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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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「機動戦士ガンダムAGE」 4→4

 長かった歴史の閉幕。うん、最終話はきちんと見させてもらったけど、ちゃんと幕は閉じていたと思いますよ。

 「ガンダム」という看板もあるせいか、色々と話題の尽きなかった今作。基本的にあまり良い評価が聞こえてこなかったが、個人的には(あんまり真剣に見てなかったこともあるが)、そこまで毛嫌いするようなものではなかった、と思っている。免罪符にして逃げてしまうのはまずかろうが「子供向け」という軸を持っていたのでそれに向けて多少なりともこれまでと違った作品作りを求められていたのは事実であるし、そっち方面への切り出し方として、とにかくよく分からんけど宇宙でロボットが暴れるアニメとしては、案外画面は楽しかったと思うのだ。不可解な必殺技や不可解な概念、不可解な戦争も、どうせ子供にわかんねーんだから勢いで押しちゃえよ、というのが狙いだったとしたら、こけおどしとしての「ガンダム」はそこまで的外れだったとも思わない。ヴェイガン側のモビルスーツのデザインなんかは、ちゃんと一目で「悪い奴だ」と分かるように作られており、戦闘シーンだけを見れば勧善懲悪のドンパチは分かりやすく出来ていたんじゃなかろうか。

 ただまぁ、もう少し掘りさげようとしてしまうと、どうしたって難点は見えてくる。シナリオについては、ものすごく大枠の設定だけなら、非常に面白いと思った。「親子三代のガンダム戦記」というのは馬鹿馬鹿しくも思ったが実は案外斬新な設定で、最終的にじいちゃんから孫までが顔を連ねて「俺たちのガンダム」を駆りながら戦うというのは、間違いなく「過去にはなし得なかったもの」だ。3人が3人とも違った思想を持ち、血のつながりがありながらも味方同士で対立し、それぞれの信念を形成していくという部分も、アウトラインだけを見ればホームドラマの延長なのだから、これはこれでアリだろう。これできちんと1人1人のキャラを丁寧に見せ、「立ち上がり」「ぶつかる」過程に説得力が生み出せれば、一風変わった家族もののアニメとして面白くなる要素は多かったはずだ。

 ただ、いかんせんその脚本がグダグダだ。今作の問題点は、その1点に集約されていると言い切っても良いかもしれない。主人公の考えが分からない、何故その事件が起こるのか分からない、何故そこに時間を割くのかが分からない、何故そこを描かないのか分からない。とにかく、「ここがこうなれば面白そう」というこちらの思惑をことごとくハズしたような不可解な構成でもって、どうにもすっきりしない方向へと物語は進む。1つ1つのファクターについて「多分こういうことが描きたいんだろうな」というのは何となく分かるのだが、「それを描くならそうじゃないだろ」という切り口ばかりが目立つ。「尺が足りてない」というのももちろんあったとは思うが、最終的にはどちらかというと「思慮が足りてない」という方が正しかったんじゃなかろうか。どうも、いちいちシナリオの大局が見えておらず、行き当たりばったりでその場の筋立てだけを考えているような印象がぬぐい切れなかった。

 そのことは最終回だけを真剣に見ても分かりやすい。最後の最後までお騒がせだったフリットじいさんが、もう一回引き金を引けば終わる、という時点で突然改心する。キオの説得という要因はあったものの、そんなものは随分前から繰り返されていたのだし、何故あのタイミングで突然しおらしくなったのか、全く分からない。ユリンが出てきたからか。「早見ボイスは宇宙をも救う」がファイナルアンサーか。また、全体を通じて言えるのは、「アセムの存在意義って何さ?」である。フリットが強行派、キオが穏健派、そこまではいいのだが、そうなると間に挟まっているアセムが中途半端。実際、中間層として2人の緩衝材になれば「3世代物語」としては役割を果たしたことになるんだろうが、実際はそうでもない。ついでにもう一つ「ゼハートさん何故死んだ」というのもあり、彼が死んだ理由が全く分からない。アセムの最大の存在意義として、「ゼハートと心の交流をした世代であり、最終的にイゼルカントと和解する際に、アセムとゼハートの絆が一番分かりやすい」という特徴があったはずなのだが、そんな学園青春を思い出す間もなく、何故か一番使いやすそうなゼハートが死んでしまった。ラス前まで生きていた彼の存在意義とはなんだったのだろうか。

 とにかく、1つ1つの要素を見ていくと「これはいらないんじゃ?」「これ、何で無いの?」という、素人目にも不可解な部分が目立つのである。素人が考えるベタベタなお約束なんてあっても仕方ないだけ、という考え方もあるが、それをしなかった結果として謎しか残らないのでは本末転倒だろう。個人的には、基本設定とプロット、そして作画制作陣などを維持して、もう一回別な脚本でこの世界を作ってみてほしい、とすら思う。それだけ、コンテンツとしては魅力があったと思っているのだ。

 褒めてんだか貶してんだか分からなくなったので、最後はきちんと褒めよう。中の人的には、老害の名をほしいままにしたフリットジジイ役の井上和彦が間違いなく看板となった。ライバルキャラとしては、「実はフリットがラスボスでヴェイガンが主人公」という説を強く下支えしたゼハート役の神谷浩史が挙げられるだろうか。あとキオ役の山本和臣も、初の大舞台できちんと存在感を示してくれました。これで名前を覚えられれば、少しは女性と間違われることも減る……のかな……

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