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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 滝セン格好良いねぇ、第3話。こういう分かりやすくゴツいキャラクター大好きよ。死ぬまでに一度言ってみたい台詞だよな、「私の時間を無駄にしないでください」。

 予定通りに進行しております、不穏分子しかいないこのアニメ。キャラの設定も配置も分かりやすいものばかりなのでスッと入ってくるが、その分「吹奏楽部」というテーマがあまり馴染みのないものだし、これまでにないセッティングなので決してマンネリに終わらず、ちゃんと独自の面白さが考えられているのが流石である。要素ごとに見ていくと、まず、「5060人規模の集団のコントロール」という要素は、「部活もの」「青春もの」としては非常に珍しい。部活を取り扱った漫画・アニメというのは数多く存在しているが、この吹奏楽部のような大所帯を扱うものというのはあまり記憶にない。「ダイヤのA」みたいな大所帯の野球部とかだと2軍まで含めればそれなりの人数になるが、あくまでコントロールする必要があるのは「1軍メンバーとその近辺」だけである。今作のように「やる気のあるヤツ、才能のあるヤツ、やる気のないヤツ、何も無いヤツ」を全部引っくるめて1つの方向へと引っ張らなければいけないというセッティングは色々と新規性の高いものだろう。まぁ、イメージが一番近いのは学園が舞台の作品で「クラスで何か出し物をする」という状況の時くらいか。

 吹奏楽で面白いのは、こうして「全体としての集団」があることに加えて、明確に「パート」という小集団にも分かれているという部分。各々のパートが別の生き物のように意志を持っており、単に「数十人を1つにする」のではなく、「数人単位のいくつかのパートを1つにする」必要がある。同じように見えるが実はこれが大きく異なっており、それぞれのパートは群であり個でもある。「1人1人の個人」を描くのはむしろドラマ作りの方法論としては難しいものではない。しかし、それぞれのパートの意志となってくると、「何となく」で流してしまえるほどに希薄なものにはならず、それぞれにしっかりとした描写が必要になってくるのだ。今作では「低音」を中心にしてトランペットやホルンといったパートが表面に上がってきている段階だが、最終的には全てのパートが1つのキャラクターであるかのようにはっきりと個性を示し、それらが統合していく姿を見せない限りは物語はゴールにたどり着かない。非常に難しいストーリーテリングになると思われるが、どのように料理してくれるだろう。

 流石に、このままではちょっと煩雑になりすぎるだろうと思われるので、いくらか構図をシンプルにするために採用された図案が「2年生退部事件」である。3年生の先輩たち(というか部長と副部長)はそれなりにやる気のありそうな人たちだったので意外な事実であったが、過去に大量の「やる気のある」人間が辞めているというとんでもない事件が発生していたという。つまり、先週の滝センセによる方針決定事案が確定する以前から、この部活は不穏分子だらけでろくに練習も出来ないようなダメ部活だったわけだ(まぁ、新歓の描写からそれは窺えたわけだが)。この事件によって、わざわざ描写を重ねずとも部内に「明らかにやる気のない一団」がいることが分かり、対立構図が一気に見やすくなっている。

 1年生トリオは一番親しみやすい副部長に引っ張られる形で部活に馴染んでいったので、そうした「やる気のない」雰囲気には抵抗を示している。もちろん高坂さんは言わずもがなだ。このまま進むと、やる気のない2・3年生集団(葵ちゃんを含むと思われる)は高坂を中心とした「マジ部活集団」との対立が必至。そしてこの時、部長たちがどのようなスタンスに立つのかがまだ見えてこないのが非常に気になるところ。「滝は何一つ間違ったことを言っていない」という大義名分があるため、どれだけ部員たちがギャーギャー騒ごうとも真面目軍団には戦う理由はあるのだが、それはあくまで賛同できる人間が充分な数いてこそ。現段階では、「マジ部活集団」に誰か所属してくれるのかが全く見えないので、その辺はハラハラしっぱなしである。

 細かい要素を見ていくと、当然主人公チームはこの「マジ部活」側に分類される。今回非常に興味深かった描写として、練習せずにだべっているホルンパートを見た時の久美子の反応がある。実は彼女、正面から「マジ部活する」と決心した描写は今まで一度たりとも無く、厳密に言えば彼女も「部活辞めたい派」に転がってもおかしくない状況である。しかし、彼女はホルンパートの様子を見て明らかに嫌悪感を覚え、更に「罪悪感」を噛みしめているように見える。過去に「本気で全国行けるなんて思ってたの?」と高坂に漏らしてしまった自分の小さなミス(これを罪とみなすかどうかはまだ揺れているかもしれない)を、彼女は未だ抱え込んでいる。あそこで悩んだ時点で、久美子はおそらく高坂と志を同じにしていくだろうことが分かる。回りにいる2人の友人がその流れを後押ししてくれているのもありがたい。しかし、彼女はまだそれをはっきりと形にできるだけの意志を持ち合わせていない。おそらく、今後彼女が「演奏するという意志」を確固たるものにするために、なんか感じの悪い姉貴なんかも活躍してくれるに違いない。

 ただ、そうした1年生チームの結束とは裏腹に、2年生、3年生には不安が残る。個人的に気になるのは副部長の立ち位置だ。彼女のテンションは常に前向きで「やる気がある」ように見えるのだが、今のところ明確に「滝派である」ことを表明してはおらず、あくまでも部内でのもめ事から部長を守るために動いているだけである。彼女が「全国を目指す」意志があるのかは誰にも分からない。そして、部長はパートリーダー会議の顛末を悩んでいることについて、副部長ではなくてトランペットリーダーである香織さん(CVみのりん)と相談(秘密会議)をしていた。普通に考えるなら、あそこで相談しなければならないのは発言力も強く、ポジションも上の副部長であるべきではないか? そうしなかったということは、単に都合がつかなかっただけなのか、部長の中で副部長の立ち位置が微妙なラインにあるからなのか。色々と想像は尽きない。

