描写が実に細かくて、最後の最後まで3年2組の色んな側面が見えたんですけど、序盤に律に寄せ書き渡してた人、なんか中の人が微妙だったよね。せっかくの最終回で突然ああいうのが入ってきたのは何だったのか……な。

 今週の1枚。歌ってるカットとかでも良かったんだけど、なんだか妙に印象に残ったので、みんなで並んで唯を見守る暖かい笑顔で。部員全員を心配するお母さんのような安心感があります。中の人的にいうと、餃子の皮のように包んでくれますよ。

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 立つ鳥あとを濁さぬ第23話。受験が終わったあとに何をするのかと思えば、この構成で1話やるとは……

 受験が終わって卒業式を待つばかりの高校3年生。暇と言えば暇だけど、春からのことを考えれば忙しい。学生なのに学生じゃないほんのわずかな微妙な時期の微妙な空気を凝縮した1本です。ただ、果たして自分がこの時期に何をしてたのか全く覚えていないので、共感出来るような出来ないような微妙な雰囲気で視聴しておりました。たしか卒業式が合格発表の日と同じだったから何をするにも上の空だったんだよなー。

 何の目的もなく集まった4人がやるべきことは何か、と問われれば、まず最初にやることは「お茶」。今回のエピソードだけでもムギはオウムの様に「お茶にする?」という台詞を繰り返していたけど、本当にこの子らはお茶を飲む。この「お茶を飲む」という行為自体が彼女たちの「グダグダすること」の体現であり、「放課後ティータイム」というバンド名の由来でもある。今回はサブタイトルが「放課後」であり、そこに「ティータイム」の要素はないのだが、その代わりに延々お茶を飲み続けることで「ティータイム」な要素を押し出し続けている。

 部室で聞くチャイム、他の生徒が授業を受けている中で飲むお茶。全てがイレギュラーで、ジワジワと身体に染み渡る「変化」の予兆。唯は「最後のお茶」の事実にギリギリまで気付いてなかったようだが、他の面々は「最後」という要素には意識的で、色々と「もう出来ないこと」を片付け始める。律は教室の机を片付け、和も引き継ぎのために生徒会室を片付けている。売店のパンなんてよく分からない目標も達成できたし、かなり遅い段階になったが「部室の掃除」という重要な役目も思いつくことが出来た。これで思い残すことは……

 というところで思いついた、最後の録音。「片付けること」とは対極に位置する「残すこと」が、彼女たちの部室での最後の仕事。会話も含めたあらゆる事象を「放課後」の「ティータイム」を経て残す。そんなワンシーンが、過去のライブの全てを総括して1本のテープに。このテープが1期からアイキャッチでお世話になっていた「アレ」というのも感慨深く、これまで3クールの間放送されてきたこの作品が、まるで今回録音したテープの様な彼女たちの思い出の記録であることを思わせる。彼女たちが卒業すれば、我々視聴者が見ていた1本のアニメ作品も、3年間過ごしてきた学園生活も、同じく1つの思い出になってしまう。何とも示唆的で、切ない因子ではないか。

 「残すこと」「演奏すること」に焦点が当たったおかげで、「失われるもの」についての悲しさは全面に押し出されなかった今回。梓の気持ちにも前回整理がついたので、終始ほわっとした、いかにもこの作品らしい1話となった。一番余韻を残すカットはチャイムを聞きながら各人のアップで繋ぐ「放課後だー」のシーンだろうが、それだってごくごく静かな「終わり」。これが次回に待ち受ける最終回のための、嵐の前の静けさだとすると……恐ろしい構成だ。

 今週の1枚。「人生の無駄遣い……かな」は流石にどうかと思いましたけど。敢えて選ばせてもらったのは、何気ないオフショットでもスティックを離さないドラム好きのワンカット。今リズム刻んでた? 完全に無意識だったわ。

