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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 ようやくお出ましの三男坊、第5話。実質主人公のはずなのにここまで引っ張られただけあって、なんだか随分情緒溢れるお話になっていましたね。あれ、でも「異世界から来たヒーローが人々を助ける話」と考えると、コトがヒーローで明恵はヒロインなのかな……。

 ここまで確認してきた三人議会の面々は、鞍馬が「変化を求める」ために外との接触を画策しており、母との思い出を守りたい八瀬が「変化を拒んでいる」ために外との接触を否定していることが明らかになった。もちろん、八瀬は「変わること」が「失うこと」に直結していると考えているせいで変化を拒絶するのであって、最愛の母との再会が叶うのであれば、外との接続もやぶさかではないだろう。「両親に会いたい」という願いは、3兄弟に共通のものであるはずだ。

 しかし、そんな中でもなかなか複雑な感情を持っているのが、今回登場した三男の明恵である。一人「人間の」子供である明恵は、今回その悲壮な出自が明らかになり、「両親」という言葉についてもなんだか複雑な事情があるようだ。現状で分かっていることは、彼は当然、古都と稲荷の本当の子供ではない(まぁ、絵から出てきた兎に子を成せるとは思えないし)。何らかの災害(人災?)に巻き込まれ、自宅の火災で両親を失ってしまった悲壮な少年を、稲荷が拾ってきたという。あの現場で割腹しようとしていたことを考えると、単なる事故などではなく悲劇的な背景事情があったのではないかと思われる。そして、そんな凄絶な現場からひょいと捨て犬でも拾ってくるかのように人間一人回収してきた稲荷が怖い。薬師丸に「兄」と「姉」が出来たのがこれより後であることは既に語られていたが、心に傷を負った彼がどのようにして「両親」との交流を行ったのかは定かではない。どれだけ優しい両親だったとしても、あんな事件の後では、ある程度時間を要する出来事だったのではなかろうか。

 しかし、最終的には稲荷は息子に「明恵」の名を譲り、数珠と共にその力も譲り渡しているようである。外に出てしまった稲荷は「必ず帰ってくる」と約束し、その間、鏡都での「明恵」としての仕事をただ1人、人間である息子に任せたのだろう。受け取った息子の方は一体どのような気持ちだったのだろうか。その当時は少し寂しい程度のものだったかもしれないし、父親に委ねられたことを誇りにも思ったかもしれない。しかし、今となっては「帰らぬ父」に苛立ちと郷愁を覚えているのは間違いない。一度失い、奇妙な形で取り戻したはずの「両親」が、また失われているのではないかという不安は、彼を忠犬のごとき空しい日課へと駆り立てている。明恵としての責任を任されながら、何も出来ずにただ待つばかりの自分。コトに向かって「遊んでばかりいるな!」と怒鳴りながらも、気付けば自分も何もせずに日々遊んでいるばかりであることに気付いてしまう。「待つ」ことは自己満足であり、与えられた仕事ではないのだ。

 悩ましい明恵。それを見て「悲しんでいるのは自分だけじゃない」と鼻で笑う兄と姉。そして、そんな明恵を気にしているのか、そうでもないのか、強引に外へと連れ出すコト。前回行われた「駅開き」のイベントは今週も続いていたが、どうやら「電車に乗る」というのが、何らかの「離脱」を意味するようである。捨てられた物品は電車に乗って一体どこへ行くのか。それは、兄弟たちが望む「外」であるのか。まぁ、阿吽の2人は「禁足地」とやらに行ってしまったみたいだけども。何とも凸凹な2人の旅路の果てに、ついに明恵は決心を固め、コトに「兎」が自分たちの母親・古都であったことを明かす。そして、その探索に協力することを告げると同時に、「見つかったときには、お前が俺を殺せ」と衝撃的な提案をするのである。

 正直、現段階でこの明恵の提案の意味は分からず、推測するしかない。手がかりとなるのは、やはり今回出てきたハチ公のたとえだろうか。鞍馬はハチ公の物語を彼らしいニヒルな視点で捉えており、「待つことが目的だったのではなく、死ぬことが……」ということを臭わせている。つまり、ハチ公はもう、愛すべき主人の帰りが無いことを知っており、後を追うために、最も納得の行く形で自分の人生に幕を引いたと。そのハチ公に明恵を重ねてしまうと……いや、でも流石に稲荷も古都も「外」では生きているだろう。少なくともコトの「先生」は少し前までコトと対話しているのだし。だとするなら、「死んでしまった主人」のたとえは、「本当の薬師丸の両親」の方に向かうのか。一度は腹をさばいてしまった薬師丸。稲荷の気まぐれで命は助かったが、「始まりと終わり」を表す阿吽の話を引き合いに出し、その「出会い」へと収束し、命を絶つ所までを求めるというのか。