 とりあえず、鬼畜眼鏡・滝の次の暴虐が早く見たいので来週も楽しみです。まぁ、俺が高校時代にあんな顧問の部活にぶち当たったら確実に辞めてるとは思うけども。

 あと、今回高坂さんの台詞が叫び声しかなかったのは如何なものか。ユーフォニアムニコ生を見て安済さんのファンになったので、今後は高坂さん中心に応援したいと思っています。安済さん、スタイル抜群の美人さんなのに、なんであんなにポンコツ風味が充溢してるんだろう。最高です。あと、はやみんがストレスで胃に穴をあけそうなポジションなのも最高です。

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 いいね、第2話。なんやろ、この不可思議な安心感は。石原コンテならではの間の取り方、抜き方がホッとするのかしら。

 適度に刺激と甘みが混じり、今後への期待が高まる非常に丁寧な「2話目」になっている。1話目を見た時の感想として「Freeの方法論で変質させたけいおんみたなもんやろ」とか言っていたわけだが、まぁ、そんな単純なもんじゃないわな(当たり前だ)。今作で何がやりたいのか、少しずつ見えてきて視界が良くなっていくのが気持ちいいです。

 1つ目のポイントとなるのは、「けいおん」とは別ベクトルでの、女子高生間の交流模様。特に面白いのはメインとなっている久美子と高坂の関係性。これ、文字に書き表すと本当に「なんじゃそれ」っていうくらいにしょうもない確執なんだよね。「中学の最後のコンクール、ダメ金だったことを当たり前だと思っていた久美子が、『本気で全国行けると思っていたの?』という心無い一言で激怒した」という事実があり、当然そんなことしちまったら高坂さんもずっと怒っているに違いない、ってんで声がかけられない。「気にしてるんだったら謝ればいいじゃん」と周りの友達はいう。確かにそうだ。どう考えても中学校最後のチャンスで涙している人間にかけるべき言葉は「本気で全国行けると思ってたの?」ではないだろう。もし、本当に高坂1人だけが全く空気を読まずに1人だけ熱血特訓をして完全に浮いていた、ってんなら話も分からなくもないが、それにしては回りのテンションとの差が無かったように見えるし、仮にそうだったとしても、ガチ泣きしている人間の気持ちを踏みにじるようなことを言う方が悪いに決まっている。非があるとしたら、流石に久美子の方である。

 しかし、彼女のいう「あの場では割と大勢の人間が自分と同じ気持ちだったから、ワタシ悪くない」という気持ちも分からないではない。いや、「悪くない」は言い過ぎだと思うが、「こんだけ時間が空いてしまって、今更あんな微妙な案件でどうやって謝ればいいのさ」という困惑は理解できる。何しろあの場で彼女をいじめたわけでもないし、馬鹿にしたわけでもない。久美子はあくまでも「普通だと思っていた本音」をポロッと漏らしてしまっただけであり、それが最悪のタイミングだっただけである。この期に及んで謝ろうにも、「あのときは空気読めなくてご免ね」とでも謝るのか。今更そんなん言ったところで、高坂さんの方だって「しらんがな」で終わってしまう可能性があるわけで、わざわざ謝りに行くというストレスのかかる行為がペイするかどうかは微妙なところだ。

 思春期の人間関係というものは、かくも微妙なものである。何となくのわだかまりで疎遠になり、何となくのつながりでも一緒にいたりする。そこにわざわざエネルギーを加えて動かすことの難しさ、そういう奇妙な「苦労話」がこのアニメにはちらほらと見えるのが面白い。今回は他にも「マジ部活か、お友達部活かの投票」というイベントも発生しており、ここにもストレスの元がある。新入生だけで22人の大所帯、単純計算だと5060人ほども在籍しているだろうか、そんな集団で「真面目に練習する? 適当にやる?」と聞かれたら、一般的な日本の高校生たちは何となく「真面目にやるって言うよね」と、特に考えもせずに手を挙げてしまうものだ。高坂さんのように確固たる意志がある人間もいるだろうが、そうでない人間でも、あそこでは「何となく手をあげる」ことが一番ストレスフリーである。久美子の場合、高坂という枷があったおかげでそれすら出来ずにもやもやしていたが、中学時代の因縁がなければ、彼女もおそらく「何となくあげる」側の人間になっていことだろう。それが普通なのだ。

 そこに現れるイレギュラー、ちょっと先輩の葵ちゃん。彼女も「何となくもやもや」の燃料として今後物語の鍵を握る人物だろう。彼女のいう「アリバイ作り」ははっきりとした意図がくみ取れる。滝という吹奏楽部顧問は、その昼行灯のような風貌の割には、容赦無く生徒たちに選択を迫るところを見るに、実際はかなりのやり手。今後の「全国を目指すための部活」は相当ハードなものになると予想される。「自主性を重んじる」という指導者は、「責任を当事者に負わせる」ことを必要条件と考えているわけで、実はかなり厳しい人間なのは容易に想像できるところだろう。そんな状況になったときに、くだんの「何となく挙手」組は当然「おもてたんと違う」と不平を言い始めるが、そこで強制力を発揮するのが滝のいう「自主性」である。「おまえらが選んだんだから文句を言うな」と、今後の吹部にはプレッシャーがかかる。言われた方も、ただでさえしんどい状態に加えて「なんであんなときあんな事してもうたんや」という、後悔がついて回るのでより心的負担が大きくなってしまう。そこで、葵ちゃんは事前にアリバイとして、「私は嫌やってはっきり言ってたやん」を用意したわけだ。これも彼女なりの処世術、意志の強さである。今後の展開としては、ほぼ間違いなく葵が辞めるだの辞めないだのというお話が出てくることだろう。今回の不穏な語りから考えるに、滝の指導方針とぶつかって部活を去るポジションを葵が担うことになるのかもしれない。そして、そんな状況で振り回されるのが、「何となく」組代表の久美子なわけだ。高坂のスタンスと葵のスタンスは真っ向から対立しており、「葵のいうことが分かる」久美子は、一方では高坂への罪悪感や仲間意識から、どんどん板挟みの状態へと落とされていくわけだ。……いいねぇ。せいぜい悩み苦しむがいい、青少年共よ。そんなことで思い切り悩めるのも若者の特権だもの。