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 一大イベント、第22話。人生を左右するという意味で、これまでのどのエピソードよりも重要なイベント、受験。それなのに、このサラリとした描かれ方はどうしたことか。これがけいおんの世界だなぁ。

 一気に時はすすみ、いよいよ4人の受験本番。とはいってもユルさはいつも通りで、律唯コンビは神頼み以上の勉強は出来ないし、澪は必要以上に心配し、ムギはゆるゆる。心配しているのは後輩たちばかりだ。また、受験シーズンは2月ということで、バレンタインシーズンとも重なっている。女子校通いの面々は男の気配が一切感じられない女子to女子のお話ばかり。そんな中でちょっと勇気を出してみた梓は、2年目で初の先輩へのチョコ作り。憂の力も借りて無事にチョコレートは出来上がったものの、それを素直に渡すことが出来ない。友達2人に肩を押されて渡しかけたが、その瞬間、どうしようもない寂しさに襲われてしまう。受験、冬、そして卒業。それは全てワンセットだからだ。自分の中にわき上がる感情を処理出来ないで困り果てる梓だったが、状況を打開してくれたのは、優しい同輩たちと、いつも通りで何一つ変わらない先輩達との触れ合いだった。

 最後の一押しで吹っ切れた梓は、ようやく正面から先輩達の卒業を祝い、合格を祈願することが出来るようになった。そして、そんな梓の決心が実を結んだのか、無事に憂と梓の携帯には、桜の花が4つ咲いたのである。

 

 ある意味最大の山場と言っていいエピソードのはずなのに、メインの構成が梓視点になっているため、「受験に挑むこと」はほとんど描かれていないに等しい。結局唯たちは、何となく受験に挑み、何となく合格しただけだ。似たような日常4コマ繋がりで、受験をラストのメインイベントに持ってきた「あずまんが大王」と対比させるとそのことがよく分かる。最後の憂が机に突っ伏すシーンなんかは「合格の喜び」が面白い形で伝わってくる良演出であったが、受験シーンの描写が一瞬たりとも無かったというのは、かなり明確な構成の指針だろう。「進路を悩むこと」についてはかなり丁寧に扱っていただけに、この受験イベントの扱いは「普通に考えれば」おかしなことである。

 しかし、結局この作品の主人公である軽音部メンバーたちは、そんなところで輝くことはないのである。あくまで今回は受験というイベントを通じて、梓に「春」を思わせることが最大の目的。そういう意味では、実に理に適った構成になっている。

 梓の心境については、学園祭以前から少しずつ描写が積み重ねられており、いつかどこかで解決すべきファクターという意識が確固として存在していた。最近はそれが如実に表れるようになっており、卒業というタームについて、ひょっとしたら当の唯たちよりもナーバスな状態で聞いていたかもしれない。それは20話で描かれた4人組の「終わり」とはまた違った、別な意味での「わかれ」。20話のラストシーンで唯一泣かなかった梓が、いつかは精算しなければならない問題だった。それを、今回はバレンタインのチョコという形で具現化させたわけだ。最終的には非常に明示的な「答え」を提示するシナリオになったわけだが、そこまでもっていくまでの梓の細やかな感情の揺れが、何とも切なく差し迫ったものに見える。

 もちろん、「先輩が卒業して部員が一人きり」という梓の現状はかなり辛い。そして、唯たちの卒業というのは避けられないイベントなので、この状態はどう転んでも改善されるものではない。しかし、今回のシナリオではそんな梓に「仲間」という救いの手が差し伸べられている。具体的に助力してくれている憂もそうだが、軽音部員たちと似たような賑やかさかを持つ純の存在も、梓にはとても大きなものだ。確かに部室には一人きりになってしまうのかもしれないが、別に梓はひとりぼっちになるわけではない。20話でも涙を流さなかった梓だが、そんな彼女の初めての涙が、合格発表を受けた後に純に向けられていたのが象徴的ではないか。クラスでも愛される存在であるようだし、吹っ切れた彼女は、きちんと1人で軽音部を切り盛りしてくれるだろう。