 コトに食わせた石榴の実。現れて沈んだ二重螺旋。コトが落とした鏡のような装飾品。謎は減るどころか増える一方。うーむ、やはり一筋縄ではいかぬ作品。本当に退屈させないなぁ、と感心していたら……次回なんやねん。いや、僕は楽しみですけどね。うりょ子頑張れ。

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 八瀬かわいいよ八瀬、第4話。いや、ほんとにこの1話を見ての感想はそればっかりだな。現実での女性の好みの1つに「黒目がち」ってのがあるんですが、黒目しかない女の子も良いものですね(?)。

 前回が長男・鞍馬のお話だったので、順番に来て今回は次女(この言い方は違和感があるんだけどね。「長女」って言いたい気がするけど、意味的にはどちらも合ってるんだろうな)の八瀬のお話。鞍馬は「この変化の無い世界に飽き飽きし、それを打開する力を求め続ける」というキャラクター性があり、結果的には科学者の長となった。それに対し、八瀬は今回全く逆のキャラクター性を打ち出す。彼女にとって、この世界の全ては母親・古都との思い出の詰まった大切なもの。親に会えない寂しさは他の兄弟たちと同じだろうが、それでも彼女はこの世界を、この安寧を壊したくないと思っている。その結果彼女は世界を動かすことを拒み、物という物は捨てられずにたまっていくばかり。彼女が妖怪達と仲良く暮らしているのは、鬼として生まれた彼女の生い立ちがあるのは当然だろうが、それに加えて、「変わらないもの」としての安寧が、妖怪達にはあるからなのかもしれない。

 興味深いのは、唯一の女兄弟である八瀬の思い出は、全て母親についてのものだったということ。鞍馬の回想の場合、中心に出てきた「追うべき対象」は当然稲荷であり、それに付随する形で「両親」として古都も想起されていた。明恵の求めているものも似たようなもので、彼も父親と母親を等しく思っているだろう。しかし、八瀬の回想には稲荷の姿は一度たりとも描かれない。「絵から生まれた鬼の子」を誕生させたのは稲荷の力であるはずなのだが、彼女の中で「親」といえば自分と同じように絵画の中からこぼれ出たウサギ、古都である。性別による差もあるのだろうが、何よりも、彼女はその恐ろしい鬼としての力を全て受け入れた「母性」としての古都に絶対的な信頼を寄せているのだろう。母の教えは「変わらなくていい」「自分であればいい」というもので、それが「変わらない世界」である鏡都では圧倒的な力を持った。だからこそ彼女は、今でも伸び伸びと鬼に化けることが出来るし、その力でもって世界を牛耳ることが出来るのである。

 今回は、そんな八瀬の人となりを語るエピソードに合わせて「駅開き」という鏡都独特のイベントについても語られている。「ものが朽ちることも許されない世界」では不必要なものも決して壊れることがなく、処理する必要がある場合には不要物の集積所である「駅」に流されることになる。このイベントは、たとえば明恵にとっては「コトが壊したせいで何故か直らないものを片付ける」イベント、鞍馬にとっては「一向に変わることのない不愉快なものを処分する」イベント。しかし、八瀬にとっては「大切な思い出をどこかへ連れ去ってしまう」イベント。こうも見え方の違う3兄弟ではなかなか上手くいくはずもなかろうが、八瀬の思い出の中で、彼女と鞍馬の決定的な亀裂がはっきりと描かれた。捨てたくない彼女に対して、解き放ちたい鞍馬。両親への思いは同じはずなのだが、何故か決定的にかけ離れてしまうでこぼこ兄妹である。こういう思想部分で違ってしまうと、仲良くしろというのは難しいだろうが……コトはこの現状に風穴を開けることが出来るのだろうか。彼女がハンマーに付けていたストラップが、八瀬の思い出の人形だったようだが、そこからコトと古都の関係性は見えてくるのだろうか?