 こうしてみると、これだって「けいおん」「Free」、それどころか「中二病」と並べても問題無い「青春物語」である。あくまでその切り口が違っているだけ。微に入り細を穿つ執拗な心理描写と阿漕な見せ方は石原監督の十八番である。今後も久美子が嫌らしい悩みを抱え続けるのを楽しみに見させてもらおう。それにしても副部長のキャラ立ってるなぁ。美菜子は最近本当に良い方向に演技ののばし方を確立した気がするわ。

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 出演の夢を叶えてしまうY.AOIネキに敬服、第4話。うん、それが言いたかっただけ。

 こういうときにオタク声優ってのはどういうモチベーションになってるのかが結構気になる私。何しろ悠木碧といえば、業界でも有名なFreeファンである。1期最終回の時にリアルタイム視聴が出来なくなって暴れたというのは有名な話。そんな大ファンが、まさかの2期でメインキャラクターとしてキャスティングされるというサプライズである。本人の心境はいかほどのものなのだろうか。夢の現場に参加し、充ち満ちる男達のアフレコ現場に浸るのか、制作者側に回ってしまうことで、今までのように純粋なファン目線で見られなくなってしまうものなのか。……あおちゃんは前者やろなぁ。ちなみに、男の子役はそこまで多くないあおちゃん、しかも宗介は成長後のCVが細谷ということで、幼少期の声もそこそこ抑えめにする必要があり、いわゆるあおちゃんの「イケボ」モードでのお仕事である。「格好いい男の子の幼少期を任されたからどんな声を出せばいいかドキドキしてたけど、成長してもウィングボイスだったので気にせずに済みました」というしゅが美とはちょっと違う。もちろん、ちゃんと抑えても聞かせるあたりは流石である。このアニメの幼少期キャストの俺得感が異常。

 アニメの中身にもちょっとだけ触れておくと、2期からの新キャラ、宗介のポジショニングはなかなかうまい。確実に「泥棒猫」ポジションのはずなのだが、凜との友情は既に確定事項なので揺るぎようがなく、基本的に「凜が一番大事」なので必要以上に悪辣にならず、このまま鮫柄側のチームプレーを固める要になってくれそうである。必要以上に遙が2人の関係を気にしてるのがなかなか気持ち悪くて良いね。

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 げぇーーっ! 凸守の新技だぁー! 最終話。基本的には卍固めの形だがそこにミョルニルハンマーを重ねることで、絶対脱出不可能の必殺技へと昇華させた! ミョルニルホールドと名付けてはどうかね! まぁ、本人も痛いらしいけど!

 とまぁ、小ネタから入ってみましたが、大団円ですよ。まさか最後の最後まで寸止めで終わるとは思わなかったけども……もう、この2人にはこれで丁度良い気がしてきた。クラスメイトに「高校2年生の夏」って言われて「そういやこいつら高2だったー!」でもう一回「げぇーーっ!」。確かに、高2とは思えない奥手っぷりだが……まー、そういうタイプがたまたま2人くっついたからこうなったと思えばしょうがないよね。余計な茶々を入れずにプラトニックな関係を応援していけばいいと思う。別に勇太だって悪い遊びを覚えるわけじゃないんだし、むしろ求めない彼氏の方が高望みされてないっぽくて気楽じゃない?(女心なんて面倒なもんはしらねぇ)

 というわけで、根本的には何一つ変わらなかった最終話だが、七宮の騒動を総括し、これから六花たちがどうやって生きていくのかが仄めかされただけでも今作には相応しいエンディングだと思う。あと、最後の最後で六花の本音が漏れ聞こえてきたことで、ここからの進展も期待出来るしね。結局、このカップルの問題って中二病とかそれ以前の話で、「六花がアホな上に極度に奥手」っていうのが一番の原因なんだよ。彼女が何を考えているかなんてただでさえ鈍感な勇太が察するのは無理なことだし、いちいち邪王真眼フィルターを介してたら、そりゃ睦言だって捗るまいよ。どれだけ擁護しても、どれだけ六花の一側面として大事だとしても、邪王真眼は最後には障壁にはなるんだ。それが、上級契約という名を使って強引にステージを進める気になったことが分かっただけでも著しい進歩。「闇とか言っとけば喜ぶと思ってるんだろアイツー!!」には爆笑してしまった。アカン、六花さん、あんたがそれいったらあかん。間違ってないけどあかん。いやー、やっぱりこの子も普通の女子高生ではあるんだよな。結局、作中で一番六花から邪王真眼が「引っぺがされた」のってこの瞬間じゃないですかね。ま−、それが嫌なら真っ当な恋愛を目指しなさい、ってことだわな。何も無い最終回とはいいながら、実は史上最大のちゃぶ台返しが起こっていた回と言えますよ。

 というわけで、六花さんはめでたく「ちょっと大人」になれたんじゃないでしょうかね。今作はそれが見られるだけで充分最終回です。「雌の顔をした小鳥遊六花」が僕らにとって最大のご褒美なんです。あといつも通りに「卑猥なこと考えて赤面する凸守」も。最終回はサービス回、ってことで六花の進路相談会が銭湯で行われたわけなんだが、エロさより幼気さの方が先立っているのがこの作品の不思議なところよね。六花ちゃんが幼児体型と見せかけてそれなり、っていうのは朗報ですよね(薄い本的に)。凸守は()。ただ1つ納得いかないのは、森サマが凸守の裸体を見て「ちっちゃ」ってコメントを残した事よね。もう、森サマは凸守の裸体なんて見飽きてると思っていたのに(脳内設定)。まぁ、裸の付き合いも終わったし、これからよ、これから。きめらが勝手に随分先に行ってるみたいだけど頑張れよ。しかし、きめらのお相手の体色ってどんなんだ? あんだけカラフルなお子さんたちが生まれるなんて……まさにキメラやないか。

 ま、「なーんやそれ」なエンディングではあるが、これがベストなのは間違いない。だって、考えてもご覧なさい、結局キスもろくに出来ていない。森サマの将来は何も決まっていない。七宮だってきっと新しい恋があるに違いない。何もかもが「日常」として続いていくこのお話には何があると思う? そう、3期だよ。3期をやるしかないよ! あ、一色はもういいや! お幸せに!!