 今回もホロッとさせられる実に丁寧なお話。京アニ作品ってのは本当に冬の寂しさ、寒さの画面作りが巧くて、雪が舞う中での受験生達の戦いと、梓の心許なさが肌寒さとともに嫌というほど伝わってくる。それとの対比があるからこそ、部室の持つ暖かみが一際響いてくるのだろう。陰でこっそりいい仕事をしてくれるさわちゃんとか、今回は無闇に「いい話」でした。

 今週の小ネタ。1,駅で頭を抱えて「こぼさない」ようにする唯。「妄想代理人」9話「ETC」を思い出します。ま、あそこまで切実じゃないだろうけど。2,唯が梓に飴を渡す時に「はい、あめちゃん」って言った。西の方の出身なんだろうか。徳島とか。

 今回のベストショットは、個人的には「あったかあったか」の時の俯瞰視点の映像だと思います。凄く和むし、それだけに凄く切なくなりました。

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 ずっと触っていたいくらいサラサラの第21話。サラサラヘアーで敢えてデコ。それが部長の心意気。さらして恥ずかしいデコなど、捨ててしまえい! 今回は写真写りも一番良くて、現実の美人さんが誰なのかがはっきりしたな。

 前回のライブでは心おきなく泣かせてもらったわけですが、今回は一転、どこをどう転んでも泣きようがないし、普通に考えたらあり得ない構成で、これもまた「けいおん」ワールド(作中で唯は泣いてますがね)。何しろ「卒業アルバムの撮影のために女の子が髪型で悩む」というだけで1話が終わるのだ。この何も無い日常の感覚、たまらないものがあります。

 そして、そんな「どうでもよさ」を骨の髄まで堪能できるように練られた構成の妙が今回も冴え渡っている。個人的に一番ドキドキしたのは、ムギが最初に唯の髪をとかして、結んであげるシーン。ブラシをあてて少しずつ少しずつ唯の髪をまとめていくのだが、はっきり言うと、このシーンが「めちゃめちゃ長い」。単に髪をとかして結ぶ、それだけのシーンなのだから、ものの数秒でサッと描いてしまえばいいカットのはずなのだが、唯の表情の微細な変化を交えながら、実にたっぷりとこの「どうでもいい」カットが時間を使っている。普通の作品なら、このようなコンテ割りは恐ろしくて出来ないだろう。だれてしまうのは間違いないし、そんなことをする意味は無いからだ。しかし、この作品はそれに「意味がある」のだ。「髪型を探求する」という今回のテーマが浮き彫りになるのも勿論大切な要素だが、何より、ムギと唯という2人の関係性が、この長い長いカットに自然に表れる。他人の髪をいじるのが好きな娘ってのはいるもんだが、特にムギはメンバーの髪をいじったり、スキンシップをとるのが大好きな子。そして唯はそんなムギに全幅の信頼を置いて、あれだけの時間をなすがままにされている。今まであまり明示的に示されてこなかったムギ→唯というインタラクションが、このカットでまざまざと現れるのである。

 他にも、今回はやたらと長めに割られた余韻含みのカット割りが多く、例えば梓が部室に駆け込んで微妙に表情を変えるシーン。こちらは不安と期待の入り交じった梓の心情の妙をその細かい表情に表すため。また、今回のクライマックスとなった唯の散髪シーンも、無駄にスペクタクルな構図とタイミングでドラマ性を高めている。もちろん、いざうっかりミスをしてしまうシーンは間抜けな唯の顔のアップであっさりと片付けてしまうのもこの作品ならでは。あり得ない間尺の配分の仕方に、この作品の本気が見て取れる。