 色々と考えることも多いお話だったはずだが、それでもやっぱり今回は「八瀬かわいいよ八瀬」。鬼娘可愛いなぁ。暴れまくって泣きじゃくる八瀬たんにボコボコにされたい。

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 「魔法少女としてあるまじき行為だわ!」(CV:暁美ほむら)、第3話。うーん、この。ちなみに同じ世界にはさやかちゃんもいますけどね。流石にコトのことを魔法少女というのは抵抗があるな。

 サブタイトルの通り、今回は長男・鞍馬を中心に、鏡都の技術発展を一手に担っている科学者軍団のお話。Aパートは過去から始まり、鞍馬の生い立ちと、彼の現在のメンタリティが完成するまでを描く。稲荷と古都の「子供」として明恵よりも後に産みだされた奇妙な「長男」。既に「産みだすこと」の根源的な意味が怪しい世界ではあるのだが、その出生の第一義は、「家族の賑やかさ」を産みだすことであった。稲荷たちの希望の通り、3兄弟は個性派揃いで賑やかに育ち、鏡都に移り住んだ後にも、それぞれの特性を活かした「楽しい家族」を満喫していた。元々鏡都という町は浮世離れした一家の欲求を満たすための理想郷として作られた世界であり、こと下界に憧れ続けていた鞍馬にとっては、まさに夢を現実にしたユートピアに見えた。今までたまっていた鬱憤を晴らすように発明、発表に勤しみ、兄弟の中で一番夢の世界を満喫していたのは鞍馬だったろう。

 しかし、世界から両親が消えてしまったことで、彼のメンタリティにも歪みが生じた。鏡都自体も、そして彼自身も、元々は「家族が楽しく暮らす」目的で作られた存在であるのに、その前提である家族が失われてしまっては、何を新しく創造したところで意味が無いのである。ありあまるクリエイティビティの矛先を失った彼は、いつしか、理想郷であった鏡都にも飽き、「出る」ことを目標とするようになった。「出る」ことについての3兄弟の意見はひょっとしたら割れているのかもしれないが、「両親に会いたい」という思いは同じはず。違うようで似ている不格好な三人議会は、未だアイデンティティを探り続ける長男の下、ゴールの見えない迷走を続ける。

 今作で最大の焦点となるのは、やはり「鏡都」という存在そのものである。理想郷であったはずの引きこもりの巣穴が、稲荷を失ったことで彼らを拘束する檻となってしまったというのは実に皮肉であり、更に、その檻は三人にとっては「思い通りになるユートピア」であり続けているのも悩ましい。中の生活に不満があるわけではない。しかし、出なければいけない理由もある。この微妙なせめぎ合いの中で、鞍馬は虎視眈々とブレイクスルーの機会を狙っている。鏡都が「不変」と「怠惰」の象徴であるならば「円環から出たい」と思う感情にも充分な共感が得られるのだろうが、面倒なことに、この町は3兄弟の努力の結果、刺激と変化もそれなりに得られる世界になっている。「ものが壊れても直る世界」だったはずだが、ショーコがラボでコトにいいようにやられて叫び回っていたことを考えると、自動治癒が働くのは古来からの鏡都に属する要素に留まっているのだろう(伏見・コトといった外界要因がかかわると治癒が機能しないのかもしれない)。3人の意志を反映させて少しずつ移り変わっていく町は、3兄弟にとって「脱すべき殻」なのか、「守るべき場所」なのか。そのあたりの繊細な心情についても、今後は注目してみていきたいところだ。

 そんなデリケートな前半パートとは打って変わって、後半パートはショーコちゃんを中心としたドタバタ劇。この辺りが東映アニメの真骨頂。今期だと「キルラキル」は「最新鋭の古くささ」であるが、今作は「古式ゆかしい伝統芸」としてのドタバタアニメが展開される。意味の分からないリモコン捜索劇だけでも充分面白く、野放図な鏡都のビジュアルが目に賑やかである。個人的には「白衣の似合う天才幼女」役の千和がとてもとても懐かしく、心に染みる千和ボイスがまさに天国。落ち込んだショーコちゃんが「うりゅ〜」と泣いてくれるところなんかはもうたまらない。千和は本当に素晴らしい千和である。それを相手取っているのが釘ってのもポイントが高く、こういうショタ混じりの活発くぎゅは本当に脳に響く声を聞かせてくれる。今回メインを務めた鞍馬役の中原茂など、周りを囲む贅沢なキャストとも相まって本当に退屈する暇がない素敵な布陣。来週は長女・八瀬のお話ということで、まだまだお話的にもキャスト的にも楽しみが尽きない。