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 いもしない幻獣退治がゴールだったとか、廻栖野さんの課題かな? 第11話。暗炎龍が長く伸びるフォルムがどっかで見たことあるなー、って思ってたら、多分「龍のトルク」だ(違うかも)。

 放送は次回で終わるのかしら、実質的に今回が2期エピソード全体の「決着」と見てしまっていいだろう。前回燃え上がった七宮の恋愛のちょっと苦い幕引きと、それに煽られる形で無闇に燃え上がった六花たちの関係性。結局「戀」になってからのこの作品は「中二病でも恋がしたい」っていうより「中二病な恋がしたい」だったような気がしますな。

 勇太はいわゆる「難聴系」主人公とは違うので、前回あれだけの「戦争」を繰り広げた七宮の真意を冒頭から理解していた。しかし、そこは残念ながら経験不足の男子高校生、あっちからも好かれ、こっちからも好かれても、それをどうやって処理していいものか分からない。また、難聴でこそないが馬鹿がつくくらいに素直な性格でもあるので、気丈に振る舞う七宮に全幅の信頼をおいて勝手に満足してしまうのも問題だ。そこに噛み付いて方向修正するのがお節介ババアこと森サマの役目だったわけだが、今回の森サマは色々面倒臭かった。まぁ、実際に自分にも経験がないっていうのは勇太たちに対して負い目になってるのは間違いないんだろうが……それなのに一枚噛んでこようとするあたりがアカン娘やな。いや、十花さんに言われたから義務感から監督業務に従事しているのかもしれないけども。「分からない」と言うばかりで頼りない勇太にイライラする森サマ、イライラするばかりで具体的なアドバイスを送ってくれない森サマにこれまたイライラしちゃう勇太。ここら辺は打つ手無しの関係性なので諦めるしかありません。

 ただ、今作の上手いところはきちんとそれぞれのキャラに「役立ちポイント」を用意してくれているところで、そんな森サマの心情をくみん先輩が綺麗に代弁してくれた。そうなんだよね、森サマが好きなのって、結局凸守魔術結社全体なんだよね(そうじゃないと、「あの子ずっと富樫君ばっかり見てたわよ」のとこで「お前も見とるやないか!」ってなって、森サマが勇太に惚れてることになってしまう)。元々世話焼きな性格のところに問題児ばかりを押しつけられたもんだから、自分では力になれないと思いながらも無理矢理割り込んでくる。森サマちゃんも困った子だよ。今回は勇太に送るアドバイスが分からず、苦肉の策で七宮の方にアドバイスを送って事態の進展に一役買うことが出来た。2期に入ってからの諸々の騒動のせいで、森サマも昔のキャラに戻るのに抵抗なくなってきてるよな。中学の制服がコスプレ風味で無駄にむちむちですね。いいですね。あと、六花のまねして下段攻撃加えたのに慣れてないせいでいまいちヒットしないシーンが面白かった。最終的に勇太はコケてたけど、六花や凸守みたいにキレのある下段が打てないから小足程度のダメージしか出ないっていうね。まぁ,日常生活であんまり下段攻撃ってしませんからね。下段ガードする人いないのに何でだろうね。

 さておき、そんな森サマの支援を受けて、更なる決戦の地へと赴いた七宮。彼女はAパートではボートで漂流することでリフレッシュを試みていたようだが、森サマがいうには「やせ我慢」程度の効果しかなかった様子。あれは一体何をしてたんでしょうね。結局、直接勇太と向き合う以外に自分の気持ちに整理はつかない、と決心して青き月夜に勝負を挑むも、六花の暴走により対決は先送り。その間に、想像を絶するほどのいちゃいちゃぶりを見せつけられることで、無事に憑き物が堕ちて魔法魔王少女・改(略)は完成をみたようだ。彼女の憑き物落としに必要だったのは、「自分と比べることが出来る六花の存在」だったのだよね。これまでの生活でも充分「六花と勇太の関係性」は見てきたはずだが、それだけで「六花も自分も勇太が好き」でしかなかった。今回の事件では、六花がウルド探索に身体を張っており、ダークフレイムマスターに向ける想いが並々ならぬものであることを見せつけられた(六花も七宮に煽られる形で暴走したのだけども)。つまり「六花は自分以上に勇太が好き」を確認出来たわけである。それに加えて「勇太もどうしようもないくらいに六花が大事」も確認出来たわけだし、流石にここに割って入るのはいかに魔王とて不可能である。ここまでやられてようやく、彼女の初恋が終わったのだ。それなりに綺麗なけじめの付け方になったかなー、とは思って見ていたのだが、最後の「バイバイ」はやっぱり心臓に来るわ。明日はもっと幸せな恋を掴むんだぞ……。