 さて、その他のファクターもきちんと見ていこう。まず、前回の切なさからの引きでいうなら、すっかり「ふぬけ」てしまった梓の細かい仕種がいちいち切なくなる。冒頭で魂が抜けたようになっているのは笑えるレベルではあるのだが、「卒業」という言葉にちょっと息を詰まらせてみせたり、教室で戯れる4人の姿を見て少し寂しそうな表情を見せたり。残されるものの辛さっていうのもあるんですよね。受験まで部室に居てくれる先輩達に素直に喜びを表していたものの、それって結局別れの先延ばしでしかないからなぁ。来年は1人で軽音部を支えることになるんでしょうか。そういや、もう練習する曲もないのに唯は登下校時にちゃんとギー太を持ってるんだね。ひょっとしたら梓の練習に付き合ってあげているのかもしれないな。

 そして、そんな先輩達はようやく進路を決定させる。ムギは私大で確定。特に目的意識もない唯律コンビは、単に「ムギが行くから」という理由だけで同じ大学を志すことに。……大丈夫かいな。学力もそうだけど、私立は学費がねぇ……ま、みんな長女だし、家庭もそれなりに裕福みたいだからいいんだけどね。そんな適当な動機で進学希望って親御さんは納得してくれるんだろうか。

 そして、そんな3人の様子を見て推薦枠をわざわざ蹴ってしまった澪。気持ちは分かるが、その選択が後の人生に与える影響は……いや、いいのか。大学なんて入ってみてから何をするかだし、志も無く適当に進学したところで結果は一緒だ。どんな形であれモチベーションがあがるならそれはそれでありなのかもしれない。今後とも4人仲良くやって下さい。翌年になれば梓も来るかも知れないしね。

 そうそう、レギュラー面子の中では、多分和が別な大学に進学することになるんだろうけど、今回の和はなにげにひどい子だったな。「留めるものはありませんか」の唯の問いかけにクリップを差し出す時点でいじめっ子かと思うくらいなのに、更にツインテに結った唯に「こういう犬見たことある」との発言。友達相手にイヌって。ナチュラルボーン毒舌吐きか。ちなみにその後の唯の「犬……犬、犬って……」っていう台詞がやたらお気に入り。普段がフラフラしているだけに、弱ったり困ったりしてる時に唯が発するマジでやばそうな時の声が好きです。今回は髪切ったあととかフード被って登校してる時とか、この「情けない唯」が堪能できたので楽しかったです。必死に唯を慰めようとして撃沈していく他の面々とか、なんだかよく分からないテンションが無闇にはまってました。

 そして、やっぱり髪型と言えば「おかしーし」の名言を残した部長さんですよね。今回は「きっぱり出せ! きっぱり」という名言を残しております。そして、律のカチューシャの位置を一発で決められるのが澪で、そんな澪の緊張をおさえるために「深呼吸しろ」という適切なアドバイスが出来るのが律。やっぱりこの2人が別な大学に行くっていう選択肢は無いな。ちなみに落ち込んだ唯に対してモンブランの栗という実に分かりやすいフォローを差し出したのも律ちゃんなんだぜ! 相変わらず人の気持ちを考えて動ける子だ。そんなわけだから、当然今週の1枚はきっぱり出してるところだ。

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  涙、涙、涙の第20話。今回ばかりは何を書いても野暮としか思えないのだが、敢えて言語化しないと落ち着かない業の深さは御容赦願いたい。

 まず、真っ先に言ってしまうと、ライブ中のあれこれについては、正直ダレ気味である。既に2回の学園祭を経験してきた放課後ティータイム。学園祭ライブに向かうほど良い緊張感こそあるものの、唯の超人的なMCパフォーマンスへの耐性などもあり、初々しさは感じられなくなっているし、トーク自体も特に目を引くものではなく、むしろ素人芸としても甘い部類だ。過去のエピソードで学校の生徒達とバンドメンバーがそこまで仲良くしていた描写もなかったので、あそこまで人気を博し、大勢から祝福、応援されるノリも理解しにくい。たかだか年1回2回のライブしか披露しないバンドが、あの程度のパフォーマンスで熱烈なファンがつくとは思いがたいのである。