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 ナイスくぎゅロリ、第2話。現在東映作品で釘宮ボイスのロリっ子といえば、日曜日の朝に楽しむことが出来るわけですが、個人的にはこっちのロリコトちゃんの天真爛漫な感じが好きですね。

 ようやく下地が出来上がった、という感じで、1話目とは別の「鏡のもう一方」の基盤となるストーリー。本来の主人公であるはずのコトの生い立ちが語られ、これで「過去編」は大体出そろったと見てよいのではなかろうか。未だ彼女の生まれについては明言されていないものの、稲荷との深い関係性は充分に伝わってくるものになっていたし、あとは「あっち」と「こっち」が絡み合い、どの方向にベクトルが向いているのか、稲荷を巡って、誰がどのような気持ちを抱いて彼に会いたがっているか、というのが分かれば良い。明恵たち3人兄弟(三人議会)は、稲荷(元祖明恵)だけでなく、その妻でもあった兎の古都を含めた「両親」との出会いと、変化に乏しい鏡の都に置ける、「違った何か」を求めている。それに対して、コトは稲荷と会うことだけが目標というわけでもなさそうで、彼女の成り立ちにも関わりそうな、「見えない母親」である兎についてもまだまだ知らなければいけないことも多そう。「変わらない」町にやってきた「刺激」そのものであるコトの冒険が、ようやくここから始まることになる。

 今回は、幼いコトと稲荷の関係を示す複数のエピソードが、例によって妙な時系列で描かれている。油断するとすぐに何が起こっているのかが見えなくなるのが恐ろしい作品だが、1つ1つのカットにそうした罠を仕掛けることによって、常に緊張感を持って視聴することを強いられるように出来ている。今回印象的だったのは、コトが校舎(境内?)を歩き回るシーンが多く登場することで、最初は稲荷と2人連れだって歩き、次には一人で兎の絵の部屋へ向かうためにとぼとぼ歩き、最後は兎に導かれるように、一人小走りで廊下を進む。何度も同じようなカットを入れることで、少しずつ状況や人間性が変化したコトの「成長」が分かりやすく表示されているし、この世界を司る「変化」そのものが画面に表れているようで面白い。不思議な生い立ちのせいで周りからも異端視されがちなコトであるが、優しい父親の教育のおかげで、おてんばながらも真っ直ぐに育っていてとても微笑ましいのである。こんな娘が欲しくなります。いや自分の娘が釘ボイスだったらいいとか、そういうことでなくてね。

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 やっぱり色々気持ちいい、第1話。前回の導入だけじゃ何が何だかさっぱり分からなくて、「まぁ、総集編みたいなもんだろうし、次回から1話目なんだからちゃんと理解出来るだろ」と思ったら、割と思ってたのと違う軸から攻めてきた感。

 少女「コト」が主人公の物語で、彼女が都を舞台にして暴れ回る様子が0話で描かれたので、テレビシリーズはその後の話なんだろうな、と思っていたら、なんと世界の成り立ちの部分からストーリーが始まった。謎の坊主と、その手からなる兎の絵。不可思議な縁の2人が御仏の力で導かれて絵の中飛び込み世界を作った。その中では2人の「子供たち」といえる3人の男女が「変わらない絵の世界」に変化をもたらしており、「外」に出てしまった「親」の存在を待っている。主人公となるのは、上の兄姉が絵の存在だったのに対し、1人だけ人間だった「薬師丸」と呼ばれる青年。現在はその名を育ての親と同じく明恵と改めており、父の帰りを待ちながら、この世界のありように不満を述べたり、満足したり。基本的に「壊れたものが直る」「人が死なない」など、変化を否定する町の中にあって、自分の力で変化を起こせる数少ない存在の1人であったが、そこに飛び込んできたのが、母と同じ名前を持つコトと名乗る少女。新たに何が変わるのか。不思議な町の、不思議な出会いのお話であった。

