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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 さて、結果が出ましたが……うん……なんだろうね、この結果を見たときの感情は……何と表したらいいのかまだ整理がついてないけど、失望のような、憤慨のような、諦観のような……。これまで9年間に渡って追いかけてきたこの声優アワード。来年は節目となる10年目になるわけですが、今年はかなり明らかに、その旗幟を鮮明にした印象がある。毎年1部門ずつ見て一喜一憂してきましたが、今年は少し形を変えて、アワード全体に対する考察をいくらか綴っていきたいと思います。




○主演男優賞

福山潤(06) 宮野真守(07) 神谷浩史(08)

小野大輔(09) 該当無し(10) 平田広明(11) 梶裕貴(12)(13)

2014・小野大輔

 

○主演女優賞

朴璐美(06) 平野綾(07) 釘宮理恵(08) 沢城みゆき(09)

豊崎愛生(10) 悠木碧(11) 阿澄佳奈(12) 佐藤利奈(13)

2014・神田沙也加

 

○助演男優賞 

石田彰 宮田幸季(06) 神谷浩史 小野大輔(07)

井上和彦・杉田智和(08) 浪川大輔 三木眞一郎(09)

岡本信彦・中井和哉(10) 木村良平・宮野真守(11)

小野友樹・諏訪部順一(12) 細谷佳正(13)

2014・小西克幸・森川智之

 

○助演女優賞

小清水亜美 後藤邑子(06) 釘宮理恵 斎賀みつき(07) 

遠藤綾 沢城みゆき(08) 井上喜久子 堀江由衣(09)

新井里美 伊藤かな恵(10) 加藤英美里(11) 

大原さやか・戸松遥(12) 石川由依(13)

2014・沢城みゆき・花澤香菜

 

 主要4賞はアワードの花形。この部門でアワードの全てが決まると言っても過言ではない。そして、毎回議論が紛糾するのは当然これらの部門。今年も、例年以上に波乱を呼ぶ結果になっている。

 初見での印象は、当然「なんやそれ!」である。私と同じ目線の人間も決して少なくはないと信じたいのでひとまず先にそこだけは書かせてもらうが、何と言っても主演女優のところに声優という肩書きを冠していいのかどうかすらよく分からない名前が掲載され、それ以外の部門では、小野Dが5年越しの再受賞、みゆきちに至っては6年ぶり、そして都合4度目の登場。小野Dも今回パーソナリティ賞に名前が出ているので4つ目のタイトルである。「今年はどんな名前が出てくるんだろうね」と色々想像していた身としては、全くもって想定の外、そして面白くない結果となった。ぶっちゃけファーストインプレッションは最悪である。9年やっててそこなの? という話である。

 しかし、今年の結果がこうなる萌芽は、既に過去の記録に存在していた。昨年度の石川由依の受賞は「進撃」の作品賞としての色合いが強く、今年の「アナ雪」受賞の前振りとして機能しているし、同様に「進撃」推しの要素も強かった梶君の連続受賞も、「主演賞ですら1回取ったら終わりじゃない」という前例となっており、小野Dの受賞をサポートしている。いわんや助演をや、である。つまり、今年度の受賞者リストは、アワードの審査基準に当てはめれば、「至極まっとうなもの」なのである。