 そして、ライブの演奏シーン自体も、この作品のクオリティのベースを考えれば、特に驚くようなレベルでもない。どうしてもライブシーンというと「God knows…」を熱唱したハルヒのそれと比較してしまうのだが、「歌唱シーン」としての単体の迫力は、あれと比べるべくもない。ひょっとしたら、1期のラストで決めた「ふわふわ時間」のときよりもユルいものだったかもしれない。そう考えると、個々のシーンをパートパートで見てしまうと、「何故ここまでクるものになったのか」は分かりにくいエピソードである。

 しかし、である。改めて確認するが、今回の話は、クる。視聴後に放心してどうしようもなくなってしまう、そんなエネルギーに充ち満ちている。過去に放送してきた約30話の物語を、放送してきた2年という歳月を、そして唯たちが過ごしてきた3年間の学園生活を収束させるだけのスケールを持っている。この演出力。当然と言えば当然だが、ライブシーン込みの回のコンテは石原立也氏。流石というしかない。

 今回のエピソードにおいて、勝手ながら2つのテーマ性で大きくくくってみた。これが面白いことに、作品を彩る2つの楽曲、後期オープニングとエンディングに繋がっている。1つ目は「Utauyo!!MIRACLE」の曲のラストを飾る「ありがとう」のリフレインだ。今回披露された「U&I」が唯と憂の関係性をクローズアップした曲であることからも分かる通りに、今回のライブでクローズアップされた要素は、「ありがとう」に代表される「関係性」と「感謝」の妙。

 ライブシーンがユルい、と評したわけだが、ユルくなっているのは手抜きや描写不足などではなく、そのユルさ自体が放課後ティータイムそのものであり、この「けいおん」という作品の骨子であるため。1人果敢にライブに挑み、観客を圧倒してみせた涼宮ハルヒと違い、放課後ティータイムの至上命題は、冒頭のTシャツサプライズにもあるような客席とのインタラクションにある。そのことはオープニングアニメーションからも確認出来るだろう。1期ライブシーンはさわちゃんなどの具体的な支援者の姿だけがかろうじて描写された程度だったが、今回のライブにおいては、和や憂やさわちゃん、そして客席を埋めるたくさんのクラスメイトの支えを得て、彼女たちはステージに立つ。愛し愛されて成立しているスタイル自体が、回りの全てを必要としているのだ。そうした「全てを巻き込んだ楽しさの形」としての「けいおん」が、今回は余すところ無く発揮されていたと思う。

 色々と細かい部分を見ていけばきりがないが、例えばロミジュリの配役決定の時に凄く興味が無さそうだったクラスメイト(いちごちゃん)が講堂の外でTシャツを配るのに協力していたり、前回誘致したオカルト研の部員が客席で拍手していたり、ここまで一切姿を見せなかった唯の両親(だよね?)がついにその存在を明かしたり、1つのガールズバンドという小さな小さな集まりを中心に広がっている「けいおん」ワールドがここに来て1つの形として結実したことを感じさせるのである。今回のライブを見終わったあとで改めてオープニングを聞くと、「大好きをありがとう。愛を込めてずっと歌うよ」という唯の切なメッセージが強く印象に残る。

 そして2つ目のテーマ性は、やはり「思い出」である。1期の締めは2年生の学園祭。そして、ここで1つの終局としてふさわしい舞台、3年目の学園祭。そこには彼女たちの歩んできた3年間がぎっしりと詰め込まれている。

 具体的な演出で言えば、過去のエピソードを嫌でも刺激する細かいカット割り。ライブ冒頭で唯がすっころんで立ち上がるポーズは、あの伝説となった「出番だよ、ギー太」。また、「転ぶ」というアクション自体が、1期学園祭エピソードで唯の成長を表すツールとして用いられていたし(1話では転んだシーンが、12話では転ばなくなった)、ギー太との思い出は、唯が軽音部として取り組んできた3年間そのもの。開幕前に2年目の学園祭の話が出た時には唯が申し訳なさそうに縮こまっていたが、「U&I」演奏中に唯がメンバーの方を振り返って楽器を演奏するシーンは、その2年目学園祭のクライマックスと重なるだろう。