 あらすじだけを駆け足で説明しているはずの第1話だが、まったくはしょっている感は無く、1つ1つの要素はちゃんと理解出来るように構成されている。加えて、明恵と古都のロマンスなどもちゃんと情感が籠もっており、見ていて退屈させないだけのドラマが作られているのが偉い。やはり「気持ちの良い」アニメだ。「変わること」「進むこと」をテーマとしているようなので、今後も刺激的な「変化」や「進歩」が見られると良いですわ。

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 ぼちぼちこの作品が見えてきたかな、第6話。第1話目でなにやら怪しげなことをやられたもんだから、すわ何かが起こると期待して見ていたものだが、どうも、最近は流れ作業での進行が続いているような気がする。今回はメンバーの中でもキーパーソンとなりうるだろうせいらのメイン回、色々と主義主張を振りかざして盛り上がるエピソードになると思ったのだが、うーむ。

 基本的に、この作品は外に開かれた世界の描写がほとんど無い。2話目以降は学園内だけでほとんど話が進んでおり、毎回登場する「今回のダエモニア」は必ず「なんか適当な悲劇」をインスタントに作り出してその任に当たらせている。今回は特にそれが分かりやすく、せいらのインスタントな友達が、インスタントなピンチを乗り越えるためにインスタントな悲劇を生み出してしまった。せいらが肩入れするにはまだまだ心情のストックが足りないように見えたし、そもそも犠牲になった方の子が何であそこまで頑張って友達のために尽くしていたのかもよく分からない(理由付けはされているのだが、それが事実として伝わってこない)。シナリオは着実に進み、無事にあかりとせいらが友情タッグを組めたわけだが、そこまでに起こりえた様々なドラマが、残念な形で消化されてしまった。

 中の人の影響も大いにあるのだろうが、どうしてもこの脚本で比べてしまうのは「まどマギ」である。もちろん、「魔女化した友人を救う」という大義名分で戦い抜いて散っていった杏子と、そこまで杏子を追い詰めながらも、涙無しでは見られないだけの友情も形成したさやかの2人の魔法少女のエピソードだ。今回のせいらの悩みも、ざっくりまとめてしまえばまどマギ9話の杏子の心情と同じものだ。あちらはたっぷり1話でドラマが作られていたが、こちらは残念ながら、出会いと動機と悲劇と克服と成長が全部まとめて30分。そりゃ、描ける内容にも限度ってものがあるだろう。ちょっと比べものにはならない。

 もちろん、全く目的が異なるまどマギとこのお話を比較するのはお門違いであろう。より近いものを探すなら、1話完結で敵を打開していく変身少女もの、つまりセーラームーンやプリキュアの方が近い。そう考えれば、インスタントな友情物語だって良く見る光景である。ただ、良く見る光景なだけに、わざわざこの作品でやってもらわなくてもいいものであるのも事実。せっかくそれなりにオリジナリティを持った設定を色々と用意したのに、「朝の子ども向けアニメの雑多な焼き直し」になってしまうのは非常に勿体ないのである。まぁ、ここまでの展開は全てお約束を片付けるだけの消化試合だと仮定すれば、ひょっとしたらここから何かエキセントリックなものが飛び出すのかもしれないが……現時点では、最初に持った期待感はどんどんしぼんでいるのが正直なところ。冬菜ちゃん、何とかこの状況を打開してもらえませんかねぇ。でもなぁ、既に冬菜も有象無象の「涙ながらにダエモニアの犠牲になった身内の方々」の1部に紛れちゃってる感があるしなぁ。あれだけの憎悪のパワーがあったのに、「手術で友達を助けたいだけの女の子」や「気付けば闇金に手を出してボロボロ破産状態の経営者」と並んで処理されているのは釈然としない……。ちょっと全員のサイコパス係数を計ってみようよ。多分、冬菜ちゃんは免罪体質だから平気だよ(中の人的に)。

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 生臭ぇアニメだな、第5話。だいぶテンプレも固まってきたようだが、今作のテンプレに加えて、色んなドラマのテンプレがそのままプロットとして埋め込まれているだけなので、話を追いかけるのはすげぇ簡単。この生臭さ、分かりやすさを味と受け取るかどうかだが……。