 そして、今回意外だったのは、七宮の迷いを断ち切ることになった六花の行動である。これまでのシナリオの中でも地味に伏線が張られていた「暗炎龍復活」の儀式。ただ、彼女や凸守の戯言は本当にアドリブでガンガン出てくるものだと思っていたのであまり重要視していなかった。というか、六花が重要視しているとは思っていなかった。実際、彼女の中二病ワードってその場しのぎで逃げたかったりする場合のアドリブが多いから、その中に「本当の願い」が入っているとは思わないわなぁ。一度は中二病脱却まで行ったはずの六花が、病身にむち打ってまで「儀式」の遂行に邁進するほど入れ込んでいたのはちょっと違和感もあるのだけども……それだけ、勇太に喜んで欲しかったってことなんだろうなぁ。普段の勇太を見てると、それが最善のことではないっていうのが分かりそうなもんなんだけど、勇太も過保護で甘いもんだから、そうして頑張ってる六花を見るとほだされちゃう。ま、いいカップルよね。クライマックスの抱き合うシーンとか見ると、やっぱり六花は可愛いんだわ。掛け値無しで保護欲をかき立てられる生き物なんだわ。そりゃ誰だってギューってするわ。

 なお、同様に保護欲をかき立てることで有名な生き物、凸守は今回あんまり活躍しませんでした。ただ、七宮と森サマが抱き合ってるシーンを見て「偽森サマーまでたぶらかすのDEATHか!」と嫉妬してたのはすげぇ萌えたけどね。もー、自分以外といちゃついてるとすぐ怒るんだからー。

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 辛いよう、心臓がギチギチするよう、第10話。七宮は何であんなに良い娘なんだろう……。

 すっかり七宮が中心のお話になっている。それもそのはず、このお話は既に六花と勇太が相思相愛に結ばれた時点で終わっており、何かが進むとしたら他の部分に変化を求めるしかないのである。登場時は「六花の背中を押す触媒」として機能していた七宮だったが、六花が反応を終えて順風満帆の幸せな状態になったことで、残された「触媒」の七宮自身もついに変化を余儀なくされてしまった。分かっちゃいたことだが、本当に辛い。

 「中二病をこじらせた人間が自らの恋心と向き合う」というシチュエーションは1期の六花と同じはずなのだが、七宮が抱えている問題は難度が全く違っている。まず、六花の患っていた中二病の根幹は、父親の死からの逃避であった。彼女は外界全てにうちひしがれている時に勇太の中二病に出会い、それが救いとなったために勇太に憧れを抱き、恋心と中二病を切り離すことが出来ずに苦心した。しかし、自問自答を繰り返していけば、そこにははっきりとした区分は存在しており、家族との関係性という根幹にメスが入れば、六花の気持ちは矛盾を解消し、前に進めるものになったのである。多少時間はかかってしまったが、六花の持つ「勇太への憧れ」は中二病と同じ方向を向いており、同時に進行することに抵抗はないものなのだ。

 しかし、七宮の場合にはこれが真逆である。彼女の場合はまず真っ先に「勇太への恋心」があり、それを否定し、自己肯定を産みだすために中二病を全うすることを決意したのである。既に恋を捨てて魔法魔王少女として生きることを誓った彼女には、自分を肯定しながら勇太への思いを成立させる術が無い。勇太への気持ちを形にするためには、一度大規模な自己否定を伴わなければならないのである。その葛藤が、今回雨宿りのシーンで描かれた彼女なりの「戦い」ということになる。まぁ、あんな物理的に響くようなダメージがあるのかどうかは分からないが、少なくとも現時点においては「恋愛を否定する魔法魔王少女」主体で彼女の意志が動いており、襲い来る「恋心」という外敵を撃退している。

 しかし、残念ながら自制でどうにもならないのが恋心というもので。本当に空気が読めない、とんでもないことをしでかした勇太の不意打ちのせいで、彼女は完全に打ちのめされてしまった。一番心が弱り切り、油断していたタイミングで突きつけられた「事実」に、彼女の魔法はキャパを越えてしまったのだ。雨の中で抑えきれず吹き出した涙と、彼女を魔王たらしめている歪んだ笑顔、そして、全てが無に帰したことを如実に表して剥がれ落ちてしまう頬のシール。痛い痛い痛い。何故彼女がこうも苦しまなければならないのか。

 そう、七宮の恋が六花と違うもう1つの側面は、「六花がいる」という事実そのものである。既に勇者には相思相愛の相手がおり、これまでの七宮はそれを推し進めてきたという事実がある限り、彼女の勇太への思いはどうあがいても正当化されない。それは彼女自身が一番強く戒めている部分であり、誰が自由恋愛を謳おうとも、本人が許せないのだから仕方ない。退くにしろ進むにしろ、彼女を待ち構えているのは茨の道のみである。この世界には「善人」しかいないのだが、そんな中でもここまで苦しめられてしまうことになるという、何とも皮肉なお話であった。

 七宮の恋は正直どうにもならないと思うが、この世界は六花の身の上も温かく包み込んだ「優しい世界」である。十花さんがいち早く七宮の存在に気付いていたことも、救いの可能性ではある。世話焼きババアの森サマなんかの助力も得て、どうにか丸く収まる道を模索してほしい。いっそ開き直った七宮が猛アタックをはじめて両手に花の俺たちの翼エンドとかでも構わないんだけども……勇太はそういうのを絶対許さないタイプだからなぁ……後はもう……NTRしかない。嗚呼、どっちに転んでも不幸しかないけど、これはこれでたまらんシチュエーションでもあるのよ。

 今週の凸守・チューブトップのJKのくせに、エロさは欠片もありませんでした。七宮がいい感じでエロいので差が際だちます。

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 きめらもちゃんと連れていくのね、第9話。まぁ、富樫家に置いていったら可哀想だしね。我が家の場合、1日くらいなら餌と水を用意しとけば旅行くらいは行ってたけど。

 水着回ってことでサービス回なのだが、シナリオ的には割と大事な展開を色々と孕んだエピソード。「どういう方向でこのシリーズをまとめるのか」というのは視聴者ならば誰しも興味のある部分だろうが、今回のエピソードで、大まかな舵取り、この物語の落としどころは見えてきたのではなかろうか。まさか樟葉が積極的に関係してくる流れになるとは思ってなかったけども。