 他のメンバーについても、特に澪の成長は分かりやすい部分で、急にロミジュリのネタを振られて一度は嫌がった彼女も、案外すんなり客のニーズに応えることが出来たし、最後の「U&I」演奏中の彼女の満面の笑顔は実に印象的。これまで散々ヘタレた姿を見せてきただけに、大舞台での雄姿は感慨深いものがある。また、意外なことに今回最後の最後まで一切涙を見せなかった梓。普段ならば真っ先に泣きそうな彼女だが、これまで散々面倒をかけてきた4人の先輩達の立派な姿に、彼女だけは少し異なる達成感を覚えている。「来年も続く」という点において彼女だけ立ち位置を異にするのは嬉しくもあり、寂しくもあり。自分はまだ涙を流すだけのことをやっていないという自負みたいなものがあるのかもしれない。

 そして、歴史に残る名シーンとなるであろう、最後の部室。心配していたライブが大成功に終わった達成感と心地よい疲れ。みんなで演奏できる楽しさ。そんなもので必死に覆い隠そうとする「終わり」の事実。「来年の新歓ライブは……」という一番「辛い」台詞を切り出したのは澪。そこに全員が乗っかってみせるが、突っ込みをいれたのは、やはり部長であった。あとはただ、涙、涙。蓄積があり、思い出があるということは、そこに必ず終わりがやって来るということ。今まで影の様にぴたりとつきまとっていたそんな恐怖が、今回一気にメンバーの前に吹き出した。ただ膝を抱えて嗚咽する澪、子供のように泣きじゃくるムギ。普段のふわっとしたノリで堪えてみせようとする唯、そして必死に明るく乗り越えてみせようとする律。そんな辛さに痛いほどの共感を覚えながら、支えていく梓。5人の気持ちが完全に1つになって、最後の「思い出」が出来上がる。

 見事な流れで迎えるエンディングテーマ「No,Thank you」。「思い出なんかいらない」と力強く熱唱する澪。「思い出浸る大人のような甘美な贅沢」は「まだ遠慮したい」と訴えるが、時間の流れは止めることが出来ず、大好きな「今」が終わっていく切なさを訴える。かけがえのない「思い出」のエピソードの締めとして、これ以上の形があるだろうか。

 

 「成長」「足跡」という2つの青春の因子を見事に結実させたこのエピソード。非の打ち所はありません。これがこの作品の全てだと思います。

 最後に立場上、蛇足と分かっていても一言。ラストの部室のシーンがあそこまでの完成度となったわけだが、やはり中の人のことも考えないわけにいくまい。「泣き」は演技のハードルが最も高いジャンルの1つであり、今回はキャスト全員が満点と言っていい出来である。ムギの号泣、澪の嗚咽、唯の涙声、律の強がり。まだ若くてキャリアも浅いメンバーだけに、軽音部の悲しみはきっと彼女たちキャストにも全く同じように響いていたんだろうと思う。最大級のお疲れ様とありがとうを。

 ま、まだ最終回じゃないからね! 来週以降もお楽しみに!

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 ジュ律エットォ! な第19話。前回も含めると、文化祭の準備で1話、初日で1話、そして次回は最終日で1話。1年分の文化祭で3話使うとか、どんな文化祭アニメですか。

 たっぷりの時間を使って描かれる文化祭の忙しさ、騒がしさ、賑やかさ、そして楽しさ。何を生み出すというわけでもないが、この「空気」の描かれ方が本当に素晴らしい。前回同様にクラスメイトのその他大勢も大活躍していたので「クラス一丸となって1つのイベントを成功させよう!」というみんなの盛り上がり方も嫌というほど伝わってきたし、メインで梓視点を採用したおかげか、そんなロミジュリ劇と「軽音部」というこの作品の中軸の関わり合いも決しておろそかになっていない。2日続けてこれだけ充実した参加姿勢だと、文化祭が本当に楽しそうだなぁ。