 あかりのキャラ設定は前回まででぼちぼち固まったので、あとは回りのメンバーの紹介エピソードということになる。今回のメインは、父娘ともども「間違った関西人イメージ」のテンプレで固められた白金ぎんかちゃんである。関西少女の鉄板と言えばなんと言っても妹尾あいこちゃんが真っ先に浮かぶわけだが、何故大阪娘は父との2人暮らしイメージが強いのだろうか。関西のおばはんだとどうしてもギャグに寄りすぎるせいか? 当然のように貧乏な過去を持っているが、たこ焼き器の開発販売を経てドンキの社長にまで成り上がり、その利益でもってエレメンタルタロットの養成校の支援をするという、非常に便利な設定のおとんである。普通この手の浪花の商人キャラは徹底した現実主義、拝金主義者として描かれる場合が多いが、このおとんの場合は血筋のおかげかちゃんとファンタジー世界にも理解があり、いざというときのためにポケットに「節制」の護符を忍ばせておくという念の入れよう。何とも不思議な世界観を体現している。それ以外の側面は「理想の経営者」像そのまんまだと思えば大体間違ってないな。しかしドンキで売ってた商品で火傷する客って、一体何をどういじったんですかねぇ。

 今回も実に下世話な方向性から攻めてくるダエモニアの草の根作戦。相変わらずやたらあかりたちの周辺に関係する部分しか攻めてこないのは、それが狙いなのかたまたまなのかよく分からないが、やってることは非常にシンプル。前回の嫉妬話もそうだが、基本的にダエモニアは「邪魔ならぶっ殺せばいいじゃん」という明快な答えしか提示してくれない。裏で糸を引いてるジェイス子ちゃん(命名おれ)の方針がそうなのだろうか。「ちやほやされてる同輩が憎い」→「じゃあ殺そう!」「そんな女に手込めにされてる男が憎い」→「それも殺そう!」「借金でヤクザもんに臓器売られる」→「全部殺そう!」……まぁ、シンプルでいいよね。謎の目的意識ばかりが研ぎ澄まされたジコチューを操るよりは直接的に人間界を渾沌に陥れられるだろうから、悪の組織としては正しい方向性なのかもしれない。最終的に憑依先の人間の自我も奪って取り殺しちゃうし、あげく事後には記憶すら消えるようなので後腐れもないし。エラく都合の良い設定だけどな……おかげで、今回はぎんかちゃんの思い出との葛藤が描かれなきゃいけないはずなのに、あまりにもあっさり処理しすぎですけどね。ぎんかちゃんの性格から、なるべくはっきり割り切ってみせた気丈な態度を示すエンディングなんだろうが、無闇にドライに見えてしまったのはちょっと難点。一応、あかりの「声を聞く」能力について安易に答えを出さなかったのは今後を考えると正しい方向性だとは思うけど。今のところ、あの能力で救われた人間はいないな。

 そういえば、本田のおっちゃんと一緒に飲みに行ってた同業者の2人は結局あれから殺されてしまったのだろうか。あいつら何の関係もないし、おっちゃんもダエモニアも殺す必要は何一つ無かったはずなんだが……実は進撃なみに死人の多いアニメ。槙島さんでももうちょっと自重するわ。次は何人死ぬでしょうね。まぁ、死んだはずの冬菜さんは生前よりもポジティブな登場シーンが多いですけども。冬菜を単なる思い出にしてはいけない(戒め)。

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 敵側の少年の衣装がジェイスにしか見えない、第4話。そりゃ精神を操る魔法が得意なはずである。触手っぽい武器を使うのもなんか納得、あいつ、ウナギっぽい魚とか使役してるからな。

 ダイモニアに取り付かれた一般人が現れて、それをぶっ叩くうちに仲間内の意思疎通が行われていくというお話の構成になっている。こうしてみるとまるで仮面ライダーのお悩み解決展開のようである。ただ、違うのはキタエリによって容赦無く取り付かれた人間もろともぶっ殺されるというところ。まぁ、現時点では取り憑かれた人間についての意見が真っ二つに分かれているからそうなってるだけだけどね。今後は仲間内で過去話なども展開させながら意思疎通していく展開になるだろうから、被害者の扱いも変わっていくことだろう。でないとあかりが救われないからな。毎回毎回従姉妹の死に顔動画ばっかり再生されてたら、そらおかしくもなるわ。冬菜ちゃんは本当に「あかりの後悔の念」の象徴でしかないのだろうか。復活無いかなぁ、出来れば悪側で。