 今年の結果を改めて総覧すると、運営側の確固たる意志が確認できる。それは、「声優」という商品、ブランド認識をなんとかして一般層にまで浸透させ、いわゆるタレントとして、その認知を広めたいという思いである。神田沙也加の受賞という事象に、それ以外の意図をくみ取ることはまず不可能だ(正直言うとわたしゃ「アナ雪」を見ていないので、彼女の声優としての仕事があまりに素晴らしく、世に溢れる木っ端声優を吹き飛ばしてしまうほどのビッグバンを引き起こしたという可能性を否定する理由は何も無いが、管見の限りではそんなことは無いと思われる)。今年、いわゆるオタク層以外の人間が最も目にした話題作といえば間違いなく「アナ雪」だ。普段アニメを見ない層でも、非常に多くの日本人が作品に触れ、彼女が「声優」の仕事をしたことを認識している。その唯一の仕事を今回のアワードのトップに持ってくることが、とにかく一般層がアワードに目を向けるきっかけにはなりうる。そして、その他の部門についても、この向けられた視線を更に引きこむための導線として働いている。若手声優の中で一般に認知されやすい存在といえば、「ルパン」声優として話題を集めたみゆきちであろうし、そこから圧倒的出演本数でいわゆる深夜アニメ帯を代表する花澤香菜に繋がる。最近は花澤がワイドショーに出演したなんて話も出ているし、業界が「声優に興味の無い層」に開く門扉としては、この2人は最善のものである。男性の方も同じで、話題の引っ張りやすさでいえば、知名度は間違いなく高いであろう「ジョジョ」の冠を頂く小野Dは昨年度の梶君同様に一般層にも分かりやすく、「帝王」森川も「あぁ、聞いたことある」となる可能性が高いだろう。こうして並べれば、何らかのきっかけでアワードの記事を目にした人間に対し、「ほら、声優ってのはこういう人たちなんだよ、見たことあるでしょう? 聞いたことあるんじゃない?」とアピールするための広告塔の役割を果たすメンバーが取りそろえられたわけである(まぁ、こにたんだけそういう意味ではちょっと違うかもしれないけども)。

 業界全体の方針として、この方向性は全くもって健常なものである。「声優という存在を知ってもらう」ことこそが業界全体の希望であろうし、「アナ雪」規模でのヒット作から声優に注目が集まるのなら、これまでの「一部コア層のみの嗜好品」から、更に大きな市場へと拡大し、声優にとっては大きなチャンスになり、日本の「芸能」の一大潮流として「声優」文化を広められるかもしれないのだ。そして、業界を牽引する意志があるならば、それを目指して然るべきだろう。そういう意味では、今年度のラインナップはこれまでで最もはっきりと運営側の意志が示され、メッセージ性の強い分かりやすい結果であったと言えるのである。

 

 ただ……やっぱり納得はいかないんだよね……何故私が不満に感じるかといえば、それは「運営側が見てくれなかった方の層」に位置しているからである。「一般層に目を向ける」「知らない人に知ってもらう」目的のイベントであると割り切ってしまっていれば、そりゃまぁ、「既に知ってる」人間からしたら面白味はないわけで。言ってしまえば、「声優という文化を評する基準」として、アワードは私個人の興味の対象からは完全にずれてしまったということになる。

 折良く、先頃「声優論」という書籍が発売され、一部で話題を呼んだ。当然私も声オタの端くれとして読ませてもらったが、そこで行われていた試みは非常に興味深いものだ。誤解を恐れずに極論してしまえば、声優を評する基準というのは「俺は好きだけど」の一言に集約されてしまう。もちろん、圧倒的棒スキルってのは存在するので最低限の尺度はあるだろうが、一定のレベルを超えれば、何をもって巧拙とするかの基準というのは基本的に存在しないと言っていい。よく目にする「声優のスキル」の議論では宮崎駿、富野由悠季の2人が駆り出されて「娼婦の声云々」の発言から「演技の自然さ」なんて基準が出てくるが、「自然さ」という言葉も基準が無いのだから意味が無い。能狂言の謡いを見て、歌舞伎の見得を見て、「なんだあの不自然な動きは」なんていう人間がいないのと同じで、「声優」という文化(もっと絞るならアニメ声優という文化)におけるスタイルというのは、それ独自の尺度を持っていてしかるべきである。ただ、現時点ではアニメという媒体はそこまでの爛熟を迎えておらず、受け入れる人間の数だけ基準があり、それ即ち「俺は好きだけど」になってしまう。

 「声優論」の中では、こうした「俺好きだけど」になんとか理由をつけて、いくらか共有しやすい部分を作って議論の俎上にのせる努力をしている。「巧さ」「良さ」の基盤を作り、声優文化を1つの人文学のジャンルにしようと試みている。そのために現象学の手法を用いたり、音声学の観点から「好ましさ」を切り出したりするわけだ。与えられたページ数の少なさもあり、現時点では流石にその試みが成功しているとは言い難いが、叩き台にして今後の「声優学」を作るための橋頭堡として一定以上の価値があっただろう。