 サブタイトルにもなっている演劇の様子が描かれるのは、基本的にAパートだけ。先週は不安だったのにいつの間にか随分うまくなった澪や、それに合わせてきちんと自分の役割を果たすことが出来た律が中心のような気もするのだが、結局演劇シーンで一番持っていったのは唯だった気がする。ブサイクな顔をすればするほど楽しいメインヒロインっていうのは前代未聞だ。それにしても、クラスの出し物レベルなのにレベル高いし気合いはいってるよなー。ラストには「お墓がない!」というどこかで聞いたようなトラブルが発生したが、クラスメイトA(しずかちゃんというらしい)の機転によって無事にクリア。唯の「ふんすっ!」が無闇に格好いいぞ! ただ、1つだけ気になったのは、唯って「木G」の役だったんだよね。んで、突如ピンチヒッターを頼んだ子は「木H」の役。……なぁ、木AからFまではどこで登場したんだ? ずっとGが出ずっぱりだったじゃねぇか。

 そしてBパートは、いよいよライブに向けての準備パート。学園祭の準備といえば、やっぱり徹夜作業。普段あまりないクラスメイトとの夜通しお泊まり作業って、本当にテンションがあがるんだよね。そんなお祭りムードの「徹夜」というイベントが、梓の心配した「軽音部としての作業姿勢」というファクターとうまく絡み合って、楽しさとやる気がうまい具合にマッチング。この期待感の持たせ方は本当にずるい。

 今回勝手に読み込んでしまったのは、「祭り」の「準備」と「その後」。深夜の学校を回って楽しむ別角度からの「学園祭」は、賑やかな中にもどこか寂しさもあって、「祭りの準備」が自然に「祭りのあと」もイメージさせる。噂では原作の方も来月で最終回を迎えることが発表されているらしいし、どうしてもこの時期は「去りゆく青春」を意識せずにはいられない。深夜に展開される壊れかけのテンションなども、この時期だからこそ出来る勢いの現れだが、それを見てなんだか切なくなるのって、単に年取ったからなのかな……

 次週はいよいよライブパート。律の台詞ではないが、「お前の全てを見せてみろ!!」ってなもんですよ。

 今回は「演劇で役を演じるキャラクター」っていうのがメインになってたので、どうしても中の人のことに頭がいきがちになってしまった。ぴかしゃ→澪→ロミオっていうフィルターの掛かり方が色々と味があって面白かったぜ。今回は「男前の声を出す澪」+「オカルト研」っていう組み合わせのおかげでなんだか別作品のイメージもありましたがね。

 で、そんな澪を支える今週の部長のコーナー。今回も徹夜の申請を出し忘れていたりと、八面六臂の大活躍でしたが、その他のシーンでも数々の良い表情を披露してくれています。例えば、代表的なところでは劇中思わず吹き出しそうになる律ちゃん。やっぱり真面目なテンションは持続しません。そして澪に向かって頑張ってウインクする律ちゃん。ほっぺがぴくぴくしてます。出来ないなら無理にせんでも。そして一番の色香といえば、やっぱり寝袋から出た律ちゃんの寝顔。カチューシャ無しでこの破壊力。

 そして今回の1枚は、本番直前にも関わらず怖じ気づく澪に、気合いの一発を入れるシーン。そのデコにはそんな使い方が!! いきなり頭突きして許されるのは、律ちゃんだからですよ。

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 実に素晴らしい回になりましたな! あまりの密度に30分とは思えない第18話。今回は誰の話だい? サブタイトル通りに主役に抜擢された澪か? いやいや、その隣には必ず親友の姿がありますよね! 前回の引きから勝手に「文化祭や軽音部の中心を唯に奪われた澪がひがんで暴れる話」だと思っていたんだが、全然関係無い文化祭の出し物の話でした。