 大きなターニングポイントとなるのは、当然のことながら六花の態度ということになる。これまでのお話は「勇太との関係性を育む」という方向で進み、目的はそれなりの進捗を見せていたわけだが、「単なるラブコメ」としての収束を迎えてしまってはこの作品である意味が無い。何らかの答えを与える必要があるのは、やはり中二病要素。今回は「六花が力を失う」という形で端的にその問題が提示されている。「力を失う」はもちろん比喩的なものであり、あくまでもその本質は「六花がこのままでいいのか自問自答する」こと。1期終盤にも彼女が邪王真眼を失ったことはあったが、あれはあくまでも外的要因によって変化を迫られたことが原因であり、今回のように「内面から変化を意識させられる」状態ではなかった。勇太との関係性がある程度進展したことにより、「この後の自分たち」を考えざるをえないところに来ており、その結果として、「自分の中の邪王真眼」の存在意義を自省することになったのだ。

 普通に考えれば、これは「やめる」が正解である。成長するにつれて抜けていくからこその中二病であり、六花は1期のクライマックスで一度「抜ける」チャンスを逸してしまったものの、改めてその機会が回ってきたということに。六花の心が揺れている状態に更に「幼子」という追加要素もあり、「ごっこ遊びも限度があるぞ」という至極当たり前の事実を、真正面から忌憚なくぶつかってくる子供の木刀がたたき込むことで自省は加速する。あれほどの自信を持ち、不動の存在だった邪王真眼は揺らぎ、魔法魔王少女には身も世もなく「失いかけているし、存在を忘れることすらある」と泣きつくまでに「更正」しかけた六花。これで次の日に眼帯もカラコンも外れていれば綺麗な「ゴール」だったのだが、そうは問屋が卸さない。何しろ、勇太との関係性は「邪王真眼も含めた六花」との契約なのだ。「邪王真眼は無くなった」といえば勇太も別に納得してくれるだろうし、それはそれで良いと思うだろうが、やはり勇太は今の六花が一番いいと思っている。今回わざわざ外部監査機関として十花まで登場してその勇太の心中を確認しており、今期の微妙な揺れ動きの中では初めて、勇太の口から「六花はあのままでいいし、あのままがいい」という言質を取れたのである。これで、問題の1つは完全に解決した。六花はこのまま邪王真眼を維持し続ける。もちろん、大人になる中でその運用方法については学んでいくことになるだろうが、少なくとも勇太との関係性においては、彼女は「永遠の邪王真眼」を貫き通すことになるのだろう。そして、それは2人の間でも「幸せな結末」として受け入れられることになるのだ。

 そして、そんな「1つの決着」を迎えた中にも、新たな課題が浮上してくる。1つは当然、七宮の気持ちである。これまでの「勇太と六花の物語」において、七宮は常に六花を導く側として機能してきた「維持するか、捨て去るか」という選択を一足先に解決した「先輩」であり、六花の悩みを一番親身になって考えられる存在だったためだ。その導きは六花を見事に立ち直らせ、七宮も選び得なかった「新たな邪王真眼」(フルアーマー?)へと至らせたのである。七宮にとって、この達成は喜ばしいものであり、自分が見つけられなかった新たな地平である。しかし、そんな「新しい地平」を見せられてしまったことは、過去の自分の限界をも否定することに他ならない。「中二病も、恋愛も、両立させることは出来るんじゃないか」ということが分かり、しかもその成立条件に大きく寄与したのは、過去に自分を悩ませたあの勇者であるという。そりゃまぁ、揺れ動いてしまうのも無理ないことだ。別にここから三角関係になる、ということではないだろう。七宮は六花のことが大事なのだし、勇太との関係性を壊すようなことはしない。あくまでも六花が今回乗り越えたようなハードルを越える試練が待っているだけである。もちろん、その中で彼女は「勇者」という存在を乗り越えていかねばならないわけだが、それはまた、六花たちのお話とは別の課題。こうしてみると、まさにこの作品は「中二病でも恋がしたい!」なんだよなぁ。七宮が次週どのように動くことになるのかはなかなか興味深い。

 そして、なんかよく分からないけどもスポットが当たっちゃったのが、樟葉ちゃんである。彼女は十花の誘いに惹かれているようなそぶりを見せていたし、翌日の料理対決でもこれまでにない表情を見せていた。今回その伏線が回収されなかったことを考えると、彼女の「夢」が最終回に向けて関係してくるのは間違いないと思われるのだが……何がどうなるというものか? 彼女のスタンスでメインシナリオに絡んでくるとも思えないのだけどねぇ。「樟葉がイタリア行きを決意する」→「ますます富樫家が広くなる上に、勇太と六花の2人きりの同棲が十花の監査に引っかかる」→「七宮が監視役として富樫家に入り、三角関係が進展」とかかなぁ。

 さて、そんなメインシナリオの内容が濃かったために、回りの連中は今回割と軽めの扱い。森サマなんて単なる「金儲けに目が眩んだ世話焼きのおばちゃん」ポジションやないか。凸守は水着でのサービス(??)に一番積極的だったけど、「六花に無茶振りする酷いサーヴァント」ポジションになってたし。あ、でも海に入って水を吸ったミョルニルハンマーって強そう。ボクも沙苗ちゃんのミョルニルトルネードを喰らいたいです。新キャラ・チェントちゃんは上述の通りに六花の触媒役なのであまり意味はないんだろうけども、やっぱり本作に登場する女の子なので可愛いことは可愛い。CVはすっかりお馴染みとなった山岡ゆりですね。京アニ幼女枠をがっちり確保だ。

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 愛だろ! 愛! 第8話。4話に続く新たな森×凸伝説の1ページ。もう、六花×勇太なんかよりよっぽど王道のラブコメ展開じゃないですか!