 そして、この声優アワードというイベントにも、また別の「声優学」がある。いわば「商品としての声優」である。どうやったら見映えが良くなるか、どうやったらたくさんの人に興味を持ってもらえるか。そうした視点から作られた声優の「看板」がこのアワードだ。改めて公式ページを見てみるとなかなか上手い書き方になっており、「声優アワードは、その年度に『最も印象に残る』声優や作品を対象に、その業績を称える」イベントなのである。「印象に残る」というふわっとした言い方は、上記のように「声優を評する」ことの難しさを理解し、茨の道に踏み込まないための策である。「最も印象に残る」は「最もたくさんの人に観てもらう」と言い換えてしまっても誰も文句は言えないし、それがまっとうな審査基準になる。そこに「役者としての巧さ」が必要とは一言も言っていないし、「常に多様性を求めます」とか、「新しい可能性を探ります」なんてことは何も書かれていないのだ。その時々に応じて「見映えのする」看板を常に用意するだけだ。

 改めて確認するが、このアワードの持つ姿勢は決して悪いものではない。いや、むしろこれまでで一番まっとうである。ただ、あくまで私のような人間は「声優論」で追い求める方向での発展が見たいのであって、こうした業界の狙いに興味が持ちにくいだけの話である。文学者と作家は違っているし、理論学者と開発者も同じではない。今後の業界の発展を考えるならば、私が今回「なんやそれ!」とガッカリしたような失望感を与えないように、そのあたりの線引きをしっかりと行い、効果的なマーケティング効率と、より客観性の強い「芸能」としての評価の基準を見極めていくことだろう。今回のアワードは、声優に興味があった人間ならば、業界の今後を考える上での1つの素材として、考えるべき価値のあるものである。

 

 以上、今回のアワードで私がつらつらと悩み考えたことでした。来年以降はもうアワード予想とかする意味がなさそうなのは残念至極。

 

以下、残りの部門のリスト。

 

○新人男優賞

柿原哲也 森田成一(06) 波多野渉 代永翼(07)

岡本信彦 梶裕貴(08) 阿部敦 前野智昭(09) 

内山昂輝(10) 江口拓也・松岡禎丞(11) 

島崎信長・山本和臣(12) 石川界人・山下大輝(13)

2014・逢坂良太・斉藤壮馬・花江夏樹

 

○新人女優賞

平野綾 鹿野優以(06) 加藤英美里 小林ゆう(07)

阿澄佳奈 戸松遥(08) 伊藤かな恵 豊崎愛生(09)

金元寿子 佐藤聡美(10) 茅野愛衣・三上枝織(11)

石原夏織・大久保瑠美(12) 内田真礼(13)

2014・雨宮天・上田麗奈・洲崎綾

 

 なんやかんや言っても上田麗奈の受賞はちょっと嬉しかったり。ぺがどういう風にいじられるかは楽しみである。

 

 

○歌唱賞

水樹奈々(06) 平野綾・加藤英美里・福原香織・遠藤綾(07)

中島愛(08) 放課後ティータイム(09) 茅原実里(10) 

STRISH(11) 後ろから這いより隊G(12) 宮野真守(13)

2014・μ‘s

 

知ってた。

 

○パーソナリティ賞

浅野真澄(06) 鈴村健一(07) 神谷浩史(08)

小野坂昌也(09) 豊崎愛生(10) 

井口裕香(11) 岩田光央(12) 該当者無し(13)

2014・小野大輔・神谷浩史

 

○功労賞 ・ 大竹宏・白石冬美

○シナジー賞 ・ 妖怪ウォッチ

○富山敬賞 ・ 大塚明夫

○高橋和枝賞 ・ 高島雅羅

○キッズファミリー賞 ・ 小桜エツコ

○特別賞 ・ Wake Up Girls!

○最多得票賞 ・ 神谷浩史

 

 まー、どんな形で話題を呼んでも、ちゃんと最後にヒロシがオチつけてくれるっていう安心感はあるよな。ひょっとしてそのための賞なのか?!

 

 

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