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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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「織田信奈の野望」 5→5

 予想以上に真面目にやって真面目に終わった「戦国もの」。頑張っていたのは間違いないし、それなりに結果を残したのも間違いない。この手の柳の下のどじょう作品の割には、最後まで退屈せずに見られたのがその証拠である。

 「思いの外真面目」というのは、それこそ前例が与えた先入観によるものである。「戦国美少女もの」という謎のジャンルはいつの間にやらすっかり定着してしまっており、わざわざ挙げるのもアホらしくなるくらいに似たようなタイトルが乱立した。本作もそんな中の1つであり、しかもビジュアル面では数多ある類似作品の中でも特に「萌え」に特化した作画になっている。おかげでロリータ半兵衛やらに大量のファンがつくことになり、作品としてはこれ以上無い形で本懐を遂げたことになる。個人的には作中ではやっぱり信奈が一番映えていたと考えているので、その信奈の作画が最後まで徹底的に描き込まれ、綺麗なままだったことは、大いに評価すべきことだろう。どれだけベタだと言われても、世の中はやはり「かわいいは正義」なのである。

 そんな中で、最後に不満が残った部分も。それは、「キャラ萌え」と「真面目な戦国もの」を両立させる上で発生してしまった多少の齟齬である。この作品の基本プロットは、サルが自分の持っている戦国知識を活かしてシミュレーションゲームのように出世を狙うが、後半になると歴史改変によりそうしたアドバンテージが通じなくなり、あとは男気で見せるようになる、という、いわば「タイムスリップもののお約束の面白さ」と、「少年漫画的根性もの」を加えたサクセスストーリー(かつラブストーリー)である。序盤はとんとん拍子で進んだものの、後半にサルの言動が揺れはじめると、それが元で信奈との衝突も多くなっていく。そして、信奈をみたいがためにこの番組を視聴している身としては、このメインとなる展開にどうしても辛いものを感じてしまうのだ。

 ほぼ毎週信奈とサルは意見の相違で衝突していた。信奈の場合は一応「一国の主としての判断」が絡んで来るのだろうが、そこにサルという個人を介入させてしまう迷いみたいなものが不足している。毎回毎回、「サルのおかげで助かった」と思っていながら、何故か次の週にはその功績を忘れ、「サルの戯言なんか使えるわけない」と、今まで以上につんつんした態度に戻ってしまう。そうした「感情のリセット」はサルにも同様にあって、「可愛い女の子とのラブストーリー」として見た場合、その部分だけがどうしても不自然。序盤にあれだけ心を通わせたと思ったのに、中盤以降で「やっぱりお互いこれっぽちも信用してないやないか」と思うとショボンとしてしまうのである。結局、それが元でサルか信奈のどちらかが絶対絶命のピンチになるという展開もお約束だし、後半になると、サルは「どれだけの人から生かしてもらっているのか」ということを回りの人間から次々に説得されるのに、それも学習できずに「信奈のためにここで死ぬ」とわがまま勝手に暴れるばかり。どうも、キャラの考えていることが追いにくく、感情移入しにくい作品であった。

 ま、どうしたって1クールのアニメ作品でイベントを繋げていこうとするとワンパターンになってしまうのは仕方ない部分ではあるのだが……もう少し話の展開にバリエーションを与えてくれた方が、付加価値がついて面白くなったんじゃないかな、と思うのである。いや、付加価値っていうのは光秀との料理対決とかではなくてね。

 ただ、そうしたラブロマンスとしては不満はあったものの、真っ当な「タイムスリップもの」としての骨子は出来ていたし、落としどころとしては妥当であったと思う。ラストの比叡山焼き討ちの解題の仕方なんかは割と上手かったと思うし。ボスキャラがややショボかったのは残念だが、史実と照らし合わせるとこれは仕方ない部分だったか。あ、繰り返しになりますが、女の子は可愛いと思いますよ。ぼくは信奈ちゃんだけど、実は松永久秀も結構好き。あと、浅井とお市の性別ネタなんかはちょっと面白かった。であるか! 

 というわけで中の人だが、やっぱり伊藤かな恵である。時点は矢作パイセンかな。ここ最近の作品で織田信長を演じた役者、っていうのも結構なラインナップだが、実は光秀を演じた人間を並べる方が迫力がある気がする。参考までに一部作品の信長→「若本則夫」「豊口めぐみ」「小山力也」「大久保瑠美」「伊藤かな恵」。光秀→「速水奨」「喜多村英梨」「田中秀幸」「日笠陽子」「矢作紗友里」。……やっぱバサラのギャグっぷりが半端無い。

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