 今回もたくさんの見どころがありましたが、1つのセールスポイントとしては、普段あまり描かれないクラスでの人間関係がある。この作品はクラスメイトの全員にまでがっつりと設定があり、澪たちの同級生は全員キャラが区別されているらしい。おかげで他のキャラクターとの絡みもごく自然に描かれるし、あまり描かれることのない他のキャラクターとの交流から、普段のメンバーの学校生活も透けて見える。特に律澪はクラスでもすっかりコンビとして扱われており、みんなから2人の絡みを楽しみにされているという存在感の大きさが面白い。ま、驚きのあまり失神するような人間を主役に担ぎ出すのは期待を通り越して虐めのレベルな気もするけど……クラスでのポジションは結構いい位置みたいね。そういや、約1名あまり興味がなさそうなクラスメイトもいたけど……いちごという名前の彼女、先週バトン部で後輩指導してた子ですね。

 というわけで、ロミオ=澪、ジュリエット=律というデコボコ面子が確定。満身創痍の2人だったが、他人にいいようにいじられるばかりでは我慢ならないのが我らが律ちゃん。意地の個別練習を通じて打開の糸口を発見。互いのイメージを入れ替えるというアイディア自体はなかなかのものなのだが、結局打開策の中身も共依存の極みなのが素晴らしい。お互いがいたからこそ、という真の友情パワーを感じ取れます。

 最終的に残った課題は、人前で声を出すことに対する不慣れ。バンドのボーカルがそれはどうよ、という気もするのだが、ムギの発案により、何故か軽音部全員がメイド喫茶修行。バイトにしても衣装にしても、他の連中はそこそこノリが良かったが、やはり澪だけは駄目。そして、この苦境を乗り越えるアイディアを出したのも、親友の律ちゃんである。難行苦行で友を鍛え、なんとか一線級の戦力まで。結果的にどこまで成功したのかはよく分かりませんが、次回予告を見る限りでは、演劇はそれなりに出来るようになったみたい。めでたしめでたし。

 というわけで、今回は澪のテンパリ芸と、それに合わせて一緒に焦ったり、切れたり、なだめすかしたり、調子に乗ったり、見守ったりする部長さんが大活躍のスーパー律ちゃんタイム(俺の中ではね)。普段は茶化す側に回っているのに、いざ自分がいじられる側に回るととたんに弱くなってしまう律。照れている姿が辛抱たまりません。今回も順にギャラリーを見ていきましょう。

 「異議あり!」な律ちゃん。話し合いの途中で立ち上がっちゃいけません。「中野〜!!」な律ちゃん×2。律と梓の絡みってあんまり数が多くないんだけど、今回は何故かこの「中野〜!」っていう突っ込みが2回もありましたね。台本の歯が浮く台詞にブチ切れる律ちゃん。自分がそんな台詞言われたら照れるくせに。澪に台詞を笑われて恥ずかしい律ちゃん。ほんとにこういうときは打たれ弱くて、このときの「なんだよぉ〜」みたいな弱々しい声がたまりません。意外や意外、ギリギリサービスカットの律ちゃん。普段家で生活してるときはパンツルックが基本なんだろうけど、こんな無防備で弟さんはドキドキしないもんだろうか。量産型律ちゃん。デコの乱舞や! 今日も元気だ、律ちゃんのあれこれでご飯がうまい!

 で、最後に取り出したりますは、やっぱり澪を見守る律ちゃん。上は喫茶店のお客さんが「あの子可愛いわね」と澪の噂をしているのを聞いた時の表情。「うちの嫁は可愛いだろ?」という満面の笑み。そして下はなんやかやで苦難を乗り越えてみせた親友を見つめる慈母の様な表情。この顔が出来るからこそ、律ちゃんは律ちゃんなのです。

 散々いじられて照れまくる彼女を見て、中の人と、澪の中の人とのやりとりを思い出します。ばっきゃろ! ばっきゃろ! やめろよばっきゃろ!

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