 あらすじだけを見るならば、本当に手垢で汚れきったようながちがちの展開である。「仲が悪そうだけど実は素直になれないだけ」という状態のコンビ(カップル)の仲を進展させるためには何をすれば良いかと言えば、その間に割ってはいるお邪魔虫を用意すればいい。簡易三角関係を作って本音をぶつけ合えば、元々悪く思ってたわけじゃなくて素直になれなかっただけの2人は、嫌でもくっつくって寸法だ。ちょっと変則的だったが、六花と勇太に対する七宮もこの王道展開を押し出すため(だけ)に登場したキャラなのだから。そして、本作はその「捻りの無い展開」を更にもう1つ用意してくれたわけだ。「脚本サボってるんじゃねぇよ!」と文句を言いたくなりますか? いいえ、これでいいんです。だって、テンプレのはずなのに、色々おかしいもの。

 凸守の前に現れた第2の(?)偽森サマー。確かに、中学時代の森サマは凸守を虜にするほどのカリスマを持ち合わせた有名なスピリチュアリスト(そんな言葉はない)なのだから、他の人間に同じようなコピーが現れても不思議ではない。偽森サマー(十九川さんというらしい)がどこからその情報を引っ張り出してきたのかは謎であるが、森サマが完全に過去ログを消したつもりでも、第2第3のマビノギオンは色んなところにバックアップが残ってるんだろう。一応冷静に判断するなら、十九川さんは「凸守に近づくために」森サマーを名乗ったわけだが、その情報のでどころは凸守ではないはず。何故なら「凸守の憧れているカリスマだから森サマーのフリをしてやろう」と思い立ったのは、十九川さんが凸守に接触する前だからだ。「彼女が森サマーに心酔している」という情報はどこかから調べられるかもしれないが、その彼女に直接「マビノギオンを見せて」と頼んでしまったらすぐにニセモノであることが露呈してしまうわけで、十九川さんは何とか頑張って彼女の望むマビノギオンの原典を他所から探し当てたはず。丹生谷さん、消しきったつもりでも、案外あなたの黒歴史は色んなところに痕跡を残してると思いますよ。

 そして、そんな横槍が入ったおかげで森×凸関係は混迷を極める。すっかり籠絡された凸守の従順な様子は、既に4話の時に見せた「狂信者」のそれである。森サマーは本来なら「自分以外の森サマー」が現れたことを喜びこそすれ、論破する必要など全くなかったはずなのだが、食いついちゃうあたりは「愛」以外のなにものでもない。「自分に懐いていたはずのあの子が、気付けば他所の女に取られちゃった」という状態が面白くないあたり、もう、完全に相思相愛である。今回最大のキマシポイントは、森→凸の方向だと、当然クライマックスの「可愛い顔見せることがある!」と叫ぶシーン。もう、素直じゃないんだからね! しかし、作中の全員が抱えている中二病因子だが、やっぱり一番根深いのは森サマーなんだよな……なまじ人間としての性能がいいせいで、森サマが全力で転げていた時代のクオリティが高すぎるわ。

 一方の凸守側は、やはり純粋な「森サマー」を追い求めるならば、今回は十九川さんを支持しない理由は何一つないはずなのだが、彼女も「森サマー信者」という迷彩を纏ながらも、結局丹生谷さんが大好きなのである。わざわざ休み時間にちょっかいを出しに行って「気を遣ってやったのに」としょげてるところなんかはたまらなく可愛らしい。そして、外部から凸守を見る視点が新たに現れたことによって(多少偏狂的過ぎたが)彼女のスペックの高さが再認識されるのである。作中でもトップレベルの美少女である凸守は、あんな変な集団に絡んでいなければ誰からも寵愛されるべき天使のような存在だ。そりゃ十九川さんが狂ってしまうのも仕方ない。耳にも噛み付こうってもんだ。だって、可愛いんだもの。高校1年生にしてはピュアすぎないか、という気もするのだが、それが凸守の良いところ。今回はマスターがろくに動かなかったこともあり、彼女1人でのハイスペックっぷりが堪能出来たのは素晴らしかった。

 そして、そんな2人のいちゃいちゃを促進するためだけに現れた十九川さんのキャラがこれまたかなり濃い。今作はゲストキャラに惜しみなく筆を割いてくれる上にキャストがメガトン級なので、こんなどうでもいい話なのにいちいちインパクトがある。百合キャラになると大体破滅型になるのが小清水の不思議なところ。まぁ、百合の殿堂であるリリアン女学園の可南子さんの印象が強いだけで、シャーリーとかのどっちとか、真っ当に純愛を貫いてるキャラも多いんだけどさ。その他、ヤンデレ気味になったニナ・ウォン、狙われる立場の北条響などが小清水百合ヒストリーには記載されています。現在リアルタイムで活躍中の纏流子さんは……百合とはちょっと違うよなぁ。大親友のはずのマコが蟇郡さんとくっつくことが決定事項になってるからなぁ(俺の中ではね)。とにかく、そんな濃いキャラの十九川さんは、この作品世界らしく、「狂ってるけど悪人ではない」をギリギリのラインで守り、試合終了時の撤退シーンも実に潔い。百合で、ロリコンで、中二病で、処女厨という、あまりにも重たすぎるキャラだったので、おそらく二度と登場することはないだろうけども。「サーニャ」っていう呼び方だけはなかなかいいと思ったので、今後森サマーにはちょいちょい使ってほしいですね。ちょっと小馬鹿にする感じで「ねぇサーニャ(ニヤニヤ)」みたいなことを、ピロートークでやってくれればいいよ(以下、薄い本に続け)。

 結局、今シリーズは森×凸のエピソードがあまりにもストレートに見せつけてくれるもんだから、なかなかもどかしいメインカップルの方がいくらかかすんでしまうという悩ましい事態である。いや、六花たちも頑張ってるんだけどね。今回だってさりげなく寄り添い合うシーンとかはすごく良いと思うし。でもね、もう片方のカップルがあまりにも健気なので、どうしてもかすむのよね。そして、どちらのカップリングにも大活躍してくれる七宮さんの聖人っぷり。あいつ、ホントに便利だナー。