 今回のお悩みは、エラいストレートな形での「世の中間違ってる」思想を持つ女子高生。CV早見沙織での悪堕ちというなかなか貴重なシチュエーションで、うなったりよがったりするはやみんの声が聞けるのは実によろしい。まぁ、キャラデザがアレなので大して萌えポイントは加算されないのが難だが、悪堕ちの展開が非常に分かりやすかったし、あの絵でも充分キチッちゃってる感じは出ているので、序盤のミッションとしてはすんなり解決出来るものである。

 今回ダエモニアの誕生の秘密も解説され、それによると敵側も含めて全てがタロットモチーフでまとめられているらしい。一応、ゲストキャラにもタロットはあてがわれているようで、具現化した時にもそのモチーフが踏襲されてるのかな? いや、よくわからんかったけども。どっちかっていうと、具現化させてしまった人間の欲望がそのまま様々なガジェットとなって全体像を構成するというコンセプト自体はまどマギの魔女化と同じに見える。まぁ、イヌカレー空間よりはよっぽどシンプルで分かりやすいけども、その分面白味には欠けるだろうか。ただ、魔女と違ってダエモニアは(何故か)はっきりと会話出来るので、堕ちてしまった人間との対話というシナリオが書きやすく、よりシンプルな人情ドラマが構成しやすい。今後はその辺もダークなシナリオを交えながら書いてくことになるんでしょうかね。今となっては割と陳腐な中身ではあるので、何とかこの作品オリジナルの見せ方を出してほしいところである。

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 最近、おかん役が井上喜久子・久川綾の寡占状態になってる気がする第2話。2人の同年代もたくさんいるんだからもう少し散らしてもいい気がするんだが……積極的に役を取りに来るのがこの2人なのだろうか。キャスティングする側がめんどくさくなっているのだろうか。謎である。いや、文句は無いんだけども。

 さておき2話目。1話の衝撃展開に比べると予定調和な部分が多く、正直言うと肩透かしをくらった部分が多い。中でも一番しょぼんだったのは「単なる記憶改竄だったのか……」という部分で、この分だとあの巨乳眼鏡あやねる娘は単なる過去のトラウマでしかなく、今後あの嫌らしい顔を見ることが出来ないということになってしまう。毎回バンクで繰り返し死に顔が拝めるのでそれはそれで面白いのだが、あの子の腹黒っぷりは最後の最後まであかりちゃんを苦しめる最大の害悪として活躍して欲しかったところ。ま、理由を付ければなんでも有りの世界なので、敵側の狙いで復活させたりするのはありだと思うのだが、現状では敵勢力はあまりまとまった組織ではないんだよね。やってることはイマジンと同じで、ぽっと出て各個撃破される程度のものである。あんまり頭の良い戦略とかはなさそう。今後最低もう一捻りはすると思うが、このまんまだと単なる火力バトルになってしまいそうで不安だ。ジュエルシード集めの陰にはテスタロッサさんを置いてくれないとお話にならないと思うのだけどなぁ。

 まぁ、まだ2話ですからね。ここからひょっとしたら学園ドタバタコメディになるかもしれないわけで(無い)、あれこれ憶測で文句を言うのも野暮ってものでしょう。今回あかりが入学したタロットな学園は上層部がなかなか素敵な面子なので、学園が一丸となって敵にあたるシナリオを期待したい。各々がタロットカードモチーフの能力持ちっていう設定は、シンプルなおかげで分かりやすくはあるし、見せ方次第ではコンビネーションとかも作りやすそう。次に登場する「愚者」のカードが一体どんな能力なのかとか、想像もつかないし。遠藤綾ボイスのおねーさんは「世界」らしいのだが、時を止めずに何をする能力なんだろうね。ちなみに、タロットモチーフと言われると「太陽とか雑魚じゃん」と思ってしまうのも、名前が「白金ぎんが」だからこいつが星のカードなんだとか誤解しちゃうのも、全部ジョジョが悪い。星のカード、隣に座ってるやないか。まぁ、なんで白金ぎんがでテンパランスなのかはよく分からないけどさ。

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関西在住の、アニメを見ることを生業にしてるニート。必死で好きな声優を12人まで絞ったら以下のようになった。
大原さやか 桑島法子
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