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 おい、ついにくみんの出番無くなったぞ。第7話。まぁ、凸守が出てくれば僕は構いませんけどね。

 「長い長い2人だけの日が始まる」はずだったのに、あっという間に終わってしまう悲しみの鹿児島行脚。おかしいやろ、修学旅行の日時が被るのは分からんでもないが、鹿児島旅行なんてマイナーな行き先がたまたま同じ地域の高校で被るとか。なんや、最近は鹿児島ブームでも起こってるのか? 今回わざわざ勇太たちと森サマで分かれて行動してたのに、ろくすっぽ観光スポットっぽいところにいってないやないか。桜島しかないのかよ(まぁ、僕は他に知りません)。そんな無茶な旅行日程に加えて、どちらの高校も自由行動の時間がやたら長く、班ごとですらなく個人での旅行をOKしている。最近の高校生ってこんなに自由なのか? ま、僕は高校時代に修学旅行すらない学校だったからよく分からないけど……(なんか、2つくらい隣の県に「研修」に出されて終わった。しかも入学直後の1年生の6月でろくにクラスメイトの名前も覚えてないタイミングで。あの風習は何だったんだ)。

 そんな自由な旅行なら恋人同士もさぞかしむつまじい関係性を築けるだろうと思いきや、まさかの魔法魔王少女の乱入であっという間の終焉。前回の高密度な壁ドンパワーの高まりに今回はどうなることかと期待していたのだが、残念ながら思い描いていたような甘々展開にはならず、どっちかっていうと2期始まって以来の修羅場になってしまった。むー、残念。いや、1期があれだけ紆余曲折あったのだから、2期だって遠慮なくシリアスになってもらっても構わないのだけど、実は、もうこの世界ってシリアスになる要素は残されてないんだよね。だって、勇太も六花もお互いに相手しか見えてないから。一応七宮の登場でサブタイトルにあるような「三角関係」になっても良さそうなものだが、三角関係をこじらせるためには、勇太の気持ちが浮つかなきゃいけない。ハーレムものの主人公のように、八方美人でふらふらしないといけない。「ホワルバ2」の北原先生なんかは、うっかりどこにでもいい顔する性格が災いしてあんな修羅場を作り出してしまったのだ。勇太も割と色んなところで面倒見が良いタイプではあるが、彼の初恋は六花一本なので、迷いようがないのだ。そのため、お話を作るとしたら「六花の一方的なやきもち」になるしかないのである。

 正直言って、今回の六花はあまり良い子ではなかった。そりゃま、あれだけ盛大に「2人だけの旅行」を煽られてから間にお邪魔虫が入り込んだら快く思わないのは分かるが、七宮は「迷子」であり、困ってる人を助けてあげてしまうのは勇太の美点である。そのあたりは六花だって分かっているはずなのだ。だからこそ、不承不承ながらも七宮のヘルプに賛同した。その後も、「不慮の事故」が重なってあんな展開になってしまい、「勇太は悪くない」ことは誰にも明らかなはずなのに、六花は拗ねてしまった。はっきり言って「面倒臭い女」である。いや、六花が面倒臭いのは分かりきったことだけども、今までのとはちょっとタイプの違う面倒臭さだ。まー、上述の通り「六花を拗ねさせる」以外にいざこざを作る手段がないのだから、ここは精神的に幼い六花に多少の悪役は引き受けてもらうしかないんだろうね。

 「ちょっと六花の態度はいただけないわー」と思って見ていたのだが、森サマーには責められるし、勇太は自分のせいだと認めてしまっているのがどうにもこうにも。そりゃまぁ、あそこであーだこーだ言い訳してもしょうがないけどさ。何事も巡り合わせの悪さってのはあるものよね。そして、普通のアニメだとこの「巡り合わせの悪さ」が悪い方に加速する要因もあるはずなのだが、このアニメはそこでストップだ。もう、それ以上の辛いことは起こらない。最大の不確定要素であった七宮は、一切勇太へのアプローチをしないのである。今回だって、登場直後からものすげぇ空気を読んで、常に六花の立場を優先して行動してた。この作品世界の中ではトップレベルの常識人である。そんな彼女が何故魔法魔王少女を続けているのか、という話も今回語られたわけだが、これはこれですごく残念な話だったようにも思う。「変わらないことの体現者」っていうのが七宮の立ち位置(少なくとも目標)なわけね……ってことは、多分シナリオの起承転結を考えると、六花にはもう一山何かがあるってことだね。

 おそらく多くの視聴者が完全にすっきりしていないであろう要素として、「結局六花の中二病設定は治らないの?」というのがある。1期終わりで克服したはずの過去の呪縛を逃れても、六花はいまのところ邪王真眼をまとったままの状態。そのことを笑って見ていられるうちはいいのだが、水族館デートの時に勇太が悩んでいた通り、流石にこのままでは人生も続かない。「いつまで邪王真眼を続けるのか」というのは、将来的に解決しなければならない1つの課題には違いないのだ。七宮が「変わらない六花の代替品」として勇太たちの前に現れ、別な理由から「変わらないこと」を宣言した。これを受けた六花が、鏡映しの自分を見て何を考えるのか。おそらく、中二病自体はこのシナリオで消失することは無いだろうが、七宮の訴えた「変わること」は、勇太との関係性に表れる。ラストのマッハパンチなみの破壊力を持った「スキ」は、そんな六花の成長宣言の大きな一歩だったと捉えていいのではないだろうか。大きくなれよ、青少年。そして爆発するがいい。

 そういえば、凸守と森サマーがラブラブな電話で色々やらかしてましたが……あのホームページの制作者の正体は?? 先生、今回くみんが沈黙を守っていたのがすげぇ気になるんですが。

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